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[debian-users:15101] debiantips (Re: xfontsel is not exist)



佐野@浜松です。

In article <199904252310.IAA08960@xxxxxxxxxxxxx>
 Koichi Honda <honda@xxxxxxxxx> さん writes:

> From: Gato Hiyuki <gato@xxxxxxxxxxxxxxx>
> Message-ID: <199904251851.DAA11784@xxxxxxxxxxxxxxx>

> gato> slinkでX-TT関係をインストールし、フォントの確認をしようと
> gato> xfontselを実行しようとしたら、無い!
> gato> 
> gato> find / -name xfontsel -print
> gato> 
> gato> でも見つけられませんでした。
> gato> xfontselは一体、どのパッケージに含まれているのでしょうか??
...
> いつもこの問題に直面しますね。私もわかりませんでした。
> もし、CDをおもちであれば/debian/dists/slinkの  Contents-i386.gzの中身を
> 検索すれば見つかります。

去年の年末頃にこの ML での話題をきっかけに debiantips という
文書を作成して LTGP <http://www.misao.gr.jp/> に出したのですが、
今日ちょっと内容を更新したので、再びこちらに流します。

# LTGP の CVS にも (忘れなければ) このメールを送るのと一緒に
# commit する予定です。

以下、ちょっと長いですが、御参考まで。

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  Debian 便利ワザ集
  佐野武俊 / Taketoshi Sano, (kgh12351@xxxxxxxxxxx) 著
  $Date: 1999/04/30 04:13:04 $, $Revision: 1.2 $

  Debian システムを使う上で、知っていると便利そうなちょっとした「ワザ」
  を Debian JP の debian-users ML に流れた話題などからまとめたものです。
  内容の修正・追加・削除、また 文書の構成などについての御意見をお待ちし
  ております。

  1.  まず最初に - 知っておくと便利なワザ

  1.1.  ファイル XXX がどのパッケージにあるか知りたいのですが ?

  1.1.1.  *** zcat Contents-*.gz|grep <filename> ***

  Contents-*.gz (Linux i386 なら Contents-i386.gz) というファイルを grep
  で検索するのが早いです。このファイルはネットワーク上なら例えば ftp サ
  イトの debian/dists/stable/ 以下にあります。また JP Package に含まれて
  いるファイルのリストは debian-jp/dists/stable-jp/ 以下にあります。一方
  CD-ROM の場合は、まずその CD-ROM をマウントします。マウント先が/cdrom
  だとすると、

   find /cdrom/ -name 'Contents*'

  を実行します。その CD-ROM の中に該当するファイルがあれば、表示されるは
  ずです。

  さて、この Contents-*.gz を入手したら次に検索を実行します。

  例えば、「ppxp のパッケージはどこにあるのかな ?」と調べる場合

    zcat Contents-i386.gz | grep ppxp

  としてみましょう。何か出てきましたか ?

  実は ppxp パッケージは (slink では) まだ Debian Project に提供されてお
  らず、 slink-jp のほうに置かれています。ですので、 debian/dists/stable
  以下の Contents-i386.gz で検索した場合は「何も出てこない」で正解です。

  もう一度、今度は JP Package の Contents-i386.gz で上記のように検索して
  みてください。

  すると、たくさん (wc で数えたら 187 行) 出てきます。左側が各パッケージ
  中の個々のファイル名、右側がパッケージの分類、セクション、名前を示しま
  す。

  ところで 187 行だと多すぎてここでは紹介できないので、 "ppxp" というコ
  マンドの含まれるパッケージを調べることにします。

  一般的に、「コマンド」の置き場所は **bin/ というディレクトリ (管理者用
  のコマンドは /sbin, /usr/sbin など、一般アカウント用のコマンドは /bin,
  /usr/bin など) にあることが多いので、 (例外は /usr/bin/mh 以下にある
  mh 関連コマンドとか) とりあえず

    zcat Contents-i386.gz | grep bin/ppxp

  を実行してみましょう。いかがですか ?

  usr/bin/ppxp                        contrib/net/ppxp
  usr/sbin/ppxpd                      contrib/net/ppxp

  こういう結果が表示されたと思います。これによって "/usr/bin/ppxp" とい
  うコマンドが分類 "contrib" の "net" セクションにある "ppxp" パッケージ
  に含まれていることがわかります。

  「分類」というのは説明すると長くなるので、この節の最後にまとめておきま
  す。

  「セクション」というのは各ソフトウェアを利用分野によって大きくまとめた
  もので、現在

  o  admin (管理者用)

  o  comm (通信用)

  o  devel (開発用),

  o  doc (manpage などの参考資料)

  o  editors (エディタ),

  o  electronics (電子工学)

  o  games (ゲーム),

  o  graphics (グラフィック)

  o  hamradio (アマチュア無線),

  o  interpreters (各種スクリプト言語)

  o  libs (ライブラリ),

  o  mail (メールソフトなど)

  o  math (数学),

  o  misc (その他),

  o  net (ネットワーク)

  o  news (ネットニュース),

  o  oldlibs (古いバイナリを実行させるための古いライブラリ),

  o  otherosfs (他の OS のファイルを読み書きするためのツール),

  o  shells (シェル)

  o  sound (サウント)

  o  tex (TeX),

  o  text (テキストファイルを扱うツール),

  o  utils (あると便利なもの)

  o  web (ウェブ),

  o  x11 (X ウィンドウシステム)

  などのセクションがあります。これは binary-i386 などのアーキテクチャ毎
  のディレクトリのサブディレクトリとしての区別でもあり、パッケージを探す
  時はセクションに対応するサブディレクトリの中を見ることになります。

  以上のように、 contrib/net/ppxp という結果から、

   debian-jp/dists/stable-jp/contrib/binary-i386/net/ppxp*.deb

  というパッケージファイルを探せば良い、ということがわかります。

  さらに grep の正規表現を使えば検索条件の絞り込みもできます。例えば
  "ppxp" という名前を忘れてしまって、「 pp 何とか p という名前で、何とか
  のところに一文字」と覚えていた場合は

    zcat Contents-i386.gz | grep 'pp.p'

  としてみましょう。もちろん先程のように 'bin/pp.p' としても良いです。

  「何とかのところに何文字だったかもわからない」場合は実際にいろいろ試し
  てみると、動作がわかって面白いでしょう。

  1.1.2.  *** dpkg -S <filename> ***

  既に該当するパッケージをインストール済みの場合は、 dpkg -S
  ``file_name'' コマンドも使えます。

  こちらもシェルの正規表現を検索条件として使えます。例えばこんな感じで
  す。

      $ dpkg -S 'X*/bin/*term'
    rxvt: /usr/X11R6/bin/rxvt-xterm
    kterm: /usr/X11R6/bin/kterm
    xterm: /usr/X11R6/bin/xterm
      $ dpkg -S 'X*/bin/*vt'
    rxvt-ml: /usr/X11R6/bin/crxvt
    rxvt: /usr/X11R6/bin/rxvt-xpm
    rxvt-ml: /usr/X11R6/bin/krxvt
    rxvt: /usr/X11R6/bin/rxvt-xterm
    rxvt-ml: /usr/X11R6/bin/grxvt

  1.1.3.  *** grep <filename> /var/lib/dpkg/info/<package-name>.list ***

  同じく、インストール済みのパッケージの場合は、
  /var/lib/dpkg/info/<package-name>.list にパッケージに含まれるファイル
  名がリストされているので、これらのファイルに grep をかけることで検索で
  きます。

  1.2.  パッケージをインストールした時のメッセージを調べるには ?

  設定の必要なパッケージが、インストール時に質問してくるメッセージなどは
  /var/lib/dpkg/info/<package-name>.preinst および
  /var/lib/dpkg/info/<package-name>.postinst という shell script の実行
  によって表示されています。これらのシェルスクリプトを読んでみましょう。

  1.3.  dselect で一覧表示される、各パッケージの詳細を検索したい

  /var/lib/dpkg/available を検索してみましょう。

  1.4.  dpkg の使い方をマスターしたい

  dpkg --help を印刷して (しなくても良いけど) じっくり読んでみることをお
  勧めします。

  最低限、

  o  --info <package_file> 指定されたパッケージファイルの説明を表示

  o  --contents <package_file> 指定されたパッケージファイルの中身 (パッ
     ケージに含まれるファイルの一覧) をリスト

  o  -l (--list) インストール済みのパッケージをリスト

  o  -s (--status) <package_name> (インストールされていれば) 指定された
     パッケージの説明を表示

  o  -L (--listfiles) <package_name> (インストールされていれば) 指定され
     たパッケージに含まれるファイル (一覧) をリスト

  o  -S (--search) <filename-search-pattern> 指定されたパターンに従って
     該当するファイルを含むパッケージをインストール済みのパッケージの中
     から検索。

  この 6 種類くらい覚えていれば (あと、インストールする時に使う -i を追
  加して 7 種類) たいていの用は足りると思います。

  1.5.  パッケージファイルの中身を調べたい

  上に書いた dpkg --info や dpkg --contents を使いましょう。また ar コマ
  ンドで中身 (data.tar.gz, control.tar.gz, debian-binary) を取り出すこと
  もできます。 data.tar.gz が実際のアーカイブの中身、 control.tar.gz に
  は preinst, postinst などパッケージのインストール時 (あるいはアンイン
  ストール時) に実行されるスクリプトなどが収容されています。

  さらに debview パッケージをインストールすると、emacs からアーカイブの
  中にあるファイルの内容を見ることができるようです。興味のある方は調べて
  みると良いでしょう。 (ただし私の場合はこれがうまく動作しないみたいで、
  アーカイブの中身が途中までしか表示されませんでした。)

  1.6.  カーネル再構築について

  Debian でカーネル再構築をする場合には、 .deb パッケージにしてしまうの
  が便利です。まずは kernel-package という名前のパッケージをインストール
  しましょう。これには make-kpkg というコマンドが含まれています。

  あとは一般的なカーネル再構築の手順で、必要なもの (コンパイラ、ライブラ
  リなどの開発用パッケージ。もちろんカーネルソースも) を用意して、 make
  {menuconfig,xconfig} などによってカーネルの構成を設定します。

  よく "bin86" パッケージのインストールを忘れて make に失敗する人がいま
  す。これは i386 アーキテクチャでのみ必要とされるもので、他のアーキテク
  チャでは不要なため依存関係の情報 (Depends: など) には入っていません
  が、 "kernel-package" の附属資料である /usr/doc/kernel-
  package/README.gz には

  Firstly, you will need gcc, the libc development package (libc5-dev or
  libc6-dev at the time of writing), and, on Intel platforms, bin86. [If
  you use the menuconfig target of make, you will need ncursesX.X-dev,
  and make xconfig also requires tkX.X-dev, and other packages these
  depend on]

  The packages suggested are:
  devel:        gcc, libc5-dev/libc6-dev, binutils, make, and, for intel
                x86 platforms, bin86 (non-Intel platforms don't need
                this).
  interpreters: awk, which is contained in either the mawk or gawk packages
  base:         gzip, shellutils, and grep.

  Some of these packages are marked essential, and hence are going to be
  present on your machine already. Others you have to check and install.

  Of course, pretty GUI front ends to kernel configuration require more
  packages, but they are not strictly essential (though quite nice really).

  と書かれています。抜けの無いように注意しましょう。

  カーネルソースは Debian パッケージから入れたものでも、自分でオリジナル
  のソースコードを持ってきて独自にパッチを当てたものでも OK です。

  次に "make-kpkg clean" コマンドを実行していったん make-kpkg コマンドが
  使用する制御情報ファイルを初期化します。

  そして "make-kpkg --revision=mylinux.1 kernel-image" でカーネル本体と
  モジュールの含まれたパッケージを作成し、 "dpkg -i kernel-image-<kernel
  version%gt;_<revision>.deb" で作成したパッケージをインストールします。

  なお、詳細は ``topics-ML'' にも、また後述の各書籍にも説明があります。
  また make-kpkg コマンドの使い方は man make-kpkg で調べることができま
  す。特に "--revisin=" で指定するレビジョンには必ず数字を含まなければい
  けないこと、数字およびアルファベット以外は "." と "+" (ビリオドとプラ
  ス) しか使えない (ハイフンやアンダーラインはダメ) ことに注意してくださ
  い。

  1.7.  「分類」について

  「分類」というのは正式な用語ではなくて、ここで便宜的に使っている言葉で
  すが、 Debian システム用の deb パッケージとして配布されているものに
  は、現在

  "main", "non-free", "contrib" "non-us"

  の 4 つの「分類」があります。あまりつっこむとボロが出るのでここでは簡
  単に紹介します。

  まず "main" は正式に Debian システムの一部として認められるパッケージに
  よって構成されるものです。これらは "Debian フリーソフトウェア・ガイド
  ライン"

  http://www.jp.debian.org/social_contract#guidelines
  <http://www.jp.debian.org/social_contract#guidelines>

  に沿ったパッケージであり、商用・非商用、学術・非学術などの目的や分野、
  また利用者・団体などによらず、「100 % 自由」な利用を保証しています。た
  だし、ここで言う「自由」とは「何でも好き勝手をして良い」ということでは
  ありません。

  特に配布ライセンスとして GPL を採用しているソフトウェアは「将来に渡っ
  てソフトウェア改変の自由を保証するため」に商用配布の場合などについて、
  ソースコード供給の義務を課しています。 (詳細は GPL の 3.a および 3.b
  を参照してください。)

  次に "non-free" は何らかの点で上記の "Debian フリーソフトウェア・ガイ
  ドライン" を満たしていないソフトウェアが含まれています。これらのパッケ
  ージは正式には Debian システムの一部ではありませんが、利用者の便宜のた
  めに ftp サイトに置かれています。ここに含まれるパッケージの配布に関す
  るライセンスは個別に異なり、商用 CD-ROM などに収録する際にはそれぞれの
  権利保持者に問い合わせるなどの作業が必要です。

  一方 "contrib" には、実際にそれを利用する場合 "non-free" に含まれる
  パッケージを必要とするが、それ自身としては "Debian フリーソフトウェ
  ア・ガイドライン" に反していない (従って "non-free" に依存しないように
  なれば "main" への収録が可能なもの) が含まれます。

  最後の "non-us" はアメリカ合衆国の暗号輸出規制による制限に関連するもの
  です。例えば、アメリカ国民以外の Debian ユーザーが PGP を使おうと思っ
  た場合、ここに含まれている pgp-i や pgp5i などのパッケージを ftp サイ
  トの debian/dists/non-US/ 以下から入手して利用することになります。

  2.  参考資料の在処について

  2.1.  読んでおくと良い Debian に関する日本語の資料について

  2.1.1.  *** Debian Project Web Site ***

  Debian プロジェクトのウェブサイト

  http://www.jp.debian.org/ <http://www.jp.debian.org/>

  には Debian Project 自体の概要や Debian システムについての説明、また
  "Debian フリーソフトウェア・ガイドライン" や "社会契約" の説明など、是
  非一度御覧になることをお勧めします。

  なお、このページは現在かなりの部分を日本語で読めるようになってきていま
  す。これは Deiban JP の www-ML で活躍されている遠藤さんを始めとした人
  々の作業の結果です。

  しかし、英語でしか表示されないページもまだまだあります。ちょっとした翻
  訳ができれば誰でも参加することができますので、もし興味があれば以下のペ
  ージを御覧ください。
  http://www.debian.or.jp/WebTranslation.html
  <http://www.debian.or.jp/WebTranslation.html>

  2.1.2.  *** 鵜飼さんの "Topics-ML" ***

  Debian JP 独自の資料として、鵜飼さんが作成して下さった「Debian GNU
  Linux に関する Q & A」があります。
  この文書は Debian JP のウェブページ <http://www.debian.or.jp/>
  <http://www.debian.or.jp/> から「メーリングリスト」のページにジャンプ
  して「 MLで流れた記事から作成した Debian GNU/Linux に関する Q & A」と
  いうタイトルを選択することで読むことができます。

  これには機種別の情報などもあるし、また日本語キーボードの設定や日本語入
  力、また日本語を含む文書の印刷についての情報などもあるので、特に日本の
  Debian ユーザーにとっては非常に役に立つ情報源だと思います。

  tar+gzip なものも用意して下さっているので、手元に置いて grep で検索し
  たり、lynx で参照したりという使い方でお世話になっている Debian ユーザ
  ーも多いです。

  Debian JP のページからこの文書の検索もできるようになりました。

  <http://www.debian.or.jp/search/> <http://www.debian.or.jp/search/>

  トップページの「メーリングリスト(検索)」からも辿れます。

  2.1.3.  *** Debian JP Project 「プロジェクト日誌」***

  これも Debian JP 独自の資料ですが、プロジェクトメンバーの有志が作成し
  ている「プロジェクト日誌」があります。

  <http://www.debian.or.jp/diary/> <http://www.debian.or.jp/diary/>

  これもトップページから辿ることができます。新しく追加されたパッケージの
  情報や、最近の開発動向などいろいろな情報を得ることができます。

  2.1.4.  *** Debian FAQ ***

  Debian JP の doc-debian-ja パッケージをインストールすると
  /usr/doc/debian-ja/FAQ 以下に Debian Project が作成している ``The
  Debian GNU/Linux FAQ'' の日本語訳が置かれます。

  またこの文書はネットワーク経由で Web Browser を使って Debian JP のウェ
  ブページ <http://www.debian.or.jp/> <http://www.debian.or.jp/> から「
  Debian / Debian JP ドキュメント」 のページにジャンプし「日本語翻訳版
  開発者向けマニュアル」という項目の下にある ``Debian GNU/Linux FAQ'' と
  いうタイトルを選択して表示されるリンクを辿って読むことができます。

  2.1.5.  *** Debian Policy Manual ***

  Debian JP のウェブページ <http://www.debian.or.jp/>
  <http://www.debian.or.jp/> から「開発者のコーナー」を選択して「Debian
  JP Policy」の項目にいくと「 Debian Policy Manual 日本語版」がありま
  す。これはパッケージ作成の際に参考とするために Debian のポリシーを記述
  したものですが、この中にパッケージの構成などについての情報も含まれてい
  るので、利用者としての立場で読んでも参考になると思います。特にパッケー
  ジをそのまま使うのでなく、ちょっとカスタマイズして使おうとしたり、自分
  で上流ソースコード (upstream sources) を持ってきてパッケージ化しようと
  する際などには是非一度読んでみましょう。

  これは ``debian-policy'' パッケージをインストールすると
  /usr/doc/debian-policy/policy.html/ というディレクトリに保存される
  html ファイルを翻訳したものです。(だと思います。) ( fsstnd/ というディ
  レクトリには FSSTND (File System Standard) について説明した html ファ
  イルも保存されるので、あわせて読んでおくと良いです。)

  3.  お勧めの本

  3.1.  「一歩本」

  ソフトバンクから Debian JP 2.0 (hamm-jp) オフィシャル CD-ROM 付きで最
  初に出版 (1998.12/8) された「Debian GNU/Linux / 一歩進んだフリー Linux
  システム」 (ISBN4-7973-0754-4) です。著者は Debian JP Project でもおな
  じみの方々で、最初のほうの Debian プロジェクトや Linux 自体についての
  説明など、なるほどと思わせるものがあります。インストールや設定の説明に
  ついては、複数人で執筆されたせいか、一部に不具合点や内容の矛盾などもあ
  りますが、全体的には参考となる内容を含んだ良い本です。もし見かけたこと
  が無ければ、一度捜してみましょう。

  3.2.  「徹底入門」

  翔泳社から CD-ROM 4枚付きで出版 (1999. 1 月初版) された「Debian
  GNU/Linux 徹底入門」(ISBN 4-88135-711-5) です。

  この本の附属 CD-ROM には他の書籍ではまず含まれていない Netscape などの
  "non-free" に分類されるパッケージも収録されています。また、著者である
  武藤さん (ちなみに Debian JP Project のメンバーです) がサポートページ

  http://www.topstudio.co.jp/~kmuto/debian/
  <http://www.topstudio.co.jp/~kmuto/debian/>

  において正誤表の公開や「談話室」の開設、一部のノート PC など標準の起動
  ディスクではうまく起動できない機種への対応などを行なっています。他の本
  に比べるとすこし高価 (4,800 円 + 税) ですが、ネットワーク経由でパッケ
  ージを取得するのがツライ環境に居る人には有難い本でしょう。

  なお、この本は JLA (Japan Linux Association) のブックレビューコーナー
  にも献本されました。寄せられた書評は

  http://(mirrorsite.)www.linux.or.jp/bookreview/DebianNyuumon.html
  <http://www.linux.or.jp/bookreview/DebianNyuumon.html>

  で見ることができます。

  3.3.  「今日から Debian」

  (株)オーム社から出版 (1999.2.25) された「今日から Debian GNU/Linux」
  (ISBN 4-274-06300-3) です。この本の著者の芳尾さんも Debian JP Project
  で以前から活動されてこられた方です。芳尾さんも個人ページで正誤訂正など
  のサポートをされています。

  http://www2.osk.3web.ne.jp/~shishamo/
  <http://www2.osk.3web.ne.jp/~shishamo/>

  ここにある「Debian Linux 本書評」のコーナーなど、読んでおくと参考にな
  るかもしれません。一度御覧になると良いでしょう。

  なお、この本も JLA (Japan Linux Association) のブックレビューコーナー
  にも献本されています。寄せられた書評は

  http://(mirrorsite.)www.linux.or.jp/bookreview/KyoukaraDebian.html
  <http://www.linux.or.jp/bookreview/KyoukaraDebian.html>

  で見ることができます。

  3.4.  その他、日本語じゃないけど (翻訳中含む) 読んでおくと良い資料につ
  いて

  3.4.1.  dpkg-dev パッケージ附属文書

  "dpkg-dev" パッケージをインストールすると /usr/doc/dpkg 以下に
  policy.html/ と programmer.html/ という 2 つのディレクトリが作成され、
  パッケージ作成についての情報を記載した html ファイルが保存されます。
  Debian パッケージの構成について詳細を知りたい場合、この文書も参考にな
  ります。なお (たぶん) この文書も近日中に Debian JP の Web Page から日
  本語版を読めるようになるはずです。 :)

  4.  お勧めのパッケージ

  ここにはまだ 2 つしか書いてありませんが、他にも「これはお勧め」という
  パッケージがあれば是非パッケージ名と分類/セクション、それに簡単な説明
  を付けて教えてください。適当なものがあればどんどん追加していきたいと
  思っています。

  4.1.  dhelp : hamm 以降、section/doc

  パッケージの一部としてローカルホストにインストールされた HTML な資料を
  見るのに便利なツールです。最初に紹介した doc-debian-ja や dpkg-dev,
  debian-policy パッケージなどの文書を読む時に使うと良いかも。

  4.2.  user-ja : slink-jp 以降、section/misc

  一般ユーザーが日本語表示関係で必要とする emacs や shell など各種の設定
  ファイルを標準的な環境にあわせて整備してくれる便利なユーティリティツー
  ルです。

  5.  ちょっと詳しく - パッケージについてお勉強

  5.1.  カスタムパッケージの作り方

  以下は ``topics-ML'' にある説明文をほとんどそのまま写したものです。

  Debian 標準のパッケージからコンパイルオプションを変更したバイナリパッ
  ケージを作成したい場合は、以下の手順で実行します。

  まず dpkg-dev, cpp, gcc, make などのパッケージをインストールし、
  *.dsc, *.orig.tar.gz, *.diff.gz をとってきて
        % dpkg-source -x パッケージ名.dsc

  を実行します。

  するとパッケージ名と同じ名前のディレクトリが作成されるので、そのディレ
  クトリに移動し、必要な修正をします。

  debchange -v として、debian/changelog ファイルくらいは直しておく。
  (revision をあげて、変更の内容を記述)

  そして rootになって

        # ./debian/rules build

  を実行するか、

        % dpkg-buildpackage -ppgp -rsudo

  を実行する。

  すると .deb ファイルが作成されるので、 それを 普通のパッケージをインス
  トールするのと同じように dpkg --install でインストールすればよいです。

  5.2.  パッケージソースの構成

  Debian Package のソースは、 .dsc, .diff.gz, .orig.tar.gz の 3 つから構
  成されます。 (古いパッケージでは違うものもあります)。

  基本的に Debian 固有の変更はすべて .diff.gz に入れることになっているた
  め、 .orig.tar.gz に相当するものが既に手元にある場合は、   .dsc と
  .diff.gz だけ入手すればパッケージを作成できます。

    .orig.tar.gz に含まれるものが、どこから持ってきたものか、という情報
  は   .diff.gz の中にある debian/copyright ファイルに記載されることに
  なっています。

  5.3.  Debian パッケージ作成入門 Debian JP 版

  Debian JP プロジェクトメンバーの八田真行さんが日本語訳されて公開してい
  る文書です。 Debian JP のウェブサイトの「Debian / Debian JP ドキュメン
  ト」のページからリンクされています。

  Debian JP プロジェクトに自分の作成したパッケージを提供する際の手順につ
  いて丁寧に説明されています。パッケージの作成に興味のある方は一度目を通
  しておくと参考になるでしょう。

  なお、「Debian / Debian JP ドキュメント」のページには橋本さんが以前翻
  訳された「イントロダクション: Debian パッケージを作る」という文書もリ
  ンクされていますが、内容が古くなってきているので上記の八田さんの文書を
  参考にされたほうが良いでしょう。

  6.  おわりに

  6.1.  お願い

  ここまで、とりあえず書けた部分だけでまとめてみましたが、まだまだ不足し
  ている情報があるはずです。「これも追加して欲しい」という意見をお持ちの
  方は是非教えて下さい。よろしくお願いします。

  6.2.  謝辞

  この「Debian Tips ( Debian 便利技集)」は Debian JP の users ML で見か
  けたアイデアがもとになって誕生しました。特に名前を挙げませんが、アイデ
  アを提供して下さった方々にこの場を借りてお礼を差し上げます。

  また、この文書でも参照している「 Q & A」をまとめられた鵜飼さんや
  Debian の Web Site 日本語訳に貢献されている遠藤さんを始め、パッケージ
  の開発、文書 や Web の整備、ftp サイトの管理などに活躍されている
  Debian JP プロジェクトの方々、それにこの素晴しいシステムを作り出した
  Debian プロジェクトの方々、そしてまた Linus 氏と RMS 氏にも感謝を捧げ
  ます。

  6.3.  この文書の配布について

   copyrighted (c) 1999 Taketoshi Sano

  この文書は GNU パブリックライセンス (GPL) バージョン 2 かそれ以降の条
  件、あるいは標準的な Linux ドキュメントプロジェクト (LDP) の条件に基づ
  いた配布ならば自由にしていただいてかまいません。これらのライセンスはこ
  のドキュメントが入手できるようなサイトから入手できます。LDP の条件は
  (翻訳をのぞく) いかなる修正も許可していません。修正されたバージョンは
  GPL の基でのみ配布されるものとすることが可能です。

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     #わたしのおうちは浜松市、「夜のお菓子」で有名さ。
    <xlj06203@xxxxxxxxxxx> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)