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[debian-devel:00347] FAQ Ch.3



橋本@聖和大です。
分担の片方、3章はできてしまったので、長くもないから、ここに上げます。
訂正等のご意見をお聞かせください。

なお、4章の方も短いので、6章と7章も私の分担ということでいいですか?
この2章は長いので、1月初旬になると思います。

では、アクセスされなくなる方、よいお年を。

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Debian FAQ 3章
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3. 要求されるハードウェア
3.1
Debian GNU/Linuxはどのようなアーキテクチャ/システム上で動くのですか?

Debian Linuxの配布パッケージには、すべてのプログラムの完全なソースコード
が入っています。ですから、Linuxカーネルでサポートされるあらゆるシステム
で動きます。詳しくはLinux FAQ <http://www.cl.cam.ac.uk/users/iwj10/linux-faq/>
を見てください。

現在のDebian Linuxの配布パッケージはIntelのCPU(80386, 80486, Pentium, 
Pentium Pro)を使ったPC用の完全なバイナリーパッケージになっています。
68kプロセッサ用のDebian 1.1の開発は現在進行中ですし、Alpha, Sparc, MIPS
プロセッサ用のものも開発される予定です。

3.2
Debian GNU/Linuxのブート・ディスクを動かすにはどのようなハードウェアが想定
されているのですか?

Debian GNU/Linuxカーネルの標準的な配布物をビルドするのに使われる設定ファイル
では、80386 CPUが想定されており、PCMCIAカード、Linuxドライバの存在するたいて
いのSCSIカード(ただしNCR53c810は例外)、Linuxドライバの存在するたいていの
Ethernetカードがサポートされています。

さまざまな特殊なプラットフォーム用に特化されたLinuxカーネルとその設定ファイル
はDebian FTPアーカイブサイトの buzz-fixed/disks-i386/special-kernelsに収め
られています。簡単に示すと次のようなものがあります。
・Special Kernel 0: 小さなカーネル(標準配布と同じですが、PCMCIA, Qlogic SCSI
ホストアダプタ、Ethernetアダプタ、サウンドカードのサポートが除外されています)
・Special Kernel 1: すべてのAdaptec SCSIアダプタ + AdvanSys + Always +
AM5379c974 + BusLogic
・Special Kernel 2: DTC + eata_dma(DPT)、eata_pio(OLD DPT) + Future Domain
・Special Kernel 3: NCR5380/53c400 + NCR53c406a + NCR53c7/8xx
・Special Kernel 4: IOmega Parallel + PAS16 + Qlogic + Seagate + Trantor +
UltraStor
・Special Kernel 5: NCR53c400のみをサポートしたカーネル
・Special Kernel 6: NCR53c8xxのみをサポートしたカーネル

3.3
ディスク・スペースはどれだけあればいいのですか?

数人のユーザをサポートし、Xウィンドウが動き、いくつか大きなアプリケーション
が動くようにするなら、少なくとも次のようなディスクスペースが必要です。
・ルートディレクトリ(/)        50MB
・/usr                        500MB
・swap partition               50MB
・各ユーザのhomeディレクトリ   50MB
・/tmp                        100MB
・/var                        100MB
swapに割り当てる最適ディスク容量はシステムがどう使われるかにより変わります。
たいていの場合は、RAM容量の倍をswapに設定します。RAMが大容量あって、数人の
ユーザしかサポートしないでよいなら、もう少し少なくてもかまいません。インスト
レーションはまったくswapスペースがなくてもできるようになっています。

3.3.1
じゃぁ、最低限必要なRAMとディスクの容量はどれくらいですか?

Xウィンドウを使わず、1,2名のユーザしかいないのであれば、最低限、次の容量で
いけます。
・baseシステムのために15MBのディスク。これで最低限機能するUNIXシステムに
なりますが、アプリケーションプログラムはいっさいなしで、ネットワークも
サポートされません。
・コンソールで(つまりX11はなしで)アプリケーションを動かす標準的なシステム
のためなら80MBのディスク。
・X11ウィンドウも動かすなら120MBのディスク。
・オプショナルなプログラムもすべてインストールするなら300MB以上
 (もっともすべて必要ということはないでしょうが)

Debian LinuxはRAMが4MBあればインストールできます。最新のインストール・ディスク
はRAMが少ししかないマシンでも簡単にインストールできるようになっています。ある
ユーザの報告では、Debian Linuxを使って、RAMとディスクスペースの限られたPCを
X端末にするのに成功したそうです。80386で、4MBのRAM、40MBのディスクスペースしか
ないマシンはこのようにネットワークと基本的なX11サーバー機能を動かすようにして
使われています。このモードならマシンをブートする時、1MBをラムディスクとして使う
ようにしても動きます。つまり、XサーバとしてDebian Linuxを使ってPCを動かす最低限
のメモリはわずか3MBだということになります。このモードではswapパーティションが
必要です。swapパーティションがないとマルチユーザ・モードに入れません。

3.4
ディスクはどのように分割すればよいですか?

ディスクを分割すると分割しないときよりもディスクの利用に関して柔軟性が減る
という欠点があります。しかし、分割されたディスクのファイルシステムが損傷を
受けても、そのパーティション(分割されたディスクスペースのこと)しか損傷を
受けないのが普通だという事実から、この欠点は十分相殺されるものでしょう。
さらに、ディスクを分割した場合、バックアップがより簡単に管理できます。という
のは、もっとも頻繁に書き換えられるファイルは一つのパーティションに押し込めて
しまえることになるからです。

あるユーザの例を引きましょう。彼には1.6GBのディスクがあり、Debianのユーザの
意見を検討した結果、Linuxの標準的なファイルシステム構造<http://www.eg.
bucknell.edu/~quinlan/fsstnd/>にほぼ従うのがよいと結論を下しました。
彼の1.6GBディスクは次のような分割ををしています。
・rootディレクトリ(/)      30MB
・/usr                    450MB
・swapスペース             50MB
・home(一部は/usr/localにも使われる)  1000MB
・/tmp                      0MB
 (ただし、/tmpは/var/tmpにシンボリックリンクを張っています)
・/var                     40MB
覚えておいて欲しいのは、ベストパフォーマンスを得るには、swapファイルは
専用のパーティションをあてがう(swap用のパーティションを作る)べきだと
いうことです。理想的には、このパーティションはユーザ用のパーティション
とは別のコントローラで管理されるディスクに設定するのがよいでしょう。
(もっとも、このやり方でパフォーマンスが上がるという確固とした証拠は
今のところありませんが)

3.5
非常に大きなディスクはサポートされていますか?

ブーティングに使われるパーティションのサイズには上限があります。
この制限はLinuxやDebian Linuxだけでなく、あらゆるOSに適用されます。
基本的には、PCで普通に使われているBIOSには、1024以上のシリンダ(ないし
トラック)のパーティションにはアクセスできません。このため、PC上で
使われるOSは何であっても、1GBを越えるディスクパーティションからは
ブートできません。もっとも、この制限はLinuxがブートするパーティション
にしか適用されないというのは強調しておいてようでしょう。ブートに使用
する以外のパーティションはもっと大きくてもかまいません。この制限に
対する解決策の一つは、/boot/ディレクトリ専用に(きわめて小さな)
パーティションをディスクの最初の1024ブロック内に設定することです。

最近のLinuxカーネルでは、マルチ・デバイス・ディスクドライバ(md) が
含まれており、それによって、ソフトウェア上でのストライピングの
サポート(時にはRAID 0と呼ばれます)と、複数のディスクを結合して
一つのファイルシステムとしてフォーマットできる単一の論理的ディスク
にするというリニアモードの両方が可能になります。

3.6
DebianはPCMCIAを(どのように)サポートしていますか?

Debianのインストールディスクとともに配布されるバージョンのカーネル
には、PCMCIAカードサポートが含まれています。つまり、その.config
ファイルにはCONFIG_BLK_DEV_IDE_PCMCIA=yという一行が入っています。
この設定で、PCMCIAカードのIDEディスクをサポートするようカーネル
内のIDEドライバを修正できます。

PCMCIAカードサービスを実際に提供するユーティリティはDavid Hindsに
よって開発されています。このユーティリティはDebianの配布パッケージ
のうちのpcmcia-cs-KKK_VVV-RRR.i386.debに入っています。VVVとRRRは
Debianパッケージネームの標準的な書き方に従うもので、KKKはその
pcmcia-csパッケージが対象とするカーネルのバージョンをしめしています。

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以上