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Re: dbuild(1)



鍋谷です。

dbuild(1) の roff を添付し忘れていました。
一応これで、beta release とさせてください。

さて、これはどうすればよいでしょうか。

(1) 本家の dbuild パッケージにマージ。
(2) dpkg-doc-ja に吸収。

大阪大学理学研究科物理学専攻 博士後期課程1年 大坪研究室(06-850-5346)
         鍋谷 栄展      nabetani@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
.TH DBUILD 1
.SH 名前
dbuild, run-dbuild \- Debian ソースパッケージからバイナリパッケージを構築する
.SH 書式
.B dbuild
.IR "" "[-u " username "|--username " username ]
[-v|--verbose]
[-V|--verbose-logs]
.IR "" "[-r " root-command "|--root " root-command ]
.IR "" "[-m " address "|--mail " address ]
.IR "" "-k " keyring.pgp "|--keyring " keyring.pgp ]
.IR "" "-u " umask "|--umask " umask ]
[-f|--fix-for-frozen]
[--mail-maintainer]
[-s|--no-signatures]
[--no-signature-checks]
[-p|--check-pgppass]
[-c|--check-configsite]
[-C|--clean-fetched]
[-a|--build-all]
[--build-source]
[-h|--help]
.IR source-file ...
.sp 1
.B run-dbuild
.I sourcedir
.SH 説明
.B dbuild
はDebian ソースパッケージから Debian バイナリパッケージを構築する。
引数には次のものが複数指定できる(ディレクトリで指定した場合は
その配下にあるすべての .dsc ファイルをサーチする):
Debian .dsc ファイル、ディレクトリ名、FTP または HTTP URL アドレス
(ディレクトリを指定)。FTP URL でディレクトリを指定する場合は最後の
文字がスラッシュ(/)でなければならないことに注意すること。
.PP
システムにはあらかじめパッケージ構築に必要な全てのツールがインストー
ルされてなければならない。Debian ソースパッケージはソースの
依存関係や構築時の依存関係をサポートしていない。
.PP
構築に失敗した場合
.B dbuild
は、ログファイルを
.I FAILED/foo.message
に保存する(ここで
.I foo
とはパッケージ名とそのバージョンである)。このファイルからパッケージ
構築に失敗した原因を調べ、各自の構築環境の問題(例えば、構築に必要な
ツールが無い等)を修正するか、パッケージ側に問題がある場合は Debian
バグシステムにバグ報告すること。
.PP
構築に成功した場合
.B dbuild
は、ログファイルを
.IR OK/foo.message ,
に保存し、同時に .dsc, .deb, .changes ファイルも
.I OK
ディレクトリにコピーする。
次回
.B dbuild
が実行される際に、(
.I FAILED
、
.IR OK
、又は
.IR IGNORED
にある)上記のファイル群をチェックして、構築済のパッケージや構築でき
ないことが分かっているパッケージはスキップする。
これらのファイル(又は、これらのファイルの該当する行)を削除すれば、
.B dbuild
は構築を再試行する。
.PP
.B run-dbuild
は、
.B dbuild
を実行して、そのログを見やすい web ページにしてくれるスクリプトである。
.SH オプション
以下のオプションは、
.BR dbuild
に適用される。
.BR run-dbuild
には適用されない。
.TP
.I -v, --verbose
構築プロセスを各段階でより詳しく報告する。
.TP
.I -V, --verbose-logs
構築ログにより詳しい情報を含める。
.TP
.I -u foo, --username foo
.BR dpkg-buildpackage
で使用されるメンテナーアドレスをアドレス (`foo') にする。
.TP
.I -r root-command, --root root-command
ルート権限を得るためのコマンドを選択する。
構築プロセスのある段階ではルート権限で実行する必要がある。
しかしながら、
.B fakeroot
コマンドを使えば、その引数として実行されるコマンドに
root 権限で走っていると思わせる事が出来る。fakeroot は実際に
root 権限を与えている訳ではないが,Debian パッケージを構築す
ることは十分可能であるため、fakeroot がデフォルトで使用される。
.BR fakeroot
がない場合は、
.I -r
オプションにより、例えば
.B sudo
などを代わりに使用できる。引数の引き渡しの相違のために、直接
.B su
を使用することはできない。
.TP
.I -m addresss, --mail address
構築ログをメールで送信するアドレスを設定する。
.TP
.I -k keyring.pgp, --keyring keyring.pgp
パッケージファイルをチェックするために使用する PGP keyring を設定する。
デフォルトは
.IR /usr/doc/debian/debian-keyring.pgp
である。
.TP
.I -u umask, --umask umask
プロセスに対する umask を設定する。
デフォルトでは親プロセスの umask を引き継ぐ。
.TP
.I -f, --fix-for-frozen
.I debian/changelog
ファイルに指定されているディストリビューションに加えて、
.I frozen
ディストリビューションにもパッケージをアップロードするように
.I changelog
ファイルを修正する。
.TP
.I --mail-maintainer
構築ログをメンテナーに電子メールで報告する。
このオプションを使用する必要はほとんどない。
.TP
.I -s, --no-signatures
構築したパッケージに PGP 署名しない。
.TP
.I --no-signature-checks
ファイル .dsc の PGP 署名をチェックしない。
このオプションの使用には
.I 最大限の
注意を払うこと。
.TP
.I -p, --check-pgppass
PGPPASS 環境変数をチェックし、PGP パスフレーズが正しくない場合
は実行を中断する。
PGPPASS の使用はセキュリティ上の危険が伴なうことに注意すること。
.TP
.I -c, --check-configsite
CONFIG_SITE 環境変数が設定されているかチェックする。
.B configure
スクリプトを生成する GNU autoconf の実行を速くしたい場合に使用する。
.TP
.I -C, --clean-fetched
ネットワークから取得した全てのファイルを削除する。
これはディスク使用量を最小限に留めるのに有効である。
.TP
.I -a, --build-all
.B dbuild
が実行されているプラットフォームでコンパイルする必要のあるパッケージ
だけでなく、アーキテクチャに依存しないパッケージも構築する。
.TP
.I --build-source
ソースパッケージも再構築する。
.SH 設定
.B dbuild
は、ホームディレクトリのファイル
.I .dbuildrc
により設定を行うことができる。このファイルは、
.I /bin/sh
構文によるシェルスクリプトであり、次の変数を設定することができる
(対応するコマンドラインオプションは括弧に与える):
.I keyring
(-k);
.I rootcmd
(-r);
.I username
(-u);
.I mailto
(-m);
.I mail_maintainer
(--mail-maintainer; 値は`yes'または`no'である);
.I sign_changes
(-s);
.I check_pgppass
(-p);
.I check_configsite
(-c);
.I verbose
(-v; 値は`yes'または`no'である);
.I verobse_logs
(-V; 値は`yes'または`no'である);
.I fix_for_frozen
(-f; 値は`yes'または`no'である);
.I clean_fetched
(-C; 値は`yes'または`no'である);
.I build_all
(-a; 値は`yes'または`no'である);
.SH バグ
HTTP URL をディレクトリで指定する手段は実装されていない。
.PP
.B dpkg-buildpackage
が呼び出された後で、つまりログファイルと構築されたパッケージを
OK サブディレクトリに移動中に構築が失敗した場合、
.B dbuild
はおかしな振舞いをしてしまう。
この修正には書き直しが必要であり、早急に行うのが望ましい。
.SH 著者
Lars Wirzenius (liw@xxxxxx)