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[debian-devel:15712] Re: Debconf3 report



久保田です。

From: GOTO Masanori <gotom@debian.or.jp>
Subject: [debian-devel:15705] Re: Debconf3 report
Date: Sun, 27 Jul 2003 03:07:48 +0900

> debconf3 で使った資料を、
> 
> 	http://gotom.jp/~gotom/linux/debconf3-2003/html/index.html
> 
> においてありますので、御覧下さい。彼らは日本語の入力方法を詳しく知らな
> いので、大いに驚いていました。会場には十数人聞きに来ていました。

おつかれさまでした。別件にも書きましたが、日本語入力方法については
日本人以外はまったく知らないというのが現状だと思います。

たとえば、canna や wnn の使い方 (文節伸縮・かな変換・半角変換・
漢字変換・次候補・単語登録... などは、どうすればいいのか) を英語で
説明したものを見たことがありません。日本語の文献でさえ、紙に書かれた
本を読まないといけない、みたいなところがありますし。


> 私は glibc 関連について開発者数人と議論しましたが、やはり直接議論する
> のは大変有益でした。英語は…頑張ればそのうち慣れますが、やはり鍛えてお
> くにこしたことありませんね ;-)

ぼくは英語メールは数日にひとつくらいのペースで書いていますが、
英語でのしゃべりは、だめです。いちおうアカデミックな世界にいますので、
英語を使う機会はひとよりは多いと思ってますが、ある人と何ヶ月も一緒に
仕事して、それでようやく何を言ってるか分かるようになってくる、という
状況です。(しゃべりよりもヒアリングが苦手です。日本語のヒアリングも
ちょっと苦手だったりします)。


> >   となれば、是非久保田さんにしゃべっていただきたいなあ、と勝手な要望を
> > 表明してみます。

うーん、旅費もさることながら、時間が取れないのが問題かも。国内での
Linux 関連イベントでさえ、週末にあった LC99 以来、見に行ってないですし。


> 話をしていて、色々な資料がまとまっている intro-i18n は、改めて大変有用
> なドキュメントであることを確認しました :)

じつはかなり古くなってしまっていて、書き換えにはかなりまとまった時間が
必要だなと思っているところです。また、書き換え以前の問題として、
自分自身が最近のいろんな国際化機能の進展 (pango や perl など) に
ついていけてないというのもあります。

文字コードについてかなり詳しく書きましたが、逆に言うと、あれだけの
ものを理解しないとソフトウェアの国際化はできない、ということになると、
世界中のほとんどの開発者にとって、国際化は難しすぎて実現不可能、
ということになってしまいます。それでは私達の目標は達成できません。



ぼくは、世界的な UTF-8 への移行を、マルチバイト文字サポートの必要性を
理解してもらいやすくなる、というチャンスだと考えています。実際、
Debconf3 でも文字化けという問題が存在するということが紹介されましたし。
(ありがとうございます > 鵜飼さん、後藤さん)。

この機会に、「国際化とは gettextization と翻訳のことじゃないんだ。
それよりはるかに深刻な問題が山積している」ということをみんなで広く
訴えていきましょう。

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久保田智広 Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.org>
http://www.debian.or.jp/~kubota/