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[debian-users:38965] Re: LINUXをみんなのものにするために
久保田です。
> しかし、たまには自分自身を空の高いところから見てみることも大切です。
> ある角度から見れば、それは、「ただの趣味」です。
> linuxは自由な雰囲気を持ったすばらしいものです。
> コンピュータをこれから始めようとする多くの方に利用してほしいと思うのは皆様も
> 同じだと思います。
> しかし、そのLINUXは、
> HPを検索して、設定を調べて、何度も失敗して成功した喜びを感じられるだけの
> 「時間と余裕のある人」のためのものでしょうか。
> もし、貧しい人から見たら、「LINUXはお金や時間がある人のもの」と言われて
> も否定できないと思います。
現状では、「ただの趣味」「お金や時間がある人のもの」というのは、
その通りだと思います。それは否定しませんし、べつに恥ずかしがることでも
ないと思っています。
> 我々linuxに興味をもっている人間(自分自身も含めて)がひとつ心にとめて
> おく必要があると思うのは、
> 「時間は有限である。 人生は有限である。」と言うことです。
そのとおりです。しかし、これは一方で、すでに使えている人からすれば、
その命題に忠実になればなるほど、「自分が使えてるんだから、有限な
時間や人生を、人に教えてあげたり超簡単なインストーラを作ってあげたり
することに費やす必要はないよね」という結論に至る、ということになります。
両方とも、真実です。両者のせめぎあいの中から、現状はこのへん、と
いうのが決まってきます。ついでに、単にせめぎあうんじゃなくて、
そういうところ(極端に言えば、対立)をうまく回すために、
「ギブアンドテイク」とか「タコは育てよう」とか「言いだしっぺの
法則」とか、いろんな習慣や人間関係のありかたができてくるんだと
思うんです。
> 「日本語環境を利用する人は、ディストリビューションのインストールをして、市
> 販の日本語入力ソフトを購入したら、
> 次の手順として、①office②ブラウザ③メーラー④日本語入力等の環境を構築するた
> めにかならず見る。」
> 「そして、ともかくもスタートを切れる」と言うような、HPをdebianユーザー全体
> で作ることができないものでしょうか。
たとえば、ぼく自身は、各種ソフトウェアの設定でたいへん苦労した経験
から (Emacs の設定なんて、いまだにできません)、今後 Linux (Debian)
を使う人が同じ苦労をしなくていいように、との思いで、language-env
パッケージ (の前身の user-ja パッケージ) の開発を始めました。
自分が分からなかったことをパッケージにするんだから、language-env は
自分が作ったのではなくて、ひとから聞いた内容をまとめたものだ、と
言えるかもしれません。
# ちなみに、日本語環境の構築については、language-env パッケージを
# インストールして、/usr/share/doc/language-env/ 以下にあるドキュメント
# (たとえば README.ja.eucJP) を読まれるとよいと思います。
> debianの「ひとつの日本語環境スタートモデルケース」として、有る程度「一方的
> なモデル」として、
> 提案できないものでしょうか。
> (私にはいまその実力がありません。うざったいと思われても、赤ちゃんのつもり
> で、
> 情報を仕入れて見るつもりです。)
すでに、いくつか情報を仕入れたでしょう? それで、すでにそれだけの
「実力」があるはずです。100 の実力を持つ人が 99 の実力を持つ人の
役に立ち、99 の実力を持つ人が 98 の実力を持つ人の役に立ち、...、
0.000001 の実力を持つ人が 0.0000000001 の実力を持つ人の役に立つ、
Linux とはそういう世界なんだと思っています。ですから、西尾さんが
もし 0.000001 でも実力を持っていると思われるのでしたら、それを
なんとか還元する (その過程は、ご自身の実力を上げることにもつながる)
ことを考えてみてはいかがでしょうか。
> 私が提議しているのは、
> linuxの現状を、一度、空の高いところからながめてみて、
> 「初めてコンピュータを始めようとする人がlinuxを使い始めるために」
> という、linuxにとって「最も大切なテーマ」を前提に書いているのです。
それは「最も大切なテーマ」かどうかは、人によって見方が異なると思います。
それぞれ、自分が「最も大切なテーマ」だと思うことに取り組んでいます。
西尾さんにとって、それは「最も大切なテーマ」であることは否定しません。
また、一般論として大切なテーマであるということに、ぼくは合意します。
しかし、たとえばぼくは「国際化」ということをずっとやってきてますし、
ほかにも「セキュリティ」とか「ワープロ」とか「日本語入力」とか
「新ハードウェアへの対応」とか「ドキュメント整備」とか、それぞれ
大切なテーマです。
> 「探して試してみればわかるだろ」という、
> (語弊があって恐縮ですが)有る面「裕福な人」が利用する「特別なコンピュータ」
> の話ではないのです。
> 一般の人が使うdebianのことなのです。
「裕福な人」「一般の人」というふうな線引きをすることが、間違って
いると思います。そうじゃなくて、「裕福度」が 100 の人、99 の人、
98 の人、...、0.000001 の人、がいると思うのです。たとえば 50 で
線を引くのですか?
それに、Linux 歴が長く使いこなしている人であればあるほど、初心者が
どういうところでつまづくかが理解できない、ということが考えられます。
ですので、0.000001 の人は、「私はこういうところでつまづいたのだ、
もしこうなっていれば、つまづかなかっただろうに」というふうな情報を
提供することで、ひとの役に立つことが出来ます。
> どうか、本意を理解してください。
> 皆さんのお子さんがdebianを利用するというのです。
> 皆さんのお子さんがLINUXを利用できるようにするために、どのように導かれま
> すか。
> (以下、過去のthread)
> **************************************************
> 「kernel」のアップデート方法をご教授ください。
> linuxにつきまして、初心者です。
たとえば、西尾さんは、「kernel」という言葉を知っています。
「kernel」を「アップデート」するべきかもしれない、という
ことを思いつくだけの知識はすでにあるわけです。
それだけでも、すでにひとの役に立てるチャンスがある、とは
思いませんか?
たとえば、西尾さんはひとつのアイディアをお持ちです。
ホームページがほしい、という。それを、ひとつ形にしてみては
いかがでしょうか。「こんなの作ったけどどうだろう?」という
ふうな報告をしてもらえれば、たぶん、いろんな反響が得られると
思いますよ。
あるいは、「情報が分散」ということを問題になさるつもりで、
ウェブページをひとつ書いたって分散した情報がひとつ増えるだけ、
というのでしたら、http://www.debian.or.jp/ のどこかにその
内容を載せる、といったことも場合によっては可能だと思います。
まずは、なにか作ってみられてはいかがでしょうか?
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久保田智広 Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.org>
http://www.debian.or.jp/~kubota/