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[debian-users:02614] Debian on UMSDOS (matome)



かなり間があいてしまいましたが、[debian-users:01648]の修正版です。
目的は、UMSDOSファイルシステムにDebianをインストールすることです。

インストールするマシンとして、Librettoを想定しています。CDドライブが
使用できれば、もう少し簡単に作業できると思います。

・すでにWindows 95が(IDEのハードディスク)ドライブCにインストールずみ
・DebianもドライブCにインストールする

また、
・カーネル作成用のLinuxシステム
が必要です。

問題となる点は、以下の2点です。
・インストーラに付属のカーネルでは、UMSDOSファイルシステムのドライバが、
組み込みではなくモジュールとなっている。
・インストーラは、UMSDOSファイルシステムにインストールすることを
想定していない。

今回は、
・カスタマイズしたカーネルを使用する。
・インストーラで設定できないところは、コマンドで設定する。
とします。

0、カーネルの作成
インストール時に使うカーネルを、別のLinuxマシンで作成します。
カーネルのバージョンは2.0.29です。これは、後で使用するdrv1440.bin
が2.0.29用だからです。

UMSDOSファイルシステムを組み込み(モジュールではなく)にして
ください。また、loopbackやRAMディスクも組み込みにしてください。
その他は、kernel-source-2.0.29パッケージの.configファイルを
参照してください。

make zImageをして、/usr/src/linux/arch/i386/boot/の下に
できあがったzImageファイルを取り出します。

1、インストール時に使用するファイルの転送
インストールするマシンで、Windows95を起動します。
ドライブCに“debian”(好きな名前にしてよい)と“linux”(これは変更
できない)というフォルダを作成します。

debianフォルダにbase1_3.tgz、loadlin.exe、resc1440.bin、drv1440.bin、
root.bin、さらに、さきほど作成したカーネルzImageを置きます。

linuxフォルダに、大きさ0のファイル“--linux-.---”を作成します。

2、Debianのインストーラ起動
Windowsを終了させるなり再起動させるなりして、DOSモード(DOS窓では
ありません)にします。そして、以下のコマンドを入力します。

us
cd \debian
loadlin zimage root=/dev/ram initrd=root.bin

メッセージがいろいろ表示されて、最後にインストーラが起動するはずです。

3、UMSDOSファイルシステムのmount
インストーラを操作して、キーボードを選択します。通常のインストールと
異なり、ディスクのパーティッションの設定やフォーマットは必要ありません。
そのかわり、Alt+F2で画面を切り換えて、以下の操作をします。

# mount -t umsdos /dev/hda1 /mnt
# rm -rf /target
# ln -s /mnt/linux /target

終わったら、Alt+F1でインストーラに戻ります。

4、インストール
あとは、インストーラの指示に従います。base systemのインストール
などは、mountedを選んで、/mnt/debianを指定します。LILOの設定や
ブートフロッピーの作成は実行しないでください。

5、再起動
インストーラで再起動まで終えて、そのままほっておくとWindowsが
起動されるはずですから、その前にF8を押してメニューを出し、DOSを
起動します。または、Windowsを終了させてDOSにしてもかまいません。

以下のコマンドで起動します。3行目に注意してください。これから
Debianを起動するときにも同じ手順になるので、適当にバッチファイルを
作成すると便利かもしれません。

us
cd \debian
loadlin zimage root=/dev/hda1 rw

いくつか文句を言ってきますが、無視。rootのパスワード設定と、一般ユーザの
作成後、dselectに入ります。あとは普通のDebianと同じです。

6、参考にしたもの
doc-linux-jaパッケージに含まれる
/usr/doc/LANG/ja_JP.ujis/UMSDOS-HOWTO.euc.gz
/usr/doc/LANG/ja_JP.ujis/loadlin-doc/*

LINUX JAPAN vol.3の「Libretto de Linux」

7、注意点
UMSDOSの性質によるものですが、以下の点に注意してください。
・Windowsからは、パーミッションによる制御ができないため、簡単に重要な
ファイルをみたり、消去できる。
・ディスクの消費量が異様に多い。パッケージをインストールするときには
残り容量に注意してください。Debianからみた残り容量と、Windowsからみた
残り容量は異なります。

500MBあれば、MuleとSKKとNetHack(と、これらに必要なパッケージ)ぐらいは
問題なくインストールできます。:-)
-- 
喜瀬“冬猫”浩@南国沖縄