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[debian-users:09086] Re: A reason of why I've been telling the``TISRNOTW/BLGFASATACOSS''.



#佐野さんからのご質問には、これでひととおりお答えしたと思いま
 すが、抜けがあったら教えて下さい。

In <199810140949.SAA02080@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
[debian-users:09040] Re: A reason of why I've been telling the``TISRNOTW/BLGFASATACOSS''. , Oct.14 '98 18:48 JST
sano@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx says:
=   # 後者は前者に含まれるようなイメージを持っていました。

議論において行き交う言葉を表面的にとらえただけでは、両者を区別
できないことは考えられます。Netnews やMailing listのように、情
報が文字だけの場合は、なおさらです。区別するにはある程度の時間
幅で発言の内容をみていく必要があるでしょう。

確立された価値観を持つ、内面の成熟したひとの発する言葉は、常に
首尾一貫していて矛盾がありません。これは、すべての言葉が全く同
じ価値観を起点として導き出されているからです。言葉の論理を支え
る柱が心の中に立っている、という言いかたができるかもしれません。

本を読んだり人の話をきいたりして得られた情報をきちんと自分の頭
で咀嚼し、消化し、自分のものにしていくことのできるひとは、自分
で自分の内面を成熟させていくことのできるひとです。自分の価値観
を確立できるひとは、他人もまた独自の価値観をもっているのだとい
うことを納得しているはずです。だから、ひとの話に耳を傾けること
ができるし、ひとには自分の話を聞いてもらう事ができます。

摩擦と対立はいつでもどこででも起こる可能性のあるものです。それ
でも、互いの価値観「そのもの」は尊重しあえる人の間では、どんな
に激しい言葉のやりとりがあるときでも信頼関係が成り立ちます。他
人の内面にはけして土足で上がり込まないという相互の信頼です。

信頼関係がある限り、コミュニケーションもまた成り立ちます。たと
えなんらかの「合意」に至る事はなくても、相手の言葉から何かをえ
ることはできるのです。(ほんの小さな「何か」かもしれませんが。)


「理論武装」にはこれがありません。自分は何も(他人を理解する事
すら)しようとしていないのに他人には自分の要求を平然と押しつけ
てくる人間、自分の狭く矛盾した価値観を指摘するひとを、論を左右
にしては頑なに拒絶しつづける人間、このようなひとは、その場限り
の論理を使い捨てにします。目的は、未熟な自分の内面を守ることで
す。内面が未熟だからこそ、「武装」をしなくてはならないわけです。

問題なのは、このような人間にまともにつき合おうとしたら、つき合
う側もなんらかの「武装」を行なう必要に迫られるだろうということ
です。相互に信頼のないまま議論は上滑りし、ことばのやりとりから
何も得ることができないどころか、はたで見ていた第三者からは軽蔑
と失笑を買う事になるでしょう。

    .   .   .

DebianやFree software のことを語る人物が、信頼するに足るひとだ
と他人に思ってもらえる人物であれば、少なくともその人物は敬意を
払ってもらえます。敬意と言うのは得がたい物ですが、数多くの敬意
を勝ち得る事ができれば、それは普及と発展につながるのではないで
しょうか。たとえ直接的なものでないにしても。


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Ken Nakagaki <kenn@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
「会社は主にそれ自身の慣性によって前進している」-- Gerry Spence