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Re: Po4a ドキュメントの訳
小林です。
From: nabetaro at caldron.jp
Subject: Po4a ドキュメントの訳
Date: Fri, 14 Mar 2008 21:01:51 +0900
> 鍋太郎です。
>
> 一昨年、話を出して、ずっと手元で暖めていましたが、
> ようやく各ドキュメントの翻訳が80%を超えてmanpageが生成できました。
>
> 添付しますので、査読していただけるとありがたいです。
> 特にTeXまわりの用語がよくわからなくて怪しくなっていると思います。
相変わらずゆっくり読んでいます。po4a-updatepo(1) と po4a(1) を読みまし
た。いつもどおり、好み程度の問題なども含まれているので適宜取捨選択して
いただければと思います。;-)
po4a-updatepo
=============
> This program is free software; you may redistribute it and/or modify it
> under the terms of GPL (see the COPYING file).
> 本プログラムはフリーソフトウェアです。GPL の条項に基づき再頒布と変更を
> 行うことができます。
まぁ大したことではありませんが、丸括弧の中が訳されていない気が……。;-)
po4a
====
> The "po4a" program is in charge of updating both the po files (to sync
> them to the original documents) and the translated documents (to sync
> them to the po files). The main point is to make the use of po4a easier
> without having to remember of the command line options.
> "po4a" プログラムは、(オリジナルドキュメントと同期を取る) po ファイルと
> (po ファイルと同期を取る) 翻訳済みドキュメントの双方の更新を担当してい
> ます。主な点は、コマンドラインオプションを覚えておかなくても、簡単に
> po4a を使用できるようにすることです。
大したことではないのですが「主な目的は」のほうがいいかもしれません。
> It also allows you to mix documents having different formats into the
> same pot file so that you can have only one such file per project.
> また、プロジェクトごとに一つのファイルしかない場合と同様に、異なるフォ
> ーマットが混在したドキュメントを、同じ pot ファイルにできます。
「同様に」は誤訳ではないでしょうか。only one such file は pot ファイル
のことだと考えられます。文意としては、「普通の po4a-translate コマンド
やpo4a-gettextize コマンドだと -f で単一のフォーマットしか指定できない
が、po4a コマンドで設定ファイルを使用すると複数のフォーマットのドキュメ
ントを単一の pot ファイルに混ぜて収めることができる」というような感じだ
と思います。
「また、po4a コマンドを使うと、異なるフォーマットのドキュメントを同じ
pot ファイルに混ぜて入れることができ、それによってプロジェクトの pot ファ
イルを 1 つだけにすることが可能となります。」というような感じでしょうか。
> This behaviour can be mimicked by the other tools of the po4a suite
> (for example with makefiles), but it is rather difficult to do, and
> exhausting to redo the same complicated makefiles for each project
> using po4a.
> po4a スイートの他のツールの振る舞いをまねることができます (例えば make‐
> file 内など) が、これは難しいです。プロジェクトごとに po4a を使用して、
> 同じ複雑な makefile を改めて作成するのは消耗します。
これは mimick の主語と述語が逆ですね。そうすると意味も通じると思います。
ちょっと意訳してみましたので御参考までに。
「po4a スイートの他のツールを (例えば makefile などとともに) 用いても、
同様のことを実現できますが、それはやや大変です。それに、po4a を使用して
いるプロジェクトごとにその複雑な makefile を何度も複製する作業は疲れま
す。」
(「同じ + 作成 → 複製」などとしています。)
> The dataflow cannot be inversed in this tool, and changes in transla-
> tions are overwritten by the content of the po files. As a matter of
> fact, this tool cannot be used to convert existing translations to the
> po4a system. For that task, please refer to po4a-gettextize(1).
> このツールでは、データフローを逆にはできません。また、翻訳に対して行っ
> た変更は、po ファイルの内容で上書きされます。実は、このツールは既存の翻
> 訳を po4a 系に変換するのには使用できません。このような用途には、to
> po4a-gettextize(1) を参照してください。
第 2 文は、このままでまったく問題ないのですが、前の文の帰結を説明してい
るので、「つまり、実は、このツールは既存の翻訳を po4a 系に変換するのに
は使用できないのです。」のような感じにするのはいかがでしょうか (好みの
程度ですが)。
あと最後の文の「to」が邪魔です。;-)
> This is an optional command that can simplify the whole config file,
> and will make it more scalable. You have to specify a list of the lan-
> guages in which you want to translate the documents. This is as simple
> as:
> これは、設定ファイル全体を単純にするオプションコマンドで、より柔軟にな
> るでしょう。ドキュメントを翻訳したい言語のリストを指定しなければなりま
> せん。単純に以下のようになります。
最初の文の「より柔軟になるでしょう」がなんとなくしっくりこないのですが、
「これは、設定ファイル全体を単純にし、そしてより柔軟にするオプションコ
マンドです。」ではいかがでしょうか?
> First, you have to specify where the translator input files (ie, the
> files used by translators to do their job) are located. It can be done
> by such a line:
> まず、翻訳者入力ファイル (翻訳者が自分の作業に使用していたファイル) の
> 位置を指定する必要があります。以下のような行で行います。
丸括弧の中は過去進行形 (?) にする必要はないと思うので、「翻訳者(の作業
で使われる|が作業に使用する|が自分の作業に使用する)ファイル」でいいと思
います。
> The command is thus 'po4a_paths'. The first argument is the path to the
> pot file to use. All subsequent arguments are of the self-explanation-
> ary form:
> コマンドは上記より ’po4a_paths’ です。第一引数は、使用する pot ファイル
> のパスです。続くすべての引数は、次のような自己説明的な形をしています。
好みの問題だと思いますが、「一目瞭然ですが、続くすべての引数は次のよう
な形をしています。」とすると分かりやすい気がします。;-)
> You can also use $master to refer to the document basename. In this
> case, po4a will use a splitted mode: one POT and one PO (for each lan-
> guage) will be created for each document specified in the po4a configu-
> ration file. See the Splitted mode section.
> ドキュメントのベース名を参照するのに $master も使用できます。この場合
> 、po4a は分割モードとなります。これは po4a の設定ファイルで指定した各ド
> キュメントについて、POTファイルとPOファイルを (言語ごとに) 一つずつ作成
> します。分割モードセクションをご覧ください。
これも好みの問題程度ですが、「(言語ごとに)」が POT と PO の両方にかかっ
ているようにも読めるので、「(各言語の) PO ファイル」としてはいかがでしょ
うか?
あとは、細かいところですが、「POT」の後と「PO」の前後にスペースがないようです。
> You now naturally have to specify which documents are translated, their
> format, and where to put the translations. It can be made by such
> lines:
> さて、当たり前ですが、どのドキュメントを翻訳するのか? そのフォーマット
> は? 翻訳はどこに出力するのか? といったことを指定しなければなりません。
> 以下の行のように指定できます。
これも好みの問題なのかもしれませんが、「「……か?」、「……は?」、
「……?」といったことを……」のようにかぎ括弧で括るほうがぼくは好きです。
大したことではないのですが、一応書いておきます。;-)
> Note that you can specify additional options on a per file basis.
> 原則として、ファイルごとの追加オプションが指定できることに注意してくだ
> さい。
意味的に basis は「ファイルごと」に含まれてしまっているため、「原則とし
て」はつけなくていいと思います。
あとは、好みの問題でしょうが、additional の意味をもう少し出して、「追加
オプションも」とするといいかもしれません。;-)
> If two POs have different translations for the same string, po4a will
> mark this string as fuzzy and will submit both translations in all the
> POs which contain this string. Then, when a translator updates the
> translation and removes the fuzzy tag in one PO, the translation of
> this string will be updated in every POs automatically.
> 2 つの PO で、同じ文字列に対して異なる翻訳がされている場合、po4a はその
> 文字列を fuzzy としてマークし、その文字列を持つすべての PO に、両方の訳
> を出力します。その場合、翻訳者は訳を更新し、PO から fuzzy タグを取り除
> くと、この文字列の訳は、すべての PO で自動的に更新されます。
おそらく「removes the fuzzy tag in one PO」は one をきちんと訳したほう
がよいと思います。「どれか 1 つの PO から fuzzy タグを取り除くと」とす
るとよいのではないでしょうか。
> Also, a translation is regenerated only if its master document,
> the PO file, one of its addenda or the configuration file is
> more recent. To avoid trying to regenerate translations which
> do not pass the threshold test (see --keep), a file with the
> '.po4a-stamp' extension can be created (see --stamp).
> また、マスタードキュメント、PO ファイル、追加内容のどれか、設定
> ファイルのいずれかがより新しい場合にのみ、翻訳を再生成します。
> 閾値テスト (--keep 参照) を渡さずに再生成しないように
> 、’.po4a-stamp’ 拡張子 を持つファイルを作成できます (--stamp 参
> 照)。
好みの問題程度ですが、第 1 文の「より新しい」は「更新されている」または
「翻訳より新しい」とするほうが分かりやすいかな、と思いました。
第 2 文の pass はこの場合は「(試験・テストなど) を通過する、に合格する」
ですね。二重否定のせいかなんとなく原文が分かりにくくて文意を掴みかねて
いるのですが、「閾値テストを通過しない場合に翻訳を再生成しないようにす
る (--keep 参照) には、「.po4a-stamp」という拡張子のついたファイルを作
成させることができます (--stamp 参照)。」といったところでしょうか。
(「翻訳が閾値テストを通過しない場合は、翻訳を再生成せず (--keep 参照)
に「.po4a-stamp」という拡張子のついたファイルを生成するようにすることも
できます (--stamp 参照)。」のような意味だと思うんですが、この原文の訳と
してはこれはかなりの意訳になってしまいますね……。)
> Note: This only activates the creation of the .po4a-stamp files.
> The stamp files are always used if they exist, and they are removed
> with --rm-translations or when the file is finally translated.
> 注意: これは .po4a-stamp ファイルの作成を行うだけです。stamp ファイ
> ルがある場合は常に使用され、--rm-translations や、最終的にファイル
> の翻訳が完了すると削除されます。
個人的には「--rm-translations をつけた場合や、最終的にファイルの翻訳が
完了したときに削除されます。」のようにして「場合」と「とき」を並列にす
るのが好みです。;-)
> --variable var=value
> Define a variable that will be expanded in the po4a configuration
> file. Every occurrence of $(var) will be replaced by value. This
> option can be used multiple times.
> --variable var=value
> po4a 設定ファイルを拡張する変数を定義します。現れるすべての $(var)
> は、value に置換されます。このオプションは複数回使用できます。
冒頭は主語が逆で、「po4a 設定ファイル内で展開される変数を」ですね。
> --previous
> This option adds '--previous' to the options passed to msgmerge.
> It requires gettext 0.16 or later.
> --previous
> このオプションは、msgmerge に渡すオプションに ’--previous’ を追加し
> ます。gettext 0.16 以降で必要です。
これも主語が逆で、「gettext 0.16 以降が必要となります。」ですね。
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|: Noritada KOBAYASHI
|: Dept. of General Systems Studies,
|: Graduate School of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo
|: E-mail: nori1@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx (preferable)
|: nori@xxxxxxxxxxxxxxxxxxx
|: Key fingerprint = AB26 9533 81DA 997B 3C06 4380 19BB ADA0 695C 9F53