最近、ローカルから root が奪える欠陥が、Linux カーネルに複数発見されました。 このセキュリティ勧告は、Debian GNU/Linux の PowerPC/Apus カーネルの更新に関するものです。The Common Vulnerabilities and Exposures project で確認されている以下の欠陥が、今回修正されています。
brk() システムコール (do_brk() 関数) に整数オーバフローがあり、 ローカルの攻撃者から root 権限が奪えます。 上流の 2.4.23 で修正されています。
Paul Starzetz さんにより、Linux カーネル (2.4.x と 2.6.x 系列) の mremap 関数で境界チェックに問題が発見されました。これにより、 ローカルの攻撃者から root 権限が奪えます。バージョン 2.2 にはこのバグがありません。上流の 2.4.24 で修正されています。
isec.pl の Paul Starzetz さんと Wojciech Purczynski さんにより、Linux のメモリ管理コードの mremap(2) システムコール内に致命的なセキュリティ欠陥が発見されました。 内部関数の戻り値をチェックしていないため、ローカルの攻撃者から root 権限が奪えます。上流の 2.4.25 と 2.6.3 で修正されています。
安定版 (stable) (woody) ではこの問題は lart、netwinder、riscpc イメージのバージョン 2.4.26/20040204、kernel-patch-2.4.16-arm の バージョン 20040204 でそれぞれ修正されています。
他のアーキテクチャ向けでは、独立の別勧告が出されるか、影響がないか (m68k) です。
不安定版 (unstable) (sid) では、近く修正予定です。
すぐに Linux カーネルをアップグレードすることを勧めます。