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DDTSS レビューのやり方 (cowdancer)



やまだです。

cowdancer を例に、DDTSS のレビューのやり方を検討&ご案内します。

# Debian 勉強会後の懇親会での話から、基準を大幅に緩和しています。


Pending review (54) で、現在 2 番目に cowdancer があります。
上から順番に見て、レビューしやすいものを選んでください。
(難しいと思ったら、飛ばして次に進んでかまいません)


参考までに、下にあるログを見ると、作業時刻や担当者を知ることができます。

> Log:
>
> 1242184650 fetched by khibino
> 1242184655 processed from todo
> 1242227018 updated text by dancerju (ii)

最初の数字は作業時刻 (Epoch) です。
date -r 1242184650 で読みやすい形式に変換できます。
(時間帯については確認していないのでわかりません)

khibino さんが最初に訳をして、次に dancerju さんが修正を加えたのかも
しれません。khibino さんが cowdancer を翻訳候補に投入し、それを
dancerju さんが最初に訳したのかもしれません。
(詳細な動作・表示をまだ確認していません)


この訳は、DDTSS の中では品質が良い部類に入ります。


Short description

原文: Copy-on-write directory tree utility.
訳文: Copy-on-write ディレクトリツリーユーティリティー

表記上は特に問題ありません。
用語は、Debian JP Doc/WWW 対訳表で確認した場合、気になる点があります。
http://wiki.debian.org/ja/EnglishJapaneseDictionary

directory /ディレクトリ/ ※長音がない
utility /ユーティリティ/ ※今回の訳の方には長音がある!

先日までは対訳表に合わせて修正しましたが、今回は見送ります。

# 一般向けのカタカナ表記ならば、どちらも末尾に長音をつけます。
# 専門家向けのカタカナ表記ならば、どちらも末尾に長音を取ります。

Copy-on-write がソフトウェア名やファイル名でない場合は、
一般向け、専門家向けのいずれでも「コピーオンライト」とカタカナ表記にするのが
望ましいと思います。必要ならば、そのあとに括弧書きで原文を併記しますが、
字数制限のある見出しの Short description では適用しない方がいいでしょう。
今回は、カタカナ表記に変える必要があるかどうかは、ご意見を募集します。


Long description

原文: Tries to make copy-on-write semantics upon hard-link copied
directory trees generated with 'cp -la'
訳文: 「cp -la」で生成されたハードリンクでコピーされたディレクトリツリーで
copy-on-write 的使用感を実現します。

括弧の種類が変わっていますが、Debian 的にはルールはないようです。
個人的には原文の表記が望ましいと思いますが、今回は変更を要望しません。

「copy-on-write semantics」を「copy-on-write 的使用感」と訳されています。
「コピーオンライト動作」が適している可能性もありますが、正しい動作の意味を
確認しないと判断ができません。知っている方はぜひ教えてください。

原文: 'cow-shell' command invokes a shell session.
訳文: 'cow-shell' はシェルセッションを起動します。

「command」の訳語「コマンド」が抜けている点が気になります。
個人的には、ここでは入れた方がいいと思います。

原文: Within that session, under the directory cow-shell was invoked,
cowdancer will create a new file when existing i-nodes are opened for
write.
訳文: そのセッション中では cow-shell の実行されたディレクトリ以下では、
cowdancer は既存の i-node が書き込み用に open された時点で新しい
ファイルを作成します。

「open」は「オープン」に変える方がよいでしょう。
「i-node」は一般に、原文のままの用法と「iノード」という用法があります。
Debian的にはルールが見当たらないので、どちらかに揃えるのがよいと
思います。個人的には後者をお勧めします。
「cow-shell」と「cowdancer」はプログラム名やコマンド名なので、
原文のままが適切です。

原文: Useful for quick scratch workspace and experimentation.
訳文: スクラッチ用の作業スペースや実験用に便利です。

「quick」の訳が抜けている点が気になりますが、許容範囲でしょう。

「用」や「の」の使い方のためフレーズがわかりにくいので、例えば
「スクラッチ用作業スペースや実験用に便利です。」に変更すると
読みやすくなります。

原文: For a useful Debian tool, try cowbuilder.
訳文: Debian用の有用なツールに関しては、cowbuilderを試してみてください。

英数字と漢字かなの間には半角スペースを入れるルールがあるので、
「Debian 用の有用なツールに関しては、cowbuilder を試してみてください。」
と変更することを推奨します。

「useful」の訳語は「有用な」で合っていますが、やさしい表現にするなら
「便利な」または「実用的な」という訳語も検討できます。


# 以上は、ソフトウェアの動作や内容などを詳しく調べない簡易なレベルの
# 校正作業です。


cowdancer は、新基準ではこのままレビューを通してもよいレベルですが、
やっぱり直した方がいいと思う方がいらしたら、次の手順で修正してみて
ください。


特に修正する必要がないと判断したら、「Accept as is」というボタンを
クリックすると、レビュー数が増えます。3 人がレビューでOKを出すと
翻訳が完了します。

修正が必要だと判断したら、
1. ちょっと自信がない場合は debian-doc ML に修正案を流してみてください。
2. 自信がある場合は文章を修正して「Accept with changes」をクリックして
 ください。修正が反映して、レビュー数が 0 になり、再び 3 人のレビュー待ちと
 なります。(DDTSS が仕様通りに動作するなら...)

 このとき、Comment field 欄にコメントを書くか、debian-doc ML に修正情報を
 流していただけると、次にレビューする人や翻訳をした人の参考になります。

-- 
Takuma Yamada <tyamada@xxxxxxxxxxxxxxxx>
http://blog.livedoor.jp/tyamada22/