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Re: vote/2006/vote_001



あっかんB

> > ドイツ語訳とフランス語訳がすでにあるのですが、そちらのほうは
> > ライセンス以外の部分まで訳してあるようです。訳注でことわるなどして、
> > 他言語と同じところまで訳してみるのはどうでしょうか。
> さいですか。。訳してたとですか (>_<)

全体を訳しますた。
一部あやしいですが(汗

--
victory
http://debian.rsz.jp/
don't include my addresses in mail body...

------------------------------------------------
#use wml::debian::translation-check translation="1.36"
<define-tag pagetitle>一般決議: 何故 GNU Free Documentation License は Debian main に不適切なのか</define-tag>
<define-tag status>F</define-tag>
#use wml::debian::template title="<pagetitle>" BARETITLE="true" NOHEADER="true"
#use wml::debian::toc
#use wml::debian::votebar

<h1><pagetitle></h1>
<toc-display/>

    <vtimeline />
        <table class="vote">
          <tr>
            <th>提案及び修正</th>
            <td>2006 年 1 月 1 日、日曜日</td>
            <td>2006 年 2 月 9 日、木曜日</td>
          </tr>
          <tr>
            <th>議論期間</th>
            <td>2006 年 2 月 10 日、金曜日</td>
            <td>2006 年 2 月 25 日、土曜日 23:59:59 UTC</td>
          </tr>
          <tr>
            <th>投票期間</th>
            <td>2006 年 2 月 26 日、日曜日 00:00:01 UTC, 2006</td>
            <td>2006 年 3 月 12 日、日曜日 00:00:01 UTC, 2006</td>
          </tr>
       </table>


      <vproposer />
        <p> Anthony Towns
          [<a href="mailto:ajt@debian.org";>ajt@debian.org</a>]
        </p>

      <vseconds />
        <ol>
          <li> Manoj Srivastava
            [<a href="mailto:srivasta@debian.org";>srivasta@debian.org</a>]
          </li>
          <li> Russ Allbery
            [<a href="mailto:rra@debian.org";>rra@debian.org</a>]
          </li>
          <li> Steve Langasek
            [<a href="mailto:vorlon@debian.org";>vorlon@debian.org</a>]
          </li>
          <li> Kalle Kivimaa
            [<a href="mailto:killer@debian.org";>killer@debian.org</a>]
          </li>
          <li> Roger Leigh
            [<a href="mailto:rleigh@debian.org";>rleigh@debian.org</a>]
          </li>
        </ol>


      <vtext />
      <p> 選択 1.
         一般決議の実際の文面 (翻訳):
      </p>

      <h2>(0) 要旨</h2>
      <p>
         Debian コミュニティ内部で GNU Free Documentation License (GFDL)
         について、また、それが実際に<q>フリー</q>なライセンスなのか、
         ということについてかねてより非常に大きな懸念がありました。この文書は
         Debian の答えがどうして<q>ノー</q>なのかを解明しようとするものです。
      </p>
      <p>
         これが Free Software Foundation と対立しようとするものではないこと、
         GFDL 文書が他者にとって<q>十分に自由</q>だとみなすべきではない、
         と述べているわけではないこと、及び Debian 自体は GFDL 文書の配布を
         <q>non-free</q> として続けるつもりであることを述べておきます。</p>
      </p>

      <h2>(1) GFDL とは何か?</h2>

      <p>
         GFDL は Free Software Foundation
         がその文書に適用するためのライセンスとして書いたもので、
         また、これを他者に奨励しています。これは Wikipedia
         のライセンスとしても使用されています。GFDL の序文を引用します:
      </p>
      <blockquote>
        <p>このライセンスの目的は、マニュアル、教科書、
        その他の機能的で有益な文書を、freedom の意味で<q>フリー</q>
        にすることです: 誰にでも、修正の有無、商用、非商用を問わず、
        コピー、再配布の自由を効果的に保証するため。第二に、
        このライセンスは他者による修正に対して責任があるとは考えないけれども、
        作者と発行者がその仕事に対して功績を認められる方法を保っています。</p>
      </blockquote>
      <blockquote>
        <p>このライセンスはある種の<q>コピーレフト</q>で、
        その文書の派生版が同一の解釈でフリーでなければならないとしています。
        これは GNU General Public License を補足するもので、
        フリーソフトウェアを対象としたコピーレフトなライセンスです。</p>
      </blockquote>

      <h2>(2) これは Debian のフリーソフトウェアの基準をどのように満たせないのか?</h2>
      <p>以下にいくつか示しますが、GFDL
         は様々な意味でフリーソフトウェアの従来の要件と矛盾しています。
         コピーレフトライセンスであるために、結果として GFDL
         の下ではフリーソフトウェアに文書の内容を直接含めることができないことになります。</p>

      <p>主な矛盾点:</p>

      <h3>(2.1) 変更不可条項</h3>

      <p>最も厄介な矛盾は、一度含めるとその文書から将来の修正や削除が
         できないという、変更不可についてのものです。変更できるということは
         DFSG の根本的な要件なのです。DFSG にこうあります:</p>

      <blockquote>
        <p>3. 派生版</p>
        <p>ライセンスは、修正や派生版の作成、並びにそれらをオリジナルの
        ライセンスと同じ条件の下で配布することを認めていなけばいけません。</p>
      </blockquote>

      <p>変更不可条項により、ごく一部の再利用
         (どんなに大きくても変更不可条項をすべて含めなければならないため)、
         及び文書が正確で、
         適切であるのを確認することにおいて特に問題が発生します。</p>

      <h3>(2.2) 透過コピー</h3>

      <p>二番目の矛盾は GFDL の文書の<q>透過コピー</q>
         (つまり編集に適した形式の文書のコピー) の要件に関連します。特に、GFDL
         の 3 項は、配布する不透過なコピーすべてに文書の透過コピーを含めるか、
         不透過コピーが配布されなくなってから一年後まで
         透過コピーが入手可能であることを要求しています。</p>

      <p> フリーソフトウェアにおいて、Debian は単にソース (または透過コピー)
         を派生物に付属させれば十分だと考えますが、これは GFDL
         のどちらの条項の要件も満たしていません。</p>

      <h3>(2.3) デジタル著作権管理 (Digital Rights Management)</h3>

      <p>GFDL との三番目の矛盾はデジタル著作権管理 (DRM)
         技術を圧倒しようとする 2 項での条文により発生します。
         特に、GFDL は<em>作成あるいは配布したコピーの、
         読み込みやさらなる複製作業を技術的な手段を使って妨害、
         あるいは管理してはならない</em>と述べています。
         これは三つの面で自由を妨げます:
         これは、配布したコピーのみならず作成されたすべての複製物を対象とすることで、
         配布だけでなく文書の使用まで制限します。
         こういった方法で著作の透過コピーへの完全なアクセスをユーザに与えても、
         DRM で保護されたメディアでのコピーの配布を不可能にします。また、文書の暗号化や
         権限をサポートするファイルシステム上に保存することも不許可とする可能性があります。</p>

      <h2>(3) 何故、文書はフリーソフトウェアでなければならないのか?</h2>

      <p>プログラムと文書には多くの明らかな相違点があり、
         <q>どうして単純にその二者に対して異なる基準で対応できないの?</q>
         という疑問が湧いてきます。
         例えば、プログラムがチームによって書かれるのに対して、
         本は個人によって書かれることがよくあり、
         本の帰属はプログラムにとって適切なものよりも重要なことがあります。</p>

      <p>一方で、フリーソフトウェアが一人の人によって書かれること、
         フリーソフトウェアの文書が、より大きな貢献者のグループによって
         書かれることはよくあります。また、文書とプログラムの境界は、
         常に明確だとは言い切れません。
         一方の内容が他方で必要になることがよくあるからです
         (オンラインヘルプ、スクリーンショット、対話的チュートリアル、
         あるいはソースコードの一部を引用してさらに詳細な説明を提供する場合)。
         同様に、すべてのプログラムが創造性を示す、
         あるいは<q>美術品</q>と考えられるわけではないが、
         それに該当するものもあり、Debian のソフトウェアすべてにおいて
         どちらに入るのか決定するなどということは、
         私たちの目標を妨害することになるでしょう。</p>

      <p>実際問題として、
         文書は異なる基準を採用する根拠となるべき十分な相違がありません。
         私たちはプログラムと同様にソースコードを提供したいのです。
         私たちは他の文書やプログラムにおいて文書を修正、再利用し、
         できる限り便利にしたいのです。私たちはユーザに対して、
         望まれる文書自体を外部リソースとしてではなく提供したいのです。</p>

      <h2>(4) これはどうすれば可能か?</h2>

      <p>では、文書の作者その他の人はこれについて何ができますか?</p>

      <p>容易な最初の段階としては、任意である変更不可条項を文書に含めないことです。
         この項はライセンスに必須ではないので、作者の選択肢として存在します。</p>

      <p>GFDL の他の条項がGFDL 文書をすべてフリーではないものにするため、
         これだけでは残念ながら十分ではありません。
         結論としては、他のライセンスを吟味してみるべきだということになります。
         これはおそらく GNU General Public License (コピーレフトライセンス)、
         BSD あるいは MIT のライセンス (非コピーレフトライセンス)
         のどれかを選択するのが最も簡単でしょう。</p>

      <p>ほとんどの GFDL 文書が <em>GNU Free Documentation License
         の 1.2 または Free Software Foundation により発表された、
         それ以降のバージョンの条件 (the terms of the GNU Free
         Documentation License, Version 1.2 or any later version
         published by the Free Software Foundation)</em>
         の下で利用可能になっているように、Free Software Foundation
         はライセンスを変更することによりこういった問題を改善することができます。
         上で述べている問題は GFDL に対する比較的小さな変更を要求します
         &mdash; 変更不可条項の削除を許可すること、
         同時に透明なコピーを入手可能にするのを許可すること、
         そして技術的な方法に対する制限を緩和することです。Debian
         プロジェクトのメンバーがこういった懸念についてこれまで
         4 年間にわたり FSF と協議していますが、
         ここまで交渉は残念ながら結論に至っていません。</p>

	  <vamendmentproposera />
	  <p> Adeodato Sim&oacute;
	    [<a href="mailto:adeodato@debian.org";>adeodato@debian.org</a>]
	  </p>

	  <vamendmentsecondsa />
	    <ol>
	      <li> Anthony Towns
	        [<a href="mailto:ajt@debian.org";>ajt@debian.org</a>]
	      </li>
              <li> Osamu Aoki
                [<a href="mailto:osamu@debian.org";>osamu@debian.org</a>]
              </li>
	      <li> Christopher Martin 
		[<a href="mailto:chrsmrtn@debian.org";>chrsmrtn@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Wesley J. Landaker
		[<a href="mailto:wjl@debian.org";>wjl@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Wouter Verhelst
		[<a href="mailto:wouter@debian.org";>wouter@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Hamish Moffatt
		[<a href="mailto:hamish@debian.org";>hamish@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Pierre Habouzit
		[<a href="mailto:madcoder@debian.org";>madcoder@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Marc 'HE' Brockschmidt
		[<a href="mailto:he@debian.org";>he@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Anibal Monsalve Salazar
		[<a href="mailto:anibal@debian.org";>anibal@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Isaac Clerencia
		[<a href="mailto:isaac@debian.org";>isaac@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li>  Moritz Muehlenhoff
		[<a href="mailto:jmm@debian.org";>jmm@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Zephaniah E. Hull
		[<a href="mailto:warp@debian.org";>warp@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Christian Perrier
		[<a href="mailto:bubulle@debian.org";>bubulle@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Martin Michlmayr
		[<a href="mailto:tbm@debian.org";>tbm@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Christoph Berg
		[<a href="mailto:myon@debian.org";>myon@debian.org</a>]
	      </li>
	    </ol>


	  <vamendmenttexta />
	  <p> 選択 2.
         修正案の実際の文面 (翻訳):</p>
      <p>これは Free Software Foundation によって発表されている
         GNU Free Documentation License に対する Debian
         プロジェクトの立場です:</p>

      <ol>
        <li>
          <p>私たちは、GNU Free Documentation License version 1.2
             はその下でライセンスされた文書に対して削除不可部分、
             変更不可部分の存在を許可しているため、
             フリーソフトウェアの伝統的な要件と矛盾していると考えます。
             こういった部分は一般的に<q>変更不可条項</q>として参照され、
             GFDL の第 4 項で説明されています。</p>

          <p>修正可能であることは Debian
             フリーソフトウェアガイドラインの根本的な要件であるため、
             この制限は私たちにとって容認できるものではなく、
             そのような修正できない内容が含まれるものを
             私たちのディストリビューションで受け入れることはできません。</p>
        </li>
        <li>
          <p>同時に、私たちは GNU Free Documentation License
             の下でライセンスされて、変更不可条項を全く含まないものについては、Debian
             フリーソフトウェアガイドラインの要件を完全に満たしていると考えます。</p>
          <p>これはつまり、変更不可条項、カバーテキスト、謝辞、
             および献身を全く含まないもの
             (あるいは、これらがあってもその削除が明示的に許可されている場合)
             については、私たちのディストリビューションの main
             のものとして適しているということを意味しています。</p>
        </li>
        <li>
          <p>上記にもかかわらず、変更不可部分が対処されたとしても GFDL
             下の文書の問題が解消されるわけではありません。例示したように、
             これは主なフリーソフトウェアライセンスと互換性がなく、つまり GFDL
             である本文はフリーであるプログラムに組み込むことはできません。</p>
          <p>このため、言及しているソフトウェア自体と同じ条件か、GPL や BSD
             ライセンスといった、従来のフリーソフトウェアライセンスのどれか
             (あるいは GFDL と組み合わせたデュアルライセンス)
             を選択するよう、文書の作者に勧めています。</p>
        </li>
      </ol>

	  <vamendmentproposerb />
	  <p>  Anton Zinoviev
	    [<a href="mailto:zinoviev@debian.org";>zinoviev@debian.org</a>]
	  </p>

	  <vamendmentsecondsb />
	    <ol>
	      <li> Raphael Hertzog
		[<a href="mailto:hertzog@debian.org";>hertzog@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Xavier Roche
		[<a href="mailto:xavier@debian.org";>xavier@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Wesley J. Landaker
		[<a href="mailto:wjl@debian.org";>wjl@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Romain Francoise
		[<a href="mailto:rfrancoise@debian.org";>rfrancoise@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Moritz Muehlenhoff
		[<a href="mailto:jmm@debian.org";>jmm@debian.org</a>]
	      </li>
	      <li> Craig Sanders
		[<a href="mailto:cas@debian.org";>cas@debian.org</a>]
	      </li>
	    </ol>

	  <vamendmenttextb />
	  <p> 選択 3.
         修正案の実際の文面 (翻訳):</p>
      <p>GNU Free Documentation License は自由を保護し、
         Debian フリーソフトウェアガイドラインと互換です。</p>

      <h2>0: 要旨</h2>
      <p>これは Free Software Foundation によって発表されている
         GNU Free Documentation License に対する Debian
         プロジェクトの立場です:</p>

      <blockquote>
        <p>私たちは GNU Free Documentation License バージョン 1.2
        の下にライセンスされたものについては、Debian
        フリーソフトウェアガイドラインの要件と精神の両方を、
        完全に満たすものであると考えます。</p>
      </blockquote>

      <p>Debian コミュニティ内部で、GNU Free Documentation License (GFDL)
         が実際に<q>フリー</q>なライセンスなのかということについて、
         不透明な部分がかなりありました。この文書ではどうして Debian
         の答えが<q>はい</q>なのかということの説明を試みます。</p>

      <h2>1: GFDL とは何か?</h2>

      <p>GFDL は Free Software Foundation
         がその文書に適用するためのライセンスとして書いたもので、
         また、これを他者に奨励しています。これは Wikipedia
         のライセンスとしても使用されています。GFDL の序文を引用します:</p>

      <blockquote>
        <p>このライセンスの目的は、マニュアル、教科書、
        その他の機能的で有益な文書を、freedom の意味で<q>フリー</q>
        にすることです: 誰にでも、修正の有無、商用、非商用を問わず、
        コピー、再配布の自由を効果的に保証するため。第二に、
        このライセンスは他者による修正に対して責任があるとは考えないけれども、
        作者と発行者がその仕事に対して功績を認められる方法を保っています。</p>
      </blockquote>

      <blockquote>
        <p>このライセンスはある種の<q>コピーレフト</q>で、
        その文書の派生版が同一の解釈でフリーでなければならないとしています。
        これは GNU General Public License を補足するもので、
        フリーソフトウェアを対象としたコピーレフトなライセンスです。</p>
      </blockquote>

      <h2>(2) 変更不可条項 &mdash; GFDL への反発の中心</h2>

      <p>GFDL に対して最も幅広く反発を受けている部分の一つに、GFDL
         が<em>変更不可</em>と指定されている条項を含めたものを許可していることです。
         こういった条項が含まれる本文は将来の変更や削除ができません。</p>

      <p>GFDL は変更不可条項に含められる文の内容によって、
         その目的にかなりの制限を設けます。GFDL に準じると、
         変更不可条項はさらに<em>第二の項目</em>でなければならず、
         つまり、以下の定義に行き着きます。</p>

      <blockquote>
        <p><em>第二の項目</em>は文書の指名された付録または前付けで、
        文書全体の主題 (あるいはその他の事項) に関連する、
        文書の発行者や作者の関係だけを扱い、
        文書全体の主題に直接入るようなものはこれには含まれません。[...]
        関係は主題または関連事項、あるいは法的、営利的、哲学的、倫理的、
        政治的な立場において問題となる可能性があります。</p>
      </blockquote>

      <p>その結果、第二の項目 (及び特に変更不可条項)
         は、ある題目に対する発行者や作者の個人的な立場だけが、
         含められることを許可されます。
         他人の個人的な立場を修正することは無駄で非倫理的、
         さらに場合によっては違法となることもあります。
         そういった文面に対して Richard Stallman (Free Software Movement
         及び GNU プロジェクト創設者で GFDL 作者) はこう言っています [1]:</p>

      <blockquote>
        <p>ここで重要なことは、ある人が何を考えたのか、何を見たのか、
        あるいは何を信じるのか、ということです。
        それを変更するということは作者を誤り伝えることになります。
        したがって、作品を修正することは社会的に有益な活動ではありません。
        そして、他人に対して本当に許可する必要があるのは逐語的複製だけです。</p>
      </blockquote>

      <p>GFDL のこの特徴は Debian
         フリーソフトウェアガイドラインの以下の要件と対立する可能性があります。</p>

      <blockquote>
        <p>3. 派生物 (Derived Works)</p>
        <p>ライセンスはライセンスは、修正や派生物の作成、
        並びにそれらをオリジナルのライセンスと同じ条件の下で配布することを
        認めていなければいけません。</p>
      </blockquote>

      <p>この DFSG の要件を満たすために、フリーなライセンスが
         任意の変更修正を許可しなければならないというのは素人考えです。
         変更の許可に関して制限を設けているライセンスの中にも、
         Debian がフリーだと常に認めているものがあります。例えば GNU
         General Public License には次のような条項があります。</p>

      <blockquote>
        <p>変更したプログラムが実行時に通常はコマンドを対話式で読み取る場合、
        注意書きを表示し、最も普通の方法でこういった対話式の仕様に入る際には、
        適切な著作権表示と、保証が一切ないということ
        (あるいは自分で保証を提供する等)、
        ユーザはこの条件の下で再配布ができること、
        このライセンスのコピーを見る方法を表示あるいは通知しなければなりません。</p>
      </blockquote>

      <p><em>広告条項 (advertising clause)</em>
         と呼ばれるものが含まれるライセンスの例を示します。</p>

      <blockquote>
        <p>このソフトウェアの機能または使用に言及しているあらゆる広告素材は、
        以下の通知を表示しなければなりません:</p>
        <p><q>この製品には ... により開発されたソフトウェアを含まれます。</q></p>
      </blockquote>

      <p>こういったわけで、あるライセンスがフリーであるかどうか判断する際、
         どういった制限を強いられるのか、これらの制限が Debian
         社会契約にどのように適合するのかということを考慮する必要があります。</p>
      <blockquote>
        <p>4. 私たちはユーザとフリーソフトウェアを大切にします</p>
        <p>私たちはユーザとフリーソフトウェアコミュニティからの要求に従います。
           彼らの関心を最優先に考えます。 </p>
      </blockquote>

      <p>現在、GFDL は、フリーソフトウェアコミュニティの大部分のメンバーから
         フリーであると認知されているライセンスであり、その結果、
         現在入手可能なフリープログラムの大部分の文書に採用されています。
         GFDL はフリーではない、と Debian が判断した場合、それはつまり、
         別の意味での<q>フリーソフトウェア</q>を強制しようとするものであり、
         それは事実上、
         フリーソフトウェアコミュニティとの社会契約に対する違反となります。</p>

      <p>私たちはフリーソフトウェアを改善して、
         特定の要求に適合させることが可能であるべきで、
         また、それは修正可能であるという DFSG の要件でもあります。
         変更不可条項で表されている個人的な立場に同意できないあらゆる人に対して、
         自身の第 2 項を追加して異論の記載や加筆を許可しています。
         これは、作者の見解を誤り伝える、あるいは検閲を引き起こすということのない、
         第 2 項を改善する妥当な方法です。</p>

      <h2>(3) 透過コピー</h2>

      <p>GFDL に対する別の反発もあります。
         配布にあたって透過コピーを不透過版とともに同梱するだけでは
         GFDL では不十分だということです (例えば GPL
         下のソースであればこれがすべてです)。GFDL
         では、機械的に読める透過コピーを何らかの形で含めること
         (つまり、不透過のみダウンロードさせ、透過版はさせない、
         というのは不許可)、あるいは不透過版の配布終了から一年後まで、
         透過版を公然とアクセス可能な場所でダウンロード可能にしておくこと、
         と言い張っています。</p>

      <p>ライセンスでは以下の様に述べています:</p>

      <blockquote>
        <p>機械的に読み取り可能な透過コピーを不透過コピーそれぞれに同梱、
        あるいは一般的なネットワークを使用してアクセスし、
        標準的なネットワークプロトコルによりダウンロードできる、
        その文書の完全な透過コピーのコンピュータネットワーク上の位置を、
        それぞれの不透過コピーの内部あるいは添付する形で述べなければならない。</p>
      </blockquote>

      <p>その結果、このライセンスでは透過版を不透過コピーに同梱する形を取るのではなく、
         不透過コピーとともに配布することが要求されます。
         ソースとバイナリを入手可能にしていれば、
         ユーザは何が入手可能であるか確認して望むものを選択することができ、
         要求されているのはこれだけである、ということは GFDL の作者である
         Richard Stallman により確認され、また慣行がこれを証明しています。
         透過版をダウンロードするかどうかはユーザ次第です。</p>

      <p>不透過コピーとともに透過コピーを配布しない場合は慎重な処置を適度に取り、
         透過コピーを示した位置においてインターネット経由で最低一年間、
         アクセス可能にしておかなければなりません。
         この状況での GPL の要件は一層厳しくなっています &mdash;
         書面による申し込み、3 年以上有効であること、対応するソースコードの
         機械的に完全に読み取り可能な複製を第三者に与えること。</p>

       <h2>(4) デジタル著作権管理 (DRM)</h2>

       <p>GFDL に対する三番目の反発はデジタル著作権管理 (DRM)
          技術を圧倒しようとする第二項の条文により発生します。
          このライセンスのいくつかの解釈によると、
          著作の透過コピーへの完全なアクセスをユーザに与えていても、
          DRM で保護されたメディアでの配布を不可能にします。
          また、前述のように、文書の暗号化や、
          権限をサポートするファイルシステム上に保存することも
          不許可とする可能性があります。</p>

      <p>実のところ、このライセンスが述べているのはこれだけです。</p>

      <blockquote>
        <p>作成あるいは配布したコピーの読み取りやさらなる複製作業を、
        技術的な手段を使って妨害、あるいは管理してはならない</p>
      </blockquote>

      <p>この条項では、DRM で保護されたメディアによる配布やコピーの保存を、
         その行動の結果が読み取りやさらなる複製作業を妨害する場合にのみ、
         不可能にします。自分用のコピーに対する
         暗号化やアクセス制御について言及しているとは見られていません。</p>

       <p>その結果、DRM 技術に対してライセンスが取っている手段は、
          ライセンスに照らして持つべきである権利を、
          確実に行使することができるための方法でしかありません。
          そのため、GNU General Public License
          において同様な目的で特許に対して採られている手段:</p>

       <blockquote>
         <p>あなたを通して直接または間接的にコピーを受け取るあらゆる人による、
         プログラムの再配布を特許のライセンスが許可しない場合、
         そのライセンスとこのライセンスの両方を満たすことができる方法は、
         プログラムの配布を完全に避けることだけになるでしょう。</p>
      </blockquote>

      <p>私たちは、GPL のこの要件により GPL 下にあるプログラムが non-free
         になるとは考えません。それによって GPL
         下にあるプログラムが配布不可能になる可能性があったとしてもです。
         その目的は特許の乱用に対抗するためです。同様に、私たちは、DRM
         で保護されたメディアの悪用に対抗するために、
         ライセンスで採用された手段のため GFDL
         下にある文書が non-free になるとは考えません。</p>

    <vquorum />
    <p><a href="vote_001.quorum.log">開発者 972 人</a>なので:</p>
    <pre>
 現在の開発者数         = 972
 Q ( sqrt(#devel) / 2 ) = 15.5884572681199
 K min(5, Q )           = 5
 Quorum  (3 x Q )       = 46.7653718043597


    </pre>
    <ul>
      <li>オプション 1 は quorum に到達: 223 &gt; 46.7653718043597</li>
      <li>オプション 2 は quorum に到達: 272 &gt; 46.7653718043597</li>
      <li>オプション 3 は quorum に到達: 133 &gt; 46.7653718043597</li>
    </ul>



    <vstatistics />
    <p>
      この一般決議でもいつも通り、投票期間中には受け取った投票と
      送られた通知の<a href="suppl_001_stats">統計</a>を定期的に収集しています。
      さらに、<a href="vote_001_voters.txt">投票者</a>のリストもあります。
      また、<a href="vote_001_tally.txt">照合用紙</a>も見られるかもしれません
      (投票期間中はダミーの照合用紙となっていることに注意してください)。
    </p>



    <vmajorityreq />
    <p>
      修正案 B は foundation の文書、つまり<a
       href="http://www.debian.org/social_contract";>社会契約</a>
      を変更する必要があったので、これが通過するには 3:1
      の大多数が要求されます。DFSG 条項 3 を変更か、
      少なくとも明確にしなければなりません。その文面には
      作業に対するライセンスは変更を許可しなければならないと述べてあります。
    </p>
    <ul>
      <li>オプション 1 は規定得票率をクリア  1.874 (223/119) &gt; 1</li>
      <li>オプション 2 は規定得票率をクリア  3.200 (272/85)  &gt; 1</li>
      <li>オプション 3 は規定得票率に達しなかったため却下   0.649 (133/205) &lt;= 3</li>
    </ul>

    <voutcome />
    <h3>勝者</h3>
    <ul>
      <li><strong>オプション 2 <q>GFDL
      ライセンス下にある著作は変更不可部分がなければフリーである</q></strong></li>
    </ul>
    <p class="center">
      <a style="margin-left: auto; margin-right: auto;" href="vote_001_results.dot">
        <img src="vote_001_results.png" alt="Graphical rendering of the results">
      </a>
    </p>
    <p>
      上の図で、ピンクの項目はそのオプションが規定の得票率を得られなかったこと、
      青は勝者をそれぞれ示します。デフォルトに負けたものは八角形になります。
      以下の表で、[行 x][列 y] はオプション x がオプション y
      より好ましいという投票数を表します。<a
       href="http://en.wikipedia.org/wiki/Schwartz_method";
       >勝敗表のもっと詳しい説明</a>が表の理解に役立つかもしれません。
      Condorcet 方式の理解には、<a
       href="http://en.wikipedia.org/wiki/Condorcet_method";>Wikipedia
      の項目</a>がかなりの参考になるでしょう。
    </p>
    <ul>
      <li>オプション 1 <q>GFDL ライセンス下にある著作はいかなる場合も
          main に不適切</q></li>
      <li>オプション 2 <q>GFDL
          ライセンス下にある著作は変更不可部分がなければフリーである</q></li>
      <li>オプション 3 <q>GFDL ライセンス下にある著作は DFSG
          と互換である [要 3:1]</q></li>
      <li>オプション 4 <q>さらに議論すべき</q></li>
    </ul>
    <table class="vote">
      <caption class="center"><strong>勝敗表</strong></caption>
      <tr><th>&nbsp;</th><th colspan="4" class="center">オプション</th></tr>
      <tr>
        <th>&nbsp;</th>
        <th>    1 </th>
        <th>    2 </th>
        <th>    3 </th>
        <th>    4 </th>
      </tr>
      <tr>
        <th>オプション 1  </th>
        <td>&nbsp;</td>
        <td>  145 </td>
        <td>  226 </td>
        <td>  223 </td>
      </tr>
      <tr>
        <th>オプション 2  </th>
        <td>  211 </td>
        <td>&nbsp;</td>
        <td>  266 </td>
        <td>  272 </td>
      </tr>
      <tr>
        <th>オプション 3  </th>
        <td>  117 </td>
        <td>   76 </td>
        <td>&nbsp;</td>
        <td>  133 </td>
      </tr>
      <tr>
        <th>オプション 4  </th>
        <td>  119 </td>
        <td>   85 </td>
        <td>  205 </td>
        <td>&nbsp;</td>
      </tr>
    </table>
    <p>
      二行目の一列目を見ると、GFDL
      ライセンス下にある著作は変更不可部分がなければフリーである<br />
      が GFDL ライセンス下にある著作はいかなる場合も main に不適切<br />
      よりも好ましいとする投票が 211<br /><br />
      一行目の二列目を見ると、GFDL ライセンス下にある著作はいかなる場合も
      main に不適切<br />
      が GFDL ライセンス下にある著作は変更不可部分がなければフリーである<br />
      よりも好ましいとする投票が 145
    </p>

    <h3>二つ一組での勝敗</h3>
    <ul>
      <li>オプション 2 はオプション 1 を ( 211 -  145) =   66 票上回った</li>
      <li>オプション 1 はオプション 4 を ( 223 -  119) =  104 票上回った</li>
      <li>オプション 2 はオプション 4 を ( 272 -   85) =  187 票上回った</li>
    </ul>
    <h3>The Schwartz Set contains</h3>
    <ul>
      <li>オプション 2 <q>GFDL
      ライセンス下にある著作は変更不可部分がなければフリーである</q></li>
    </ul>
    <p>
      Debian では投票に Condorcet 方式を使用します。
      このように、そのままの Condorcets 方式が提示されています:<br />
      <q>候補の総当たりを双方向に判断します。Condorcet の勝者は、
      もしある候補が他の候補に対して双方向に判断しそれぞれに勝っていれば、
      その候補に決定します。</q>問題は選挙が複雑になることで、
      A は B に勝ち、B は C に勝ち、C は A に勝つ、
      という三つ巴のような関係になることもあります。
      Condorcet の派生版では多くが様々な方法により均衡を解決します。
      詳細については <a
       href="http://en.wikipedia.org/wiki/Cloneproof_Schwartz_Sequential_Dropping";
       >Cloneproof Schwartz Sequential Dropping</a> を参照してください。
      Debian の場合は<a href="$(HOME)/devel/constitution">憲章</a>の、特に
      A.6 で細かく規定されています。
    </p>

    <hrline>
    <address>
      <a href="mailto:srivasta@debian.org";>Manoj Srivastava</a>
    </address>
------------------------------------------------