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dpkg(8) (roff format)



dpkg(8)です。前回変だった部分を修正しました。roffフォーマット版です。
漢字コードをJISにしてますが、実際に使うときにはEUCにしないといけない
はずです。
-- 
喜瀬“冬猫”浩@南国沖縄

.TH dpkg 8
.SH 名称
dpkg - Debian GNU/Linux用の低レベルパッケージマネージャ

.SH 概要

.B dpkg
[オプション] アクション

.SH 警告 警告 警告

このマニュアルは、記述されたときから不正確で、現在では古くもなっている。

.B dpkg
がどのようにパッケージをインストールするのかを理解したいパッケージ
管理者は、このマニュアルを
.I 読まなくてもよい
。

.BR "dpkg"
のコマンドラインオプションやパッケージの状態について、
.BR "dpkg --help"
で得られる情報よりも
くわしく知りたいというユーザにとって、このマニュアルは有用かもしれない。

このマニュアルの、パッケージをインストールするときや削除するときの
.B dpkg
の動作に関する記述は、とても不十分である。よりくわしい情報については、
Gnu Info システムの
.I ガイドライン集
にある Debian Packaging Guidelines を参照すること。

.SH 説明

.B dpkg
は、Debian GNU/Linux のパッケージの、インストール、構築、削除、管理を
するための中間レベルのツールである。代表的な、よりユーザフレンドリである
.B dpkg
のフロントエンドは
.B dselect(8)
である。
.B dpkg
は、1 つ以上のオプションと、ちょうど1つのアクションで構成される
コマンドラインパラメータによって、すべて制御される。アクション・
パラメータは、dpkg に何をさせるのかを指定し、オプションはその
アクションのふるまいを制御する。

また、
.B dpkg
は
.B dpkg-deb
のフロントエンドとしても使うことができる。
.B -b
,
.B --build
,
.B -c
,
.B --contents
,
.B -I
,
.B --info
,
.B -f
,
.B --field
,
.B -e
,
.B --control
,
.B -x
,
.B --extract
,
.B -X
,
.B --vextract
そして
.B --fsys-tarfile
といったアクションは
.B dpkg-deb
のアクションであり、
.B dpkg
はこれらのアクションを指示されると、同じパラメータを与えた
.B dpkg-deb
を起動するだけである。これらのアクションについてのくわしい情報については
.B dpkg-deb(8)
を参照すること。


.SS アクション

.TP
.B dpkg -i | --install <パッケージファイル名> ...
指定したパッケージをインストールする。もし
.B --recursive
または
.B -R
オプションを指定する場合、
.I <パッケージファイル名>
の代わりに、参照するディレクトリを指定しなければならない。

インストールは、以下の手順で構成されている:
.br
.B 1.
インストールするパッケージの制御ファイルを取り出す。
.br
.B 2.
もし同じパッケージの別のバージョンがすでにインストール
済みの場合、インストール済みのパッケージの
.I prerm
スクリプトを実行する。
.br
.B 3.
もしパッケージが提供している場合、
.I preinst
スクリプトを実行する。
.br
.B 4.
ファイルを展開する。それと同時に、何か失敗したときに
元に戻せるように古いファイルを保存する。
.br
.B 5.
もし同じパッケージの別のバージョンがすでにインストール済みの場合、
先にインストールされていたパッケージの
.I postrm
を実行する。このスクリプトが、新しいパッケージの
.I preinst
の後に実行されることに注意すること。なぜなら、新しいファイルが
書き込まれると同時に、古いファイルは削除されるからである。
.br
.B 6.
パッケージの設定をする。これがどのように実行されるかについてのくわしい情報は、
.B --configure
を参照すること。
.TP
.B dpkg --unpack <パッケージファイル名> ...
パッケージを展開する、しかし設定はしない。もし
.B --recursive
または
.B -R
オプションを指定する場合、
.I <パッケージファイル名>
の代わりに、参照するディレクトリを指定しなければならない。
.TP
.B dpkg --configure     <パッケージ名> ... | -a|--pending
展開済みのパッケージを再設定する。もし、
.B -a
または
.B --pending
が指定された場合、まだ設定されていない展開済みのすべてのパッケージを設定する。

設定は、以下の手順で構成されている:
.br
.B 1.
設定ファイルを展開する。それと同時に、何か失敗したときに元に戻せるように、
古い設定ファイルを保存する。
.br
.B 2.
もしパッケージが
.I postinst
スクリプトを提供している場合、それを実行する。
.TP
.B dpkg -r|--remove | --purge <パッケージ名> ... | -a|--pending
インストール済みのパッケージを削除する。
.B --purge
は、設定ファイルを含むすべてを削除する。
.B --remove
は、設定ファイルを除いたすべてを削除する(設定ファイルの一覧として、
.I conffiles
コントロールファイルがある)。
もし、
.B -a
または
.B --pending
が指定されている場合、展開されていて、remove または purge の印のある
パッケージすべてを remove または purge する(印は
.I /var/lib/dpkg/status
に記録されている)。

パッケージの削除は以下の手順で構成されている:
.br
.B 1.
prerm スクリプトを実行する。
.br
.B 2.
インストールしたファイルを削除する。
.br
.B 3.
postrm スクリプトを実行する。
.br
.TP
.B dpkg -A | --avail <パッケージファイル名> ...
.B dpkg
と
.B dselect
が持っている、
.I <パッケージファイル名>
のパッケージが利用可能であるかという情報や、そのパッケージに関する
情報を更新する。
もし、
.B --recursive
または
.B -R
オプションを指定する場合、
.I <パッケージファイル名>
の代わりに参照するディレクトリを指定しなければならない。
.TP
.B dpkg --update-avail | --merge-avail <パッケージ一覧ファイル>
.B dpkg
と
.B dselect
が持っている、パッケージが利用可能であるかという情報を更新する。
.B --merge-avail
アクションは、古い情報と
.I <パッケージ一覧ファイル>
からの情報を組み合わせて新しい情報とする。
.B --update-avail
アクションは、古い情報を
.I <パッケージ一覧ファイル>
からの情報で置き換える。
.I <パッケージ一覧ファイル>
は Debian GNU/Linux と一緒に、
.I Packages
という名前で配布されている。
.TP
.B dpkg --yet-to-unpack
インストールするために選ばれたが、何らかの理由でまだインストール
されていないパッケージを探す。
.TP
.B dpkg -l|--list [<パッケージ名のパターン> ...]
与えられたパターンにマッチするパッケージを表示する。
もし
.B <パッケージ名のパターン>
が与えられない場合は、
.I /var/lib/dpkg/available
にあるすべてのパッケージを表示する。
.B <パッケージ名のパターン>
には、標準的なシェルのワイルド文字を使用することができる。
.TP
.B dpkg -L|--listfiles <パッケージ名> ...
.B <パッケージ名>
パッケージからインストールされたファイルを表示する。
ただし、パッケージ付属のインストールスクリプトによって作成された
ファイルは表示されないことに注意すること。
.TP
.B dpkg -C|--audit
インストールが完了していないパッケージを探す。
.B dpkg
はインストールを完了させるためにどうすればよいかを提案する。
.TP
.B dpkg -S|--search <ファイル名検索パターン> ...
インストール済みのパッケージを探す。パターンには、標準的なシェルの
すべてのワイルド文字を使用することができる。
.TP
.B dpkg -s|--status <パッケージ名> ...
指定したパッケージの状況を報告する。これは、インストール済みパッケージ
状況データベースの内容を表示しているだけである。
.TP
.B dpkg --help
簡単なオプション一覧を表示する。
.TP
.B dpkg --licence
.B dpkg
のライセンスを表示する。
.TP
.B dpkg --version
バージョン情報を表示する。
.TP
.B dpkg-deb-actions
このアクションのくわしい情報は
.B dpkg-deb(8)
を参照すること。

.B dpkg -b|--build <ディレクトリ> [<ファイル名>]
- Debian GNU/Linux パッケージを構築する。
.br
.B dpkg -c|--contents <ファイル名>
- Debian GNU/Linux パッケージに含まれるファイル一覧を表示する。
.br
.B dpkg -e|--control <ファイル名> [<ディレクトリ>]
- パッケージから制御情報を取り出す。
.br
.B dpkg -x|--extract <ファイル名> <ディレクトリ>
- パッケージに含まれるファイルをすべて取り出す。
.br
.B dpkg -f|--field <ファイル名> [<制御フィールド>...]
- パッケージの制御フィールドを表示する。
.br
.B dpkg --fsys-tarfile <ファイル名>
- Debian パッケージに含まれる tar ファイルを表示する。
.br
.B dpkg -I|--info <ファイル名> [<制御ファイル>]
- パッケージに関する情報を表示する。
.br
.B dpkg -X|--vextract <ファイル名> <ディレクトリ>
- パッケージに含まれるファイルを展開し、ファイル名を表示する。

.SS オプション

.TP
.B -B | --auto-deconfigure
パッケージを削除するとき、削除するパッケージに依存した別のパッケージが
インストールされて場合がある。このオプションを指定すると、削除する
パッケージに依存しているパッケージの設定を取り消す。
.TP
.B -Dh | --debug=help
デバッグオプションの一覧を表示する。
.TP
.B -D<8進数> | --debug=<8進数>
デバッグモードにする。
.B <8進数>
は、ビットごとに意味を持つ8進数で、以下の一覧から望む値を組み合わせる
(これらの値は、将来のリリースでは変更される可能性があるので注意)。

 数値   説明
    1   一般的に役に立つ進行状況
    2   管理スクリプトの実行状況と状態
   10   各ファイル処理の出力
  100   各ファイル処理の大量の出力
   20   各設定ファイルの出力
  200   各設定ファイルの大量の出力
   40   依存関係、競合関係
  400   依存関係、競合関係の大量の出力
 1000   dpkg/info ディレクトリなどに関する大量のたわごと
 2000   正気でない大量のたわごと
.TP
.B --force-<行為> | --no-force-<行為> | --refuse-<行為>
何かの行為を強制実行する(force)、または拒否する(refuse)(no-force と
refuse は同じ意味)。
.B <行為>
は、以下で示される行為をコンマで区切ったリストである:

.I downgrade(*):
インストールするパッケージよりも新しいバージョンのパッケージがすでに
インストールされていても、インストールをする。

.I configure-any:
指定したパッケージに依存していて、すでに展開されているが、まだ設定されて
いないパッケージの設定をする。

.I remove-reinstreq:
壊れていて、再インストールが必要だと印をされていたとしても、パッケージを
削除する。これにより、例えば、
.B dpkg
に管理されていないパッケージの一部が残るなどの問題がおこるかもしれない。

.I hold:
そのパッケージが hold されていようがいまいが、それを無視する。

.I remove-essential:
essential とされるパッケージであっても削除する。essential パッケージには、
たいてい基本的な UNIX コマンドなどが含まれる。これらのパッケージを削除
すると、システム全体が動作しなくなることもあるので、注意して削除すること。

.I conflicts:
他のパッケージと競合してもインストールする。たいていはいくつかのファイルを
上書きすることになるため、危険である。

.I depends:
他のパッケージが依存しても削除する。たいていは依存しているパッケージが
動作しなくなる。

.I depends-version:
依存関係の確認をするとき、バージョンを無視する。たいていは依存している
パッケージが動作しなくなる。

(*)の印のついた行為は、デフォルトで強制実行される。
.I 警告:
これらのオプションは、おもに熟練したユーザが使うことを意図したものである。
影響を完全に理解しないままにこれらを使うと、システム全体を壊してしまうかも
しれない。

.TP
.B --ignore-depends=<パッケージ>,...
指定したパッケージに関する依存関係の確認を無視する(実際は、依存関係を
確認する。しかし、競合に対して警告をするだけである)。
.TP
.B --largemem | --smallmem
.B dpkg
に対して、メモリを節約するか必要な分だけ使用するか指定する。
.TP
.B --new | --old
パッケージのフォーマットが新しいか古いかを指定する。
これは
.B dpkg-deb(8)
のオプションである。
.TP
.B --nocheck
パッケージを構築するときに、制御ファイルの内容を読むことも確認もしない。
これは
.B dpkg-deb(8)
のオプションである。
.TP
.B --no-act
期待される動作をすべて実行するが、書き込むことも変更もしない。これは、
指定したアクションが何をするのかを、実際には何も変更することなしに見るための
ものである。

アクションパラメータの前に
.B --no-act
を置くように注意すること。さもなくば、望まない結果に終わるだろう。
(例えば、
.B dpkg --purge foo --no-act
は、最初にパッケージ foo を purge し、次にパッケージの purge を --no-act
しようとする。実際には何も実行されないことを期待していたかもしれないが)

.TP
.B -R | --recursive
指定したディレクトリとそれのすべてのサブディレクトリにある、
.I *.deb
というパターンにマッチする、すべての通常の
ファイルを再帰的に扱う。これは、
.B -i
,
.B -A
,
.B --install
,
.B --unpack
そして
.B --avail
アクションとともに使うことができる。
.TP
.B -G
インストール済みのパッケージのほうがバージョンが新しければ、インストール
しない。これは
.B --refuse-downgrade
の別名である。
.TP
.B -R|--root=<ディレクトリ> | --admindir=<ディレクトリ> | --instdir=<ディレクトリ>
デフォルトのディレクトリを変更する。
.B admindir
のデフォルトは
.I /var/lib/dpkg
で、そこにはインストール済みのパッケージやインストールされていないパッケージの
状態に関する情報などを提供する多数のファイルが格納されている。
.B instdir
のデフォルトは
.I /
で、それはパッケージがインストールするときに参照されるディレクトリである。
また、
.B instdir
は、パッケージのインストールスクリプトが実行される前に
.B chroot(2)
するディレクトリのパスである。つまり、スクリプトは
.B instdir
をルートディレクトリとみなしている。
.B root
を変更すると、
.B instdir
を
.I <ディレクトリ>
に、
.B admindir
を
.I <ディレクトリ>/var/lib/dpkg
に変更する。
.TP
.B -O | --selected-only
インストールの指定だけの処理をする。実際の処理は、
.B dselect
や
.B dpkg
によってパッケージを扱うときに実行される。いいかえると、たとえば
インストール時に、印をされていたパッケージが削除される、などである。
.TP
.B -E | --skip-same-version
すでに同じバージョンのパッケージがインストールされていたら、インストール
しない。

.SH パッケージに関する情報
.B dpkg
は、いくつかの利用可能なパッケージに関する有用な情報を
管理している。情報は3つに分類できる: 
.B 状態
、
.B 選択状態
、
.B フラグ
。これらの値は主に
.B dselect
によって変更することを意図したものである。
.SS パッケージ状態
.TP
.B installed
パッケージは展開されていて、設定も大丈夫。
.TP
.B half-installed
パッケージのインストールを開始しているが、何らかの理由で完了していない。
.TP
.B not-installed
パッケージはシステムにインストールされていない。
.TP
.B unpacked
パッケージは展開されているが、設定はされていない。
.TP
.B half-configured
パッケージは展開されていて、設定も開始しているが、何らかの理由によって
完了していない。
.TP
.B config-files
パッケージの設定ファイルだけが存在している。
.SS パッケージ選択状態
.TP
.B install
パッケージはインストールするように選択されている。
.TP
.B deinstall
パッケージは deinstallation (設定ファイルを除くすべてのファイルを削除すること)
するように選択されている。
.TP
.B purge
パッケージは purge (設定ファイルも含めてすべてのファイルを削除すること)
するように選択されている。
.SS パッケージフラグ
.TP
.B hold
パッケージは
.B hold
されている。これは
.B --force-hold
で強制しない限り
.B dpkg
で扱わないということ。
.TP
.B reinst-required
パッケージは
.B reinst-required
されている。これは、壊れていて再インストールが要求されているということ。
このパッケージは
.B --force-reinstreq
で強制しない限り、削除することができない。

.SH ファイル
ここのファイル一覧はデフォルトのディレクトリである。どのようにして
ファイルの位置を変更するかについては、
.B --admindir
オプションを参照すること。
.TP
.I /var/lib/dpkg/available
使用できるパッケージの一覧。
.TP
.I /var/lib/dpkg/status
使用できるパッケージの状態。このファイルは、パッケージに削除の印があるか
どうか、インストール済みかどうか、などの情報が含まれている。くわしくは、
.B パッケージに関する情報
の項を参照。
.TP
.I control
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。
.TP
.I conffiles
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。
.TP
.I preinst
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。
.TP
.I postinst
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。
.TP
.I prerm
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。
.TP
.I postrm
このファイルに関するくわしい情報は、
.B deb(5)
を参照すること。

.SH 環境変数
.TP
.B DPKG_NO_TSTP
任意の値で定義すると、シェルエスケープをしたときに
.B dpkg
をサスペンドせずに、新しいシェルを起動する。
.TP
.B SHELL
.B dpkg
が新しいシェルを起動するときに、実際に起動するプログラム。

.SH 関連情報
.B deb(5)
,
.B dpkg-deb(8)
,
.B dselect(8)
,
.B deb-control(5)

.SH バグ

.B --no-act
は、有用な情報を充分に提供しないことがよくある。
.SH 著者
.B dpkg
は Ian Jackson (ian@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx) によって書かれた。
マニュアルページは Juho Vuori (javuori@xxxxxxxxxxxxxx) によって追加された。
.\" Translated Tue Jun 23 19:18:00 JST 1997
.\"         by Hiroshi KISE <kise@xxxxxxxxxxxx>
.\"WORD:	package maintainers	パッケージ管理者
.\"WORD:	command line options	コマンドラインオプション
.\"WORD:	install			インストール
.\"WORD:	remove			削除
.\"WORD:	medium-level tool	中間レベルのツール
.\"WORD:	user-friendly		ユーザフレンドリ
.\"WORD:	front-end		フロントエンド
.\"WORD:	action			アクション
.\"WORD:	configure		設定
.\"WORD:	wildchars		ワイルド文字
.\"WORD:	installed package status database	インストール済みパッケージ状況データベース
.\"WORD:	control-information	制御情報
.\"WORD:	deconfiguration		設定を無効にする
.\"WORD:	bitwise-orring		ビット幅
.\"WORD:	forgotten by dpkg	dpkg に管理されていない
.\"WORD:	don't  care		無視する
.\"WORD:	conflicts		競合する