6.3 CD からのインストール

あなたはおそらく、公式のDebian CDからインストールしているのでしょう。 Debian CD での起動は、もしあなたのBIOSがサポートするなら、ドライブにCD を入れ、CDで起動という簡単なものです。あなたのコンピュータがCDでのブー トをサポートしない場合は、DOS を起動し、CD の \bootディレ クトリに置かれている、boot.batファイルを実行してください。 では、インストールへ進んでください。

6.4 NFS からのインストール

インストールのこの方式の性質のために、基本システムだけが、NFS経由で インストールされることが可能です。あなたは上記の方法の一つを使い、特定 の利用できるレスキューディスクとドライバディスクを持つ必要があるでしょ う。NFS経由でbaseシステムをインストールするために、あなたは インストールで説明されているような通常のイ ンストールを終えてなければならないでしょう。 イーサネットカードのためのモジュール(ドライバ)と、nfsのためのファイル システムモジュールを差し込むことを忘れないでください。メニューシステム があなたに、どこに基本システムが置かれているかをたずねたとき、あなたは NFSを選び、指示に従ってください。

6.5 フロッピーから基本システムをインストール

注:これは、Debianをインストールする手段としては推奨されません。なぜ なら、フロッピーは一般に最もやっかいな類いの媒体だからです。もしあなた が、あなたのシステムのハードドライブのどれにもファイルシステムがない状 態の場合にのみ、これはもっぱら推奨されます。

もちろん、起動できる CDROM がないマシンでゼロからインストールすると き、あなたは少なくとも、フロッピーでのレスキューディスクとドライバディ スクを必要とするでしょう。

フロッピーディスクイメージファイルをフロッピーディスクへ書き込む

以下のディスクイメージをフロッピーへ書き込む必要があるでしょう:

レスキューディスク

もし、Linuxをインストールしようとしているシステムの a:ドライブが1.44MBフロッピーディスクを使うなら、 resc1440.bin ファイルが必要になるでしょう; もし、1.2MBフロッピーディスクを使うなら、 resc1200.bin ファイルが必要になるでしょう。

ドライバディスク

もし、Linuxをインストールしようとしているシステムの a:ドライブが1.44MBフロッピーディスクを使うなら、 drv1440.bin ファイルが必要になるでしょう; もし、1.2MBフロッピーディスクを使うなら、 drv1200.bin ファイルが必要になるでしょう。

基本ディスク

これらのディスクは以下のファイル(1.44MB版)から生成されるでしょう base14-1.bin, base14-2.bin, base14-3.bin, base14-4.bin, base14-5.bin

そして、これらは1.2MB版です: base12-1.bin, base12-2.bin, base12-3.bin, base12-4.bin, base12-5.bin, base12-6.bin

もしあなたが、この文書を読むのに、ネットワークにつないだコンピュー タでウェブブラウザを使っているなら、おそらくウェブブラウザで、これらの 名前を選択して、ファイルを探し出すことができます。そうでなければ、 ftp://ftp.debian.org/debian/stable/disks-i386/current/ 、あるいはDebian FTPミラーサイトのどれかのよく似たディレクトリから、こ れらを検索することができます。これらのすべては、フロッピーディスク イメージファイルで、それは未加工状態のフロッピーディスクの 完全な内容を含む、各々のファイルを表します。特別のプログラムは、未 加工方式において、フロッピーディスクへイメージファイルを書き込むの に使われます。

フォーマットしたフロッピーディスクを(最大)10枚用意してください。 "レスキュー", "デバイスドライバ", "カスタムブー ト", "基本 1", "基本 2"などのようにそれらに印 をつけてください。

カスタム起動フロッピーへ書き込まれるファイルはなく、それがインストー ルされている間に、Debianシステムによって書き込まれるでしょう。

DOS, Windows, または OS/2 からディスクイメージを書き込む

フロッピーディスクイメージと同じディレクトリで rawrite2.exe プログラムがみつかります。さら に、rawrite2.exeの使用説明が書かれた rawrite2.txtファイルがあります。

フロッピーディスクへフロッピーディスクイメージファイルを書き込むた めに、以下のコマンドを使います。

rawrite2 -f file -d drive

ここで、fileはフロッピーディスクイメージファイルの一つで、 drivea:b:のどちらかです。

LinuxまたはUnixシステムからディスクイメージを書き込む

あなたがドライブにフロッピーディスクを入れると、システムによっては、 これをを自動的にマウントしようとします。 このワークステーションが生モード[raw mode]でフロッピーを書き込 めるようにするには、前もってこの機能を使用不可にする必要があるかもしれ ません。残念ながら私はこれを行うために必要な、特定のワークステーション のコマンドを関知しません。システム管理者に尋ねて下さい。

フロッピーディスクへフロッピーディスクイメージファイルを書き込む ために、以下のコマンドを使います。

dd if=file of=/dev/fd0 bs=512 conv=sync ; sync

ここで、fileは該当するフロッピーディスクイメージファイルです。 /dev/fd0は一般にフロッピーディスク装置の名前が使われ、そ れはあなたのワークステーションでは違っているかもしれません。Unixがフロッ ピーディスクへの書き込みを完了する前に、コマンドはプロンプトへ戻るか もしれないので、フロッピードライブのランプが使用中であるのを見つけたら、 ドライブから取り出す前にランプが消えてディスクの回転が止まったことを確 認して下さい。システムによっては、ドライブからフロッピーを取り出すため にコマンドを実行する必要があるでしょう。

フロッピーディスクの信頼性

はじめてDebianをインストールする人々が抱える一番の問題は、フロッピー ディスクの信頼性のようです。

レスキューフロッピーは Linux が起動する前に BIOS によって読まれるの で、最悪の問題点を抱えています。BIOS は Linux のフロッピーのドライバほ ど信頼性のある読み込みをしておらず、誤ったデータを読んだときにはエラー メッセージを表示しないで止まってしまうかもしれません。ドライバフロッピー やベースフロッピーにも同様に失敗する可能性があります。これらのほとんど は、ディスク I/O エラーのメッセージがたくさんでるものです。

ある特定のフロッピーでインストールが失敗するならば、まず最初にイメー ジファイルをダウンロードし直して、違うフロッピーに書き込んでみ てください。 古いフロッピーをエラーを出さずにフォーマットし直して書き 込んでいたとしても十分ではありません。異なるシステムでフロッピーに書き 込むのも良いかもしれません。

あるユーザは一つのフロッピーがうまく行くのに 3 枚の起動フロッピー に書き込んで,3 枚目のフロッピーでやっとうまくいったと報告しています。

別のユーザは、そのフロッピードライブで同じフロッピーを使って単に数 回再起動すれば、起動成功を導くことができると報告しています。これはす べて、バグのはびこったBIOSのフロッピードライバのためです。

6.6 少ないメモリのシステムでのインストー ル

あなたのシステムのRAMが6MBより少ないならば、特別少ないメモリのディ スクイメージlowmem.binを使う必要があるでしょ う。このイメージはフロッピーディスクへ書き込まれる必要があり、あなたは まず最初に、そのディスクから起動すべきです。詳細は、下記の 少ないメモリを参照下さい。

7. Debianをインストール して設定するために、インストールシステムを使う

7.1 Rescueフロッピー

レスキューフロッピーをa:ドライブに入れて、 reset を押す、電源を入れ直す、あるいは、 Control-Alt-Del を押して、システムをリセットしてください。 シ ステムはフロッピーディスクにアクセスして、レスキューディスクの紹介と boot: というプロンプトが表示されます。 このフロッピーは、 もしハードディスクから起動できなくなるような問題が起きたときに、システ ムを起動して修復するのに使います。したがって、インストール終了後にこの フロッピーを保存してください。 F3 キーを押すとさらに情報が得られます。

もしあなたがシステムを起動するために、どれか一つを選ぶ方法を使って いるなら、指示に従い、boot:プロンプトが出るのを待ってくだ さい。

boot:のプロンプトから 2 つの事ができます。F1 から F10 の キーでヘルプ画面を呼び出す、あるいはシステムを起動します。メモリが 6MB 以下の場合は、フロッピーディスクからの起動を選択してください(下記の少ないメモリのディスクを見ること)。 1.2MB フロッピーからの起動の場合は、ramdisk による起動方法を使い、ルー トディスクが必要になります。

Linux を起動するときに正しくハードウェアにアクセスできないときには、 F4, F5 を押すことによって boot コマンドに付け足すパラメータを得ること ができるかもしれません。 boot コマンドにパラメータを付け足すときには、 起動方法 (デフォルトは linux) と空白一つを最初のパラメー タの前に入力しておくことを忘れないでください。 単に Enter を押すと、パ ラメータなしで linux と入力するのと同じです。

初めてシステムを起動するときは、単に Enter を押して、正しく動作する か確認してください。 もしも正しく動作しなかったら、後で再起動してハー ドウェアに合ったパラメータを探してください。あるフロッピー、特にフロッ ピーのアクセスについては、場合によっては linux floppy=thinkpad と書いて起動するとよいかもしれません。

Enter を押すと、Loading... というメッセージが表示され て、続いてUncompressing Linux... が表示されます。 その後、 システムのハードウェア情報が数ページ表示されます。 このとき、 can't find somethingsomething not presentcan't initialize somethingthis driver release depends on something のようなメッセージがたくさん表示されるかも しれませんが、これらのメッセージの大部分は無視してしまって構いません。 なぜなら、これは起動フロッピーがたくさんの周辺機器のデバイスをサポー トしているために起こっているからで、接続されていないデバイスを OS が知 らせているのです。 明らかに、全ての周辺機器を備えたコンピュータは存在 しないので、システムはあなたの知らない周辺機器を探して文句をいっている のかもしれません。 同様に、しばらくの間システムが止まっているように見 えることもあります。 これは接続していないデバイスからの応答をシステム が待っているためです。 接続していないデバイスを OS が探している時間を 待てないという方は、システムをインストールした後に、必要ないデバイスを 削除した custom kernel を作成することができます。

もしもデフォルト以外の起動方法 (ramdisk や floppy など) を選んだ 場合、ルートフロッピー (Root floppy) を入れるようプロンプトが表示され ます。(もしも floppy1 を選べば,ルートフロッピー(Root floppy)を 2 番 目のディスクドライブへ入れてください)。

7.2 メモリの少ないシステム

システムのメモリが 6MB 以下の場合、少メモリを知らせるメッセージと 4 つの選択肢が表示されます。 これはシステムがメモリが少ないために普通の インストールをできないことを検出するためで、従って特別な少メモリ用イン ストールをしなければなりません。 以下の手順に従って進めてください:

7.3 『カラー』か『モノクロ』の選択

システムが起動すると、カラーかモノクロを選択するメニューがでてきま す。 ディスプレイがモノクロのときには、Enter キーを押してインストール を続けてください。ディスプレイがカラーの場合は、矢印キーを使って Color に移動してから Enter キーを押してください。 画面がモノク ロからカラーに変更されると思います。 そうしたら、もう一度 Enter キーを 押してインストールを続けてください。

7.4 メインメニュー (The Main Menu)

システムによっては早過ぎて見れないかもしれませんが、The installation program is determining the current state of your system とダイアログが出てきます。メインメニューではダイアログの中 にいくつかの段階が表示されます。インストールプログラムはそれぞれの段 階でシステムの状態を調べます。もしシステムがインストールの途中で止まっ ても、この調べた結果であなたが既にしてきたことは無駄にならずに再インス トールすることができます。インストールを最初からやり直さなければなら ないならば、カラーかモノクロかやキーボードの設定、スワップ領域の再指定、 パーティションのマウントをもう一度やり直さなければならないでしょう。 それ以外にインストールシステムで行われたことは、インストーラが保存する でしょう。

インストールの間はメインメニューが中心になります。 メニューの一番上 の選択肢は次にするべき項目に順次変わります。 Phil Hughes さんは Linux Journal に、Debian のインストールは ニワトリに教え られるだろう書いています。つまり、Debian のインストールはほとんどリター ンキーをくちばしでつっつくだけだと言いたかったのです。インストー ルメニューでの最初の選択はすでに済ませているシステムの状態に基づいて 次に何をするかが決まります。ここでの next は キーボード の設定 です。

7.5 キーボードの設定 (Configuring the Keyboard)

Next にカーソルがあるのを確認して、Enter キーを押して、キー ボードの設定メニュー移ってください。キーボード配列が自分の母国語にあっ たものになるように設定するか、望ましいものが無ければ近いものを選択して ください。一旦システムをインストールすれば、幅広い選択肢からキーボード 配列を変更することができます。カーソルを動かして Enter キーを押して決 定してください。全ての言語の配列は同じ場所にあり、キーボード設定とは独 立です。

7.6 シェル (The Shell)

もしあなたが経験豊かなUnixあるいはLinuxユーザであるなら、2番目の 仮想コンソールを呼び出すのにLeftAlt-F2を押すでしょう。 つまり、スペースキーの左側にある Alt キーと F2 キーを同時に押します。 これで別のウィンドウ上でashという Bourne shell のクローン が起動します。現時点では RAM ディスクから起動しているので、利用できる 機能に制限があります。 ls /bin/sbin /usr/bin /usr/sbin とコマンドを入力してどの プログラムが利用できるか確認してください。 メニューでできることはできるだけメニューを使用するようにして、シェルや コマンドは何か起きたときに使ってください。メニューはシェルで何をしたか を認識できないので、特に、スワップ領域を有効にするときは、シェルを使わ ずメニューを使ってください。 LeftAlt-F1 キーでメニューに戻ることができます。 Linux は 64 もの仮想コンソールを利用することができますが、レスキューフ ロッピーではいくつかしか使えません。

7.7 ラストチャンス!

今までバックアップをとるように言ったでしょうか? これがディスクの中身をきれいに消去する最初の機会であり、また、古いシス テムを保存する最後の機会でもあります。 もし、バックアップをとっていなかったら、フロッピーを抜き、システムをリ セットしてバックアップを行ってください。

7.8 ハードディスクを分割する (Partition Your Hard Disks)

もし、まだ Linux native と Linux swap ファイルシステムの領域を確保 していなかったら、Next を選べば Partition a Hard Diskに なります。すでに少なくとも 1 つの Linux native と Linux swap のパーティ ションを作っていれば、Nextメニューを選べば 「スワップ領域の 初期化と有効(Initialize and Activate the Swap Disk Partition)」 に なります。あるいはもしシステムのメモリが少なくてシステムが起動したらす ぐにスワップ領域を有効にするように言われていたら、これを飛ばしても構い ません。次のメニューが何であろうと、下矢印キーを使って 「パーティショ ンの設定(Partition a Hard Disk)」 を選ぶこともできます。

「パーティションの設定(Partition a Hard Disk)」 では、領域を 確保できるディスクの一覧が表示されます。そして cfdisk が実行さ れ、ディスクのパーティションを作成したり変更したりできます。 cfdisk のマニュアルに使い方が載っているので読んでください。"Linux Native" (type 83) と "Linux Swap" (type 82) のパーティ ション(領域)は最低でも 1 つ作成してください。

スワップ領域はシステムの仮想メモリを提供するために使われるので、ディ スク容量と実行するプログラムの大きさに応じて 16 から 128 MB の大きさにし てください。昔の大雑把な方法は、スワップは利用する物理メモリの2倍程度 にすべきというものです。32MB 以上の RAM については、スワップパーティショ ンは RAM の量の 1.5 倍以上にすべきではありません。Linux は 128 MB 以上 のスワップ領域は使いませんので、それより大きな領域を確保する必要はあり ません。それでも、インストール後に手作業で /etc/fstab を 編集して複数のスワップパーティションを作成することで、 128 メガバイト 以上のスワップを確保できます。 スワップ領域の使用を強く勧めますが、そうしたくない場合や 16 MB 以上の RAM を持っている場合にはスワップ領域がなくても構いません。 スワップ領域を確保しない場合には、Do Without a Swap Partition を選んでください。

"Linux Native" ディスク領域は全てのファイルを持つことにな り、 40MB から最大ディスク容量からスワップ領域を引いた大きさまで確保す ることができます。 Unix や Linux を既に良く知っていれば、追加してパーティションを作りたい と思います。例えば、 /var/usr のファイル システムをもつパーティションを作ることができます。

7.9 スワップ領域の初期化と有効化 (Initialize and Activate the Swap Disk Partition)

パーティションを一つ作成すれば次のメニューの項目(Next)になり ます。 スワップ領域を初期化しアクティブにする、すでに初期化されているスワップ 領域をアクティブにする、何もしない、から選ぶことができます。いつでもス ワップ領域の再初期化をすることができ、そのときは「スワップ領域の初 期化と有効(Initialize and Activate the Swap Disk Partition)」 を選 んでください。このメニューでハードディスクの円盤の表面上の欠陥によって 生じる不可読ブロックのためにパーティション全体を調べるオプションを選ぶ ことができます。これは MFM 、 RLL や 古い SCSI のディスクを持っている ときには便利です。IDE は、欠陥ブロックを書き込む内部機構を備えているた め、これを選ぶ必要はありません。

スワップ領域は仮想記憶(virtual memory)を提供し、これはメモリ の不足分を補うものです。この仮想メモリは、インストール中にも使われます。 なぜなら、これは最初に初期化しておくからです。

7.10 Linux ディスクパーティーションの初期化 (Initialize a Linux Disk Partition)

ここでの次の選択(Next)はパーティションの初期化(Initialize a Linux Disk Partition)です。そうならないときは、ディスクのパーティ ションの設定を終了していないか、あるいは、スワップ領域の選択をしていな かったからです。

Linux 領域を初期化するか、または、すでに初期化された Linux 領域を繰り 返しマウントすることができます。

これらのフロッピーはファイルを消さずには古いシステムをアップグレー ドしないでしょう。そのかわりに Debian はすでにある Debian システムをアッ プグレードするために他の方法を提供しています。従って、空でないパーティ ションを使う場合は、ここで初期化してください(これにより全てのファイル を消し去ります)。パーティションを切るときに作ったパーティションを全て 初期化してください。同じインストールフロッピーを使って、すでにある程度 までインストールしていたものをマウントするときは、初期化しないでパーティ ションをマウントしても良いでしょう。

次の選択は、 /パーティションの初期化とマウントです。 最初にマウントや初期化をしたパーティションが /(これをルー トと呼びます)としてマウントされます。スワップ領域を初期化したときと同 様に、パーティションの欠陥ブロックの検査をするかどうか選択できます。欠 陥ブロックの検査は害にはなりませんが、大きな容量のディスクの場合には 10 分かそれ以上の時間がかかります。

/ パーティションをマウントしたら、すでに先にいくつか進 めていない限り、次はカーネルとデバイスドライバのインストール (Install the Operating System Kernel and the Device Drivers) です。 他のパーティションを設定したい場合には、矢印キーを使って、パーティショ ンを初期化したりマウントしたりすることができます。 もし、/var/usrなどのパーティションを別に 作っていた場合、それらのパーティションを初期化してマウントすべきです。

7.11 オペレーティングシステムカーネルとデバイスドライバのインストール (Install the Operating System Kernel and the Device Drivers)

/上で既にインストール手順を踏んでいる場合以外は、 / ディスクをマウントしてから Next メニューに進むべ きです。これを選択して、カーネルを読み込むために使うドライブの項目を提 案されることでしょう。カーネルとモジュールをインストールする適切な場所 を選択して下さい。

7.12 デバイスドライバの設定 (Configure Device Drivers)

Configure Device Driversを選んでシステムにあるデバイスを選ん でください。選択したデバイスドライバは起動したときに読み込まれます。 基本システムを NFS 経由でインストールしたいときはネットワークカードの ドライバモジュールとファイルシステム(filesystems)の下にある NFS モジュールを設定してください。

PCMCIAのサポートを設定 (Configure PCMCIA Support)

Configure Device Driversメニューの選択の前にConfigure PCMCIA Supportという代替ステップがあります。このメ ニューは PCMCIA サポートを可能にするために使われます。

もし PCMCIA を持っているものの、これを使って Debian システムをイン ストール(つまり、PCMCIA イーサネットカードを使ったインストール)しては いないのであれば、この時点で PCMCIA の設定をする必要はありません。イン ストールが終わった後で、簡単に PCMCIA 設定して使用可にできます。しかし、 PCMCIA ネットワークデバイスを使ってインストールしているのであれば、替 わりにこれが選択されなければならず、PCMCIA サポートはネットワークの設 定より先に設定されなければなりません。

PCMCIA をインストールする必要があれば、Configure Device Driversの下の代替を選んで下さい。システムにどの PCMCIA コントロー ラが含まれているか訊ねられるでしょう。多くの場合、これは i82365 でしょう。場合によっては、tcic で、 疑わしい場合は御自分のラップトップのベンダが供給している仕様書が情報を 提供しているはずです。パターン *_OPTS_MSG に合致する全て のオプションは、一般に空白が許されます。繰り返すと、特定のハードウェア は特別なものが必要で、 Linux PCMCIA HOWTO にデフォルトでは働かない場合の豊富な情報が盛り 込まれています。

特定の IBM Thinkpad モデルのネットワークデバイスを使うような、まれ なケースでは、/etc/pcmcia/config.opts を読んで編集する必要があるでしょ う。2番目の仮想ターミナル(LeftAlt-F2)を開いて、そこでファ イルを編集し、それから、PCMCIAを再設定するか、insmodrmmodを使って、手作業でモジュールの再読み込みをさせること ができます。

いったん PCMCIA が適切に設定されてインストールされたなら、バックアッ プに跳び、前の節で説明されているように、あなたのデバイスドライバを設定 して下さい。

7.13 ネットワークの設定 (Configure the Network)

ネットワークを持っていなかったとしても、設定はしなければならないで しょう。しかし、ただ最初の2つの質問に答えればいいだけです - コンピュー タの名前は何か?システムはネットワークへ接続されるか? です。

ネットワークに接続するならば、いくつかの質問に答えますが、自分で勝 手に決めることができないものもありますので、わからないことはネットワー クの管理者に相談してください。

注:もしネットワークへの主要な接続が PPP でしたら、ネットワーク設定 は、NOTを選択するべきです。

いくつか知っていたほうが良いこと: インストーラのプログラムはネットワークの IP アドレスをホストの IP アド レスとネットマスクのビットごとに論理積をとったものとします。また、ブロー ドキャストアドレスは IP アドレスとネットマスクをビット反転したものとの 論理和をとっ て推測します。同様にゲートウェイは DNS サーバとします。もしも、これら の設定が明確でないならば、システムの推測したものを使ってください。 これらはインストール終了後に変更 することができます。 必要であれば /etc/init.d/network を編集してください。(Debian システム では、デーモンは /etc/init.d/ にあるスクリプトにより起動 されます。)

7.14 基本システムのインストール (Install the Base System)

基本システムのインストール(Install the Base System) を選ん でください。ベースフロッピーの読み込みに使うドライブを選択肢が提供され るので、適当なドライブを選択してください。フロッピーディスクからのイン ストールを選択したなら、プログラムの指示どおりに、Base 1, 2, 3, ... を 入れてください。ベースフロッピーのいずれかが読めなければ、代わりのフロッ ピーを作成してもう一度システムにフロッピーを入れていく必要があるでしょ う。 全てのフロッピーが読み終れば、システムは読み込んだファイルをインストー ルします。これには大体 10 分程時間がかかります(速いマシンであれば早い し、遅ければもっとかかります)。

7.15 基本システムの設定 (Configure the Base System)

この時点で、最小の Debian システムを構築するだけのファイルを読み込 みましたが、システムを稼働させる前に幾つかの設定を行わければなりません。 基本システムの設定 (Configure the Base System) を選択して下さい。

まずタイムゾーンを選択するよう尋ねられるでしょう。メニューの中から 自分のタイムゾーン、もしくは地域を見つけて、プロンプトに入力します。 「地域」を入力した場合は地域別メニュー画面に変りますので、更に自分の実 際のタイムゾーンを選択します。

次に、システムの時間を GMT に設定するかローカルに設定するかを聞かれ ます。Linux と Unix のみを運用する予定ならば、GMT を選択してください。 DOS や Windows のような別の OS も運用する予定であれば、local time を選 択してください。Unix や Linux ではシステムの時間を GMT に保ち、ソフト ウェアによってローカルタイムゾーンに変換します。これにより、夏時間やう るう年を割り出すことが容易になり、異なるタイムゾーンからログインしたユー ザが自分の端末で使われているタイムゾーンに個別に設定することさえ可能に なります。システム時間を GMT に設定しておけば、御自分の地域が夏時間 (daylight savings time) を使っている場合に夏時間の開始日と終了 日にシステムが適切な調整を行ってくれます。

7.16 ハードディスクから起動可能にする (Make the Hard Disk Bootable)

ハードディスクから直接 Linux を起動すると選択すれば、ブートレコーダ にインストールするか聞いてきます。ブートマネージャを使用しなければ (ま たはブートマネージャをしらないとき)、yes と答えてください。 次の質問は電源を入れたときに自動的に Linux を起動するかどうかです。 これは、 Linux を起動するパーティションに設定します。 no と答えれば、後で DOS の fdisk や Linux の fdiskactivate を使って起動するパーティ ションを設定することができます。

一番目のハードディスク以外に Linux をインストールしているときは、ブー トフロッピーを作成してください。ほとんどのシステムにあるブート ROM は 一番目のハードディスクからのみ起動できるようになっていて、二番目からは できないようになっています。しかしながら、インストール後にはできるよう になります。/usr/doc/lilo ディレクトリにある説明を読んで ください。

7.17 起動フロッピーの作成 (Make a Boot Floppy)

ハードディスクから起動する人も起動フロッピーは作成してください。 というのは、ハードディスクの bootstrap へのインストールが失敗すること があるからです。しかしながら、起動フロッピーを使えば、たいてい起動し ます。起動フロッピーの作成 (Make a Boot Floppy) を選択して、 空いているフロッピーを挿入してください。フォーマットして書き込みますの でフロッピーが書き込み可になっているのを確認してください。書き込みが終っ たら、 "カスタムブート(Custom Boot)" とラベルに書いて、書き 込み不可にしてください。

7.18 真実の瞬間

これは電気技術者のいう smoke test と呼ばれるもので、最初に新 しいシステムを起動したときに何が起こるかというものです。フロッピーを抜 いて、Reboot the System を選択してください。Linux が起動しなかっ たら、 "カスタムブート(Custom Boot)" を使ってください。最初 にレスキューフロッピーを入れたときと同じメッセージが表示されて、次に新 しいメッセージが表示されます。

7.19 ルートパスワードの設定 (Set the Root Password)

ここで、ログインしたらシステム全てのセキュリティを無視することがで きるスーパーユーザ(super-user) のパスワードを入力します。これは、 システム管理をするときのために使い、できるだけ短時間で使われるものです。 個人的なログインを ルート(root) でしないでください。後で個人的 にログインするアカウントを作り、ルート以外のアカウントを使って e-mail のやりとりやほとんどの事をします。ルート権限を避ける理由はトロイの 木馬(スーパーユーザの特権を利用して影でシステムのセキュリティを操作・ いたずらするプログラム) が走るかもしれないからです。Unix システムの管 理に関する良い本にもっと詳しい詳細が書かれています。管理をはじめてする 人は読んでみてください。良い知らせがあって、 Linux はたぶん PC 上で動 く他の OS よりもセキュリティが高いということです。例えば、 DOS や Windows は全てのプログラムをスーパーユーザ権限で実行しています。 これがウィルスに感染しやすい理由の一つです。

パスワードは 6 から 8 文字で、大文字と小文字を混ぜたものや句読点を 入れたものにしてください。

両方のログインが付け加えられたら、dselect が起動します。 dselect を使う前に、dselect 入門 (Dselect Tutorial) を読むことが必要です。dselect はシ ステムにインストールするパッケージを選択するプログラムです。 debian のパッケージの 入っているCD-ROM やハードディスクや、インターネットに接続していれば、 すぐに利用することができます。そうでなければ dselect を終 了して、パッケージをシステムに転送した後で実行し直してください。 dselect はスーパーユーザ (root) で実行してください。

7.20 ログイン

dselect を終了したら、login プロンプトが表示されます。 自分のアカウントでログインしてパスワードを入力してください。システムを 使う準備が出来上がっています。

7.21 PPP のセットアップ

注:あなたが、CD-ROM からインストールしているかあるいはネットワーク へ直接接続される場合には、何事も無くこの節を飛ばして読めばいいです。

基本システムは完全な PPP パッケージを含んでいます。このパッケージは、 PPP 経由で ISP に接続させるものです。以下は PPP 接続を設定する基本的な 手順です。起動ディスクには PPP を設定するのを手伝ってくれる pppconfig と呼ばれるプログラムが入っています。それでもこれが機 能しないなら、詳細な手順は以下を参照してください。

PPP をセットアップするために、Linux においてファイルを見たり編集し たりするための基本を知っている必要があるでしょう。ファイルを見るには、 more を使い、.gz 拡張子の付いた圧縮ファイルには zmore を 使います。例えば、README.debian.gz を見るには、 zmore README.debian.gz と打ってください。 less は優れたページングプログラムですが、基本システムには 含まれていません。できることなら less パッケージをインス トールしてください。基本システムに含まれているテキストエディタは ae だけです。またこれは vi に見せかけてもい ます。これを使うのは非常に簡単ですが、多くの機能はありません。一旦 dselect の中に入れば膨大な数のエディタを選択することがで きるでしょう。

/etc/ppp/peers/provider を編集して '/dev/modem' を '/dev/ttyS#' に書き換えてください。ここで # は COM ポートの番号を表し ます。Linux では、0 から数えられるので、COM1 は Linux だと /dev/ttyS0 になることを覚えておいてください。次の段階は /etc/chatscripts/provider を編集してあなたのプロバイダの 電話番号、ユーザ名、パスワードを挿入してください。パスワードの前にある '\q' を削除しないでください。これはログファイルにパスワードが残らない ように隠すものです。

多くのプロバイダはログイン手続きで、テキストモードの認証の代わりに PAP あるいは CHAP を使います。両方使う所もあります。プロバイダが PAP か CHAP を求めるなら、次のような様々な手続きが必要になります。 /etc/chatscripts/provider にあるダイアル文字列 (ATDT で始 まっているもの) 以下を全てコメントアウトし、上で説明したように /etc/ppp/peers/provider を修正、"user username" (引用符は 除く) を加えてください。ここで username は接続を試みているプロバイダで のあなたの名前です。次に、/etc/pap-secrets あるいは /etc/chap-secrets を編集してここにあなたのパスワードを入 力して下さい。

さらに /etc/resolv.conf を編集してプロバイダのネーム サーバ (DNS) の IP アドレスを加える必要があります。 /etc/resolv.conf の該当行は次のフォーマットになります:

 nameserver xxx.xxx.xxx.xxx 

ここでxは、あなたのIPアドレス中の数値です。

あなたのプロバイダが大半の ISP とは違ったログイン手続きを取るので なければ、これで完了です! pon と打って PPP 接続を始め、 plog コマンドを使ってプロセスを監視してください。接続を断 つには poff を使います。

8. 起動フロッピーの技術情報

8.1 ソースコード

"boot-floppies" パッケージは、インストールフロッピーに関 する全てのソースコードが含まれています。

8.2 レスキューフロッピー

レスキューフロッピーは MS-DOS ファイルシステムで構成されていて、 DOS または Windows システム、あるいは、DOS ディスクをマウントすること ができる何からでも、アクセスできるはずです。Linux カーネルは、ファイル "linux" にあります。ファイル root.bin は、 1.44 MB の Minix ファイルシステムの gzip 圧縮ディスクイメージで、RAM ディスクに読み込まれ、ルートファイルシステムとして使われるでしょう。

8.3 カーネルの交換

もし、レスキューフロッピーのカーネルを交換する必要があるなら、これ らの機能を、ローダルモジュールにではなく、直接リンクするように設定しな ればなりません:

レスキューフロッピー上のファイル "linux" に新たなカーネルを コピーし、フロッピーにあるシェルスクリプト "rdev.sh" を実行 してください。

8.4 基本フロッピー

基本フロッピーには 512 バイトのヘッダとそれに続く gzip 圧縮の tar アーカイブの一部が含まれています。もしヘッダと連結さ れている基本フロッピーの内容とを取り去ると、残りは圧縮 tar アーカイブ になるはずです。アーカイブはハードディスクにインストールされるベースシ ステムが含まれています。一度このアーカイブがインストールされると、シス テムを利用可能にするには、インストールシステムの 基本システムの設定 (Configure the Base System) やネットワークの設定それにオペレーティ ングシステムとモジュールのインストールをくぐりぬける必要があります。

9. この文書の著作権

Copyright 1996 Bruce Perens;1996、1997 Sven
Rudolph、1998 Igor Grobman <igor@debian.org, James Treacy
treacy@xxxxxxxxxxxxx および Adam P. Harris <aph@xxxxxxxxxxx&rt;。
この文書は、GNU General Public License の条件のもとで配布してかまいま せん。

10. 商標表示

ここで、明示的に印されていない商標は、それらのそれぞれの所有者の所 有物です。386, 386sx, 486, Pentium, Pentium Pro および Pentium II は、 インテルの所有物です。Windows, Window95, WindowsNT および WinModem は、 マイクロソフトの商標です。ThinkPad および OS/2 は IBM の所有物です。