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[debian-devel:00628] Debian FAQ Ch.5



ごぶさたしています。八田@日本インターシステムズです。

Debian FAQ の第5章を訳し終えましたので送付します。今回は時間がかかっている割には、気合いが抜けちゃってるので、いつにも増して誤訳が多いかも知れません。査読して頂けるとありがたいのですが。
12章もいちおう訳し終っていますので、また後で送付します。
ちょっと長いです。すみません。

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5. Debian システムとして入手できるソフトウェア

5.1 どんなタイプのアプリケーションや開発ツールが Debian GNU/Linux 向け
に提供されていますか?

  たいていの Linux 配布版と同じく、Debian GNU/Linux は以下のものを提供
しています。

  o ソフトウェア開発やファイル操作、テキスト処理のための主だった GNU 
アプリケーション。gcc と libc、g++、make、texinfo、gnuplot、Bash シェ
ル、数多くのアップグレードされた Unix ユーティリティ。
  o Perlとそのライブラリ
  o TeX と LaTeX、dvips。
  o Linux にネットワーク化されたグラフィカルユーザインターフェースを与
える X Window システムと数多くのX アプリケーション。
  o 他のネットワーク関連のソフトウェア一式。WWW サーバとブラウザ、開発
ツールも含みます。

  ニュースサーバとニュースリーダにはじまりサウンドのサポート、FAX プロ
グラム、データベースと表計算プログラム、イメージ処理プログラム、通信、
ネットワーク、メールユーティリティ、WWW サーバ、ハムラジオプログラムに
いたるまで、だいたい 700 のパッケージが配布版に含まれます。この他にも 
Debian パッケージとして50のパッケージが入手できますが、使用許諾の制限
のため公式な Debian 配布版の一部ではありません。


5.2 そのソフトウェアは誰が作成したのですか?

  o それぞれのパッケージについて、プログラムの作成者は 
/usr/doc/PACKAGE/copyright にクレジットが表示されます。ここで PACKAGE 
はパッケージの名前の代わりです。(パッケージが Debian の古いパッケージ
作成標準に従っていたら、代わりに /usr/doc/copyright/PACKAGE になります)
  o Debian Linux システム向けにソフトウェアをパッケージにした保守担当
者は、それぞれのパッケージに含まれる Debian 制御ファイル(6章4節)に表示
されています。

5.3 Debian プロジェクト向けにパッケージ化されているプログラムの最新の
リストはどうやったら入手できますか。

  完全なリストは、Debian のミラーサイトのどれからでも入手できます。
  indices/Packages-Master-i386.gz というファイルには、80386(またはそれ
以上)のチップが使われているコンピュータで使えるパッケージの簡単な説明
付きのリストがあります。indices/Packages-Master-m68k.gz には、Motorola
68k0x0 CPU を使用したコンピュータで利用できるパッケージの同様のリスト
があります。Debian パッケージへの WWW インタフェースは、最近アップロー
ドされたパッケージを 10 個表示するのと同様に、Debian アーカイブの約 20 
の区分ごとにパッケージの概略をまとめてあります。


5.4 Debian には何がありませんか?

  Debian にすぐにでも必要なパッケージの一覧は Sven Rudolph が保守して
います。詳細は「Debian プロジェクトに貢献するには」(14章1節)をご覧くだ
さい。

5.5 「which」プログラムはどこにありますか

  この質問は歴史的なもので、もう訊かれることもないのですが、Debian メー
リングリストで訊かれたものとしては未だに最多回数をほこっている質問のよ
うなのでこの FAQ に入れてあります。
  バークレー版のユーティリティである which の機能は bash シェルに備わっ
ており、組み込みコマンド type で提供されます。foo という実行ファイルの
パス名を調べるには、type foo とすればわかります。foo がある場所をすべ
て調べるのなら、type -a foo としてください。Debian の保守担当者は 
debianutils というパッケージを作りました。これには which という名の 
bash スクリプトが含まれています。このスクリプトの内容は以下の通りです。

   #!/bin/bash
   for i in $*; do
     type -all -path $i | head -1
   done

  debianutil パッケージは、通常 FTP アーカイブの base ディレクトリに置
いてあります。ですから、どの Debian システムでも、最初にインストールし
た時から使えます。

5.6 Debian は(どのように)Java をサポートしていますか。

  Sun の Java 開発キット(JDK)は現在 Debian パッケージ(jdk_VVV-RRR.deb)
として入手できます。JDK があれば Java プログラムとアプレットを実行でき
るようになり、自分でプログラムが書けるようになります。カーネルが適切に
構成されていれば(下記参照)、JDK を使うと他の実行形式のプログラムとまっ
たく同じように Java プログラムを実行できます。JDK パッケージはデモプロ
グラムをいくつも含んでいます。
  Debian のカーネルは、モジュールとして Java をサポートするよう構成さ
れています(i.e., CONFIG_BINFMT_JAVA=m)。カスタムカーネルを作りたい(10
章1節)方は、もちろん選択すればこの機能を削除できます。いったん、カーネ
ルでモジュールサポート機能が使えるようになったら、モジュールがロードさ
れているか確認する必要があります。/etc/modules というファイルに 
binfmt_java と一行つけ加えれば、システム起動時にロードすることができま
す。また、コマンドラインから insmod <DIRNAME>/binfmt_java.o と実行して
モジュールをインストールすることもできます。ここで<DIRNAME>は、現在動
作中のカーネル向けに作成されたモジュールが置かれているディレクトリの名
前です。カーネルのバージョンが 2.0.0 のシステムでは、DIRNAME は 
/lib/modules/2.0.0/fs/ のようになります。あるモジュールがロードされて
いるかどうかは、lsmod コマンドを使えば確認できます。
  Java アプレットの実行には、アプレットを認識し実行できるブラウザが必
要です。Debian のパッケージとしてインストールできる Netscape のブラウ
ザは、Java アプレットを実行できます。(Netscape のソースコードは公開さ
れていません。Debian の Netscape パッケージは、Debian システム上で 
Netscape をインストールし管理するのを助けるラッパーを提供します。これ
は、Debian システムと商用パッケージの統合のよい実例です)

  最後に、複雑な天の恵みについて。Sun の JDK の使用許諾に関する方針は
時とともに厳しくなっています。そのため、このパッケージは Debian の一部
分としてもうすぐ提供できなくなるかもしれません。Debian Linux 向けに 
Netscape が利用できるのと同じように JDK を利用できるようになるかもしれ
ません。よい知らせもあります。いくつもの開発中のプログラムが誰でも利用
できる魅力的な代替品を提供するでしょう。


5.7.  Debian FTP アーカイブのディレクトリ
(stable/development/non-free/contrib/project)は何ですか?

Debian GNU/Linux 向けにパッケージ化されたソフトウェアは、それぞれの 
Debian のミラーサイトにいくつかあるディレクトリのうちのどれかひとつに
あります。

5.7.1 トップレベルディレクトリ

パッケージを大まかに分類しています。
   o   Debian-1.2: このディレクトリには、公式に Debian Linux システム
の最新リリースを構成しているパッケージがあります。このディレクトリの内
容は変更されません。
   o   Debian-1.2-updates: 現在のリリースに対するアップデートはこのディ
レクトリにあります。
   o   Debian-1.2.x, 別名 stable:  アップデートされた現在のリリースの
コピーがあります。最後の数字は新しくアップデートされるたびに増えていき
ます。
   o   non-free:  このディレクトリには、配布に制限がかかるパッケージが
あります。制限は配布者が特別な著作権の要件の扱いに注意する。たとえば、
商用として配布することを禁止している使用許諾をもっているものがあります。
また、再配布はできますが、実のところシェアウェアでフリーウェアではない
ものもあります。こういったパッケージのそれぞれの使用許諾を、すべての再
配布物(CD-ROMなど)に含める前に学習され、できるだけ交渉されなければなり
ません。
   o   contrib:  このディレクトリには、自由に再配布できるパッケージが
あります。これらのパッケージは、Debian プロジェクトが採っている配布方
針に何らかの理由で適合していません。たとえば、他のユーザが変更すること
に一般的ではない制限をかけているパッケージや、バイナリー形式でのみ入手
できるものなどです。このようなパッケージでは、Debian プロジェクトでは
ユーザにそのパッケージがトロイの木馬に感染していないか、どのような意味
でも保証できませんし、他のアーキテクチャに移植することもできません。自
由に再配布できないバイナリーのみのパッケージは non-free ディレクトリに
あります。

補足ディレクトリ:

   o   tools:  ブートディスクを作成したり、ディスクにパーティションを
切ったり、ファイルを圧縮伸長したり、Linux を立ちあげたりする DOS ユー
ティリティがあります。
   o   upgrades: debian-0.93 システム(a.out バイナリフォーマットに基づ
いています)をDebian-1.1(かそれ以降、ELF バイナリファイルを使用していま
す)にアップグレードするのに必要なファイルがあります。パッケージ管理ツー
ルの特定のバージョンのコピーと a.out システムの更新を開始するための 
dpkg、更新するのに必要なファイルのリストがあれば、手動で dpkg を動かし
ても構いませんし、もっと自動化して dselect を使用しても構いません。
   o   doc:  ドキュメントです。バグレポートの報告の方法もあります。
   o   debian-lists:  Debian メーリングリストのアーカイブです。

開発者の特定の興味に対応して:

   o   development:  現在の開発システムのスナップショットです。ユーザ
はこれらのパッケージを自由に使ったりテストしたりできますが、準備段階で
あることに留意してください。
   o   project/experimental/: このディレクトリには、特に Debian プロジェ
クトに向けて開発されていて、まだテスト段階のパッケージやツールがありま
す。ユーザはこれらのパッケージを自由に使ったりテストしたりできますが、
準備段階であることに留意してください。
   o   private/project/Incoming/:   開発者からアップロードされたパッケー
ジで、配布版保守係がディレクトリ階層に配置するのを待っているパッケージ
があります。
   o   indices/: Packages-Master ファイルを含む、様々なリストがありま
す。

5.7.2 サブディレクトリ
  主要なディレクトリツリー(stable、non-free、contrib、development。た
だしproject/experimental は違います。分割するには小さすぎますから)の中
ではそれぞれ、バイナリパッケージは、そのパッケージが対象としている CPU 
の名前を表すサブディレクトリに置いてあります。

  o  binary-all、アーキテクチャに依存しないパッケージがあります。たと
えば、Perl のスクリプトがあります。
  o  binary-i386、80x86 マシンで実行されるパッケージです。
  o  binary-m68k、モトローラの 680x0 プロセッサの一つを使用したマシン
で実行されるパッケージです。現在、おもに Atari と Amiga 向けに作られて
おり、VME ベースの産業標準ボードのなかにも実行できるものがあります。古
い m68k ベースのマッキントッシュに移植された Linux はありません。Apple 
が、移植に必要なハードウェア情報を提供しないからです。
  o  binary-sparc、Sun Sparcstations で実行されるパッケージです。
  o  binary-alpha、DEC Alpha マシンで実行されるパッケージです。

5.8.  ソースコードはシステムに含まれていますか?

  Debian システムのあらゆるもののソースコードが含まれています。システ
ムに含まれるプログラムの使用許諾条件は、たいてい、プログラムと一緒にソー
スコードが配布されることを要求しているか、プログラムと共にソースコード
も提供するよう申し出ています。

  contrib と non-free ディレクトリにあるパッケージのソースコードは入手
できるかもしれませんし、配布されていないかもしれません。このパッケージ
は公式には Debian システムの一部ではありません。

5.9 どうしたら Debian システムを使用しているか調べられますか?

  dpkg プログラムが存在していれば、Debian パッケージをお使いのシステム
にインストールすることができるでしょう。システムが Debian の base ディ
スクからインストールされているか確認するためには、/etc/debian_version 
というファイルがあるか調べてください。

5.10 今使っている Debian システムのバージョンを調べるにはどうしたらい
いですか?

  /etc/debian_version というファイルがあります。このファイルは一行だけ
のエントリを持ち、これでそのリリースのバージョン番号がわかります。バー
ジョン番号はパッケージベースで規定されます。
  とはいえ、ユーザは以下のことに気をつけておくべきです。Debian システ
ムは多くの部分から成りたっていますが、それぞれが(ほとんど)独立にアップ
デートできます。それぞれの Debian のリリースは、きちんと定義された、変
更されない内容を持っています。アップデートは別々に提供されます。foo と
いうパッケージのインストール状態を一行で解説されたものを見るには、dpkg
--list foo という命令を使用して下さい(引き数を与えなかったら、インストー
ルされているすべてのパッケージのバージョンを表示します)。より詳しい解
説は、dpkg --status foo として下さい。

5.11.  Debian は英語以外の言語をどの程度サポートしていますか?

  o  Debian  GNU/Linux は、およそ2ダースのキーボードに対応した 
keymaps と対応表をインストールし、表示、修正するためのユーティリティ
(kbdパッケージに入っています)と一緒に配布されています。インストール時
に、ユーザが使っているキーボードを指定するように促されます。

  o  フランス語とドイツ語、イタリア語、スペイン語のマニュアルがサポー
トされており、それぞれ manpages-fr、 manpages-de、manpages-it、
manpages-esパッケージとして提供されています。されたマニュアルページを
見るには、LC_MESSAGES に適切な値を設定しなければなりません。ドイツ語の
マニュアルページの場合、LC_MESSAGES に'de_DE'という値を設定してくださ
い。man プログラムは、/usr/man/de_DE の下のドイツ語のマニュアルページ
を検索します。

5.12.  アメリカ合衆国の輸出規制の制限はどうなるのでしょう?

  アメリカ合衆国は法律で国防に関る物件の輸出に制限を設けています。これ
にはある種の暗号化ソフトウェアが含まれます。PGP と ssh はこの範疇に入
ります。
  不必要な法的リスクを避けるために、Debian GNU/Linux のパッケージのな
かにはアメリカ合衆国外のサイト
(ftp://os.inf.tu-dresden.de:/pub/debian-non-US/)でのみ提供しているパッ
ケージもあります。このサイトにはミラーサイトの一覧
(ftp://os.inf.tu-dresden.de/pub/debian-non-US/README.mirrors)もありま
す。

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以上です。

#新規にマシンをあつらえて、やっと Debian GNU/Linux 上で日本語メールの読
#み書きができるようになりました。日本語パッケージを作成してくださった方
#のおかげと感謝しています。

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// All I need to know about life I learned computers.
// 日本インターシステムズ(株) 共通システム部 八田修三
// e-mail : hattas@xxxxxxxxxxxxxx / hattas.nisz.co.jp
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