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[debian-users:34017] Re: 日本語 gs



佐野@浜松です。

From: KAWAFUJI Mitsuhiro <kawafuji@xxxxxxxxxxxxxxxxx>
Subject: [debian-users:33953] 日本語 gs (Re: printer で文字化け (article9))
Date: Mon, 5 Aug 2002 16:01:15 +0900

>  gsって一杯あってよくわからないのですが、日本語を扱うという前提で
> 考えるとどれを入れるのがお勧めなのでしょうか?あるいは、どう使い分
> けるというか、どういう場合にはどれを入れれば良いのかという指針のよ
> うなものがあると助かるのですが。

Debian の標準 (official) という意味では gs ですね。
ただし日本語は official な gs だけでは使えず、
non-free な gs-cjk-resource が必要になります。
また同じく non-free な cmap-adobe-japan1 も、
たしか必須というわけでは無かった気がしますけど、
(当初は必須でしたが途中から gs-cjk のバージョンアップに
伴ないパッケージの構成が変更されて CMap の内容を含むように
なったはず) 入れておいたほうがいいでしょう。

さらに日本語フォントも必要です。Debian official なパッケージでは
 ttf-kochi-mincho と ttf-kochi-gothic あたりが評判良いみたいです。

gs-cjk-resource のパッケージ説明には従来から提供されている
 ttf-xtt-watanabe-mincho と ttf-xtt-wadalab-gothic が記載
されています。kochi フォントの代わりにこれらを使うことも
できるはず。

ただ、縦書き句読点などはこれらの方法だと正規の位置に表示
されなかったような。市販のフォントでちゃんと縦書き用の
記号も含むものを使えば表示できるらしいですが。
kochi フォントには含まれているんでしたっけ ? (> 識者の方)
あと入手可能なフォントで縦書きまで含めてきちんと表示できる
ものにはどんなものがありますか ? (情報提供求む)

上の方法を使えば、PostScript ファイルだけでなく、PDF も
 gs で表示できるようになりますが、PS ファイル限定で良ければ
別の方法として gs パッケージと gsfonts-wadalab ファミリー
 (-common, -mincho, -gothic) を組み合わせて日本語表示させる
という解もあります。この場合、パッケージをインストールした
後で、"gsfonts-wadalab-config install" を実行して日本語の
PS ファイルを読むために必要なフォントを gsfonts-wadalab で
代用させるための設定を行ないます。

この "gsfonts-wadalab-config install" は正規のフォントが
無い場合に代用するための設定なので、上記の gs-cjk を利用
して日本語を表示させる場合には実行しては「いけません」。
間違えて実行してしまった場合には
 "gsfonts-wadalab-config remove" で設定を解除してください。

ただし、これにも難点があって、gs 6.53 の bug のせいで
縦書き表示にした際に、行頭に各行のすべての文字が印字されて
しまい、結果として行頭の文字がつぶれてしまいます。

せっかく苦労して縦書き表示の記号を作成したわりに、報われて
ないので、この bug が fix された gs 7.05 を woody 向けの
テストパッケージとして作成し、
 http://people.debian.org/~sano/gs-test/
以下で公開しています。

ここから gs_7.05-0.0.test3_i386.deb を取ってきてインストール
すれば gsfonts-wadalab-config で日本語の PS ファイルを表示
できるようになります。ただし TrueType フォントは使えません。
この方法では日本語フォントはすべて gsfonts-wadalab で代用
されることになります。

最初に書いた gs-cjk を利用した方法では、自分の好きな
TrueType フォントや CID フォントを使って表示できる、
と思います。具体的な方法は識者に聞いてください。

で、3 番目の gs-ja ですが、これは Debian の official な
パッケージではなく、Debian JP のローカルパッケージです。
系統としては potato 版の gs の流れを受けたもので、従来
からの方法 (VFlib 経由) で TrueType フォントを含む各種の
フォントを gs から利用できます。

VFlib 経由のほうが、特に gs-cjk の開発初期の頃は、表示の
処理が軽くて動作が速いという話がありました。最近はかなり
改善されたようにも聞いていますが、非力な CPU で使う場合
など VFlib 経由の gs-ja のほうを使いたくなることがある
かもしれません。

なお PDF への対応は VFlib 経由の場合 gs-cjk より劣ると
言われています。VFlib 経由の場合には PDF で使われている
フォントに対応できなくて読めないファイルが多いみたいです。
(このへんに対応するために Adobe CMap が必要になる)
余談ですが xpdf-japanese も Adobe CMap の内容を含んでおり、
このために non-free になっています。PDF の多国語対応に
ついては Adobe の CMap に関する配布方針の変更が無い限り
non-free のままでしょう。

それから TrueType フォントを使う場合、VFlib 経由より
gs-cjk の方法のほうが綺麗に表示できるという話です。
どの程度きれいになるのか、は自分の目で見て確認して
もらうのがいいかと。

最新の gs-ja は香田さんの努力によって VFlib 経由でも
gs-cjk 経由でも、どちらでも好きなほうを使えるそうです。

また woody では gs, gs-ja, gs-aladdin などを同時に
インストールして alternatives により選択して使い分ける
ことが可能です。potato までは相互に conflicts していたので
どれかひとつを選ばないといけませんでしたが、woody では
同時に入れて順番に試してみるとか、用途に応じて使い分けると
いったことが可能です。

あと何かあったかな ? 訂正・補足などあればよろしく (> all) 

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