[debian-devel:12752] New Maintainer プロセス

[Tomohiro KUBOTA <kubota@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>]

久保田です。

私は、Debian の official developer となるべく New Maintainer (NM)
に応募していました。そして、きのう、7/30 (日) に、IRC 上で、
Application Manager (AM) による審査を受けました。応募者の参考の
ために、私のたどった手順と進行状況についてレポートします。

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official maintainer になるための手順は、
http://www.debian.org/devel/join/newmaint
にまとめられていますので、まずはそちらを参照してください。
この文書はあくまでケーススタディであって、一般的な解説では
ありません。
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まず、new-maintainer@debian.org に応募のメールを出します。
私は、このアドレスが復活してから間もない2000年4月12日に出しました。
new-maintainer 復活のための試験運用にはぎりぎり間に合いません
でした。(new-maintainer チームが活動を停止していたころの応募は、
有効ではありません。私は1999年の7月に出していたのですが...)

応募のメールには、いろいろと書いたのですが、あとから分かったことですが、
それは処理されていなかったようです。というのは、1ヶ月待っても
なにも反応がなかったので、どうなっているのか尋ねるメールを出したの
ですが、
http://nm.debian.org/nmstatus.php?email=kubota@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
に示されている受付日は、そのメールを出した日なのです。
最初のメールが処理されなかった理由は、試験運用の終了と
本運用との谷間にはまってしまったためか、それとも、メールの
Subject に [new-application] とつけなかったためか、分かりませんが。

Application Manager (AM) からのメールが来たのは、7/28 でした。
私の AM は、William Ono でした。そのメールによると、いちばん
時間がかかるのは step 2 の Identification なので早いとこ始めよう、
とのことでした。また、Debian Free Software Guideline と 
Debian Social Contract は熟知しておくようにとの助言がありました。
また、都合が良ければ IRC で話がしたい、何も問題がなければ30分から
1時間くらいだということでした。そこで、その日時をメールで相談しました。
それと同時に、Identification に必要なもの --- gpg 公開鍵と、写真入りの
身分証明書をスキャンしたイメージに gpg で署名したもの --- を
送りました。gpg 公開鍵は鵜飼さん (Debian の official maintainer
であることが重要) にサインしていただいたものなので、これで 
Identification の要件を満たすことができました。

IRC での話の話題は、Web ページの Applicant's Checklist の
step 3, 4 の審査です。それは、日本時間の7月30日(日)の14:00頃から、
30分弱でした。

DFSG と DSC については、十分に理解し、自分の意見を持っていないと
答えられないような質問が出されます。[練習問題: DSC のうち、最も
重要だと思う条項はどれか。また、その理由は？ --- ちなみにこれは
実際の質問とは違います。まったく私の独創です]。それから、どんな仕事を
したいか。おそらく、これを読んでいる方々は、すでに Debian JP Project で
何らかの仕事を経験し、それに必要な技術も身につけていると思われます
ので、ここはそれほど問題にならないでしょう。ちなみに、
パッケージ作成をやりたい人は、作成したパッケージをあとで
チェックされます。あまりにダメダメなパッケージングをしてると、
落とされるのでしょうか。

IRC による議論の最後には、希望するアカウント名と、debian-policy 
メーリングリストの送付先を聞かれました。なお、debian-policy の
送付先は、official maintainer になった後に変更することができます。

議論が終わると、AM から IRC ログが送られてきます。それに署名を
して送り返します。

現在のところ、ここまで進んでいます。あとは、AM が NM-Committee に
(私の審査に関する) レポートを提出し、それを NM-Committee が承認
すれば、DAM (Debian Account Manager) がアカウントを作成してくれて、
それで完了となる予定です。必要なら電話がかかってくることもあるそう
ですが、今のところ、New Maintainer チームが再開してから電話が
必要になることはなかったそうです。ちなみに、IRC で「セサミストリート
でさえ聞き取りが苦しい」と言ったら、もし電話が必要なら日本人に
すべきだと AM レポートに書いておくと言ってくれました。
ちなみに、電話が必要になるのは、DFSG と DSC についてもっと
議論が必要な場合だとのことです。

また、あとどれくらい時間がかかるかについても質問してみましたが、
最後のアカウント作成がひとり (james troupe) に任されているため、
そこが律速段階になるだろうとのこと。

それでは、また進展があれば追加レポートを出します。


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Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.or.jp>
http://surfchem0.riken.go.jp/~kubota/