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[debian-devel:09651] X-TT のマージ
- From: ISHIKAWA Mutsumi <ishikawa@xxxxxxxxxxx>
- Subject: [debian-devel:09651] X-TT のマージ
- Date: Tue, 22 Jun 1999 02:12:27 +0900
- X-dispatcher: imput version 990425(IM115)
- X-fingerprint: AC FA FA 80 27 8D 50 5E 5F 9F B4 78 94 BC 61 B5
- X-ml-info: If you have a question, send a mail with the body "# help" (without quotes) to the address debian-devel-ctl@debian.or.jp; help=<mailto:debian-devel-ctl@debian.or.jp?body=help>
- X-ml-name: debian-devel
- X-mlserver: fml [fml 2.2]; post only (only members can post)
- X-url: http://www.linux.or.jp/~ishikawa/
- Message-id: <19990622021022Z.ishikawa@xxxxxxxxxxx>
- X-mail-count: 09651
- X-mailer: Mew version 1.94b28 on Emacs 20.3 / Mule 4.0 (HANANOEN)
むつみです。
xfree86-xtt パッケージの potato へのマージに関する相談です。
国内のユーザへの影響範囲がデカイと思われるので、debian-users@.jp、
debian-devel@.jp の両方に流します。以後の議論は、-devel での話題だと思
われるので、Reply-To: -debian@.jp にしてあります。2 つの ML で平行して
スレッドが走って、わたしが把握できなくなるのはまずいので、フォローは
可能な限り -devel@.jp で行ってください。
xfree86-xtt の potato に関して、基本的なコンセプトは 2 つ。
1. 現在の形態、つまり xfree86-xtt パッケージとしてのリリースは行わな
い。xfree86 パッケージへの統合を行う。
2. 長期的な展望を見据えた上で利用者への影響がなるべく小さくなるように
する。
このコンセプトをふまえた上で、xfree86-xtt をどうマージするべきか、以下
に、現時点での私の方針を挙げておきます。あくまで、現時点での私の意見な
ので、実際にこうするか(こうできるか)はわかりませんし、以後の議論におい
て、方針を変更する可能性もあります。
xfree86-xtt パッケージでは、xfree86 パッケージに対して、大きく、以下
の 3 つの拡張を行っています。このそれぞれの追加機能に関しては、それぞ
れ独立した拡張であり、それぞれを別々にマージしていくことが可能だと考え
ています。
1) XF86Setup の日本語対応
2) NEC PC-98x1(および、その互換機)上で動作する X サーバの提供
3) X-TT のよる TrueType フォントサポートの提供
それぞれ、どうするかを考えていきましょう
1) XF86Setup の日本語対応
まず、比較的、話が簡単だと思われる、これから。これに関しては 2 つの解
決法があると思います。
1.1) tcl8.0-ja/tk8.0-ja で build してもらう。
1.2) tcl8.0-ja/tk8.0-ja で build したものを別パッケージで用意させる。
まず、tcl8.0-ja と tk8.0-ja の potato へのマージが前提です。これが
なければ、XF86Setup の日本語化は当然見送りです。既に tcl8.0-ja は
upload されてるので、tk8.0-ja もすぐに upload してくれるでしょう。
#つーことで、樽石セソセよろしく :-) (圧力)
で、1.1) と 1.2)に関してどうするべきか、ですが、1.1) の方が、解決法と
しては簡単です。ということで、1.1) で押してみようかと思っています。
一つ問題点は、XF86Setup を利用するユーザは、日本語サポートを必要性いか
んに関わらず、tcl8.0-ja/tk8.0-ja をインストールしなければならない点で
しょうか。
2) NEC PC-98x1(および、その互換機)上で動作する X サーバの提供
これに関しては、私自身は、行わない方向で考えています。理由は簡単で、
・PC98x1 な環境がないので、テストもできないしバグへの対応もできない。
・さきほども述べたように、この xfree86-xtt が提供していた 3 つの拡張
は、それぞれ独立したものであり、わたし一人でやらなければならないも
のではない。
からです。残った、TrueType フォントサポートに関する作業が重すぎるので、
申し訳ないですが、これは、パスさせてもらいます。だれか、必要性を感じる
人が引き継いでくださるようなら協力はしますが、私がメインになってやるつ
もりはありません。
3) X-TT のよる TrueType フォントサポートの提供
一番大きな問題は、これです。
まず、前提として、XFree86 における TrueType フォントサポートの実装に
ついて、すこし話しておきます。
これには現状で実用レベルに達している者が 2 つあります。一つは X-TT、
一つは xfsft と呼ばれるものです。
xfsft は、
http://www.dcs.ed.ac.uk/home/jec/programs/xfsft/
X-TT は
http://X-TT.dsl.gr.jp/index-ja.html
を参照してください。
xfsft と X-TT を比較した場合 xfsft と X-TT の現時点での長所、短所(だ
と思っているもの)は以下です。
X-TT
長所
・TTCap による、フォントの自動変形を利用した多彩な表現
・.ttc (TrueType Collection)フォントへの対応
・ダイナミックローディングモジュールを用いたコードコンバータ
(メジャーメーカの、ちとおかしなエンコーディングなフォントにも
柔軟に対応)
短所
・開発が滞りがち。
・TTCap の手法は、fonts.dir をアドホックに拡張したものであり、
将来的には変更される可能性が高い
xfsft
長所
・フォントのレンダリング自体は、こっちのほうが良いようだ
・マッピングファイルを用いたコードコンバータ
(1.1.x 系では、CJKV なコードにも対応)
・Type1, Speedo, TrueType の統一的な扱い
短所
・.ttc にまだ対応してない
・TTCap のような機能を持たない。
で、周辺情報として
・XFree86 の開発ブランチには双方取り込まれている。ただし、リリース時
には一本化する予定(できなければ、両方はずされる可能性も。。。)
・RedHat 6.0 は xfsft をマージしてる(けど xfsft 1.0 系だったはず)
・X-TT Ver2.0 では、大幅にその実装などが変更される予定
という状況があります。
X-TT ver 2.0は FreeType2.0 をベースに考えられていたり、より大きな枠組
みで、X のフォントサポート自身の改良ももくろんでいたりしているため、そ
の登場までに時間がかなりそうです。
個人的には、これが出るタイミングと XFree86 の次期バージョンの開発
タイミングなどによりますが、現状では xfsft をベースに、機能の一本化を
図っていく方向で(とりあえず)動いたほうがいいのかも、などと漠然と考えて
います。
さらに、potato を追いかけている人は、既に気付かれたかと思いますが、
xfree86-1_3.3.3.1-7 において TrueType フォントサポートとして xfsft が
マージされました。このマージされたものは xfsft 1.0.x 系のものであり、
日本語(を含む、ようするに CJKV な言語とか)を利用できません。
そこで、わたし的には、xfsft を 1.1.x 系(beta 1.1.5)をマージさせて、ま
あ、OK としようかなと思ったのですが。。。xfree86-1_3.3.3.1-8 において
xfsft サポートが再びはずされてしまいました。理由は簡単で 64bit clean
じゃなかったから(具体的には Alpha で動かなかったものと思われます)。
X-TT の関しても、Alpha でうまく動かないというような話を聞いたことがあ
り、実際に、私自身が確認できていないので 64 bit clean なコードかどうか
の確証が持てません。
ということで、potato リリースまでに、どう行動するのがいいかという点に
関して、出した結論は以下です。優先順だと思ってください
・xfs-xtt つまり X-TT な xfs だけをとりあえずリリースしてしまい、
CJKV な TrueType フォントを X で利用する環境を用意する。
・xfsft 1.1.x をマージすべく行動開始。
- xfsft 1.0.x じゃ、CJKV な人が困る。利用する文字数が多く、フォン
トの作成自体にパワーが必要な CJKV な地域では安価なTrueType フォ
ントが利用できる環境は重要。
- xfsft 1.1.5 は、まだ、ベータステータスである。でも、これ、安定し
てるよ。しかも CJKV も扱える。(国際化を push してみよう)
・平行して 64 bit clean なコード云々についての調査
このために、某所から Alpha なマシンを借りました。
つまり、TrueType フォントを利用する最低限な環境は用意し(かつ、それは、
今まで利用していた X-TT なものなので、移行もスムーズにいくだろう)、ま
た、長期的な展望にたって、xfsft のマージを推進してみようということです。
話が長くなりましたが、コメントをお願いします。
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ishikawa@xxxxxxxxxxx, ishikawa@debian.org, ishikawa@debian.or.jp,
ishikawa@xxxxxxxxxxxxx, ( mutsumi@xxxxxxxxxxx for PostPet only )
** 石川 睦%無意味な全文引用をする人は嫌い@日本 Linux 協会 **
日本 Linux 協会 http://www.linux.or.jp/