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[debian-users:17948] Re: Netscape に日本語入力と綺麗な表示



メーリングリスト、ひいてはLinuxコミュニティ全体を思っての苦言、頭がさがります
。


On Wed, 22 Sep 1999 21:47:38 +0900, N.Ogiso <ogiso@xxxxxxxxxxxxx> wrote:
>こんにちは。
>
>> まずくないと思います。日本の法律というのは日本国内では必ず守らなければ
>> なりませんが、ライセンス云々といういうのは法律でもなんでもありません。
>
>もちろんライセンス自身は法律ではあるとは思っていません。権利を守る
>法律があって、その権利内容を表現しているのがライセンスだと思ってい
>ます。つまりライセンスが主張する権利は法的に守らなければならない
>ものだと思っていたのですが違っているのでしょうか。
>

商取引成立を契約とよび、この場合契約とはライセンス(使用許諾)に同意し所定の料金
を払い、引き換えに OS の使用権を受けるということです。契約が成立すればライセン
スは法的効力を持ちますし必ず守るべきで、守らなければ民事訴訟に発展する可能性が
あります。

それではこのケースの場合契約者が契約にあたって「1CPU, 1HDD上で契約者本人がその
マシン上の他のOSから自分のためにOS附属のデータを使ってはならない」、というよう
な主旨を含む条件に合意したといえるでしょうか。まず一般人の普通の感覚からいって
、そのようには思えないという主張は普通に思えますがいかがでしょう。

契約が成立した後で、事後解釈的に「これはこういう意味だ」ということを付け加えて
文句をいうことは無意味です。ましてやこの場合MSが主張していることは、その根拠を
示すこともできないでしょう。契約時点での双方の合意部分のみが守られなければなら
ない部分です。               

 もちろん契約当時には考えもしなかったような状況というのはあります、ひょっとし
 て今回もこのケースかもしれませんね(こんな寄せ集め商品がはびこるなんてね)。こ
 ういう場合は問題が起こるごとに処理していかなければなりませんが、もちろん契約
 者一方の主張がそのまま通るわけはないですよね。契約は法的には対等なのです。こ
 の場合紛争解決の手段として裁判所なりなんなりが間に立ちあらたな判断基準を形成
 します。これでたとえばDebianでMSフォントが使えなくなったとしても別に法律や相
 手の権利を侵したのでもありません。新な判断基準が具体的になっただけで、その過
 程に不名誉のものは一切介していません。

 法は判断基準が明確でなかったものに対し、処罰することはありません。基準が明確
 でないものは、誰もどう守っていいのかわからず、人々の活動を萎縮させるのみです
 から。


「マイクロソフト(MS)はこう主張している」という事実はもちろん重要なことです。
それではMSが法的に権利をどう主張できるか。まずマイクロソフトがOS使用者に契約違
反があった、債務不履行であると損害賠償を起すとします。あなたが裁判官だとして、
ただ一つの契約条件であるライセンスから、このケースが不履行にあたることを導きだ
し、賠償金の支払いを認められるでしょうか。

単純な損得勘定の立場から見てみましょう。MSはフォントを含むOSを販売し利益を挙げ
た。フォント提供者もMSから報酬をもらっている。この状況で誰かが損をするには、本
来もう1ライセンス必要となる別のマシンにも利用、とか本来もう1ライセンス売れるか
もしれなかった別の人に配布、などといったケースです。このケースでは誰が具体的に
損害を受けているのでしょうか? 具体的問題性がなければ裁判所は訴訟すら受けつけ
ません。

>
>> それを無関係(第三者)な debian-users ML が契約を締結(同意)すべきだとか
>> を前提とする必要はないでしょう。
>
>締結(同意)とかを前提にしているつもりは全くありません。そもそも
> Debina 上での MS 明朝やゴシックの使い方を論じなければ出て
>こない話なのですから。この Mailing List 上で使い方について話し
>合わなければ、この Mailing List がライセンス問題から無関係で
>いられるということです。
>

 消極主義では。不明瞭なものを恐れはじめると、あなたはなにもできなくな
ります 。猥褻概念についてしばしば問題になるのは、この法律が特殊な性質
を帯びているか らです、恣意的であるという...。

>
>私は個人の責任に於いて個人が楽しむ分には全く問題ないと
>思ってます。全ての責任は個人に帰結するのですから。
>ただ、ここの様に広く開かれ様々な人が集まっている Mailing List
>は、ある程度公共性が求められるのではないかと思うのです。
>その様な Mailing List 上でライセンスに絡むかもしれない事が
>行われていてはコミュニティーのモラルが問われることになるかも
>しれないと危惧するのです。
># 色々なご人の御発言を読んでみると、私の考え方には他の人と
># ズレがあるのかもしれませんね。
>

 公共的な場所でしても全くおかしくない議論だと思います。

 そうそう、零細出版社でもなければ、ふつう出版社は保守的です。担当者は法律的に
 吟味した上で、申し分ないと思って出版したはずです。

>
>良く分からないのですが、使用制限と著作権って同義なんでしょうか。
>

 使用制限、は「契約」の内容。著作権は著作権で全く別物です。著作権は自分の創作
 物については自分がコントロールできる、という権利(おおざっぱですけど)。

>
>> > 個人的には、Debian の Mailing List なんですから、MS フォントは
>> > 使っていいのかどうかという事ではなくて、Microsoft がうるさいこと
>> > 言うんだったら、自分達でフリーの高品質なフォントを作って公開して
>> > やろーじゃないかというのが Debian 的に相応しいモチベーションの
>> > 持って行き方ではないのかと思うのですがどうでしょうか。
>>

 今利用できる法律的に問題のないものを有効活用し、浮いた時間で他のことにあてる
 のも、ありだと思います。

# 文句をいわれたらやめる、という人もいるけれどちょっとぐらい喧嘩したほうがお互
いのためでは?

心配するのはもっともだけれども、この件にかんしてははライセンス上問題はないよう
に思われますが、いかがでしょう?

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