佐々木さま、みなさま
Youhei SASAKI uwabami@gfd-dennou.org writes:
platex で生成した dvi を dvipdfmx で pdf にするときに、
餌 篇 狡 蠅 鴉 芦
などの JIS2004改正文字について
dvipdfmx:warning: Unable to map CID to code: CID=3357
などと警告があって、それらを表示できなくなりました。
確認しました.
処理系が platex の場合にはプリアンブルに
\usepackage[jis2004]{otf}
uplatex の場合には
\usepackage[jis2004,uplatex]{otf}
を追加して下さい.
確かにこれで表示できるようになりました。教えていただき、ありがとうござい ます。
ただ、JIS2004改正文字といっても、それほど特別な漢字ではなく、知らずのう ちに文章に紛れ込む可能性のあるものですし、特別にJIS2004字体にこだわって いるわけでない場合は、いつでも otf を使うというのは大袈裟な気がします。 過去のTeXソースとのコンパチビリティの問題もあります。
そこで kanjix.map を眺めていると、次のことに気づきました。
kanji-config-updmap を実行して ipaフォントを使うようにすると、kanjix.map の該当箇所は、次のようになっています。
% ptex-ipa.map gbm H ipag.ttf %!PS IPAGothic gbmv V ipag.ttf %!PS IPAGothic rml H ipam.ttf %!PS IPAMincho rmlv V ipam.ttf %!PS IPAMincho
この状態では先の報告のように dvipdfmx で pdf を作成しても JIS2004改正文 字が抜けます。そこで、
% ptex-ipa.map gbm 2004-H ipag.ttf %!PS IPAGothic gbmv 2004-V ipag.ttf %!PS IPAGothic rml 2004-H ipam.ttf %!PS IPAMincho rmlv 2004-V ipam.ttf %!PS IPAMincho
のように変更すると、以前のようにJIS2004改正文字も抜けずに埋め込まれます。
おそらく、単に H V だとJIS2004に対応していないフォントと認識して、しかも ipaフォントが旧字体を持たないことを知っていて、クリーンにもJIS2004改正文 字だけをスキップするのでしょう。
しかし ipaフォントは実態としてはJIS2004の字体を持っていますので、むしろ 後者のように 2004-H 2004-V として使う方が好都合に思えます。ただし、そう すると haranoaji JIS2004と同じく、現状では pxdvi で表示できなくなります。
そこで、次のような処方が ipa(ex) フォントの取り扱いとしては、正攻法だと 思うのですが、いかがでしょうか?
1. kanjix.map (元は ptex-ipa.map ptex-ipaex.map) の H V を 2004-H 2004-V に変更して ipaフォントを JIS2004フォントとして認識させる。
2. pxdvi (xdvik-ja) を JIS2004に対応してもらう。(whishlist)
現状でも dvipdfmx と pxdvi の map を分ければよいのですが、個人的には次の ようにしてみました。
% ptex-ipa.map gbm H ipag.ttf %!PS IPAGothic gbmv V ipag.ttf %!PS IPAGothic rml H ipam.ttf %!PS IPAMincho rmlv V ipam.ttf %!PS IPAMincho gbm 2004-H ipag.ttf %!PS IPAGothic gbmv 2004-V ipag.ttf %!PS IPAGothic rml 2004-H ipam.ttf %!PS IPAMincho rmlv 2004-V ipam.ttf %!PS IPAMincho
トリッキーですが、これで特に otf を使用しなくても、dvipdfmx と pxdvi の 両方が以前のように使えます。
<副島猛>