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[debian-devel:01932] Comments on "A social contract"



橋本@聖和大です。

なかなか社会復帰ができないですが、今日、DDPの辺りも回ってきて、いろいろ
文書を落としてきました。

で、とりあえず以前書いたようにコメントを先に出します。

当然、コメントの採否は担当翻訳者にゆだねられます。

これは「社会契約」のやつです。以下の番号はセクションに対応します。

Social Contract
1. 原文のentirelyはfree softwareに係ります。ですから、「ディストリビュ
  ーション全体」ではなく、「Debian GNU/Linuxディストリビューションを
  完全にフリーなものとして維持する」です。

 「フリーではないソフトウェアにシステムが依存するようには」
 好みの問題ですが、「フリーではないソフトウェアがなければ動かないような
 システムには絶対にしません」の方が分かりやすい?

2. 「構成要素」は分かりにくいのでは?これなら「コンポーネント」の方が
 通じる気がする。
 , so thatをどのように捉えるかは翻訳者と状況に寄るんですが、筆者らの
 熱意を考えると、
 「私達は可能な限り最良のシステムを作っていくつもりです。そうすることで
  フリーソフトウェアがより広く配布され、使用されるようにしたいのです。」
 くらいでもいいかな。

 「上流」は英語ではupstreamでも通じると思いますが・・・難しいですね。
 「元の作者」としてしまうのはまずいですし。


3. 「一般に公開しておきます」
  これよくやるんですが、「公開」はとうぜん、一般を対象とします。です
  から、「一般に」は不要です。(でも、これ、いつのまにか、「一般公開」
  という訳の分からないことばが普及してるんですよね・・・)

 「ユーザーがオンラインで書き込んだ」では、パソ通のオンラインリプライ
 みたいです。「ユーザーがネット上に報告した」でしょう。ただ、現実を
 考えると、これはdebianのバグ報告MLに報告されたものについてですよね?
 この理解が正しければ、少し工夫をした方がいいかもしれません。

 このセクションは私だと次のような感じにします。
 「バグ報告データベースは常に完全に公開します。Debianユーザがバグ報告
  をしてくれたものはすべて公開されます。」

4. 
 これは重箱の隅ですが、「様々」は「さまざま」と開きましょう。
 いまJFでもJF文書を書籍にするという話が出てきてますが、出版物としての
 品質にこだわるとかなりの改変が必要になるといった意見も出てますね。
 Debianも近い将来、ドキュメントを書籍にするってことを考えて、そのとき
 あまり改変しないでいいように、と考える視点もあっていいかな。

 上と同じで、run programsの意味でのrunは「走る」よりも「動かす」です。

 ちなみに読みやすさという意味では、英語の方はすべてwe will, we won'tで
始まってるんですが、日本語の方はこの辺りがうまく行かないので、適当に
接続語を補うといいです。例えば、2文目と3文目の間には「また、」くらい
を入れると読みやすくなります。

5. 
  standardは「基準」です。
  acknowledgeも「承知している」くらいかな。「認める」では認可するみたい。
  4文目のThusはsloppyですね。これは訳文からカットするのがいいでしょう。
  

ガイドライン
1. やっぱり「Debianの一部となるソフトウェア各自のライセンス」とでも
しないと分かりにくくないですか?

2. 別に「実行形式とともに」である必要はありません。ソースがあれば実行
形式はなくても・・・。ということで、「実行形式だけでなく、ソースも
配布できるようにしなくてはいけません」でしょう。

3. 
  derived worksは鴨志田さんとこにある翻訳用語統一でもこうなってるんです
  が、少なくとも文脈上一回くらいは「オリジナルから派生したプログラム」
  くらいに説明的であって欲しいと思います。
  
  それと、この後半はちょっと分かりにくいところですが、この「ライセンス」
  というのはderived worksに添付されるライセンスですか?それとも元の
  プログラムに添付されるライセンス? 私には後者に思えるんですが。
  この理解が正しければ、後半は次のようになります。
  
  「また、こうした派生的なソフトウェアが元のソフトウェアと同じライセンス
  条項の下で配布できるようにしておく必要があります」
  

4. only ifは「必ず〜しなくてはいけません」の方が分かりやすい?
 「「ライセンス」によって、そのソースコードを第三者が修正した上で配布
 することに制限を加えることはできますが、プログラム構築時に修正する
 ことができるように、ソースコードに「パッチファイル」を添付配布する
 ことを「必ず」許可するものでなければなりません。」

 explicitlyは「〜配布することを許可すると明示せねばなりません」

 最後の「要求してもかまいません」は「要求するのはかまいません」かな。

6. 
 後半、「ビジネスに利用するから、遺伝子研究に利用するからといって、
 その使用に制限を加えてはいけません」と分けた方がいいでしょう。

 #そういえば、ここで「遺伝子研究」がいきなり出てくるのは違和感感じる
  読者っていないですかね? 倫理的に嫌悪感を感じるという意味で、
  ビジネスと遺伝子研究が並列されてるのが筆者のユーモアなんだけど。

7. 
 by those parties(= all to whom the program is redistributed)は
executionにかかります。
 「あるプログラムに与えられた権利は、その再配布を受けた人すべてに
 適用されるものとし、追加ライセンスの許可をもらうといった作業も
 不要です」


以上。