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Re: [debian-users:34242] [Translate] Debian Weekly News 2002/8/20
- From: Tomohiro KUBOTA <tkubota@xxxxxxxxxxx>
- Subject: Re: [debian-users:34242] [Translate] Debian Weekly News 2002/8/20
- Date: Mon, 26 Aug 2002 15:42:17 +0900
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久保田です。
いつも、DWN の和訳、おつかれさまです。
At Mon, 26 Aug 2002 05:52:08 +0900,
Oohara Yuuma wrote:
> Free Software ではなくわざわざ Free/Libre Software と書くのには
> 何か意味があるのでしょうか?
http://www.gnu.org/philosophy/categories.ja.html
によると、英語では「free」で無料と自由の両方の意味になるけど、
フランス語だと「自由」が libre で「無料」が gratuit というふうに
区別できる、ということが書かれています。つまり、free は無料じゃ
なくて自由の意味なのだということを強調したいという意図がある
ものと考えられます。
以下、和訳についてのコメントです。
今回は、「、」の使い方について気になる部分がいくつかありました。
> New Breed Software の Bill Kendrick さんとのこの[1]インタビューで、Bill
> さんは Debian Jr. を子供といっしょに使っている、友人のひとりが子供の
> ためのお絵描きプログラムがないことに気がついたから [2]Tux Paint を書く
> ことにしたと説明しました。
これだと、最初、Bill さんと子供が Debian Jr. を一緒に使っているのかな、
と思ってしまいます。(そのまま読み続けると、その解釈だと文法的におかし
いことに気付きますが、それでも、正しい解釈がなかなか分かりません)。
たとえば、以下のような書き方だとどうでしょう。
「...インタビューで Bill さんは、Debian Jr. を子供といっしょに
使っている友人が、子供のためのお絵描きプログラムがないことを指摘して
くれたから、Tux Paint を書くことにしたと説明しました。」
a friend of him は単に「友人」でいいと思います。また、notice
はここでは「気付く」よりは「指摘する」のほうがいいと思います。
それ以外はもとの文まるまるいっしょで、ただ「、」の場所だけを
変えました。
文の構成要素間の、広義の「かかり-受け」の関係 (修飾語と被修飾語、
主語と述語、修飾句と被修飾句、...) を考えたとき、「かかり」「受け」が
連続する場合には、その間に「、」は入れないほうがいいです。
(たとえば、「使っている、友人のひとり」とか)。
このへんの事情については、手前味噌ですが、
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/5780/aimai.html
などを参照してください。(本多勝一「日本語の作文技術」朝日文庫、
がおすすめ参考書です。上記ページも、この本の多大な影響のもとに
書かれています)。
> Bill さんが効果音、使って楽しい「マジック」
> ツールそして単純なユーザインターフェイスをそなえた特に子供のために
> 設計された、Tux Paint を書くまでは、これに似たものはありませんでした。
これも「、」の位置が変です。「設計された Tux Paint」のなかに「、」は
不要です。
「効果音や使って楽しい「マジック」ツールや単純なユーザインターフェイス
を備え、特別に子供のために設計された Tux Paint を Bill さんが書くまで
は、これに似たものはありませんでした。」
主語「Bill さんが」に対応する術語は「書く」ですが、そのあいだが
離れすぎていることと、そのあいだに来る文章の文法構造が複雑で
あることから、「Bill さんが」をうしろに移動しました。
> Debian 関係者はどこで IRC するべきか?
> 1996 年以降、Debian プロジェクトは Open Projects Network の IRC サーバを
> リアルタイムコミュニケーションのために使ってきました。このネットワークの
> 開設者が非常に疑問な方法でこのネットワークを使うための寄付を求めはじめたと
> Josip Rodin さんは[3]指摘しました。
「非常に疑問な方法」→「大いに問題のある方法」くらいでしょうか?
> フリーなそしてオープンソースソフトウェアの報告。
上記のとおり、「自由」を強調したいのだと思うので、
「フリー (自由) ソフトウェアとオープンソースソフトウェアについての報告」
でしょうか。日本語だとカタカナのベタ書きの語句がくっついて一語になって
しまうので、「フリーとオープンソースソフトウェア」
フリー
と ソフトウェア
オープンソース
にならずに、
フリー
と
オープンソースソフトウェア
になってしまいますので、「フリー」にも「ソフトウェア」をくっつけました。
> GCC 3.2 でひきおこされる問題。
> Debian はおそかれはやかれすべてのアーキテクチャで GCC のバージョン 3.2 を
> 使うことになるでしょう。
好みにもよりますが、「引き起こされる」「遅かれ早かれ全ての」
と漢字のほうがいいと思います。(ひらがなが続きすぎ)。
> GCC 3.2 リリースの主な目的は比較的安定していて
> 共通のバイナリインターフェイスを GNU/Linux および BSD に提供することです。
「主な目的は、比較的安定していて...」と、「、」を追加したほうが
いいです。でないと、一瞬、「目的が安定してるって、なんだろう」と
思ってしまいます。
> フリーな Dustismo フォント。
> フリーなフォントをライセンスすることについて助けを求めて私たちに接触した
> フォントデザイナである Dustin Norlander さんは最初の[15]フォント
> パッケージを[14]作成しました。このフォントは Unicode エンコーディング
> ですが、まだよく使われる非英語言語のための特殊文字を含んでいません。
> しかし、Dustin さんは反応を求めているので、[16]彼に直接接触したいかも
> しれません。
(感想) よく使われる文字って、いったいどんな基準なんだろう...
英語だと、you may want to ... という言い回しをよく使いますが、
日本語に直訳すると変です。「彼に直接接触してみてはいかがでしょうか」
くらいがいいかなと思います。(実際のところ、細かなニュアンスとかは
分からないのですが...)
> 多言語セキュリティメーリングリスト?
> Joey さんは多言語 security-announce メーリングリストはユーザに害以上に
> 役に立つだろうかと[17]疑問に思いました。
「害以上に役に立つ」がよくわからないです。もとの和訳をあえてくずすと、
「Joey さんは、もし様々な言語の security-announce メーリングリスト
があれば、それはユーザに害をおよぼす以上に利益をもたらすだろうか、
と疑問に思いました」といった感じでしょうか。
いかがでしょうか。
---
久保田智広 Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.org>
http://www.debian.or.jp/~kubota/
"Introduction to I18N" http://www.debian.org/doc/manuals/intro-i18n/