[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[debian-devel:15422] Re: ITP: zphoto



On November 18, 2002, [debian-devel:15417],
Osamu Aoki <osamu@debian.org> wrote:

> 欧米諸国と言うのは、曲者です。英文の加盟国リストや、条約へのリンクご
> 存知時ですか?

知りません。

「ウィーン協定」に対する批准が無かったとしても、各々の法律次第、
裁判次第という気はします。

> DEBIANのフォントの多くが引っかかりそうですね。

どうなんでしょうか。風穴さんから指摘のあった「創作性」がどうか、
ということも重要でしょう。

また、日本国内の判例を見ると、フォントの権利は認められにくいよう
です。フォントの権利独占を法律で認めている国でも、そのような傾向
はあるのかもしれません。

H 1. 3. 8 大阪地裁昭和58(ワ)4872 著作権民事訴訟事件
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2320/osaka/H01_05/S58-4872.html

| 著作権法は、本来、一品製作的なものを保護の目的としていると考え
| られる。しかるところ、本件書体のような実用文字の書体は、それ自
| 体で思想又は感情を表現したものとはいえないし、文芸、学術、美術、
| 音楽のいずれの範囲に属するものともいえない。美術工芸品といえな
| いことも明らかである。強いていえば、写植機ないし写植機用文字盤
| という実用品と結合したデザインであり、いわゆる応用美術の範囲に
| 属するものであろうが、こうしたものが著作権法の保護の対象になら
| ないと解されていることは、右のとおりである。本件書体は、もとも
| と著作権法の保護の対象になるものではないといわざるを得ない。

|  のみならず、文字というものは、元来、人が何千年何万年という歴
| 史を経て形成してきたもので、いわば万人共有の財産である。その文
| 字の書体について、独占的排他的な権利である著作権を認めることは、
| 文字には不可欠の書体という問題を通して、その特定人に文字そのも
| のを排他的に独占させ、他人の使用を法的に排除してしまう結果を招
| 来し、法的にみて、到底、妥当な結論とはいえない(最高裁第一小法
| 廷昭五五・一〇・一六判決)

タイポグラフィの知的所有権について
http://www.typo.or.jp/info/morals/statements.html

| 最高裁判所は「印刷書体の著作物性」について、平成12年9月7日に判
| 決を行いました。

| 「この印刷用書体を用いた小説、論文等の印刷物を出版するためには
| 印刷用書体の著作者の氏名の表示及び著作権者の許諾が必要となり、
| これを複製する際にも著作権者の許諾が必要となり、既存の印刷用書
| 体に依拠して類似の印刷用書体を制作し又はこれを改良することがで
| きなくなるなどのおそれがあり、著作物の公正な利用に留意しつつ、
| 著作者の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与しようとする著
| 作権法の目的に反することになる。」

> 結構難しい問題ですね。いつも木下さんの博学には関心致します。

私からは、ちょっとウェブで検索した程度の学しか披露できそうにあり
ません。専門家からの意見も欲しいところです。

-- 
木下達也