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[debian-devel:00373] FAQ Ch.2



八田@日本インターシステムズです。

橋本さんも笹井さんも仕事が早いですね。
私もたらたら訳さんと、ちゃっちゃと訳さなきゃ。

とりあえず2章です。1章はhtmlベースで訳してしまったので後でtag外してMLに
流します。少々お待ちを。

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2.定義と概観

2.1 Debian GNU/Linux とは何ですか?

Debian GNU/Linux はある Linux オペレーティングシステムの配布版のことであ
り、その上で動く多くのパッケージのことです。原則として、ユーザは Linux
カーネルをインターネットなどから取得することができるでしょうし、ユーザ自
身でコンパイルできるでしょう。同じ方法で多くのアプリケーションのソースコ
ードを取得し、コンパイルし、インストールできるでしょう。複雑なプログラム
では、この手順は時間がかかるばかりか、間違いを誘うものとなります。これを
避けるために、利用者はしばしば Linux 配布者の一つからオペレーティングシ
ステムとアプリケーションを取得することを選びます。様々な Linux 配布者
は、ソフトウェアやプロトコル、アプリケーションパッケージのパッケージ化や
インストール、パッケージの追跡のやり方、組みこまれているインストールと保
守ツール、文書、その他のサービスで区別されます。
Debian GNU/Linux は、アプリケーションを完備したフリーで高品質な Unix 互
換のオペレーティングシステムを作るためにボランティアが努力した成果です。
Unix に似たフリーなシステムというアイデアは GNU プロジェクトによって創案
されました。また、Debian GNU/Linux を有益にしている多くのアプリケーショ
ンを開発したのも GNU プロジェクトです。

1993年に Ian Mardock が Debian を作りました。当初は、Free Software
Foundation の GNU プロジェクトの後援を受けていました。現在、Debian の開
発者達は Debian のことを GNU プロジェクトの直系の子孫であると考えていま
す。

Debian GNU/Linux は

・フル機能 : 現在、Debian 配布版は、700 以上のソフトウェアパッケージを含
んでいます。利用者はどのパッケージをインストールするか選べます。Debian
はインストールのために専用のツールを提供しています。Debian のミラーサイ
トには現在入手できるパッケージの一覧と説明があります。

・自由に使用したり再配布したりできる : 配布と開発に参加するのにコンソー
シアムへの入会や費用などは必要ありません。Debian 配布版の一部分として公
式に含まれているパッケージは、通常、GNU 一般公有使用許諾で定められた条件
の下で、すべて自由に再配布できます。Debian の FTP アーカイブには
(non-free、contrib ディレクトリの下に)約 50 のソフトウェアパッケージも提
供されています。これらのパッケージは、それぞれのパッケージに含まれている
条件に従って配布することができます。

・活発 : およそ 120 人のボランティアが新しいソフトウェアを寄せたり、ソフ
トウェアを改良したりするので、Debian 配布版は迅速に進化しています。ほぼ
3ヵ月ごとに新しいリリースが作成される計画になっています。また FTP サイト
は毎日更新されています。

です。

Debian 自体はフリーなソフトウェアですが、これをベースとして付加価値をつ
けた Linux 配布版を構築できます。信頼できるフル機能のベースシステムが提
供されるので、Debian を使うと Linux ユーザは互換性が増し、Linux 配布版作
成者は同じような努力をせずにすみ、配布版の特色となるものに専念できるよう
になります。

2.2 はい、Debian が何かはわかりました。でも、Linux とは何ですか!?

端的に言って、Linux は Unix に似たオペレーティングシステムのカーネルで
す。もともとは 386/486/Pentium を使用している PC 用に設計されました。現
在では、マルチプロセッサシステムを含む、他のシステムにも移植版が開発中で
す。Linus Torvalds と世界中に散らばっている多くの計算機科学者が開発して
います。

カーネルの他にも、一般に「Linux」システムには下記のものが含まれていま
す。

・Linux ファイルシステム階層標準にしたがったファイルシステム
<http://www.pathname.com/fhs>.

・様々な分野の Unix ユーティリティ。その多くは GNU プロジェクトと Free
Software Foundation が開発しました。

Linux カーネルとファイルシステム、GNU と FSF のユーティリティ、その他の
ユーティリティは POSIX(IEEE1003.1)標準に準拠するように設計されています。
ソースコード互換性(4章2節)をご覧ください。

Linux についての詳細は、Michael Johnson の情報メモ
(ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/docs/HOWTO/INFO-SHEET)と FAQ 自体への
FAQ(ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/docs/HOWTO/META-FAQ)をご覧ください。

2.3 Debian と他の Linux 配布版との違いは何ですか。

三つのキーとなる機能が Debian と他の Linux 配布版を区別しています。

Debian パッケージ保守システム

システム全体、またはシステムを構成する個々の部品を、適切に移行できます。
その際、フォーマットしなおさなくてもいいですし、また、書き換えた構成ファ
イルがなくなることもありませんし、(たいていの場合)システムを再ブートしな
くてすみます。現在入手できるたいていの Linux 配布版には、なんらかのパッ
ケージ保守システムが備わっていますが、Debian パッケージ保守システム(6章)
はユニークで特に頑強です。

開放的な開発

他の Linux 配布版は、個人や小人数の閉鎖的なグループ、商業ベンダが開発し
ているのに対し、Debian は、Linux や他のフリーソフトウェアの精神に則り、
インターネットを通じ多くの個人が協力して開発している唯一の Linux 配布版
です。120 人を越えるボランティアのパッケージ保守係が、700 以上のパッケー
ジに取り組んで Debian GNU/Linux を改良しています。Debian の開発者は、(た
いていの場合)新しくアプリケーションを作成するのではなくて、すでに作成さ
れたソフトウェアをプロジェクトの標準に沿うようにパッケージにしたり、上流
の開発者にバグレポートを送ったり、ユーザサポートを行ったりして貢献してい
ます。詳細は「貢献者になるためには」(14章1節)をご覧ください。

バグ追跡システム

Debian の開発者は地理的に散らばっているので、システム開発を進めるために
はバグとバグフィックスに関する洗練されたツールと迅速なコミュニケーション
が必要です。利用者は一定の形式でバグを報告するよう推奨されています。報告
されたバグは、WWW アーカイブかe-mailを使って、速くアクセスできます。詳細
はこのFAQの「バグ記録の管理について」(13章)をご覧ください。

2.4 Debian プロジェクトはどれくらい Free Software Foundation の GNU プ
ロジェクトと適合している、または比較されるのでしょうか?

Debian システムは、Free Sostware Foundation (http://www.gnu.ai.mit.edu/)
と特に Richard Stallman が最初に擁護者として働いたフリーソフトウェアの理
想に基づいて作られています。FSF の強力なシステム開発ツールやユーティリテ
ィ、アプリケーションも Debian システムの重要な部分です。

Debian プロジェクトは FSF とは異なる団体ですが、さまざまなプロジェクトに
ついて定期的に連絡を取ったり、協力したりしています。FSF は、私たちのシス
テムを「Debian GNU/Linux」と呼ぶように表立って要求しました。私たちはこの
要求に喜んで従っています。
FSF は、HURD (http://www.gnu.ai.mit.edu/software/hurd/hurd.html) をベー
スにした GNU という新しいオペレーティングシステムの開発をずっと昔から目
指しています。

2.5 Debian はどう発音するのですか。また、その意味は?

プロジェクト名は、Deb'-ian と eは短く、また第一音節にアクセントを置いて
発音します。この語は、Debra および Ian Murdock の名前を短縮したもので
す。二人はプロジェクトを立ちあげました。(辞書によるとIanの発音には少しば
かり曖昧さが見られます。Ian は ee'-an という発音を好んでいます)
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以上。

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// All I need to know about life I learned from computers.
// 日本インターシステムズ株式會社 共通システム部  八田修三
// hattas@xxxxxxxxxx / hattas@xxxxxxxxxxxxxx
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