Debian Installer は公式の Debian インストールシステムです。このインストーラは、様々なインストール方法を提供しています。お使いのシステムにインストールするのにどの方法が利用できるかは、使っているアーキテクチャに依存します。
etch 用のインストーラのイメージは、インストールガイドとともに Debian
のウェブサイト
にあります。
インストールガイドは、Debian 公式 CD/DVD セットの 1 枚目の CD/DVD 内の、次の場所にも含まれています。
/doc/install/manual/言語/index.html
これまでに知られている問題点を列挙した debian-installer の正誤表
も確認しておくとよいでしょう。
Debian Installer は、sarge での初めての公式リリース以降も活発に開発されています。その結果、ハードウェアサポートが改良され、ワクワクするような新機能がいくつか追加されました。
このリリースノートでは、インストーラにおける変更点のうち主要なもののみをリストアップします。sarge
以降になされた詳細な変更一覧の概要に興味がある場合は、Debian Installer
のニュースの履歴
で閲覧可能な、etch
用ベータ版やリリース候補版 (RC) のリリースアナウンスを参照してください。
base-config
を実行するステージです。
etch では、第 2 ステージが Debian Installer 本体に統合されました。この統合には多数の利点があります。例えば、セキュリティが強化されます。また、インストールの最後の再起動後には新システムが正しいタイムゾーンを既にもった状態となり、デスクトップ環境をインストールしている場合はすぐにグラフィカルユーザインタフェースが起動されます。
インストーラは暗号化ファイルシステムもセットアップできます。パーティションの手動分割を使用する場合、dm-crypt
と loop-aes
のどちらを使用するか、パスフレーズとランダムなキーのどちらを使用するかを選択したり、様々な他のオプションを調整できます。ガイドつきのパーティション分割を利用する場合、インストーラは、他の
(/boot
以外の)
あらゆるファイルシステムを論理ボリュームとして含む暗号化 LVM
パーティションを作成します。
グラフィカルインストーラは、表現方法が異なるだけで、機能的には通常のインストーラとほぼ同等です。唯一の例外は、グラフィカルフロントエンドが、ランダムなキーを用いた暗号化パーティションのセットアップをサポートしていないということです。
グラフィカルユーザインターフェースの主な利点は、通常のユーザインターフェース (newt) よりも多くの言語をサポートしていることです。グラフィカルインストーラについての詳細と、グラフィカルインストーラと通常のインストーラの重要な相違点は、インストールガイドの付録で記述しています。
注意: グラフィカルユーザインタフェースはすべてのアーキテクチャで利用可能ではありません。
インストーラに rescue を与えて起動するかブートパラメータ rescue/enable=true を追加して、レスキューモードをアクティブにしてください。
sudo
をセットアップし、最初のユーザがシステム管理のためにこのコマンドを使用できるようにします。
apt
を用いて検証されるようになりました。これによって、ネットワーク経由でインストール中のシステムのセキュリティを侵害するのがさらに難しくなりました。
しかし、それ以外のデスクトップ環境をインストールしたいユーザには、ブートパラメータに以下を指定して簡単にインストールできます。KDE の場合には tasks="standard, kde-desktop"、Xfce の場合には tasks="standard, xfce-desktop" としてください。ネットワークミラーを追加パッケージ取得元として使わずに、フル CD イメージからインストールしている場合はうまく動作しません。DVD イメージやその他のインストール方法であればきちんと動作します。
KDE デスクトップや Xfce デスクトップをデフォルトでインストールする、独立した CD イメージも用意しています。
グラフィカルユーザインターフェースを使用する場合、さらに 11 の言語がサポートされています。これらの言語は、非グラフィカル環境では文字を表示できないため、グラフィカルインストーラだけで選択できます。新規にサポートされた言語は、ベンガル語、ゾンカ語、グジャラート語、ヒンディー語、グルジア語、クメール語、マラヤーラム語、ネパール語、パンジャブ語、タミール語、タイ語です。
ロケールを選びたくないユーザは、インストーラの言語選択で C
を選択できるようになりました。d-i
言語一覧
で詳細情報をご覧いただけます。
localization-config
ツールが担当していた多くの国際化・地域化タスクは、現在 Debian
インストーラか、個々のパッケージ自身に含まれています。つまり言語を選択すると、標準システムとデスクトップ環境で、自動的にその言語に必要なパッケージ
(辞書、ドキュメント、フォント……)
をインストールするということです。自動で扱われなくなった設定は、用紙サイズの設定と、言語による
X ウィンドウシステムの高度なキーボード設定です。
言語特有のパッケージは、インストール中で利用可能な場合にのみ、自動的にインストールされることに注意してください。
前のセクションで述べたとおりインストーラに多数の変更が加えられたので、インストーラによる、事前設定ファイルを使用した自動インストールのサポートにも変更がありました。つまり、sarge のインストーラで動いた既存の事前設定ファイルがあっても、修正を加えずにそれが新しいインストーラで動くことは期待できません。
幸いなことに、事前設定の使用方法に関する豊富な文書を含んだ付録がインストールガイド
につけられました。
etch のインストーラには、インストールをさらに、そしてより簡単に自動化できるようにする、ワクワクするような新機能がいくつか追加されました。このインストーラは RAID や LVM、暗号化 LVM を使用した高度なパーティション分割もサポートしています。詳しくは付属文書を参照してください。
インストールシステムが昔のように popularity-contest
パッケージをインストールするよう提案します。このパッケージは sarge
にはデフォルトではインストールされませんでしたが、それより前のリリースではインストールされていました。
popularity-contest
は、ディストリビューション内のどのパッケージが実際に使われているかについての有益な情報を、Debian
プロジェクトに提供してくれます。この情報は、主にインストール CD-ROM
に収録されるパッケージの優先順位を決めるために使われますが、Debian
開発者がもはやメンテナのいないパッケージを引き受けるかどうかを決める際にもよく参照されます。
popularity-contest
からの情報は匿名で処理されます。この公式の調査に参加して Debian
の改良を手伝っていただけるとありがたいです。
Debian GNU/Linux 4.0 ("etch") リリースノート (AMD64 用)
$Id: release-notes.ja.po,v 1.24 2007/04/05 01:34:53 fjp Exp $debian-doc@lists.debian.org