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Re: dpkg man page (7) 査読依頼



たかはしもとのぶです。

From: Seiji Kaneko <skaneko@xxxxxxxxxxxx>
Date: Wed, 26 Oct 2011 20:28:25 +0900

> かねこです。これで最後かな。ざっと見ました。

ですかね。これで一通りコメントを頂いたことになります。

> ------>8------------>8------------>8------------>8------------>8
> --- 20111002ja.po.7.orig.txt	2011-10-04 23:21:56.000000000 +0900
> +++ 20111002ja.po.7.txt	2011-10-26 20:27:16.000000000 +0900
> @@ -33,7 +33,7 @@
>  "argument."
>  msgstr ""
>  "これらの I<command> では複数のオプションを 1 つに結合することはできず、"
> -"オプションの値をオプション名から分離して指定することもできない。"
> +"オプションの値をオプションから分離した引数として指定することもできない。"

修正しました。

>  #. type: TP
>  #: dpkg-source.1:19
> @@ -52,8 +52,8 @@
>  "under the current working directory."
>  msgstr ""
>  "ソースパッケージを展開する。Debian ソースコントロールファイル (B<.dsc>) 名と"
> -"して、非オプション引数を 1 つ指定する必要がある。それに続く任意の非オプション"
> -"引数として、ソースパッケージの展開先となるディレクトリを指定することができる。"
> +"して、非オプション引数を 1 つ指定する必要がある。それに続くオプション形式ではない"
> +"引数は任意で、ソースパッケージの展開先となるディレクトリを指定することができる。"
>  "このディレクトリは既存であってはならない。ディレクトリが指定されなかった"
>  "場合、ソースパッケージは、現在のワーキングディレクトリ以下の I<source>-"
>  "I<version> というディレクトリに展開される。"

非オプション引数 → オプション形式ではない引数 に直しました(4箇所)

元のわたしの訳も日本語的にはぎこちないですが、頂いた訳も「任意で、……」
というあたりの掛り受けが気になります。

-----
それに続きオプション形式ではない引数を指定することで、
ソースパッケージの展開先となるディレクトリを指定することができる。
-----

というあたりでどうでしょうか。optional を明示的に訳していないですが、
語末と、直前の文の語末との対比、および説明対象の

B<-x >I<filename>B<.dsc >[I<output-directory>]

をみれば意味はとれると思います。

> @@ -172,7 +172,7 @@
>  "実行前の非常に早い段階でこれを呼び出す)。"
>  "このコマンドは冪等であり、複数回呼び出されてもよい。"
>  "すべてのソース形式がこのフックを実装しているわけではない。"
> -"実装される場合は、通常、Debian のパッチを適用可能にするといった"
> +"実装される場合は、通常、Debian のパッチが当たっていることを確認するといった"
>  "ビルド前のソースツリーの準備に用いられる。"
> 
>  #. type: TP

修正しました。

> @@ -279,6 +279,7 @@
> 
>  #. type: Plain text
>  #: dpkg-source.1:151
> +
>  msgid ""
>  "Specify the compression to use for created files (tarballs and diffs).  Note "
>  "that this option will not cause existing tarballs to be recompressed, it "

これはミスでしょうか。

> @@ -427,7 +428,7 @@
>  "semantic of tar's --exclude option is somewhat complicated, see http://www.";
>  "gnu.org/software/tar/manual/tar.html#wildcards for a full documentation."
>  msgstr ""
> -"B<参考:> B<-i> と B<-I> は類似の目的で用いられるが、文法と意味はまったく"
> +"B<注記:> B<-i> と B<-I> は類似の目的で用いられるが、文法と意味はまったく"
>  "異なっている。B<-i> は複数回指定することができず、各ファイルの相対パス全体"
>  "をマッチ対象として perl 形式の正規表現により指定する。"
>  "B<-I> は複数回指定することができ、シェルのワイルドカードによるファイル名"

全体的に Notes: → 注記: に直しました。

> @@ -530,6 +531,8 @@
>  "この形式のソースパッケージには、B<.diff.gz> と対応する B<.orig.tar.gz>、"
>  "もしくはB<.tar.gz> のみ (この形態を I<ネイティブ> と称する) が含まれる。"
> 
> +# Native の訳は全体統一で見直した方が良いかも。
> +
>  #. type: Plain text
>  #: dpkg-source.1:243 dpkg-source.1:411 dpkg-source.1:586 dpkg-source.1:625
>  msgid "B<Extracting>"

「native debian パッケージ」といったキーワードで検索すると、カタカナで
ネイティブと訳している例が多いようでしたので、そうしてみました。すでに
定訳があれば修正します。

> @@ -554,7 +557,7 @@
>  "再設定される (これにより、自動生成されたファイルにパッチする際に、"
>  "タイムスタンプが逆転してしまうことによる問題の発生を回避する)。diff により"
>  "新しいファイルを作成することもできる (debian ディレクトリ自体も、これにより"
> -"作成される) が、ファイルを削除することはできない (空ファイルはそのまま残される。"
> +"作成される) が、ファイルを削除することはできない (空ファイルはそのまま残される)。"

修正しました。

>  #. type: Plain text
>  #: dpkg-source.1:255 dpkg-source.1:439 dpkg-source.1:597 dpkg-source.1:630
> @@ -733,12 +736,12 @@
>  "sa> was specified.  B<-sA> is the default."
>  msgstr ""
>  "オリジナルのソースアーカイブが tar ファイルもしくはディレクトリであることを"
> -"指示する。2 番目の引数はいずれであってもよいし、空文字列でもよい (その場合"
> +"指示する。2 番目の引数が指定されている場合、それは上記のいずれであってもよいし、空
> 文字列でもよい (その場合"
>  "は、B<-sn> (訳注: B<-sp> の誤りと思われる) と同等である)。tar ファイルが存在した場
> 合は、diff 生成のために"
>  "展開され、最後に削除される (これは B<-sp> と同等である)。ディレクトリが存在した"
>  "場合は、オリジナルのソースを作成するためにアーカイブ化され最後に削除される"
>  " (これは、B<-sr) と同等である)。いずれも存在しなかった場合、パッケージは Debian "
> -"化の diff を持たず、ソースアーカイブのみが存在すると見なされる (これは、"
> +"化の diff を持たず、あるがままのソースアーカイブのみが存在すると見なされる (これは、"
>  " B<-sn> と同等である)。いずれも存在した場合、B<dpkg-source> はディレクトリの"
>  "存在を無視して、B<-sA> が指定されていた場合はこれを上書きし (これは B<-sP> と同等"
>  "である)、B<-sa> が指定されていた場合はエラーを発生させる。"

1点目は直しました。2点目は straightforward の訳だと思いますが、個人的
には only = のみ だけで十分だと判断して訳出しませんでした。

「あるがまま」と付けた場合、日本語だけ読むと却って変に深い意味があるよ
うに見えてしまうと思うのですが、どうでしょうか。例えば「あるがまま」で
ないソースコードってなんだ、とか。

> @@ -940,13 +943,13 @@
>  "引き続き、B<debian/patches/debian.series> もしくは B<debian/patches/series> "
>  "にあるパッチがすべて適用される。前者のファイルが使用され、後者が存在しない"
>  "場合 (もしくはシンボリックリンクの場合)、後者は前者に対するシンボリック"
> -"リンクに置き換えられる。これは、一連のパッチを管理する上で、quilt の使用を"
> +"リンクに置き換えられる。これは、一連のパッチを管理する上での、quilt の使用法を"
>  "単純化する意図である。"
> -"B<dpkg-source> は、パッチ適用の際に使用されるオプションが (各行毎に"
> -"パッチファイル名と 1 つ以上のスペースの後に格納する形で) 明示的に指定された"
> -"series ファイルを適切に解析するため、それらのオプションを無視し、常に B<patch> "
> -"コマンドの B<-p1> オプションを指定して適用すべきものとみなす点に注意。xxxxx"
> -"オプションが指定されていた場合は、警告が出力され、ビルドは恐らく失敗するだろう。"
> +"B<dpkg-source> は、パッチアプリケーション向けに明示的に指定されたオプションを (各行
> 毎に"
> +"パッチファイル名と 1 つ以上のスペースの後に格納する形で) 含む"
> +"series ファイルに対しての解析は適切に行うが、それらのオプションは無視し、常に
> B<patch> "
> +"コマンドの B<-p1> オプションを指定して適用すべきものとみなす点に注意。"
> +"このようなオプションが指定されていた場合は、警告が出力され、ビルドは恐らく失敗する
> だろう。"
> 
>  #. type: Plain text
>  #: dpkg-source.1:434

for patch application について、正直悩んだのですが、いわゆるコンピュー
タ用語のアプリケーションであれば加算名詞ですので 

 for patch applications

や

 for a (every) patch application

などとなっていないといけないと思い、パッチ適用 と訳してみました。もし
くは patch はプログラム名の patch と考え、

 patch アプリケーション

という訳もあると思っています。

such options の such は訳しませんでしたが、「このような」とすると、少
し前の「それらのオプションを無視し、……このようなオプションが」となっ
た時に、それらのオプションとこのようなオプションが別のオプションのよう
に見えるのが気になって訳出しませんでした。日本語的には「それら」もしく
は「これら」で揃えるか、わたしのように片方を訳出しないようにしないと座
りが悪いように感じます。

「それらのオプション を/は」について、「dpkg-source は…」から続いてい
るので、「は」の重複を避ける意味で「を」にしていました。

parse correctly ですが、元のわたしの訳でも「適切に」としていましたが、
日本語で適切と書いてしまうと、パラグラフ 末尾の警告が出力され…との対
応が悪いので、訳出しない方がよいと思っています。訳出する場合「エラーに
ならずに」位のニュアンスの日本語にする必要があると考えています。

it does ignore ... の日本語はかねこさんの訳のニュアンスをいただき、いっ
たん以下のように直しています。

-----
"B<dpkg-source> は、パッチ適用の際に使用されるオプションが (各行毎に"
"パッチファイル名と 1 つ以上のスペースの後に格納する形で) 明示的に指定された"
"series ファイルであっても解析するが、指定されたオプションを無視し、常に B<patch> "
"コマンドの B<-p1> オプションを指定して適用すべきものとみなす点に留意すること。"
"このようなオプションが指定されていた場合は、警告が出力され、ビルドは恐らく失敗するだろう。"
-----

> @@ -980,10 +983,10 @@
>  msgstr ""
>  "カレントディレクトリにあるオリジナルの tar アーカイブが、展開の際と同じ"
>  "ロジックで一時ディレクトリに展開され、debian ディレクトリが一時ディレクトリ"
> -"からコピーされる。さらに、自動パッチ (B<debian-changes->I<version> もしくは "
> -"B<debian-changes>、B<--single-debian-patch> による) を除くすべてのパッチが"
> +"からコピーされる。さらに、自動パッチ (B<--single-debian-patch> の指定により、
> B<debian-changes->I<version> もしくは "
> +"B<debian-changes>) を除くすべてのパッチが"
>  "適用される。一時ディレクトリはソースパッケージのディレクトリと比較される。"
> -"diff が空の場合、B<--single-debian-patch> もしくは B<--auto-commit> が指定"
> +"diff が空でない場合、B<--single-debian-patch> もしくは B<--auto-commit> が指定"
>  "されていない限り、ビルドは失敗する。後者の場合、diff は自動パッチの中に"
>  "保存される。自動パッチが作成/削除される場合は、series ファイルと quilt の"
>  "メタデータからも追加/削除される。"

修正しました。誤訳ほかすみません。

> @@ -1003,7 +1006,7 @@
>  "修正されたバイナリファイルを debian tar アーカイブに (B<debian/source/include"
>  "-binaries> に格納することで) 含めておくことを熟考の上決定しない限り、処理"
>  "の失敗を引き起こす。debian サブディレクトリ内にバイナリファイルがあった場合も、"
> -"B<debian/source/include-binaries> によりホワイトリストとして設定されていない"
> +"B<debian/source/include-binaries> によりホワイトリスト設定されていない"
>  "限り、ビルドの失敗を引き起こす。"
> 
>  #. type: Plain text

修正しました。

> @@ -1184,12 +1187,12 @@
>  "ビルドの際に生成される自動パッチの名前として、B<debian/patches/"
>  "debian-changes->I<version> の代わりに、B<debian/patches/debian-changes> を"
>  "使用する。このオプションは、パッケージがバージョン管理システムで維持されて"
> -"いるために、パッチセットが適切に生成されていない場合特に有用であり、"
> -"アップストリームと現状との差分を単一のパッチに格納する。このオプションを"
> +"いるために、パッチセットが安定して生成できない場合特に有用であり、"
> +"アップストリームと現状との差分を単一のパッチに格納する。典型的には、このオプションを"
>  "B<debian/source/local-options> に設定した上で、"
> -"例えば使用しているバージョン管理システムにおいて、"
> -"Debian における変更点を確認するのに最適な方法を示す、B<debian/source/"
> -"local-patch-header> ファイルを併せて設定する。xxxxx"
> +"例えば使用しているバージョン管理システムなどの、"
> +"Debian における変更点を確認するのに最適な方法を説明するための B<debian/source/"
> +"local-patch-header> ファイルを添付しておく。"
> 
>  #. type: TP
>  #: dpkg-source.1:528

前半部分は修正しました。後半部分は以下のようにしました。

-----
このオプションを"
"B<debian/source/local-options> に設定した上で、例えば使用しているバージョン"
"管理システムなどで Debian における変更点を確認するのに最適な方法を説明する"
" B<debian/source/local-patch-header> ファイルを添付しておく。"
-----

how ... changes can be ... reviewed in the VCS は、VCS 自体を確認する
のではなく、VCS 内での変更点を確認する だと思いますので、わたしの訳の
ままでよいと思いますが、どうでしょうか。

> @@ -1207,9 +1210,9 @@
>  msgstr ""
>  "主たるオリジナルの tar アーカイブについて、作成できない場合や補助のもの"
>  "が存在する場合であっても、空のファイルを自動的に生成する。"
> -"このオプションは、ソースパッケージに複数のアップストリームのソフトウェアが"
> -"同梱されており、\"主たる\" ソフトウェアが存在しない場合に用いられることを"
> -"想定している。xxxxx"
> +"このオプションは、ソースパッケージが複数のアップストリームのソフトウェアを"
> +"単に集めたものであり、\"主たる\" ソフトウェアが存在しない場合に用いられることを"
> +"想定している。"
> 
>  #. type: TP
>  #: dpkg-source.1:534

修正しました。ありがとうございます。

> @@ -1270,7 +1273,7 @@
>  #: dpkg-source.1:558
>  msgid "Skips extraction of the debian tarball on top of the upstream sources."
>  msgstr ""
> -"アップストリームのトップに位置する debian tar アーカイブの展開を行わない。"
> +"アップストリームソースの上に debian tar アーカイブの上書き展開を行わない。"
> 
>  #. type: TP
>  #: dpkg-source.1:558

「アップストリームソース」という用語が存在するように誤解されないよう、
「アップストリームのソース上に…」に直して修正しました。

> @@ -1296,7 +1299,7 @@
>  "This format is special. It doesn't represent a real source package format "
>  "but can be used to create source packages with arbitrary files."
>  msgstr ""
> -"これは特別な形式である。実際のソースパッケージ形式を示すものではなく、"
> +"これは特別な形式である。特定のソースパッケージ形式を示すものではなく、"
>  "任意のファイルを用いてソースパッケージを作成する際に使用する形式である。"
> 
>  #. type: Plain text

修正しました。

> @@ -1346,7 +1349,7 @@
>  "gitshallow> file listing revisions for a shallow git clone."
>  msgstr ""
>  "この形式のソースパッケージは、パッケージのソースを保持する単一の git bundle "
> -"である、git リポジトリ B<.git> から構成される。shallow git close が"
> +"である、git リポジトリ B<.git> から構成される。shallow git clone が"
>  "リビジョン保持に用いる B<.gitshallow> ファイルも含まれる場合がある。"
> 
>  #. type: Plain text

修正しました。typo すみません。

> @@ -1427,7 +1430,7 @@
>  "Creates a shallow clone with a history truncated to the specified number of "
>  "revisions."
>  msgstr ""
> -"shallow close を作成する。作成の際、ヒストリを指定したリビジョン数に切り詰める。"
> +"shallow clone を作成する。作成の際、ヒストリを指定したリビジョン数に切り詰める。"
> 
>  #. type: SS
>  #: dpkg-source.1:620

こちらも typo すみません。

> @@ -1751,7 +1754,7 @@
>  "前後の空白は削除される。"
>  "\"#\" で始まる行はコメント行と見なされスキップされる。空行も無視される。"
>  "その他の行は、(B<debian/patches/> ディレクトリからの相対パスによる) パッチ"
> -"のファイル名から始まり、これは空白文字もしくは行末まで続く。それに続き"
> +"のファイル名から始まり、これは最初の空白文字もしくは行末まで続く。それに続き"
>  " quilt のオプションを任意で設定することができる。これは最初に空白文字に"
>  "続いて (それ以降が行末までコメントであることを示す) \"#\" が現れた位置"
>  "もしくは行末まで続く。"

修正しました。

---
TAKAHASHI Motonobu <monyo@xxxxxxxxx>