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Debian Policy Manual Chapter 2



森本%初体験です

引き受けた時、既にかなりの訳があった部分にも係わらず、えらく遅くなって
しまいました。ぱっと見ていて日本語訳が付いてない部分に手を入れて行った
んですが、「おし投稿〜」という時になって、飛ばされている部分に気が付い
て「ここやってないやん〜」ということが何度かありました。

メンテナとかやってないので、ソースパッケージ回りの内容(というか訳語)に
いまいち自信が持てません。チェック宜しくお願いします。

-------------

    <chapt>
      <!--
    <heading>The Debian Archive</heading>
      -->
      <heading>Debian アーカイヴ</heading>
      <p>
	<!--
	The Debian GNU/Linux system is maintained and distributed as a
	collection of <em>packages</em>. Since there are so many of them (over
	2600) they are split into <em>sections</em> and <em>priorities</em> to
	simplify handling of them.
	-->
	Debian GNU/Linux システムは<em>パッケージ</em>の集合体として
	管理、配布されています。Debian には非常に数多くの(2600 個以上の)
	パッケージが含まれますので、取り扱いを簡略化するため
	パッケージは<em>セクション</em>と<em>プライオリティ</em>
	によって分類されています。
      </p>
      <p>
	<!--
	The effort of the Debian project is to build a free operating
	system, but not every package we want to make accessible is
      <em>free</em> in our sense (see Debian Free Software
	Guidelines, below), or may be imported/exported without
	restrictions. Thus, the archive is split into the sections
      <em>main</em>, <em>non-us</em>, <em>non-free</em>, and
      <em>contrib</em>.
	-->
	Debian プロジェクトはフリーなオペレーティングシステムの構築を
	目指して努力を重ねていますが、私たちが利用可能にしたい
	と思う全てのパッケージが私たちが言うところの<em>フリー</em>(詳しくは
	以下の「Debian フリーソフトウェアガイドライン」をご覧下さい)である、
	あるいは制限なしに輸出入ができるとは限りません。そこで、
	Debian アーカイヴは <em>main</em>、<em>non-us</em>、
	<em>non-free</em>、<em>contrib</em>の各セクションに
	分割されています。
      </p>	
      <p>
	<!--
	The <em>main</em> section forms the <em>Debian GNU/Linux
	distribution</em>. 
	-->
	<em>Debian GNU/Linux ディストリビューション</em>は
	<em>main</em>セクションによって構成されます。
      </p>
      <p>
	<!--
	Packages in the other sections are not considered as part of
	the Debian distribution, though we support their use, and we
	provide infrastructure for them (such as our bug-tracking
	system and mailing lists). This Debian Policy Manual applies
	to these packages as well.
	-->
	main 以外のセクションに収録されているパッケージは Debian
	ディストリビューションの一部とは見なされません。
	しかしながら私たちはそれらのパッケージの使用を支援しますし、
	またそれらに対するインフラストラクチャー(バグ追跡システムや
	メーリングリストなど)を提供します。Debian ポリシーマニュアル
	の記述はこれらのパッケージにも適用されます。
      </p>
      
      <sect id="pkgcopyright">
	<!--
      <heading>Package copyright and sections</heading>
	-->
	<heading>パッケージの著作権とセクション</heading>
	<p>
	  <!--
	  The aims of this policy are:
	  -->
	  このポリシーの意図は以下のようなものです。
	  
	  <list compact="compact">
	    <item>
	      <p>
		<!--
		We want to make as much software available as we
		can.
		-->
		可能な限り多くのソフトウェアを利用可能にしたい。
	      </p>
	    </item>
	    <item>
	      <p>
		<!--
		We want to encourage everyone to write free software.
		-->
		すべての人に、フリーソフトウェアを書くことを奨励したい。
	      </p>
	    </item>
	    <item>
              <p>
		<!--	
	        We want to make it easy for people to produce
		CD-ROMs of our system without violating any licenses,
		import/export restrictions, or any other laws.
		-->
		人々が私たちのシステムの CD-ROM を、いかなるライセンス、
		輸出入制限、その他の法にも違反することなく簡単に制作できるように
		したい。
	      </p>
	    </item>
	  </list>
	</p>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The Debian Free Software Guidelines</heading>
	  -->
	  <heading>Debian フリーソフトウェアガイドライン</heading>
	  <p>
	    <!--
	    The Debian Free Software Guidelines (DFSG) is our
	    definition of `free' software.
	    -->
	    Debian フリーソフトウェアガイドライン(DFSG)は私たちが
	    「フリー」であると考えるソフトウェアの定義です。
	    <taglist>
	      <!--
	    <tag>Free Redistribution</tag>
	      -->
	      <tag>自由な再配布</tag>	
	      <item>
		<p>
		  <!--	
		  The license of a Debian component may not restrict any
		  party from selling or giving away the software as a
		  component of an aggregate software distribution
		  containing programs from several different
		  sources. The license may not require a royalty or
		  other fee for such sale.
		  -->
		  Debian の一部分を構成するコンポーネントのライセンスは
		  いかなる団体に対しても、そのソフトウェアをいくつかの
		  異なる出自を持つプログラムを複数含む集積された
		  ソフトウェアの配布物の一部として販売ないし無料で配布することを
		  制限してはなりません。
		</p>
	      </item>
	    <!--
	    <tag>Source Code</tag>
	      -->
	      <tag>ソースコード</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The program must include source code, and must allow
		  distribution in source code as well as compiled form.
		  -->
		  プログラムはソースコードを含んでいなければならず、
		  コンパイル済み形式同様ソースコードでの配布も許可しなければ
		  なりません。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>Derived Works</tag>
	      -->
	      <tag>派生物</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The license must allow modifications and derived
		  works, and must allow them to be distributed under the
		  same terms as the license of the original software.
		  -->
		  ライセンスは変更および派生物を許可しなければなりません。
		  また、それらがオリジナルのソフトウェアのライセンスと同じ配布条件
		  の元で配布されることを許可しなければなりません。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>Integrity of The Author's Source Code</tag>
	      -->
	      <tag>作者のソースコードの完全性</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The license may restrict source-code from being
		  distributed in modified form <em>only</em> if the
		  license allows the distribution of ``patch files''
		  with the source code for the purpose of modifying the
		  program at build time. The license must explicitly
		  permit distribution of software built from modified
		  source code. The license may require derived works to
		  carry a different name or version number from the
		  original software.  (This is a compromise. The Debian
		  group encourages all authors to not restrict any
		  files, source or binary, from being modified.)
		  -->
		  ライセンスはソースコードを変更された形式で配布すること
		  を、もしそのライセンスが、プログラムをビルドする際に
		  変更する目的で「パッチファイル」をソースコードと共に
		  配布することを許可している場合に<em>限り</em>制限することが
		  できます。ライセンスは変更されたソースコードから
		  ビルドされたソフトウェアの配布を明示的に許可していなければなりません。
		  ライセンスは派生物に対して、オリジナルのソフトウェアとは
		  異なった名前ないしバージョン番号を冠することを要求することは
		  認められます(これは妥協です。Debian グループはすべての作者に
		  ソース、バイナリを問わずいかなるファイルへの変更を制限しない
		  ことを推奨しています)。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>No Discrimination Against Persons or Groups</tag>
	      -->
	      <tag>個人ないし団体に対する排斥の禁止</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The license must not discriminate against any person
		  or group of persons.
		  -->
		  ライセンスはいかなる個人ないし個人からなる団体
		  に対しても差別をしてはなりません。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>No Discrimination Against Fields of Endeavor</tag>
	      -->
	      <tag>使用分野に対する排斥の禁止</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The license must not restrict anyone from making use
		  of the program in a specific field of endeavor. For
		  example, it may not restrict the program from being
		  used in a business, or from being used for genetic
		  research.
		  -->
		  ライセンスは誰に対しても、プログラムをある特定の分野で
		  使用することを制限してはなりません。例えば、
		  ライセンスでプログラムをビジネスにおいて使用すること、
		  または遺伝子研究に使うことを制限してはなりません。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>Distribution of License</tag>
	      -->
	      <tag>ライセンスの分散</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The rights attached to the program must apply to all
		  to whom the program is redistributed without the need
		  for execution of an additional license by those
		  parties.
		  -->
		  プログラムに付属する諸権利はそのプログラムが再配布される
		  すべての人びとに適用されなければならず、その人びとによる
		  追加ライセンスの履行を必要としてはなりません。
	      </p>
	      </item>
	      <!--
            <tag>License Must Not Be Specific to Debian</tag>
            -->
	      <tag>ライセンスは Debian においてのみ適用されるものであってはならない
	      </tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The rights attached to the program must not depend on
		  the program's being part of a Debian system. If the
		  program is extracted from Debian and used or
		  distributed without Debian but otherwise within the
		  terms of the program's license, all parties to whom
		  the program is redistributed must have the same
		  rights as those that are granted in conjunction with
		  the Debian system.
		  -->
		  プログラムに付属する諸権利はそのプログラムがある Debian システム
		  の一部であるということに依存するものであってはなりません。
		  もしそのプログラムが Debian から取り出され、Debian 抜きで
		  使用ないし配布されるとしても、そのプログラムのライセンスが
		  定める条件の範囲内で扱われる限り、そのプログラムが再配布された
		  全ての人びとは、Debian システムとの関連に
		  基づいて認められていたのと同じ諸権利を有します。
		</p>
	      </item>
	      <!--
            <tag>License Must Not Contaminate Other Software</tag>
	      -->
	      <tag>ライセンスは他のソフトウェアに影響を及ぼしてはならない</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The license must not place restrictions on other
		  software that is distributed along with the licensed
		  software. For example, the license must not insist
		  that all other programs distributed on the same medium
		  must be free software.
		  -->
		  ライセンスはそのライセンスが適用されたソフトウェアと一緒に
		  配布される他のソフトウェアに制限を設けてはなりません。
		  例えば、ライセンスは同じメディアで配布される他のプログラム
		  全てがフリーソフトウェアであることを主張してはなりません。
		</p>
	      </item>
	      <!--
	    <tag>Example Licenses</tag>
	      -->
	      <tag>ライセンスの例</tag>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  The ``GPL,'' ``BSD,'' and ``Artistic'' licenses are
		  examples of licenses that we consider <em>free</em>.
		  -->
		  「GPL」、「BSD」、「Artistic」ライセンスなどが
		  私たちが<em>フリー</em>であると見做すライセンスの例です。
		</p>
	      </item>
	    </taglist>
	  </p>
	</sect1>
      <sect1>
	  <!--
	<heading>The main section</heading>
	  -->
	  <heading>main セクション</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every package in "main" must comply with the DFSG (Debian
	    Free Software Guidelines).
	    -->
	    「main」に収録されるパッケージは全て DFSG (Debian フリーソフトウェア
	    ガイドライン)に準拠していなければなりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    In addition, the packages in "main"
	    -->
	    加えて、「main」に収録されるパッケージは 
	    <list compact="compact">
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  must not require a package outside of "main" for
		  compilation or execution (thus, the package may not
		  declare a "Depends" or "Recommends" relationship on a
		  non-main package),
		  -->
		  コンパイルないし実行に「main」の範囲外のパッケージを
		  必要としてはなりません(そこで、パッケージは
		  非 main なパッケージに「依存」ないし「推奨」関係を
		  宣言してはなりません。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  must not be so buggy that we refuse to support them,
		  -->
		  あまりにバグだらけで私たちがサポートすることを拒否するようなもの
		  であってはなりません。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  must meet all policy requirements presented in this
		  manual.
		  -->
		  このマニュアルで示されている全てのポリシー要求に
		  適合していなければなりません。
		</p>
	      </item>
	    </list>
	  </p>
	</sect1>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The contrib section</heading>
	  -->
	  <heading>contrib セクション</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every package in "contrib" must comply with the DFSG.
	    -->
	    「contrib」に収録される全てのパッケージは DFSG に準拠していなければ
	    なりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Examples of packages which would be included in "contrib" are
	    -->
	    「contrib」に含められるようなパッケージの例としては
	    <list compact="compact">
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  free packages which require "contrib", "non-free", or
		  "non-US" packages or packages which are not in our
		  archive at all for compilation or execution,
		  -->
		  「contrib」「non-free」あるいは「non-US」パッケージ
		  あるいはそもそも私たちのアーカイヴに存在しない
		  パッケージを、コンパイルないし実行において
		  必要とするフリーなパッケージ。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  wrapper packages or other sorts of free accessories for
		  non-free programs,
		  -->
		  非フリーなプログラム用のラッパーパッケージ、あるいは
		  非フリーなプログラム向けのフリーな付属物など。
		</p>
	      </item>
	    </list>
	  </p>
	</sect1>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The non-free section</heading>
	  -->
	  <heading>non-free セクション</heading>
	  <p>
	    <!--
	    `Non-free' contains packages which are not compliant with
	    the DFSG or which are encumbered by patents or other legal
	    issues that make their distribution problematic.
	    -->
	    「non-free」には DFSG に準拠していない、あるいは特許ないし
	    その他の法的問題によってそれらの配布に問題が生じているパッケージを
	    が含まれます。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    All packages in `non-free' must be electronically
	    distributable across international borders.
	    -->
	    「non-free」に収録された全てのパッケージは国境を越えて
	    電子的に配布可能でなければいけません。
	  </p>
	</sect1>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The non-us server</heading>
	  -->
	  <heading>non-us サーバ</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Some programs with cryptographic program code must be stored
	    on the "non-us" server because of export restrictions of the
	    U.S.
	    -->
	    暗号に関わるプログラムコードを含むいくつかのプログラムは
	    「non-us」サーバに置かれなければなりません。アメリカ合衆国が
	    そのようなプログラムに対して輸出制限を加えているからです。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    This applies only to packages which contain cryptographic
	    code. A package containing a program with an interface to a
	    cryptographic program or a program that's dynamically linked
	    against a cryptographic library can be distributed if it is
	    capable of running without the cryptography library or
	    program.
	    -->
	    これは暗号に関わるコードを含むパッケージにのみ適用されます。
	    ある暗号化プログラム用のインターフェースを持つ含むパッケージ、
	    あるいは暗号に関わるライブラリに対して動的にリンクされている
	    プログラムは、それが暗号ライブラリやプログラム無しでも実行
	    できるのであれば配布することができます。
	  </p>
	</sect1>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Further copyright considerations</heading>
	  -->
	  <heading>より突っ込んだ著作権に関する考察</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every package must be accompanied by a verbatim copy of its
	    copyright and distribution license in the file
	    /usr/share/doc/&lt;package-name&gt;/copyright (see <ref
	    id="copyrightfile"> for details).
	    -->
	    全てのパッケージは、その著作権や配布ライセンスの逐語的コピーを
	    一緒に配布されなければなりません。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    We reserve the right to restrict files from being included
	    anywhere in our archives if
	    -->
	    私たちは、以下のような場合に当該ファイルを私たちのアーカイヴの
	    どこかへ含むことを制限する権利を保有します。
	    <list compact="compact">
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  their use or distribution would break a law,
		  -->
		  その使用ないし配布が何らかの法に抵触する。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  there is an ethical conflict in their distribution or
		  use,
		  -->
		  その配布や使用に道徳的な見解の相違がある。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  we would have to sign a license for them, or
		  -->
		  私たちがライセンスに署名する必要がある。
		</p>
	      </item>
	      <item>
		<p>
		  <!--
		  their distribution would conflict with other project
		  policies.
		  -->
		  その配布がプロジェクトの他の方針と矛盾する。
		</p>
	      </item>
	    </list>
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Programs whose authors encourage the user to make donations
	    are fine for the main distribution, provided that the
	    authors do not claim that not donating is immoral,
	    unethical, illegal or something similar; otherwise they must
	    go in contrib (or non-free, if even distribution is
	    restricted by such statements).
	    -->
	    ユーザに対して、作者への寄付を奨励している
	    プログラムを main で配布することは、その作者が
	    寄付をしないことを非道徳的であるとか、非倫理的であるとか、
	    違法であるとか何かそれに類する主張をしていない限り
	    なんら問題ありません。そうでなければそのプログラムは
	    「contrib」(もし配布がそのような声明によって制限されているならば 
	    「non-free」)に分類されなければなりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Packages whose copyright permission notices (or patent
	    problems) do not allow redistribution even of only binaries,
	    and where no special permission has been obtained, cannot be
	    placed on the Debian FTP site and its mirrors at all.
	    -->
	    その著作権認可表示が(あるいは特許問題によって)バイナリのみの
	    再配布すら認めておらず、また特別な許可も得られていないプログラムの
	    パッケージは、Debian の FTP サイトにもそのミラーにも
	    置くことはできません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Note, that under international copyright law (this applies
	    in the United States, too) <em>no</em> distribution or
	    modification of a work is allowed without an explicit notice
	    saying so.  Therefore a program without a copyright notice
	  <em>is</em> copyrighted and you may not do anything to it
	    without risking being sued! Likewise if a program has a
	    copyright notice but no statement saying what is permitted
	    then nothing is permitted.
	    -->
	    国際著作権法(これはアメリカ合衆国でも適用されます)の下では、
	    明確にそう示されていない限り、ある作品の配布や変更は
	    <em>認められない</em>ことに注意してください。そこで、
	    著作権が明記されていないプログラムにも著作権は<em>
	      存在する</em>のであり、そのようなプログラムに何らかの形で
	    手を加えるということは、いつ訴えられてもおかしくないという
	    ことです! 同様に、著作権は明記されているが何が許可されているか
	    述べられていないプログラムには、なにも許可されていない
	    ということに他なりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Many authors are unaware of the problems that restrictive
	    copyrights (or lack of copyright notices) can cause for the
	    users of their supposedly-free software.  It is often
	    worthwhile contacting such authors diplomatically to ask
	    them to modify their license terms. However, this is a
	    politically difficult thing to do and you should ask for
	    advice on <tt>debian-devel</tt> first.
	    -->
	    多くの作者は、制限のきつい著作権(あるいは著作権表示の欠如)が
	    彼らの、意図としてはフリーなはずだったソフトウェアのユーザ
	    にもたらす数々の問題について気がついていません。
	    そこで、そのような作者たちと連絡をとって交渉し、
	    彼らのライセンス条項を変更してもらうよう頼むのは
	    多くの場合やってみる価値があることです。しかし、
	    これは政治上難しいことの一つであり、まずは
	    <tt>debian-devel</tt>で助言を求めるべきでしょう。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    When in doubt, send mail to
	  <email>debian-devel@lists.debian.org</email>.  Be prepared
	    to provide us with the copyright statement.  Software
	    covered by the GPL, public domain software and BSD-like
	    copyrights are safe; be wary of the phrases `commercial use
	    prohibited' and `distribution restricted'.
	    -->
	    もし何か疑わしい点があれば、
	    <email>debian-devel@lists.debian.org</email>にメールを出しましょう。
	    私たちにその著作権表示を提供できるよう準備しておいてください。
	    GPL で保護されたソフトウェア、パブリックドメインソフトウェア、
	    そして BSD 的な著作権は問題ありません。「商用利用は禁止」
	    あるいは「配布に制限あり」といった言い回しに注意してください。
	  </p>
	</sect1>
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Subsections</heading>
	  -->
	  <heading>サブセクション</heading>
	  
	  <p>
	    <!--
	    The packages in all the sections (<em>main</em>,
	  <em>contrib</em>, <em>non-US/main</em>, <em>non-free</em>,
	  <em>non-US/contrib</em>, and <em>non-US/non-free</em>) are
	    grouped further into <em>subsections</em> to simplify
	    handling.
	    -->
	    取り扱いを簡略化するため、
	    セクション(<em>main</em>、<em>contrib</em>、<em>
	      non-US/main</em>、<em>non-free</em>、<em>non-US/contrib</em>、
	    <em>non-US/non-free</em>)に含まれる全てのパッケージは更に
	    <em>サブセクション</em>に分類されます。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    The section for each package is specified in the package's
	  <em>control record</em>. However, the maintainer of the
	    Debian archive may override this selection to assure the
	    consistency of the Debian distribution. 
	    -->
	    それぞれのパッケージのセクションはパッケージの
	    <em>制御情報</em>(control record)で指定されます。しかし、
	    Debian ディストリビューションとしての
	    一貫性を保証するため Debian アーカイブの管理者
	    がこの選択を上書きすることがあるかもしれません。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    Please check the current Debian distribution to see which
	    sections are available.
	    -->
	    どういったセクションが利用可能なのかを知るためには、
	    現在の Debian ディストリビューションをチェックしてください。
	  </p>
	</sect1>
      <sect>
	<!--
      <heading>Priorities</heading>
	-->
	<heading>プライオリティ</heading>
	
	<p>
	  <!--
	  Each package is given a certain <em>priority</em> value,
	  which is included in the package's <em>control
	  record</em>. This information is used in the Debian package
	  management tool to separate high-priority packages from
	  less-important packages.
	  -->
	  それぞれのパッケージにはある<em>プライオリティ</em>
	  (優先度)評価が
	  与えられており、それはパッケージの<em>control 情報</em>
	  に含まれています。この情報は Debian のパッケージ
	  管理ツールが優先度の高いパッケージを重要性の低い
	  パッケージから選別する際に用いられます。 
	</p>
	
	<p>
	  <!--
	  The following <em>priority levels</em> are supported by the
	  Debian package management system, <prgn>dpkg</prgn>.
	  -->
	  Debian パッケージ管理システムの <prgn>dpkg</prgn>
	  によってサポートされている<em>プライオリティレベル</em>
	  を以下に示します。
	  <taglist>
	    <tag><tt>required</tt></tag>
	    <item>
	      <p>
		<!--
	      <tt>required</tt> packages are necessary for the
		proper functioning of the system.  You must not remove
		these packages or your system may become totally
		broken and you may not even be able to use
	      <prgn>dpkg</prgn> to put things back.  Systems with
		only the <tt>required</tt> packages are probably
		unusable, but they do have enough functionality to
		allow the sysadmin to boot and install more
		software.
		-->
		<tt>required</tt>パッケージは
		システムが適切に機能するために必要なものです。
		これらのパッケージを削除してはなりません。
		万一削除してしまうとシステムは完全に動作不能となり
		<prgn>dpkg</prgn>で復旧することすら不可能に
		なってしまいます。<tt>required</tt>なパッケージ
		のみのシステムはおそらく実用的ではないですが、
		システム管理者がシステムを起動し、より多くの
		ソフトウェアをインストールするに足るだけの
		機能は備えています。
	      </p>
	    </item>
	    <tag><tt>important</tt></tag>
	    <item>
	      <p>
		<!--
		Important programs, including those which one would
		expect to find on any Unix-like system.  If the
		expectation is that an experienced Unix person who
		found it missing would say `What the F*!@&lt;+ is
		going on, where is <prgn>foo</prgn>', it must be in
	      <tt>important</tt>.  This is an important criterion
		because we are trying to produce, amongst other
		things, a free Unix.  Other packages without which the
		system will not run well or be usable must also be
		here.  This does <em>not</em> include Emacs, the X
		Window System, TeX or any other large applications.
		The <tt>important</tt> packages are just a bare
		minimum of commonly-expected and necessary tools.
		-->
		どんな Unix ライクなシステムに於いても見つかることが
		期待されるような重要なプログラムはこのプライオリティ
		に属します。そのプログラムが欠けていることに気づいた時、
		経験豊富な Unix 者が「チキショーメ、
		<prgn>foo</prgn>は一体全体どこだ?」と悪態をつく
		と思われる場合には、それは<tt>important</tt>
		に含まれるべきです。私たちの至上命題はフリーな
		Unix を創るということで、それに向けて努力しているわけ
		ですから、これは重要な基準です。
		それ無しではシステムがうまく動作しない、あるいは
		使い物にならないといったその他のパッケージもここに
		含められるべきです。ここには Emacs、X ウィンドウシステム、
		TeX といった大規模なアプリケーションは<em>含まれません</em>。
		<tt>important</tt>なパッケージには、一般に存在が期待され、
		かつ必要最小限のツールのみが該当します。
	      </p>
	    </item>
	    <tag><tt>standard</tt></tag>
	    <item>
	      <p>		
		<!--
		These packages provide a reasonably small but not too
		limited character-mode system.  This is what will
		install by default if the user doesn't select anything
		else.  It doesn't include many large applications, but
		it does include Emacs (this is more of a piece of
		infrastructure than an application) and a reasonable
		subset of TeX and LaTeX (if this is possible without
		X).
		-->
		これらのパッケージはほどよく小規模ながらもあまり
		制限のきつくない、キャラクタベースのシステム
		を提供します。これはユーザが何も他に選択しなかった場合
		デフォルトでインストールされるだろうものです。
		大規模なアプリケーションの多くは含まれませんが、
		Emacs (これは単なるアプリケーション
		という以上にインフラストラクチャーの一部なので)と
		十分実用的な TeX および LaTeX のサブセット(もし
		これが X 無しで可能なら)は含まれます。
	      </p>
	    </item>
	    <tag><tt>optional</tt></tag>
	    <item>
	      <p>		
		<!--
		(In a sense everything is optional that isn't
		required, but that's not what is meant here.) This is
		all the software that you might reasonably want to
		install if you didn't know what it was or don't have
		specialized requirements. This is a much larger system
		and includes the X Window System, a full TeX
		distribution, and many applications.
		-->
		(語の意味から言えば本来 required でないものはみんな optional 
		なのですが、ここでは違った意味内容を示します。)
		これは、それが何か知らないかあるいは特殊な要求が
		無い場合、とりあえずインストールしたいと思われる
		全てのパッケージです。これは X ウィンドウシステム
		や完全な TeX ディストリビューション、多くの
		アプリケーションを含み、ずっと大規模なシステムを構成します。
	      </p>
	    </item>
	    <tag><tt>extra</tt></tag>
	    <item>
	      <p>
		<!--
		This contains all packages that conflict with others
		with required, important, standard or optional
		priorities, or are only likely to be useful if you
		already know what they are or have specialised
		requirements.
		-->
		プライオリティとして required、important、standard、optional 
		のいずれかが指定されている他のパッケージと衝突するパッケージは
		全てこれに含まれます。また、それが何なのかすでに知っている場合、
		あるいは特殊な要求がある場合のみ有用であると考えられる
		ものもこれに含まれます。
	      </p>
	    </item>
	  </taglist>
	</p>
	
	<p>
	  <!--
	  Packages may not depend on packages with lower priority
	  values (excluding build-time dependencies).  If this does
	  happen, one of the priority values will have to be adapted.
	  -->
	  パッケージはそれよりも低いプライオリティ評価が与えられた
	  パッケージに依存してはなりません(構築時依存は除きます)。
	    そうせざるを得ない場合には、プライオリティ評価の
	  どれか一つを適用しなければなりません。
	</p>
      </sect>
      
      <sect>
	<!--
      <heading>Binary packages</heading>
	-->
	<heading>バイナリパッケージ</heading>
	<p>
	  <!--
	  The Debian GNU/Linux distribution is based on the Debian
	  package management system, called <prgn>dpkg</prgn>. Thus,
	  all packages in the Debian distribution have to be provided
	  in the <tt>.deb</tt> file format.
	  -->
	  Debian GNU/Linux ディストリビューションは Debian パッケージ管理システム
	  に基礎を置いており、それは <prgn>dpkg</prgn>と呼ばれています。
	  そこで、Debian ディストリビューションに含まれる全ての
	  パッケージは <tt>.deb</tt>ファイル形式で提供されなければ
	  なりません。
	</p>
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The package name</heading>
	  -->
	  <heading>パッケージ名</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every package must have a name that's unique within the Debian
	    archive.
	    -->
	    全てのパッケージは Debian アーカイヴ内において重複しない
	    名前を持っていなければなりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    Package names may only consist of lower case letters, digits (0-9),
	    plus (+) or minus (-) signs, and periods (.).
	    -->
	    パッケージ名はアルファベット小文字、数字(0-9)、プラス(+)あるいは
	    マイナス(-)記号、ピリオド(.)でのみ構成されていなければなりません。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    The package name is part of the file name of the
	    <tt>.deb</tt> file and is included in the control field
	    information.
	    -->
	    パッケージ名は<tt>.deb</tt>ファイルのファイル名の一部であり、
	    制御フィールド情報に含まれます。
	  </p>
	</sect1>
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The maintainer of a package</heading>
	  -->
	  <heading>パッケージのメンテナ</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every package must have exactly one maintainer at a
	    time. This person is responsible that the license of the
	    package's software complies with the policy of the
	    distribution this package is included in.
	    -->
	    全てのパッケージにはメンテナが存在しています。
	    一つのパッケージに複数のメンテナがいることはありません。
	    この人物は、パッケージに含まれるソフトウェアのライセンスが
	    そのパッケージが含まれるディストリビューションのポリシーに
	    準拠していることに責任を持ちます。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    The maintainer must be specified in the
	  <tt>Maintainer</tt> control field with the correct name
	    and a working email address for the Debian maintainer of
	    the package.  If one person maintains several packages
	    he/she should try to avoid having different forms of their
	    name and email address in different <tt>Maintainer</tt>
	    fields.
	    -->
	    メンテナは制御フィールドの<tt>Maintainer</tt>欄に、
	    そのパッケージの Debian メンテナの正しい名前と
	    利用可能な電子メールアドレスと共に指定されていなければなりません。
	    もしその人がいくつかのパッケージを管理している場合、
	    彼/彼女は彼らの名前と電子メールアドレスを異なる<tt>Maintainer</tt>
	    フィールドに異なる形式で記入することは避けるべきです。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    If the maintainer of a package quits from the Debian
	    project the Debian QA Group
	  <email>debian-qa@lists.debian.org</email> takes over the
	    maintainership of the package until someone else
	    volunteers for that task. These packages are called
	  <em>orphaned packages</em>.
	    -->
	    もしあるパッケージのメンテナが Debian プロジェクトを辞めた
	    なら、 誰か他の人がその仕事に志願するまで Debian QA グループ 
	    <email>debian-qa@lists.debian.org</email>がパッケージの管理を
	    引き継ぎます。これらのパッケージは<em>orphaned パッケージ</em>
	    と呼ばれます。
	  </p>
	</sect1>
	
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>The description of a package</heading>
	  -->
	  <heading>パッケージの説明</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Every Debian package must have an extended description
	    stored in the appropriate field of the control record.
	    -->
	    全ての Debian パッケージには、制御情報内の適切なフィールドに
	    網羅的な説明文が記入されていなければなりません。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    The description must be written so that it tells the user
	    what they need to know to decide whether to install the
	    package. This description should not just be copied from
	    the blurb for the program.  Instructions for configuring
	    or using the package must not be included - that is what
	    installation scripts, manual pages, Info files, etc. are
	    for.  Copyright statements and other administrivia must
	    not be included - that is what the copyright file is
	    for.
            -->
	    <!-- JAPANESE
	    included の後のハイフンは原文ではダブルハイフン。
	    -->
	    ユーザが、そのパッケージをインストールするかどうか
	    決めるために知る必要があることを伝えられるよう、
	    説明文は書かれなければなりません。説明文は
	    プログラムについてきたどうでもいい宣伝文を単にコピー
	    しただけであってはなりません。
	    また、そのパッケージを設定したり使ったりするための解説は
	    含まれてはなりません。それはインストールスクリプト、
	    マニュアルページ、Info ファイルなどで扱われる
	    べきです。著作権表示やその他管理に関係する種々のことも
	    含まれるべきではありません。それら向けには copyright 
	    ファイルが用意されています。
	  </p>
	</sect1>
	
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Dependencies</heading>
	  -->  
	<heading>依存関係</heading>
          <p>
	    <!--	    
	    Every package has to specify the dependency information
	    about other packages, that are required for the first to
	    work correctly.
	    --> 
	    全てのパッケージには、それが正しく動作するために
	    まず必要となる他のパッケージについての依存情報が
	    指定されていなければなりません。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    For example, for any shared libraries required by
	    dynamically-linked executable binary in a package a
	    dependency entry has to be provided.
	    -->
	    例えば、パッケージに含まれている、動的リンクされた実行形式バイナリ
	    が必要とする共有ライブラリは依存関係のエントリで明示する
	    必要があります。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    It is not necessary for other packages to declare any
	    dependencies they have on other packages which are marked
	    <tt>Essential</tt> (see below).</p>
	    -->
	    <tt>Essential</tt>(下記参照)が指定されている
	    パッケージに対してそれ以外のパッケージが依存関係を宣言する
	    必要はありません。
	  <p>
	    <!--
	    Sometimes, a package requires another package to be
	    installed <em>and</em> configured before it can be
	    installed. In this case, you'll have to specify a
	    <tt>Pre-Depends</tt> entry for the package.</p>
	    -->
	    あるパッケージが、それをインストールする前に
	    もう一つのパッケージがインストールされ<em>かつ</em>
	    設定されていることを必要とすることが
	    ときたまあります。このような場合、そのパッケージには
	    <tt>Pre-Depends</tt>エントリを指定してください。
	  <p>
	    <!--
	    You must not specify a <tt>Pre-Depends</tt> entry for a
	    package before this has been discussed on the
	    <tt>debian-devel</tt> mailing list and a consensus about
	    doing that has been reached.</p></sect1>
	    -->
	    <tt>debian-devel</tt>メーリングリストで議論し、
	    そうすることについて同意が得られる前に、
	    パッケージに<tt>Pre-Depends</tt>エントリを指定する
	    べきではありません。
	    
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Virtual packages</heading>
	  -->
	  <heading>仮想パッケージ</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Sometimes, there are several packages doing more-or-less
	    the same job. In this case, it's useful to define a
	    <em>virtual package</em> who's name describes the function
	    the packages have. (The virtual packages just exist
	    logically, not physically-that's why they are called
	  <em>virtual</em>.) The packages with this particular
	    function will then <em>provide</em> the virtual
	    package. Thus, any other package requiring that function
	    can simply depend on the virtual package without having to
	    specify all possible packages individually.
	    -->
	    <!-- JAPANESE
	    physically の後のハイフンは原文ではダブルハイフン。
	    -->
            多かれ少なかれ同じような仕事をこなすパッケージが
	    いくつか存在するということがあります。この場合、
	    その名前がパッケージが持つ機能を説明する<em>仮想パッケージ</em>を
	    定義するのが便利です(仮想パッケージは論理的に存在するだけで、
	    物理的には存在しません。これがそれらが<em>仮想</em>と
	    呼ばれる理由です)。特定の機能を持つこういったパッケージ群は皆
	    仮想パッケージを<em>「提供」</em>します。そこで、
	    その機能を必要とする他のパッケージは単にその仮想パッケージに
	    依存するようにすれば、可能性のある全てのパッケージをいちいち列挙
	    しなくても良いわけです。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    All packages must use virtual package names where
	    appropriate, and arrange to create new ones if necessary.
	    They must not use virtual package names (except privately,
	    amongst a cooperating group of packages) unless they have
	    been agreed upon and appear in the list of virtual package
	    names.
	    -->
	    全てのパッケージはそうするのが適当なときには仮想パッケージ名を
	    使わなければならず、もし必要ならば新しい仮想パッケージ名を作るよう
	    にしなければなりません。同意が得られ、仮想パッケージ名の一覧に
	    掲載されるまで、仮想パッケージ名を使うべきではありません
	    (非公式に、互いに関連する一群のパッケージの間で使う場合は
	    除く)。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    The latest version of the authoritative list of virtual
	    package names can be found on
	    <ftpsite>ftp.debian.org</ftpsite> in
	    <ftppath>/debian/doc/package-developer/virtual-package-names-list.text</ftppath>
	    or your local mirror. In addition, it is included in the
	    <tt>debian-policy</tt> package. The procedure for updating
	    the list is described at the top of the file.
	    -->
	    正式な仮想パッケージ名の一覧の最新版は
	    <ftpsite>ftp.debian.org</ftpsite>の
	    <ftppath>/debian/doc/package-developer/virtual-package-names-list.text
	    </ftppath>かお近くのミラーで見つかります。加えて、
	    この一覧は<tt>debian-policy</tt>パッケージにも含まれています。
	    このリストを更新するための手続きについてはファイルの
	    先頭で述べられています。
	  </p>
	</sect1>
	    
	    
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Base packages</heading>
	  -->
	  <heading>Base パッケージ</heading>
	  <p>
	    <!--
	    The packages included in the <tt>base</tt> section have a
	    special function. They form a minimum subset of the Debian
	    GNU/Linux system that is installed before everything else
	    on a new system. Thus, only very few packages are allowed
	    to go into the <tt>base</tt> section to keep the required
	    disk usage very small.
	    -->
	    <tt>base</tt>セクションに含まれるパッケージは
	    特別な機能を持っています。それらは、新しいシステムに於いて
	    他の全ての前にインストールされる、Debian GNU/Linux システム
	    の最小のサブセットを形成します。そこで、必要となる
	    ディスク使用量を非常に小さく保つため、ほんの数パッケージ
	    のみ<tt>base</tt>セクションに収められることが認められます。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    Most of these packages should have the priority value
	    <tt>required</tt> or at least <tt>important</tt>, and many
	    of them will be tagged <tt>essential</tt> (see below).
	    -->
	    これらのパッケージのほとんどは、プライオリティ評価が
	    <tt>required</tt>であるか、少なくとも<tt>important</tt>
	    であるべきです。また、それらの大半には
	    <tt>essential</tt>指定(下記参照)が付加されているでしょう。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    You must not place any packages into the <tt>base</tt>
	    section before this has been discussed on the
	  <tt>debian-devel</tt> mailing list and a consensus about
	    doing that has been reached.
	    -->
	    <tt>debian-devel</tt>メーリングリストで議論し、
	    そうすることについて同意が得られる前に、
	    パッケージを<tt>base</tt>セクションに
	    収めてはいけません。
	  </p>
	</sect1>
	    
	    
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Essential packages</heading>
	  -->
	  <heading>Essential パッケージ</heading>
	  <p>
	    <!--
	    Some packages are tagged <tt>essential</tt>. (They have
	    <tt>Essential: yes</tt> in their package control record.)
	    This flag is used for packages that are <em>essential</em>
	    for a system.
	    -->
	    いくつかのパッケージには<tt>essential</tt>指定が付加されています
	    (それらパッケージの制御情報で<tt>Essential: yes</tt>という
	    指定がされている)。このフラグはシステムにとって<em>不可欠な</em>
	    パッケージに用いられます。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    Since these packages can not easily be removed (you'll
	    have to specify an extra <em>force option</em> to
	  <prgn>dpkg</prgn>) this flag must only be used where
	    absolutely necessary.
	    
	    A shared library package must not be tagged
	  <em>essential</em>-the dependencies will prevent its
	    premature removal, and we need to be able to remove it
	    when it has been superseded.
	    -->
	    <!-- JAPANESE
	    essential の後のハイフンは原文ではダブルハイフン。
	    -->
	    これらのパッケージは簡単には削除できません(削除するには
	    <prgn>dpkg</prgn>に特別な<em>強制オプション</em>を指定
	    しなければならない)ので、このフラグはどうしても必要な
	    場合にのみ使われなければなりません。
	    
	    共有ライブラリのパッケージは<em>essential</em>指定がされて
	    なくてはなりません。これにより誤った削除を
	    阻止できます。そして新しいものに入れ替える時は、それを削除
	    できるようになっている必要があります。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    You must not tag any packages <tt>essential</tt> before
	    this has been discussed on the <tt>debian-devel</tt>
	    mailing and a consensus about doing that has been
	    reached.
	    -->
	    <tt>debian-devel</tt>メーリングリストで議論し、
	    そうすることについて同意が得られない限り、
	    パッケージに<tt>Essential</tt>指定を付加してはなりません。
	  </p>
	</sect1>
	    
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Maintainer scripts</heading>
	  -->
	  <heading>メンテナスクリプト</heading>
	  <p>
	    <!--
	    The package installation scripts must avoid producing
	    output which it is unnecessary for the user to see and
	    should rely on <prgn>dpkg</prgn> to stave off boredom on
	    the part of a user installing many packages.  This means,
	    amongst other things, using the <tt>-quiet</tt> option on
	    <prgn>install-info</prgn>.
            -->
	    <!-- JAPANESE
	    quiet の前は原文ではダブルハイフン。
	    -->
	    パッケージのインストールスクリプトは、ユーザにとって
	    見る必要がない情報を出力することは避けなければなりません。
	    また、大量のパッケージをインストールするユーザが
	    退屈するのを避けるため、<prgn>dpkg</prgn>に依拠するべきです。
	    中でも、<prgn>install-info</prgn>を使うときは<tt>--quiet</tt>
	    オプションを使いましょう。
         </p>
          <p>
	    <!--
	    Packages should try to minimize the amount of prompting
	    they need to do, and they should ensure that the user will
	    only ever be asked each question once.  This means that
	    packages should try to use appropriate shared
	    configuration files (such as <tt>/etc/papersize</tt> and
	    <tt>/etc/news/server</tt>), rather than each prompting for
	    their own list of required pieces of information.
	    -->
	    パッケージはそれらが必要とする質問の量を最小化するよう
	    努力するべきです。そして、それらはユーザがそれぞれの
	    質問に他のパッケージも含めて一回だけ聞かれることを
	    確かめるべきです。これはすなわち、
	    パッケージはそれ自身が必要とする情報の一覧のために
	    いちいち質問するのではなく、適切な共有設定ファイル
	    (例えば<tt>/etc/papersize</tt>
	    や<tt>/etc/news/server</tt>のような)を使うように努力
	    するべきであるということです。
	  </p>
	  
	  <p>
	    <!--
	    It also means that an upgrade should not ask the same
	    questions again, unless the user has used <tt>dpkg
	    -purge</tt> to remove the package's configuration.  The
	    answers to configuration questions should be stored in an
	    appropriate place in <tt>/etc</tt> so that the user can
	    modify them, and how this has been done should be
	    documented.</p>
	    -->
	    <!-- JAPANESE
	    purge の前は原文ではダブルハイフン。
	    -->
	    これはまた、アップグレードにおいて、ユーザがそのパッケージの
	    設定をも削除するべく<tt>dpkg --purge</tt>を使っていない限り、
	    同じ質問を二度するべきではないということも意味します。
	    設定の質問の答えはユーザが変更できるよう
	    <tt>/etc</tt>内の適切な場所に保存されていなければ
	    ならず、またこれがどうされたかは文書化されているべきです。
	  <p>
	    <!--
	    If a package has a vitally important piece of information
	    to pass to the user (such as "don't run me as I am, you
	    must edit the following configuration files first or you
	    risk your system wemitting badly-formatted messages"), it
	    should display this in the <prgn>postinst</prgn> script
	    and prompt the user to hit return to acknowledge the
	    message.  Copyright messages do not count as vitally
	    important (they belong in
	    <tt>/usr/share/doc/<var>package</var>/copyright</tt>); neither
	    do instructions on how to use a program (these should be
	    in on line documentation, where all the users can see
	    them).
	    -->
	    もしそのパッケージがユーザに知らせなければならない非常に
	    重要な情報を持っているとしたら(例えば「このままで実行
	    しないでください、以下の設定ファイルを
	    最初に編集しないと、あなたのシステムが
	    ぐちゃぐちゃなメッセージを吐き出してしまう危険があります」)
	    その情報は<prgn>postinst</prgn>スクリプトで
	    表示され、ユーザにリターンキーを押して
	    承認するよう質問するべきです。著作権表示は極めて重要とは
	    見做されません(それらは<tt>/usr/share/doc/<var>パッケージ名</var>
	      copyright</tt>に収録されます)。そのプログラムの使い方の
	    説明もこの種の情報ではありません(これらはオンライン文書として
	    全てのユーザが読めるよう収録されるべきです)。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    Any necessary prompting should almost always be confined
	    to the post-installation script, and should be protected
	    with a conditional so that unnecessary prompting doesn't
	    happen if a package's installation fails and the
	    <prgn>postinst</prgn> is called with
	    <tt>abort-upgrade</tt>, <tt>abort-remove</tt> or
	    <tt>abort-deconfigure</tt>.
	    -->
	    必要な質問はすべてほとんどいつでもインストール後スクリプト
	    に限られるべきです。そしてもしパッケージのインストールが
	    失敗して<prgn>postinst</prgn>が<tt>abort-upgrade</tt>、
	    <tt>abort-remove</tt>、あるいは<tt>abort-deconfigure</tt>
	    を引数として呼ばれたときには不必要な質問をしないよう、
	    条件式によってくくられているべきです。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    Errors which occur during the execution of an installation
	    script <em>must</em> be checked and the installation
	    <em>must not</em> continue after an error.
	    -->
	    インストールスクリプトの実行中に起こったエラーは<em>チェック
	    されなければなりません</em>し、インストールはエラーの後
	    <em>続いてはなりません</em>。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    Note, that <ref id="scripts">, in general applies to
	    package maintainer scripts, too.
	    -->
	    全体として<ref id="scripts">の内容はパッケージの
	    メンテナスクリプトにも適用されます。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    Do not use <prgn>dpkg-divert</prgn> on a file belonging to
	    another package without consulting the maintainer of that
	    package first.
	    -->
	    他のパッケージに属するファイルを置き換えるべく
	    <prgn>dpkg-divert</prgn>を使いたい場合には、まずその
	    パッケージのメンテナと協議しましょう。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!--
	    In order for <prgn>update-alternatives</prgn> to work
	    correctly all the packages which supply an instance of the
	    `shared' command name (or, in general, filename) must use
	    it.  You can use <tt>Conflicts</tt> to force the
	    De-installation of other packages supplying it which do not
	    (yet) use <prgn>update-alternatives</prgn>.  It may in
	    this case be appropriate to specify a conflict on earlier
	    versions of something-this is an exception to the usual
	    rule that this is not allowed.
	    -->
	    <!-- JAPANESE
	    this の前は原文ではダブルハイフン。
	    -->
	    <prgn>update-alternatives</prgn>がきちんと動作するために
	    「共有される」コマンド名の情報(あるいは、一般的にファイル名)
	    を提供するすべてのパッケージはそれを使わなければなりません。
	    (まだ)<prgn>update-alternatives</prgn>を使っていない
	    それを提供する他のパッケージを強制的にインストール解除
	    するために<tt>Conflicts</tt>を使うことができます。
	    この場合、なにかの以前のバージョンに対する Conflict を
	    指定するのは適当です。これはこれを許さない一般則への例外です。
	  </p>
	</sect1>
      </sect>
      <sect>
	<!--
      <heading>Source packages</heading>
	-->
	<heading>ソースパッケージ</heading>
	<sect1>	
	  <!--
	<heading>Standards conformance</heading>
	  -->
	  <heading>基準への準拠</heading>
	  <p>
	    <!--
	    You should specify the most recent version of the
	    packaging standards with which your package complies in
	    the source package's <tt>Standards-Version</tt> field.
	    -->
	    ソースパッケージの<tt>Standards-Version</tt>フィールドに、
	    あなたのパッケージが準拠するパッケージング基準の最も新しい
	    バージョンを指定しなければなりません。
	  </p>	  
	  <p>
	    <!-- This value will be used to file bug reports
	    automatically if your package becomes too much out of
	    date. 
	    --> 
	    この値は、あなたのパッケージがあまりにも旧式になってしまっ
	    たときに自動的にバグレポートが提出されるのに使われます。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    The value corresponds to a version of the Debian manuals,
	    as can be found on the title page or page headers and
	    footers (depending on the format).
	    -->
	    この値は、タイトルページ、あるいはページのヘッダまたはフッタ
	    (フォーマットによる)で見つかる Debian マニュアルのバージョンと
	    対応しています。
	  </p>
	  <p>
	    <!-- The version number has four components-major and
	    minor number and major and minor patch level.  When the
	    standards change in a way that requires every package to
	    change the major number will be changed.  Significant
	    changes that will require work in many packages will be
	    signaled by a change to the minor number.  The major patch
	    level will be changed for any change to the meaning of the
	    standards, however small; the minor patch level will be
	    changed when only cosmetic, typographical or other edits
	    which do not change the meaning are made, or changes which
	    do not affect the contents of packages.
	    --> 
	    バージョンナンバーはメジャー及びマイナー番号、さらにメジャー
	    及びマイナーパッチレベルの4つからなります。パッケージ全体に
	    渡って変更がなされる場合にはメジャーバージョンを変更します。
	    パッケージ内の大部分に変更作業が必要な場合には、マイナーバー
	    ジョンを変更することによってそれを示します。パッチレベルにつ
	    いては、小さい変更であっても、それが基準の変更を伴う場合には
	    メジャーパッチレベルの変更となります。マイナーパッチレベルの
	    変更となるのは、表面上の変更、文書上の修正など、意味合いの変
	    化の無い場合、またパッケージの内容に関して影響を与えない場合
	    になります。
	  </p>
	  <P>
	    <!-- For package maintainers, only the first 3 digits of
	    the manual version are significant in representing the
	    <em>Standards-Version</em>, and either these 3 digits or
	    the complete 4 digits can be specified-that's up to the
	    maintainer. 
	    <footnote>
	      <p>
		In the past, people specified 4 digits in the
		Standards-Version field, like `2.3.0.0'.  Since any
		`patch-level changes' don't introduce new policy, it
		was thought it would be better to relax policy and
		only require that the first 3 digits are specified. (4
		digits can still be used if someone wants to do so.)
	      </p>
	    </footnote>
	    -->
	    パッケージのメンテナにとっては、マニュアルバージョンのうち
	    最初の3つの数字が一般的なバージョンとしての意味を持ちます
	    が、この数字を3つにするか4つ全てを使ってバージョンを規定す
	    るかは、メンテナに委ねられています。
	    <footnote>
	      <p>
		以前はバージョンを指定するのに、`2.3.0.0'という様に常
		に4つの数字で表していましたが、パッチレベルの変更とい
		う部分を新しいポリシーに含めないようになりました。厳格
		なポリシーをゆるめて最初の3つの数字でバージョンを示す
		ようにしたほうが、よりベターであろうと思われるからです。
		(ただし、4つ使いたければ使っても構いません)
	      </p>
	    </footnote>
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!-- You should regularly, and especially if your package has
	    become out of date, check for the newest Policy Manual
	    available and update your package, if necessary. When your
	    package complies with the new standards you may update the
	    <tt>Standards-Version</tt> source package field and
	    release it. 
	    -->
	    常に最新のポリシーマニュアルをチェックしておきましょう。あな
	    たが過去にパッケージしたものがあって、それが古くなってしまっ
	    ているなら特に必要です。その上で必要があればパッケージのアッ
	    プデートを行って下さい。あなたのパッケージが新しい基準に則っ
	    た時、ソースパッケージの<TT>Standards-Version</TT>を変更しリ
	    リースすることができます。
	  </p></sect1>
	    
         <sect1>
	  <!-- <heading>Package relationships</heading> -->
	  <heading> パッケージ同士の関係</heading>
           <p>
	    <!-- Source packages must specify which binary packages
	    they require to be installed or not to be installed in
	    order to build correctly.  For example, if building a
	    package requires a certain compiler, then the compiler
	    must be specified as a build-time dependency. -->
	    ソースパッケージには、インストールするのに必要な、もしくはイ
	    ンストールするには必要ないが、構築するのに必要なバイナリが明
	    記されてなくてはなりません。例えば特定のコンパイラでないと構
	    築ができない場合、構築時依存としてそのコンパイラが指定されて
	    いる必要があります。
           </p>
 
           <p>
	    <!-- It will not be necessary to explicitly specify
	    build-time relationships on a minimal set of packages that
	    are always needed to compile, link and put in a Debian
	    package a standard "Hello World!" program written in C or
	    C++.  The required packages are called
	    <em>build-essential</em>, and an informational list can be
	    found in <tt>/usr/share/doc/build-essential/list</tt>
	    (which is contained in the <tt>build-essential</tt>
	    package). -->
	    しかしコンパイルに最小限必要なパッケージ(例えば C や C++ で
	    書かれた"Hello World!"のようなプログラムをコンパイル及びリン
	    ク、Debian パッケージ化するために必要なもの)まで構築時依存の
	    ものとして指定する必要はありません。このようなパッケージは
	    <em>build-essential</em>と呼ばれ、<tt>build-essential</tt>パッ
	    ケージに含まれている
	    <tt>/usr/share/doc/build-essential/list</tt>にリストアップさ
	    れています。
           </p>
 
           <p>
	    <!-- When specifying the set of build-time dependencies,
	    one should list only those packages explicitly required by
	    the build.  It is not necessary to list packages which are
	    required merely because some other package in the list of
	    build-time dependencies depends on them.  The reason is
	    that dependencies change, and you should list only those
	    <em>you</em> need.  What others need is their
	    business.
	    --> 
	    構築時依存のパッケージを指定する場合、目的のパッケージを構
	    築するのに明らかに必要であるもののみをリストアップするべき
	    です。そのリストに挙げたパッケージが依存しているだけのパッ
	    ケージを含める必要はありません。もし、それらの依存関係が変
	    化した場合であっても、あなたは<em>自分</em> が必要なものだ
	    けを列挙すれば済むからです。
           </p>
 
           <p>
	    <!-- It is a bug if, after unpacking a source package on a
             system with the build-essential packages installed and
             satisfying the build-time relationships (including the
             implied relationships), one cannot build the package and
             produce a working binary package suitable for installation
             into the binary distribution corresponding to the source
             distribution which contained the source package.  This
             means in particular that version clauses should be used
             rigorously in build-time relationships so that one cannot
             produce bad or inconsistently configured packages when the
             relationships are properly satisfied.
	    -->
	    構築に必要な環境が全て(それらのパッケージが依存している物
	    も含めて)揃っているシステムにソースパッケージを展開した後、
	    パッケージを構築することができず、そしてそのソースパッケー
	    ジを持っているソースディストリビューションに対応したバイナ
	    リディストリビューションへ導入するのに適当な、動作するバイ
	    ナリパッケージを作り出せない場合に初めてバグとされます。こ
	    のことは、依存関係が正しく満たされている場合に、間違ったも
	    のや矛盾を含んだパッケージを作り出さないよう、構築時依存に
	    対するバージョン番号が厳密にされるべきであることを意味しま
	    す。
           </p>
 
	<sect1>
	  <!-- <heading>Changes to the upstream sources</heading> -->
	  <heading>アップストリームのソースへの変更</heading>
	    
	  <p>
	    <!-- If changes to the source code are made that are
	    generally applicable please try to get them included in
	    the upstream version of the package by supplying the
	    upstream authors with the changes in whatever form they
	    prefer. -->
	    ソースコードへの変更が一般的に有効なものであるなら、アップス
	    トリームの作者に彼らが望む形でそれを提供し、取り込んでもらっ
	    て下さい。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!-- If you need to configure the package differently for
	    Debian or for Linux, and the upstream source doesn't
	    provide a way to configure it the way you need to, please
	    add such configuration facilities (for example, a new
	    <prgn>autoconf</prgn> test or <tt>#define</tt>) and send
	    the patch to the upstream authors, with the default set to
	    the way they originally had it.  You can then easily
	    override the default in your <tt>debian/rules</tt> or
	    wherever is appropriate. -->
	    パッケージをDebianもしくはLinux向けに修正する必要があり、アッ
	    プストリームのソースがそれを行う手段を提供していない場合、そ
	    の機能を追加するようにします。(例えば<prgn>autoconf</prgn>に
	    よるテストや<tt>#define</tt>等)そしてパッチをアップストリー
	    ムの作者に送り、最初からその変更がなされているようにします。
	    そうすれば簡単にあなたの<tt>debian/rules</tt>かどこか適当な
	    ところでデフォルトを置き換えることができます。
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!-- Please make sure that the <prgn>configure</prgn> utility
	    detects the correct architecture specification string
	    (refer to <ref id="arch-spec"> for details). -->
	    <prgn>configure</prgn>ユーティリティには正しくアーキテクチャ
	    を指定できる文字列を検出させるようにして下さい。(具体的に
	    は <ref id="arch-spec"> を参照)
	  </p>
	    
	  <p>
	    <!-- If you need to edit a <prgn>Makefile</prgn> where
	    GNU-style <prgn>configure</prgn> scripts are used, you
	    should edit the <tt>.in</tt> files rather than editing the
	    <prgn>Makefile</prgn> directly.  This allows the user to
	    reconfigure the package if necessary.  You should
	    <em>not</em> configure the package and edit the generated
	    <prgn>Makefile</prgn>!  This makes it impossible for
	    someone else to later reconfigure the package.-->
	    もし、GNU の<prgn>configure</prgn>スクリプトが作る
	    <prgn>Makefile</prgn>を修正する必要にせまられた場合、直接
	    <prgn>Makefile</prgn>を手を加えずに<tt>.in</tt>ファイルを変
	    更しましょう。こうすることでユーザーによるパッケージの再構成
	    が可能となります。あなたが<prgn>confibure</prgn>を行い、
	    <prgn>Makefile</prgn>を変更すれば、だれもそのあとでパッケー
	    ジの再構成ができなくなってしまいます。そういったことはしない
	    ようにして下さい。</p></sect1>
	    
	<sect1>
	  <!--
	  <heading>Documenting your changes</heading>
	  -->
	  <heading>あなたの行った変更を記述する</heading>	    
	  <p>
	    <!--
            Document your changes and updates to the source package
	    properly in the <tt>debian/changelog</tt> file.
	    -->
	    あなたがソースパッケージに加えた変更や更新は、<tt>debian/changelog
	    </tt>ファイルに適切に記述しましょう。
	  </p>  
	  <p>
	    <!--
	    A copy of the file which will be installed in
	    <tt>/usr/share/doc/<var>package</var>/copyright</tt> should be
	    in <tt>debian/copyright</tt>.
            -->
 	    <tt>debian/copyright</tt>と同じファイルが
            <tt>/usr/share/doc/<var>パッケージ名</var>/copyright</tt>
	    としてインストールされるはずです。
          </p>
	  <p>
	    <!-- In non-experimental packages you may only use a
	    format for <tt>debian/changelog</tt> which is supported by
	    the most recent released version of <prgn>dpkg</prgn>.  If
	    your format is not supported and there is general support
	    for it you should contact the <prgn>dpkg</prgn> maintainer
	    to have the parser script for your format included in the
	    <prgn>dpkg</prgn> package. (You will need to agree that
	    the parser and its manpage may be distributed under the
	    GNU GPL, just as the rest of <prgn>dpkg</prgn> is.)
	    -->
	    experimental ではないパッケージにおいては、
	    <tt>debian/changelog</tt>の書式としては、最新リリースの
	    <prgn>dpkg</prgn>がサポートしているものだけが使うことを許
	    されています。自分の使っている書式がサポートされていなくて
	    も、一般的に支持されている形式であるならば、
	    <prgn>dpkg</prgn>のメンテナに連絡をとり、その書式に対応す
	    るパーサを<prgn>dpkg</prgn> パッケージに含めてもらうように
	    して下さい。(そのパーサとそのマニュアルページは、
	    <prgn>dpkg</prgn>の一部として GNU GPL で配付することを認め
	    る必要があります。

	  </p></sect1>
	    
	<sect1>
	  <!--
	  <heading>Error trapping in makefiles</heading>
	  -->
	  <heading>makefile でのエラーを捕捉する</heading>	    
	  <p>
	    <!--
	    When <prgn>make</prgn> invokes a command in a makefile
	    (including your package's upstream makefiles and the
	    <tt>debian/rules</tt>) it does so using <tt>sh</tt>.  This
	    means that <tt>sh</tt>'s usual bad error handling
	    properties apply: if you include a miniature script as one
	    of the commands in your makefile you'll find that if you
	    don't do anything about it then errors are not detected
	    and <prgn>make</prgn> will blithely continue after
	    problems.
	    -->
            <prgn>make</prgn> が makefile(あなたのパッケージの
	    上流が用意した makefile も <tt>debian/rules</tt>も含む)
	    で指定されたコマンドを呼び出す際には、<tt>sh</tt>経由となります。
            そこで、例によって<tt>sh</tt> 独特の出来の悪いエラー処理という
	    性質が露呈します。もしあなたの makefile に、そこから
	    呼び出されるコマンドの一つとして小さなスクリプトが含まれている
	    場合、もし適切に手を打たなければエラーは何も検出されず、
	    <prgn>make</prgn>は問題が起こった後ものんきに処理を続けて
	    しまうでしょう。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    Every time you put more than one shell command (this
	    includes using a loop) in a makefile command you
	    <em>must</em> make sure that errors are trapped.  For
	    simple compound commands, such as changing directory and
	    then running a program, using <tt>&amp;&amp;</tt> rather
	    than semicolon as a command separator is sufficient.  For
	    more complex commands including most loops and
	    conditionals you must include a separate <tt>set -e</tt>
	    command at the start of every makefile command that's
	    actually one of these miniature shell scripts.
	    -->
	    一つ以上のシェルコマンド(これにはループの使用も該当します)を 
	    makefile 内のコマンドとして使うときにはいつでも、
	    エラーが捕捉されているかどうか<em>確かめなければなりません</em>。
	    ディレクトリを移ってあるプログラムを実行する、というような
	    単純な複合コマンドでは、コマンドセパレータとしてセミコロンを使う
	    のではなく、<tt>&amp;&amp;</tt>でつなげば十分でしょう。
	    多くのループや条件式といったより複雑なコマンド群に対しては、
	    実際にはこれらの小さなシェルスクリプトの一つを呼び出している
	    makefile コマンドのそれぞれの先頭に独立した <tt>set -e</tt>を
	    含めなければなりません。
	  </p></sect1>
	
	<sect1>
	  <!--
	<heading>Obsolete constructs and libraries</heading>
	  -->
	  <heading>時代遅れになった構成物やライブラリの取り扱い</heading>
	    
	  <p>
	    <!--
	    The include file <prgn>&lt;varargs.h&gt;</prgn> is
	    provided to support end-users compiling very old software;
	    the library <tt>libtermcap</tt> is provided to support the
	    execution of software which has been linked against it
	    (either old programs or those such as Netscape which are
	    only available in binary form).
	    -->
            インクルードファイル <prgn>&lt;varargs.h&gt;</prgn> は非常
            に古いソフトウェアをコンパイルする末端ユーザをサポートする
            ために提供されています。また、<tt>libtermcap</tt> ライブラ
            リはすでにそれに対してリンクされてしまっているソフトウェア
            (古いプログラムか、あるいは Netscape のようにバイナリ形式
            でしか入手できないもののどちらか)の実行をサポートするため
            に提供されています。
	  </p>
	  <p>
	    <!--
	    Debian packages should be ported to include
	  <prgn>&lt;stdarg.h&gt;</prgn> and <tt>ncurses</tt> when
	    they are built.
	    -->
	    Debian 用パッケージは、それらを構築する際に
	    <prgn>&lt;stdarg.h&gt;</prgn> と <tt>ncurses</tt> を
	    含めるように移植されるべきです。
	  </p>
	</sect1>
      </sect>
    </chapt>