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Re: Packaging Manual chapter 10 & 11



鍋谷です。

結局、第10章のポイントは「version」をどう訳すかですね。
第10章では、一貫して、「vi に対する vim,nvi,jvim の類のもの」を
「version」といっています。

From: "Katsura S. Yoshio" <shishamo@xxxxxxxxxxxxxxx>
Date: Wed, 6 May 1998 17:52:42 +0900
>
> 芳尾です。
> 
> どうも早速のご査読ありがとうございますです。
> > 
> > > When several packages all provide different versions of the
> > > same program or file it is useful to have the system select a
> > > default, but to allow the system administrator to change it and
> > > have their decisions respected.
> > 
> > 同一のプログラムやファイルの違うバージョン(「派生バージョン」)を、
> > いくつかのパッケージが提供することがあります。そのとき、システム
> > で使用するデフォルトを選んでおくと便利です。ただし、システム管理者
> > がそのデフォルトを変更でき、そのデフォルトを決めることができる(そ
> > の決定に関わることができる、の意)と便利です。
> 
> おお、いい訳ですね。ちょっといじっていただきます。

わざとくどい訳にしていますので、そういう部分はスマートな訳に変えて
下さい。

> > > If all the packages involved cooperate, this can be done with 
> > > update-alternatives.
> > 
> > > これらすべてのパッケージが相互に協力関係にあれば、このことは、 
> > > update-alternativesというコマンドで実現できます。
> > 
> > # 直訳なら「含まれるパッケージすべてが協力すれば」ですが、
> > # もっとうまい訳がほしいところですね。意訳ですが、
> > 
> > 「 Debian では、すべてのパッケージが update-alternatives
> >    コマンドを利用することで、上記のことを実現します。」
> 
> ここってけっこう迷ったんですが、上のやつだと、デビアンでパッケージング
> されているやつすべてが、update-alternatives を利用できる、という意味に
> とれそうです。が、そういう理解で正しいですか?つまり、デビアンパッケー
> ジのすべてではなく、デビアンパッケージ中のあるパッケージだけが、
> update-alternatives を使用可能である、との意図じゃないかと私は読みまし
> た。上の、"the" packages ですね。
> デビアンパッケージすべてが update-alternatives でいけるのであれば、鍋
> 谷さんの訳のほうがいいと思います。

いえ、「all the packages involved」の部分は芳尾さんの訳でよいです。
ただ、「パッケージが協力する」という表現はちょっと、と思ったわけです。

> > > Each package provides its own version under its own name, and
> > > calls update-alternatives in its postinst to register its version
> > > (and again in its prerm to deregister it).
> > 
> > 個々のパッケージは、独自の名前を持った派生バージョンを提供します。
> > インストール時に postinst スクリプト中で update-alternatives を呼び出
> > し、派生バージョンを登録します(prerm スクリプト中でその登録を取り消
> > すために再び update-alternatives を呼び出します)。
> 
> 私はここでは、
> 例えば、vim は、パッケージの名前が vim でその下にバージョン番号として、 
> 4.6-1、
> というバージョン番号を持つそのバージョン番号としてとらえました。
> 
> こういう風にとらえたほうが、以下の、postinst 云々の話とすんなりつなが
> るかな、と考えたのですが、どないでっしゃろ?
> 
> ああ、でも、よく考えたら、its own だから、鍋谷さんの訳のほうが正しそう
> です。バージョン番号だと、its own はいらないですよね。

「… under hogehoge」が「 hogehoge という名の …」という用法と思いま
した。で、

「Each package provides its own version under its own name」

は、例えば、

「 vim,nvi といったパッケージは、それぞれ独自に vim,nvi という名を
   もった vi の派生バージョンを独自に提供する」

ことをいってるはずです。

大阪大学理学研究科物理学専攻 博士後期課程1年 大坪研究室(06-850-5346)
         鍋谷 栄展      nabetani@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx