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[debian-devel:00679] Debian FAQ Ch.15 & Ch.16



八田@日本インターシステムズです。

Debian FAQ 15章、16章の訳ができましたので送付します。

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15.  商用の製品としてDebian GNU/Linux を再配布する


15.1. Debian の CD を作って売ることができますか?

ええ、どうぞ。私達がリリースしたものはどれでも配布するのに許可はいりま
せん。ですから、βテストが済み次第 CD を作成することができます。何も支
払う必要はありません。しかしながら、私達は Debian プロジェクトにお金や
ソフトウェア、時間などを寄付した CD 製造業者のリストを発行して、寄付を
行っている製造業者から購入するようにユーザに勧めるつもりです。寄付は良
い宣伝となります。もちろん全ての CD 製造業者は Debian に含まれているプ
ログラムの使用許諾を尊重しなければなりません。たとえば、多くのプログラ
ムが GPL を使用許諾として採用しています。GPL はプログラムのソースコー
ドも提供するように要求しています。


15.2.  Debian をフリーではないソフトウェアと一緒にパッケージにできます
か?

はい。Debian の主要な構成要素はすべてフリーソフトウェアですが、自由に
再配布できないプログラムのための non-free ディレクトリも提供しています。
使用許諾条件やソフトウェアパッケージの作者との個別の調整によっては、CD 
製造業者はこのディレクトリに置いてあるプログラムを配布できるかもしれま
せん。CD 製造業者はまた、同じ CD の別のソースから取得したフリーではな
いソフトウェアを配布することもできます。この状況はなんら新しいものでは
ありません。今や、フリーなソフトウェアと商用のソフトウェアを同じ CD に
入れて配布している製造業者は数多くいます。もちろん私達は、ソフトウェア
の作者に彼らが書いたプログラムをフリーソフトウェアとしてリリースするよ
うに勧めています。


15.3. 私は垂直市場向けに特殊な Linux の配布版を作成しています。Linux 
システムの核として Deian GNU/Linux を使ってその上にアプリケーションを
作成してもいいですか?

はい。例えば、無線アマチュア向けの特殊なプログラムが付属しているハム用 
Linux 配布版を作っている人がいるとします。Debian を基本システムとして
始め、トランスミッタを制御するプログラムや衛星を追尾するプログラムなど
を追加して行きます。付け加えられたプログラムはすべて Debian パッケージ
システムでパッケージ化されているので、ユーザは次の CD がリリースされた
とき簡単にアップグレードできます。

開発者やシステム管理者向けに、他のパッケージをインストールしても上書き
されることがないようなやり方で、選択したファイルのローカルバージョンを
インストールするための仕組みが Debian にはあります。多様性に関する質問
(11.6)で詳しく述べられています。


15.4.  Debian システムへのインストールを楽にするために私が作成した商用
のプログラムをパッケージにしてもいいですか?

すぐにでもどうぞ。パッケージツールはフリーソフトウェアです。


16. Debian Linux の次のメジャーリリースでどのような変更が行われると予
想しておくべきでしょうか?


16.1.  ブートフロッピーへの新しいアプローチ

Linux 用のドライバが作成されているハードウェアにすべて対応するために、
なおかつ 5 インチフロッピーディスクに収めたブートフロッピーを提供する
ために、Debian 1.2 は、モジュールとして分割できるすべてのドライバにア
クセスするためのしくみを持つようになるでしょう。(この作業はまだ部分的
にしかできていません)

デフォルトのカーネルは、IDE も SCSI もなく小さなものです。ユーザがシス
テムをセットアップするとき、立ち上げ時にロードする RAM ディスクイメー
ジを構築します。RAM ディスク上のスクリプトは、ルートファイルシステムを
マウントする前に個々のマシンのハードウェア構成に従ったモジュールをロー
ドします。まだモジュール化されていないいくつかのものは、デフォルトカー
ネルに含まれます。

ストリップ済みのカーネルと圧縮されたインストール用ルートファイルシステ
ムは 1200K のフロッピー 1 枚に収まり、上に書いたように見事に動きます。
このフロッピーにはきわめてよく使われるモジュールもいくつか含まれていま
す。そのモジュールを用いると、マシン構成に応じた他のモジュールを含むフ
ロッピー(か CD)をさらに読み込めるようになります。8Mバイトの RAM と CD 
か DOS のハードディスクを持つシステムでもフロッピーレスで立ち上げるこ
とができるようになるでしょう。フロッピードライブ1台だけと NFS で立ち上
げることもできるでしょう。/usr/src/linux/Documentation/initrd.txt をご
覧ください。


16.2.  高まるセキュリティ

Debian にシャドウパスワードのためのプログラムとライブラリを用意する予
定です。これはルート以外のすべてのユーザからパスワードファイルの平文テ
キストを隠蔽し、端末アクセス制御とユーザおよびグループ管理を行うための
ものです。詳細は
(http://sunsite.unc.edu/mdw/HOWTO/Shadow-Password-HOWTO.html)をご覧く
ださい。もちろんこの文書は、Debian の doc-linux パッケージの HOWTO の
中にも含まれています。

関連する Debian のユーティリティはたいていシャドウパスワードをサポート
するよう変更されました。この中には、vipw や vigr のほか、デフォルトの
ログインユーティリティもあります。X11 のログインユーティリティ xdm や 
adduser スクリプトもシャドウパスワードを意識したものになるでしょう。加
えて、シャドウパッケージ自体も若干修正されます。

さらに、アプリケーション固有の原則に則り、システム管理者が権限を選べる
ようにする接続可能認証モジュールの Linux ライブラリ
((http://parc.power.net/morgan/Linux-PAM/)別名 libpam)も利用できるよう
になり、シャドウパスワードをもちいて認証を行うように初期設定されるでしょ
う。


16.3.  非英語圏ユーザのさらなるサポート

Debian はすでに非英語圏のユーザをいくらかサポートしています。より多く
の言語をサポートしてくれる人々を見付けられたらと思っています。すでに国
際化をサポートしているプログラムもあります。これらのプログラムのメッセー
ジカタログが必要です。国際化しなければならないプログラムもまだまだ多く
残っています。


16.4.  より多くのアーキテクチャ

現在、完全な Debian のリリースは i386 アーキテクチャでのみ利用できます。
他のアーキテクチャ上で動く完全な Debian システムはもうすぐ現れると思い
ます。
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以上です。

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// All I need to know about life I learned computers.
// 日本インターシステムズ(株) 共通システム部 八田修三
// e-mail : hattas@xxxxxxxxxxxxxx / hattas.nisz.co.jp
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