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Re: svn.debian.or.jp の活用



武井伸光です.

結論を手短に: 「不適切な手法なので,現状のメールでのやり取りのままでよい」

 Thu, 30 Aug 2007 22:42:31 +0900
 Message-ID: <20070830224224.aa748da2.henrich@debian.or.jp>
>  現在、メーリングリストを介して査読/修正などを実施していますが、
>  ・新規参入者が状況把握が困難
>  ・担当者が指摘された修正を反映するのが手間
>  という状況であるという認識です。
> 
>  作業をすべて debian.or.jp の svn レポジトリに収めて、そこから
>  checkoutして作業する形にするのはどうでしょうか。

1番目.
ML新規参入者は,どんなMLでもそうですが,しばらくROMりましょう.
どの文書に指摘が必要なのかは,その文書の質に*のみ*関係します.
言い換えれば,1年前の文書だろうと誤記を発見したら指摘するのが望まし
い姿勢です(が,そんな前のものを見る元気は僕にはあまりない).

2番目.
査読者がバージョン管理システム使ってcheckout,commitしてもらうと担当
者が超ラク,という話に読めました.作業手段が,メールに diff を添付す
るにせよ,cvs や svn などを使うにせよ,それらの間に違いはなくて,
patch コマンド一発で指摘が適応できるor cvs upd するとホラ手元が最新
に,という手軽さがあると便利なのですよね.反映されるべき指摘が typo 
だけならこれは正しい.


あのですね.査読した結果の返答って,unified diff 形式で表せるものと
表せないものがあるんですよ.diffで表したくないもの,と言ってもいいかな.
diff で表せるもの(つまり,typoの指摘)の例は,僕のdebian-docのメール
から選ぶならX-Mail-Count: 05315ですし,diff形式で表せないものは,
X-Mail-Count: 05328(対応希望)です.diffで表したくないものは,いくつ
かあります.引用部分よりも僕の文の分量が多いものです.


僕の指摘方法と他の査読者の方々の指摘方法と,各人各様の指摘方法があり
ます.誰の指摘方法が正しいとかはありません(だから新規参入者の手本と
なるような厳密な慣習は存在しません.しかし,担当者以外にも理解させる
ためには,結果だけではなくて結果に至る論理を示したほうが理解してもら
える確率は増えます(#)).

指摘方法はいろいろありますが,文章の質(正確さ,日本語としての通りや
すさ,など)を向上させる目的は一緒です.

ただし,どんな表現をするか・どんな単語を使うかには単一の正解はありま
せん.日本語にはプログラムよりも単語がたくさんあるので,ある一つのこ
とを表すのにいろいろな言い方ができます(*).これはdiffでは表せないん
ですよ.diff や cvs は,正解が1つのものに適切な指摘方法だから.さら
に言うと,ある査読者には思いつかなかったもっと適切な案を他の査読者が
出せるかもしれない.

案がたくさん出たとしましょうか.個々の査読者がcvsのブランチ分けて,
担当者がどれかのツリーを採用して,ってやるんですか? ブランチ分けが
適切な状況はメインツリーとブランチの開発が別々に進んでるときで,文書
の査読案への対応はメインツリーの先端部分にどのパッチを適用しようかっ
て話のように思うけどな(どのパッチも適用不可という事態もあり).それは
MLのスレッドで議論するのが適切なのでは? で,そのパッチは,前述のよ
うに,unified diff形式で表せないものもあるんだから,現状のように,
(結果に至る論理を表現できる日本語文を書きやすい)メール形式が適切だと
考えます.

よって,僕の結論としては,「メールでスレッドつなげて落としどころをさ
ぐっていく現状のほうが適切なので,変更の必要ない」です.


1つの文書に対する指摘を1つのメールにまとめると,どの指摘を適用したか
分からなくなるので指摘ごとに別のメールにせよ,という話?これもあまり
賛成できないな.atomicに指摘するといたずらにメールが多くなるだけでしょ
う.

-- 
タケイノブミツ

(#) 「抗戦HOWTO」より
(*) 「単語がたくさんあるので」「単語が多いので」は,最近の僕なら,意
味が通るからどっちでもかまわないと思う.だから術語以外の訳語統一なん
か知ったこっちゃない.