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[debian-devel:02831] Re: Emacs20 maintainer



石川@静大です。

#急に出てきます。ちょっと現実逃避 ^^;)

 yochi@debian.or.jp さんは
   Subject:[debian-devel:02829] Re: Emacs20 maintainer
   Message-ID:<19980218175743W.yosiaki@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
 で言いました。

>> やなぎはらです。

>> canna/wnn 対応にするには、emacs20へのパッチが
>> 必要なんですか?
>> それだったら、また別ものになるのかなぁ....

 現状では、必要です。が、出ているのは unofficial なものだけ。

 Canna 対応
  1)守岡さんによる dl-canna (dynamic load patch と apel が必須)
      (ftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/GNU/elisp/dl-canna)
  2)沖勝さんによるパッチ
     (http://www.yk.rim.or.jp/~oki/emacs-20.2-canna-diff.tar.gz)

 Wnn6 対応
  3)沖勝さんによるパッチ
     (http://www.yk.rim.or.jp/~oki/emacs-20.2-wnn6-diff.tar.gz)
    (ただし、これを素直に当ただけだと、lisp/kinsoku.el のせいで禁則が
     効かなくなる。international/kinsoku.el を使うんで、
     lisp/kinsoku.el を消す必要アリ)

とりあえず、私が把握してるのはこれだけです。

 で、今このメールを書いてる Emacs-20 には 1) と 3) のパッチが当てあっ
て、Wnn6, Canna とも正常に動作してます(と思うんだけど、少なくとも、私
が修論を書くのに利用している程度のこと ^^;) では、今のとこ不都合は
出てません)

#Debian GNU/Linux(bo, hamm とも)、Solaris2.4, SunOS4.x で確認。

 最初 2) と 3)でやろうとしたけど、いろいろとコンフリクトして *.rej が
結構出るので、手で修正するのも面倒になって 1) と 3) にしちゃいました
(この組合わせなら、修正が必要なかった)。

 1) は(守岡さんが) canna.el のコードをきれいに書き直してるし、実現方法
も結構スマートな感じです。でも、apel がないと動かない。

 2) 3) に関しては、Mule-2.3 のものを無理やり Emacs20 に当ててる感じな
んで、なんか、クイックハック的というか、間に合わせな感じがします。

>> Mule-3.0 って出るんですか?
>> もし出る予定があるなら、
>> 
>> 	Mule 3.0 と Emacs20 
>> 
>> との違いは?

 又聞きとか、etlport とか jaist にある mule-jp メーリングリストのアー
カイブ(あんまり更新されないんで、最近は状況がつかめないんですけど)とか
からの話を総合すると、

 ・現状 Emacs20 には mule の機能の一部(Wnn やら Canna への対応など)が
   含まれていない。
 ・で、これらを組み込んだ Mule を出す。
 ・ただし、今後 Emacs のリリースを続けることで Mule の全機能が統合され
   た時には、以後、Mule としてのリリースは停止する。

ってのが、基本線だったはずです(ただし、私は Mule の ML には入ってない
ので、最新の状況は知らないんで、何か状況が変わってるかも知れません)。

 あと、インプットメソッド関係では、

 ・Canna や Sj3 は日本語のみを対象にしているので、今のままのインプリメ
   ントでは、Emacs にマージしない。Wnn はその他の言語へのサポートも考
   えられているので、マージしてもいい。ということになった。
   (ただし、Emacs20 では Wnn サポートのマージは間に合わなかった)。

 ・こういう流れのなかで、Mule でのインプットメソッドの実装の方法として、
    構造をもっちょっと整理して、各かな漢字サーバに低レベルアクセスする
    部分、低レベルアクセス部分とユーザインタフェース部分の中間に位置す
    る汎用インタフェースライブラリ、ユーザインタフェース、のように切り
    わけて、汎用性を高めようという話もあったようだ。で、

    A) Emacs に dynamic load の機能を付加し、canna サポートライブラリ
      やら Wnn のサポートライブラリやらを後付で追加できるような仕組み
      を用意する(←これを利用しているのが、前述 1) の dl-canna)低レベ
      ル部分はこれで実現

    B) 現状では低レベルのアクセスに Wnn やら Canna やらのライブラリを
      利用しているが、これをやめて全体を elisp で実現する。

   という流れがあって最初は A) で行くような話だった(実際に、dynamic
   load のパッチとか dl-canna のようなものが mule-jp ML で流れた)と思
   うけど、結局、(詳細はわからないが)Emacs に dynamic load の機能を追
   加しないという方向に話が進んだらしく、B) で行くことになった(らしい)。

 ・で、B) の方法で問題になるのが、実は Wnn6。詳細なプロトコルが公開
   されていないため、elisp のみによる低レベルライブラリを書くのが困難
   である、ということになってしまった。そこで、OmronSoft に対して、プ
   ロトコルの公開を求めた(その後、どうなったのかは不明)。

というような話があったと思います。

 私は、以上のように理解してます。

 が、なにせ、回りに Emacs やら Mule やらの開発に首を突っ込んでる人間は
いないので、不正確な部分もあるでしょうし、現状では状況が変わってる部分
もあると思います。

 From Shizuoka Univ.
  ishikawa@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx, ishikawa@xxxxxxxxxxx, ishikawa@debian.or.jp
      **  石川 睦@静岡大学理工学研究科博士前期課程2年(渡辺研究室) ** 

 私家版 f.o.l FAQ (Last Update : 1997/12/24)
   http://aurum.cs.inf.shizuoka.ac.jp/~ishikawa/linux/faq/faq-list.html