#use wml::debian::template title="エラッタ: slink における Linux 2.2.x の実行"

このページでは、Debian 2.1 (slink) で Linux 2.2.x カーネルを実行した際に 起ることが知られている問題を扱います。

slink リリースにおける 2.0.x Linux カーネル最新版の使用は 公式にテストされ、問題のないことが確認されています。 動作の確実な 2.0 シリーズのカーネルの採用は、 Linux 2.2 リリースに先立って Debian がフリーズされたことや、 カーネルのメジャーバージョンの変更が複雑な問題をもたらしかねいことから、 決定されました。

しかし Debian リリースは、 必ずしも特定のバージョンのカーネルを必要とするわけではありません。 Debian でお好みのバージョンのカーネルを動作させることは可能です。 ただ、すべての機能が適切に動作することを私たちが確認していないだけです。 Linux 2.2 シリーズに移行する際、 特定のパッケージで何らかの問題が起きた場合にも、 そのパッケージの「開発版」(potato) バージョンを使えば うまくいく可能性もあります。

Linux 2.2.x カーネルの利用を希望されるユーザを手助けするために、 kernel-source-2.2.1 パッケージが、 当ディストリビューションに収録されています。 ただし、2.2.x ソースツリーの最新バージョンや追加のエラッタを調べるために、 kernel.org のような カーネルディストリビューションの標準サイトを確認されることをお勧めします。 2.2.1 にはいくつかバグがあることが判明しており、 このバージョンにはデータの改竄を引き起こす可能性があることも知られています。 2.2 シリーズのより新しいカーネルパッチを入手し、 それを Linux カーネルソースツリーに当てるべきです。

問題のありうるパッケージ

こちらの一覧が不完全であることにはご注意ください。 また、こちらの一覧にあげられていない他の問題を発見された場合は、 www.debian.org にまでバグを報告してください。 同様に問題のあるパッケージのバグ記録も確認し、 その問題が Linux 2.2 によるものなのかを確かめてください。

sysutils
procinfo はセグメンテーションフォルトを引き起こします。 こちらは、 開発版にあるバージョンで修正されています。
netbase
Linux 2.2 では ipautofwipmasqadm で置き換える必要があり、 また ipfwadmipchains で置き換えられています。 「開発版」の netbase パッケージには、 この移行を容易にするためのラッパースクリプト ipfwadm-wrapper が収録されています。

ifconfig はインターフェースのエイリアスを表示しません。 また ipchains が常にパケットカウンタをクリアするとは限りません。 netbase の初期化スクリプトで設定されるルートによっては、 無害ではありますが警告メッセージを表示します。

これらの問題点はすべて、 開発版 のバージョンでは解決されています。

pcmcia-source
slink に収録されているバージョンの pcmcia-source は、 2.2 カーネルでコンパイルできません。 こちらは 開発版 のバージョンで修正されています。
dhcpcd
Linux 2.2 では問題が発生します。 開発版のバージョンをご利用ください。
dhcp-client-beta
/etc/dhclient-script が 2.2 では動作しません。 こちらは 開発版 のバージョンで修正されています。
wanpipe
slink に収録されているバージョン 2.0.1 は、 2.2 カーネルとの互換性がありません。 開発版から入手できるバージョン 2.0.4 あるいはそれ以降のものは、 2.2 カーネルにて動作します。 ただこちらは、2.0 カーネルでは動作しません。 (なお 開発版のバージョンには 2.0 用のカーネルパッチが収録されています。)
lsof
2.2 カーネル上で動作する lsof のバージョンは無いようです。
acct
2.2 カーネルではアカウントに関する構造体が変更されています。 おそらく新カーネルで動作するパッケージが、 まもなく利用できるようになるでしょう。
isdnutils
Debian に収録されている isdnutils の 3.0 以降は、 カーネル 2.0.x および 2.1.x で動作するはずです。 ただ、このことは Debian にだけ当てはまることです。 というのも、これに関して Debian のパッケージ開発者が特別な処置を行っているためです。 他のディストリビューションでは、こううまくはいかないでしょう。