この時点で、最小の Debian システムを構築するだけのファイルを読み込 みましたが、システムが稼働する前に幾つかの設定を行わければなりません。 基本システムの設定 (Configure the Base System) を選択して下さい。
まずタイムゾーンを選択するよう尋ねられるでしょう。自分のタイムゾー ンを探すか、メニューを使って地域で探していき、プロンプトが出ているとこ ろで入力します。これは他のメニューに誘導しますので、そこで実際のタイム ゾーンを選択できます。
次に、システムの時間が GMT に設定されているかローカルに設定されてい るかを聞かれます。Linux と Unix のみが動いていれば、GMT を選んでくださ い。DOS や Windows などの他の OS が動いていれば、local time を選択しま す。Unix と Linux はシステムの時間を GMT として維持し、ソフトウェアを 使ってローカル時間に変換しています。これで夏時間とうるう年を維持して他 の時間帯からログインしてきたユーザが端末で使っている時間帯に個々に設定 することができるようにしています。GMT をシステム時間として使い、ローカ ルに夏時間 (daylight savings time) を使っていれば、システムが適 切に合わせてくれます。
ハードディスクから直接 Linux を起動すると選択すれば、ブートレコーダ
にインストールするか聞いてきます。ブートマネージャを使用しなければ (ま
たはブートマネージャをしらないとき)、yes と答えてください。
次の質問は電源を入れたときに自動的に Linux を起動するかどうかです。
これは、 Linux を起動するパーティションに設定します。
no と答えれば、後で DOS の fdisk
や Linux の
fdisk
や activate
を使って起動するパーティ
ションを設定することができます。
一番目のハードディスク以外に Linux をインストールしているときは、ブー
トフロッピーを作成してください。ほとんどのシステムにあるブート ROM は
一番目のハードディスクからのみ起動できるようになっていて、二番目からは
できないようになっています。しかしながら、インストール後にはできるよう
になります。/usr/doc/lilo
ディレクトリにある説明を読んで
ください。
ハードディスクから起動する人も起動フロッピーは作成してください。 というのは、ハードディスクの bootstrap へのインストールが失敗すること があるからです。しかしながら、起動フロッピーを使えば、たいてい起動し ます。起動フロッピーの作成 (Make a Boot Floppy) を選択して、 空いているフロッピーを挿入してください。フォーマットして書き込みますの でフロッピーが書き込み可になっているのを確認してください。書き込みが終っ たら、 "カスタムブート(Custom Boot)" とラベルに書いて、書き 込み不可にしてください。
これは電気技術者のいう smoke test と呼ばれるもので、最初に新 しいシステムを起動したときに何が起こるかというものです。フロッピーを抜 いて、Reboot the System を選択してください。Linux が起動しなかっ たら、 "カスタムブート(Custom Boot)" を使ってください。最初 にレスキューフロッピーを入れたときと同じメッセージが表示されて、次に新 しいメッセージが表示されます。
ここで、ログインしたらシステム全てのセキュリティを無視することがで きるスーパーユーザ(super-user) のパスワードを入力します。これは、 システム管理をするときのために使い、できるだけ短時間で使われるものです。 個人的なログインを ルート(root) でしないでください。後で個人的 にログインするアカウントを作り、ルート以外のアカウントを使って e-mail のやりとりやほとんどの事をします。ルート権限を避ける理由はトロイの 木馬(スーパーユーザの特権を利用して影でシステムのセキュリティを操作・ いたずらするプログラム) が走るかもしれないからです。Unix システムの管 理に関する良い本にもっと詳しい詳細が書かれています。管理をはじめてする 人は読んでみてください。良い知らせがあって、 Linux はたぶん PC 上で動 く他の OS よりもセキュリティが高いということです。例えば、 DOS や Windows は全てのプログラムをスーパーユーザ権限で実行しています。 これがウィルスに感染しやすい理由の一つです。
パスワードは 6 から 8 文字で、大文字と小文字を混ぜたものや句読点を 入れたものにしてください。
両方のログインが付け加えられたら、dselect
が起動します。
dselect を使う前に、dselect 入門
(Dselect Tutorial) を読むことが必要です。dselect
はシ
ステムにインストールするパッケージを選択するプログラムです。
debian のパッケージの
入っているCD-ROM やハードディスクや、インターネットに接続していれば、
すぐに利用することができます。そうでなければ dselect
を終
了して、パッケージをシステムに転送した後で実行し直してください。
dselect
はスーパーユーザ (root) で実行してください。
dselect
を終了したら、login プロンプトが表示されます。
自分のアカウントでログインしてパスワードを入力してください。システムを
使う準備が出来上がっています。
注:あなたが、CD-ROM からインストールしているかあるいはネットワーク へ直接接続される場合には、何事も無くこの節を飛ばして読めばいいです。
基本システムは完全な PPP パッケージを含んでいます。このパッケージは、
PPP 経由で ISP に接続させるものです。以下は PPP 接続を設定する基本的な
手順です。起動ディスクには PPP を設定するのを手伝ってくれる
pppconfig
と呼ばれるプログラムが入っています。それでもこれが機
能しないなら、詳細な手順は以下を参照してください。
PPP をセットアップするために、Linux においてファイルを見たり編集し
たりするための基本を知っている必要があるでしょう。ファイルを見るには、
more を使い、.gz
拡張子の付いた圧縮ファイルには zmore を
使います。例えば、README.debian.gz
を見るには、
zmore README.debian.gz
と打ってください。
less
は優れたページングプログラムですが、基本システムには
含まれていません。できることなら less
パッケージをインス
トールしてください。基本システムに含まれているテキストエディタは
ae
だけです。またこれは vi
に見せかけてもい
ます。これを使うのは非常に簡単ですが、多くの機能はありません。一旦
dselect
の中に入れば膨大な数のエディタを選択することがで
きるでしょう。
/etc/ppp/peers/provider
を編集して '/dev/modem' を
'/dev/ttyS#' に書き換えてください。ここで # は COM ポートの番号を表し
ます。Linux では、0 から数えられるので、COM1 は Linux だと
/dev/ttyS0
になることを覚えておいてください。次の段階は
/etc/chatscripts/provider
を編集してあなたのプロバイダの
電話番号、ユーザ名、パスワードを挿入してください。パスワードの前にある
'\q' を削除しないでください。これはログファイルにパスワードが残らない
ように隠すものです。
多くのプロバイダはログイン手続きで、テキストモードの認証の代わりに
PAP あるいは CHAP を使います。両方使う所もあります。プロバイダが PAP
か CHAP を求めるなら、次のような様々な手続きが必要になります。
/etc/chatscripts/provider
にあるダイアル文字列 (ATDT で始
まっているもの) 以下を全てコメントアウトし、上で説明したように
/etc/ppp/peers/provider
を修正、"user username" (引用符は
除く) を加えてください。ここで username は接続を試みているプロバイダで
のあなたの名前です。次に、/etc/pap-secrets
あるいは
/etc/chap-secrets
を編集してここにあなたのパスワードを入
力して下さい。
さらに /etc/resolv.conf
を編集してプロバイダのネーム
サーバ (DNS) の IP アドレスを加える必要があります。
/etc/resolv.conf
の該当行は次のフォーマットになります:
nameserver xxx.xxx.xxx.xxx
ここでxは、あなたのIPアドレス中の数値です。
あなたのプロバイダが大半の ISP とは違ったログイン手続きを取るので
なければ、これで完了です! pon
と打って PPP 接続を始め、
plog
コマンドを使ってプロセスを監視してください。接続を断
つには poff
を使います。
"boot-floppies" パッケージは、インストールフロッピーに関 する全てのソースコードが含まれています。
レスキューフロッピーは MS-DOS ファイルシステムで構成されていて、
DOS または Windows システム、あるいは、DOS ディスクをマウントすること
ができる何からでも、アクセスできるはずです。Linux カーネルは、ファイル
"linux" にあります。ファイル root.bin
は、
1.44 MB の Minix ファイルシステムの gzip 圧縮ディスクイメージで、RAM
ディスクに読み込まれ、ルートファイルシステムとして使われるでしょう。
もし、レスキューフロッピーのカーネルを交換する必要があるなら、これ らの機能を、ローダルモジュールにではなく、直接リンクするように設定しな ればなりません:
基本フロッピーには 512 バイトのヘッダとそれに続く gzip 圧縮の
tar
アーカイブの一部が含まれています。もしヘッダと連結さ
れている基本フロッピーの内容とを取り去ると、残りは圧縮 tar アーカイブ
になるはずです。アーカイブはハードディスクにインストールされるベースシ
ステムが含まれています。一度このアーカイブがインストールされると、シス
テムを利用可能にするには、インストールシステムの 基本システムの設定
(Configure the Base System) やネットワークの設定それにオペレーティ
ングシステムとモジュールのインストールをくぐりぬける必要があります。
Copyright 1996 Bruce Perens;1996、1997 Sven Rudolph、1998 Igor Grobman <igor@debian.org, James Treacy treacy@xxxxxxxxxxxxx および Adam P. Harris <aph@xxxxxxxxxxx&rt;。この文書は、GNU General Public License の条件のもとで配布してかまいま せん。
ここで、明示的に印されていない商標は、それらのそれぞれの所有者の所 有物です。386, 386sx, 486, Pentium, Pentium Pro および Pentium II は、 インテルの所有物です。Windows, Window95, WindowsNT および WinModem は、 マイクロソフトの商標です。ThinkPad および OS/2 は IBM の所有物です。