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[debian-users:07696] Re: Q: Are these filesystems available?



いくつか興味深い視点が提示されているようなので、ちょっとこめんと
してみたいと思います。

In <199808151836.TAA15952@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
[debian-users:07683] Re: Q: Are these filesystems available?, Aug.16 '98 03:36 JST
takafumi@xxxxxxxxxxxx says:
=   Debianを企業で使えるかということですが、実際わたしのいる会社では、NTでの導入
=   をCostが高いという理由からあきらめ、Debianでサーバーを構築することになりまし
=   た。そして、一番の問題は、外注に出して会社のキーインフォメーションを握られる
=   ということは、どの会社にとっても危険であるということです。

基本的にはリスクとコストの天秤だと思いますが、おっしゃる事はよく
わかります。特に、人材流動が激しい様なビジネス環境では、インサイ
ド情報の流出は無視できないリスクでしょうね。

情報インフラは、インフラといいながらも実際には会社の資産です。つ
まり、賃貸オフィスの共用設備やビル警備、清掃のような種類のインフ
ラとはことなり、完全なアウトソーシングはむづかしいでしょう。アウ
トソーシングするにしても、外注先と業務主管部との密接な連係が必要
になるでしょうし。


=   依って、導入コスト
=   が安く、会社内で管理者を育てる方法がとられた訳です。まず、NTでは、バージョン
=   アップの期間が導入コストに対して短すぎ、その導入コストを償却する前にバージョ
=   ンアップまたは、メンテナンスをしなければなりません。特に小さい会社では、その
=   悪循環の傾向が顕著にみられると思うのです。

「導入コストの償却」という概念を明確に持っている会社は立派です。
本当はあたりまえの事なんですが。

有償バージョンアップを利用する場合、運用コストの増大を正確に算出
することは著しく困難になります。基本的にベンダの動向次第になって
しまいますからね。

大企業の場合には、わざとそのような無駄な支出を用意しておく事によっ
て、いざというときのコスト削減のための余地を残しておくという力技
も使えます。これもまた「安いと言うだけでは企業に対する魅力にはな
らない」という例です。


=   しかし、Debian導入は、(わたしの会社
=   に限っていえば)短期的には人材育成のために、かえってコスト高となるかもしれませ
=   んが、長期的には、会社のシステム管理の安定に繋がると思うのです。

情報システム管理のための人材を社内で育成する事が、直接的にその企
業にとってプラスに働くとはいえないのではないか、という議論がある
と思います。私は、「情報リテラシ」という観点から、たとえ直接的で
はなくても間接的にはプラスに働くはずである、という意見なのですが。

目先のコストを重視する悪い傾向は、不況下の日本ではあちこちでみら
れます。また、本当の意味で「人材を育てるのだ」という経営パラダイ
ムをもっていない経営者はザラです。短期的なコスト増大を将来の人材
としてフィードバックすることで元を取ろうという意識がないんですか
ね。


=   Debianを商用
=   に使うことは、可能だと思うのです。

私も可能だと思っています。ただし、「一般には」課題がある、それを
あきらかにできればなぁと思っています。


=   こちらのメーリングリストを観ていると
=   ac.jpの方を多く見かけます。この方達が会社に入った場合にやはりDebianを導入しよ
=   うと思うのではないのでしょうか?

これも興味深い意見です。いわれてみれば、Unixにはたしかにそうした
傾向が見られました。特にSunOS *4.x* ですが。しかし、このML購読中
の学生諸君が就職し入社した時、おそらく、M$の本当の恐怖を見る事に
なるんじゃないかと思います。「え、まさか、こんなところにまで??」
というのを思い知ることになるでしょう B-)


 -.- . -. -.
Ken Nakagaki <kenn@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
「会社は主にそれ自身の慣性によって前進している」-- Gerry Spence