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dpkg(8)
- From: Hiroshi KISE <kise@xxxxxxxxxxxx>
- Subject: dpkg(8)
- Date: Wed, 8 Jul 1998 16:44:24 +0900
- X-dispatcher: imput version 980506
- X-ml-info: If you have a question, send a mail with the body "# help" (without quotes) to the address debian-doc-ctl@debian.or.jp
- X-ml-name: debian-doc
- X-mlserver: fml [fml 2.1A#45]; post only from members
- Message-id: <199807080744.QAA09465@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
- X-mail-count: 00255
- X-mailer: Mew version 1.93b33 on Emacs 20.2 / Mule 3.0 (MOMIJINOGA)
3度目のdpkg(8)です。今回は、整形済みの形式です。
# こないだまでcol -bが使えたはずなんですが…。今回は
# man -l dpkg.8 | jcolb
# を使っています。
--
喜瀬“冬猫”浩@南国沖縄
−−−−−−−−−−−−−−−ここから−−−−−−−−−−−−−−−
名前
dpkg - Debian GNU/Linux 低レベルパッケージマネージャ
書式
dpkg [オプション] アクション
警告 警告 警告
このマニュアルは記述されたときから正確ではなく、今では内容
も古くなっている。
dpkg がどのようにパッケージをインストールするのかを理解 す
る、という目的のために、パッケージ管理者がこのマニュアルを
読んでは いけない。
このマニュアルは、 dpkg のコマンドラインオプションやパッケ
ー ジ状態について、 dpkg --help では得られない、より詳細な
情報を知りたい場合のためのものである。
パッケージをインストールするときや削除するときの dpkg の動
作に関する記述は、特に不十分である。よりくわしい情報につい
ては、 Gnu Info システムの ガイドライン集 に あ る Debian
Packaging Guidelines を参照すること。
説明
dpkg は、Debian GNU/Linux のパッケージの、インストール、構
築、削除、管理をするためのツールである。 dselect(8) は、
dpkg の代表的なフロントエンドで、よりユーザフレンドリなツ
ールである。 dpkg にコマンドラインパラメータを与える こ と
で、すべてを制御することができる。コマンドラインパラメータ
は、複数のオプションと、1つのアクションで構成される。ア ク
ショ ン・パラメータは、dpkg に何をさせるのかを指定し、オプ
ションはそのアクションのふるまいを制御する。
また、 dpkg は dpkg-deb のフロントエンドとしても使うことが
できる。 -b , --build , -c , --contents , -I , --info , -f
, --field , -e , --control , -x , --extract , -X , --vex-
tract そして --fsys-tarfile といったアクションは dpkg-deb
のアクションであり、 dpkg にこれらのアクションを指示 す る
と、単に同じパラメータを与えた dpkg-deb を起動する。これら
のアクションについては、 dpkg-deb(8) にくわしい情 報 が あ
る。
アクション
dpkg -i | --install <パッケージファイル名> ...
指定したパッケージをインストールする。もし --recur-
sive または -R オプションを指定する場合、 <パッケー
ジ ファイル名> の代わりに、参照するディレクトリを指
定しなければならない。
インストールは、以下の手順で構成されている。
1. インストールするパッケージの制御ファイルを取 り
出す。
2. もし同じパッケージの別のバージョンがすでにイン
ストール済みの場合、インストール済みのパッケージ の
prerm スクリプトを実行する。
3. もしパッケージが preinst スクリプトを提供してい
る場合、それを実行する。
4. ファイルを展開する。同時に、何か失敗して元に 戻
すときのために、古いファイルを保存する。
5. もし同じパッケージの別のバージョンがすでにイン
ストール済みの場合、先にインストールされていた パッ
ケ ージの postrm を実行する。このスクリプトが、新し
いパッケージの preinst の後に実行される、つまり新し
い ファイルが書き込まれて古いファイルが削除された状
態で実行されることに注意すること。
6. パッケージの設定をする。これがどのように実行 さ
れるか、 --configure にくわしい情報がある。
dpkg --unpack <パッケージファイル名> ...
パッ ケ ー ジ を 展開する、しかし設定はしない。もし
--recursive または -R オプションを指定す る 場 合、
<パッケージファイル名> の代わりに、参照するディレク
トリを指定しなければならない。
dpkg --configure <パッケージ名> ... | -a|--pending
展開済みのパッケージを再設定する。もし、 -a また は
--pending を指定した場合、まだ設定されていない展開
済みのすべてのパッケージを設定する。
設定は、以下の手順で構成されている。
1. 設定ファイルを展開する。同時に、何か失敗して 元
に戻すときのために、古い設定ファイルを保存する。
2. もしパッケージが postinst スクリプトを提供して
いる場合、それを実行する。
dpkg -r|--remove | --purge <パッケージ名> ... | -a|--pend-
ing
イ ン ス トール済みのパッケージを削除する。 --purge
は、設定ファイルを含むすべてを削除す る。 --remove
は、設定ファイルを除いたすべてを削除する(設定ファイ
ルの一覧は、 conffiles コントロールファ イ ル に あ
る)。 もし、 -a または --pending が指定されている場
合、展開されていて、remove または purge の印のあ る
パッ ケ ー ジすべてを remove または purge する(印は
/var/lib/dpkg/status に記録されている)。
パッケージの削除は以下の手順で構成されている。
1. prerm スクリプトを実行する。
2. インストールしたファイルを削除する。
3. postrm スクリプトを実行する。
dpkg -A | --avail <パッケージファイル名> ...
dpkg や dselect が利用する、利用可能であるかとい う
情 報 や、 そ の パッケージに関する情報をパッケージ
<パッケージファイル名> から得て、更新する。 も し、
--recursive ま た は -R オプションを指定する場合、
<パッケージファイル名> の代わりに参照するディレクト
リを指定しなければならない。
dpkg --update-avail | --merge-avail <パッケージ一覧ファイ
ル>
dpkg や dselect が利用する、パッケージが利用可能 で
あ るかという情報を <パッケージ一覧ファイル> から得
て、更新する。 --merge-avail アクションは、古い情報
に <パッケージ一覧ファイル> の情報を組み合わせる。
--update-avail アクションは、古い情報を <パッケージ
一 覧ファイル> の情報で置き換える。 <パッケージ一覧
ファイル> は Debian GNU/Linux と一緒に配布されて い
る。名前は単純に Packages である。
dpkg --yet-to-unpack
イ ンストールするために選択されたが、何らかの理由で
まだインストールされていないパッケージを探す。
dpkg -l|--list [<パッケージ名のパターン> ...]
与えられたパターンにマッチする名前のパッケージを 表
示 する。もし <パッケージ名のパターン> が与えられな
い場合は、 /var/lib/dpkg/available にあるすべ て の
パッ ケージを表示する。 <パッケージ名のパターン> に
は、標準的なシェルのワイルド文字を使用することが で
きる。
dpkg -L|--listfiles <パッケージ名> ...
<パッケージ名> パッケージからインストールしたファイ
ルを表示する。ただし、パッケージ付属のインストー ル
ス クリプトによって作成されたファイルは表示されない
ことに注意すること。
dpkg -C|--audit
インストールが完了していないパッケージを探す。 dpkg
は インストールを完了させるためにどうすればよいかを
提案する。
dpkg -S|--search <ファイル名検索パターン> ...
指定したファイルがどのパッケージからインストール さ
れ たかを探す。パターンには、標準的なシェルのすべて
のワイルド文字を使用することができる。
dpkg -s|--status <パッケージ名> ...
指定したパッケージの状況を報告する。これは、単に イ
ン ストール済みパッケージ状況データベースからの内容
を表示している。
dpkg --help
簡単なオプション一覧を表示する。
dpkg --licence
dpkg のライセンスを表示する。
dpkg --version
バージョン情報を表示する。
dpkg-deb-actions
このアクションのくわしい情報は dpkg-deb(8) を参照す
ること。
dpkg -b|--build <ディ レ クトリ> [<ファイル名>] -
Debian GNU/Linux パッケージを構築する。
dpkg -c|--contents <ファイル名> - Debian GNU/Linux
パッケージに含まれるファイル一覧を表示する。
dpkg -e|--control <ファイル名> [<ディレクトリ>] -
パッケージから制御情報を取り出す。
dpkg -x|--extract <ファイル名> <ディレ ク ト リ> -
パッケージに含まれるファイルをすべて取り出す。
dpkg -f|--field <ファイル名> [<制御フィールド>...]
- パッケージの制御フィールドを表示する。
dpkg --fsys-tarfile <ファイル名> - Debian パッケ ー
ジに含まれる tar ファイルを表示する。
dpkg -I|--info <ファイル名> [<制御ファイル>] - パッ
ケージに関する情報を表示する。
dpkg -X|--vextract <ファイル名> <ディレク ト リ> -
パッ ケージに含まれるファイルを展開し、ファイル名を
表示する。
オプション
-B | --auto-deconfigure
パッケージを削除するとき、削除するパッケージに依 存
し た別のパッケージがインストールされて場合がある。
このオプションを指定すると、削除するパッケージに 依
存しているパッケージの設定を取り消す。
-Dh | --debug=help
デバッグオプションの一覧を表示する。
-D<8進数> | --debug=<8進数>
デバッグモードにする。 <8進数> は、ビットごとに意味
を持つ8進数で、以下の一覧から望む値を組み合わ せ る
(これらの値は、将来のリリースでは変更される可能性が
あるので注意)。
数値 説明
1 一般的に役に立つ進行状況
2 管理スクリプトの実行状況と状態
10 各ファイル処理の情報
100 各ファイル処理の大量の情報
20 各設定ファイルの情報
200 各設定ファイルの大量の情報
40 依存関係、競合関係
400 依存関係、競合関係の大量の情報
1000 dpkg/info ディレクトリなどに関する大量の 情
報
2000 正気でないほどの大量の情報
--force-<行為> | --no-force-<行為> | --refuse-<行為>
何 か の 行 為 を 強制実行する(force)、または拒否す
る(refuse)(no-force と refuse は同じ意味)。 <行 為>
は、以下のものをコンマで区切ったリストである。
downgrade(*): インストールするパッケージよりも新し
いバージョンのパッケージがすでにインストールされ て
いても、インストールをする。
configure-any: 指定したパッケージに依存していて、す
でに展開されているが、まだ設定されていないパッケ ー
ジも一緒に設定をする。
remove-reinstreq: 壊れていて、再インストールが必要
だと印をされていたとしても、パッケージを削除す る。
こ れにより、例えば、 dpkg に管理されていないパッケ
ージの一部が残るなどの問題がおこるかもしれない。
hold: そのパッケージが hold (変更禁止)されていよ う
がいまいが、それを無視する。
remove-essential: essential と されるパッケージで
あっても削除する。essential パッケージには、たい て
い 基 本 的な UNIX コマンドなどが含まれる。これらの
パッケージを削除すると、システム全体が動作しなく な
ることもあるので、注意して削除すること。
conflicts: 他のパッケージと競合してもインストールす
る。たいていはいくつかファイルを上書きすることに な
るため、危険である。
depends: 他のパッケージが依存しても削除する。たいて
いは依存しているパッケージが動作しなくなる。
depends-version: 依存関係の確認をするとき、バージョ
ン を無視する。たいていは依存しているパッケージが動
作しなくなる。
(*)の印のついた行為は、デフォルトで強制実行される。
警 告: これらのオプションは、おもに熟練したユーザが
使うことを意図したものである。影響を完全に理解し な
い ままにこれらを使うと、システム全体を壊してしまう
かもしれない。
--ignore-depends=<パッケージ>,...
指定したパッケージに関する依存関係の確認を 無 視 す
る(実際は、依存関係を確認する。しかし、競合に対して
警告をするだけである)。
--largemem | --smallmem
dpkg に対して、メモリを必要なだけ使用するか節約して
使用するか指定する。
--new | --old
パッ ケ ー ジのフォーマットが新しいか古いかを指定す
る。これは dpkg-deb(8) のオプションである。
--nocheck
パッケージを構築するときに、制御ファイルの内容を 読
むことも確認もしない。これは dpkg-deb(8) のオプショ
ンである。
--no-act
期待される動作をすべて実行するが、どのような変更 も
書 き込まない。これは、実際にはシステムに何の変更も
加えずに、指定したアクションで何がおこるのかを確 認
するためのものである。
ア クションパラメータの前に --no-act を置くように確
認せよ。さもなくば、予期しない結果に終わる。 (例 え
ば、 dpkg --purge foo --no-act は、実際にはシステム
に何も変更を加えることはないと思うかもしれない。 し
か し、 こ れ は最初にパッケージ foo を本当に purge
し、次にパッケージ --no-act を purge しようとする)
-R | --recursive
指定したディレクトリを再帰的に検索しみつけた *.deb
と いうパターンにマッチするファイルをすべて扱う。こ
れは、 -i , -A , --install , --unpack そ し て
--avail アクションとともに使うことができる。
-G イ ンストール済みのパッケージのほうがバージョンが新
しければ、インストールしない。これは --refuse-down-
grade の別名である。
-R|--root=<ディ レ ク ト リ> | --admindir=<ディ レ ク ト
リ> | --instdir=<ディレクトリ>
デ フォルトのディレクトリを変更する。 admindir はイ
ンストール済みやインストールされていないパッケー ジ
の 状態に関する情報などを提供する、多数のファイルが
格納されているディレクトリである。 デ フォ ル ト は
/var/lib/dpkg である。 instdir はパッケージがインス
トールするときに参照されるディレクトリで、デフォ ル
ト は / である。また、 instdir は、パッケージのイン
ストールスクリプトが実行される前に chroot(2) す る
ディ レ ク ト リ のパスである。つまり、スクリプトは
instdir をルートディレクトリとみなす。 root を変 更
すると、 instdir を <ディレクトリ> に、 admindir を
<ディレクトリ>/var/lib/dpkg に変更する。
-O | --selected-only
インストールの指定だけをする。実際の処理 は、 dse-
lect や dpkg によってパッケージを扱うときに実行され
る。たとえば、インストール時に印をされていたパッ ケ
ージが削除される、などである。
-E | --skip-same-version
す でに同じバージョンのパッケージがインストールされ
ていたら、インストールしない。
パッケージに関する情報
dpkg は、いくつかの利用可能なパッケージに関する有用な情 報
を 管理している。情報は3つに分類できる: 状態、 選択状態、
フラグ。これらの値は主に dselect によって変更される。
パッケージ状態
installed
パッケージの展開と設定が完了している。
half-installed
パッケージのインストールは開始しているが、何らか の
理由で完了していない。
not-installed
パッケージはシステムにインストールされていない。
unpacked
パッケージは展開されたが、設定はされていない。
half-configured
パッ ケージは展開され、設定も開始しているが何らかの
理由によって完了していない。
config-files
パッケージの設定ファイルだけが存在している。
パッケージ選択状態
install
パッケージはインストールするように選択されている。
deinstall
パッケージは deinstallation (設定ファイルを除くすべ
て のファイルを削除すること) するように選択されてい
る。
purge パッケージは purge (設定ファイルも含めてす べ て の
ファイルを削除すること) するように選択されている。
パッケージフラグ
hold パッ ケ ー ジ は hold (変更禁止)されている。これは
--force-hold で強制しない限り dpkg で扱わないという
こと。
reinst-required
パッケージは reinst-required されている。これは、壊
れていて再インストールが要求されているというこ と。
こ の パッケージは --force-reinstreq で強制しない限
り、削除することができない。
ファイル
ここに示すファイル一覧はデフォルトの位置である。どのように
してファイルの位置を変更するかについては、 --admindir オプ
ションを参照すること。
/var/lib/dpkg/available
使用できるパッケージの一覧。
/var/lib/dpkg/status
使用できるパッケージの状態。このファイルは、パッ ケ
ー ジに削除の印があるかどうか、インストール済みかど
うか、などの情報が含まれている。くわしくは、 パッケ
ージに関する情報の項を参照。
control
こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
すること。
conffiles
このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
すること。
preinst
こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
すること。
postinst
このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
すること。
prerm こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
すること。
postrm このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
すること。
環境変数
DPKG_NO_TSTP
任 意の値で定義すると、シェルエスケープをしたときに
dpkg をサスペンドせずに、新しいシェルを起動する。
SHELL dpkg が新しいシェルを起動するときに、実際に起動する
プログラム。
関連項目
deb(5) , dpkg-deb(8) , dselect(8) , deb-control(5)
バグ
--no-act の提供する情報はたいていの場合、不充分である。
著者
dpkg は Ian Jackson (ian@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx) によって書
か れ た。 マ ニュ ア ル ペ ー ジ は Juho Vuori
(javuori@xxxxxxxxxxxxxx) によって追加された。