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[debian-users:20150] Re: any possible misstake for font resolving.



君島です。

> 日「Linuxにおける日本語ロケールに関する指針”」という文書を見て、「ふー

 これなんですが、言っていることが複雑でいろいろ誤解されている
ところとが多いようなので、コメントしておきます。

 まず、この指針の言っている相手ですが、主にディストリビューター
に対してと考えていいと思います。ですから一般ユーザーがこれを見て
なんだ ja_JP.eucJP に設定すればいいのだなと早合点するのはトラブ
ルの元です。(man が表示できない、メッセージが日本語にならないな
ど)

 まずは、ディストリビューターによる ja_JP.eucJP のロケール環境の
整備が先です。(もっとも、これが自分でできるようなスキルがあれば
問題ないで、設定をどんどんコントリビュートしてください ;-) )

 では、この指針は何を言いたいのかと言うと、現状、多くのシステム
では EUC の日本語コーディング環境が採用されてシステムが構築され
ています。しかし、実際は細かな違いが存在して、それが互換性の妨げ
になっている場合があります。そして、その違いは本当に必要なものか
というと必ずしもそうではなく、ただ単にお互いに連絡を取っていなかっ
たことから生じた問題と考えられるのです。(本当に必要な理由があっ
て別のロケールを使うのは一向に問題ありません。そもそもそのために
ある仕組みですから)
 ということで、まずは、EUC の日本語コーディング環境での推奨規格
を作り、それに統一することにより異なったシステム間での利便性を
向上させようというのがこの指針の狙いだと思います。
 当然、今後はもっと国際化に適したロケールへの移行も考えられます。
しかし、そのためには多くのアプリケーションが国際化プログラミング
されている必要があったり、今まで EUC を対象にしてきたシステムで
はすぐに移行するのは困難な面が考えられるのです。
 ですから、まずはできるところからということで、EUC の日本語コー
ディング環境の統一を提案しているというわけです。今後、多くのシス
テムで、国際化の準備が整ってきたらこの指針も改定されて次のフェー
ズへと移り、より国際化されたロケールが提案されることでしょう。

 なお、今の glibc 2.1 ベースまでの Linux システムでは、完全な国
際化のための環境は提供されていませんので、ちゃんとした国際化プロ
グラミングを行なうためには、glibc 2.2 まで待つ必要があります。
 先週(1/14)行なわれた Ulrich (glibcの開発リーダー)のセミナーでは、
いつリリースされるということは聞けませんでしたが(Don't ask!!! だ
そうで)、我々 NLS研で行なっている glibc のテストでは一部を除いて
かなり動いてきているので、近いうちにリリースされるのではないかと
ふんでいます。:-)
 それから、Ulrich の話しでは、glibc 2.2 には自動的にコードを変換
する機能を入れるということなので、例えば、EUC のメッセージカタロ
グしか用意されていない環境でも、SJIS ロケールを使用して日本語の
メッセージが表示できるようになるかも知れません。もっとも、こちら
はこれから実装するとの話しですので、出てくるのはもうちょっと先に
なると思われます。

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 Tatsuya Kimishima   君島 達也
 Tel.0467(41)2594  三菱電機(株)
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