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[debian-users:43097] Re: GPLライセンスについて
- From: Yasuo Kawachi <ml@xxxxxxxx>
- Subject: [debian-users:43097] Re: GPLライセンスについて
- Date: Mon, 21 Feb 2005 11:17:19 +0900
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川内申します。大阪で弁護士をやってます。
ライセンス条件の変更の件、武藤さんのおっしゃるとおり、ある一定の時点以降
のライセンスを、別のライセンスに変更することは法的には可能です。
ライセンスというのは結局のところ、ソフトウェアの著作権保有者と利用者との
利用許諾契約です。利用許諾の時点で著作権保有者が提案している条項を受諾す
ることによって契約が成立しますから、その時点で従前とは異なるライセンス条
項が提案されていれば、その新たな条項を元にして利用許諾契約が成立します。
逆にすでに成立した契約を一方当事者の意志で変更することはできません。その
ためすでに利用を開始したソフトウェアについては、その当時の利用許諾条件で
すでに契約が成立しており、その条件が存続することとなります。
また過去にリリースされたバージョンについては過去のライセンス条件が添付さ
れて配布されていますので、過去のバージョンについては、たとえ利用開始(利
用許諾)以前であっても、ライセンス条件を変更することは難しいでしょう。
一方、新しいバージョンであれば、その新しいバージョンに添付するライセンス
条項を別のものにすれば、そのバージョン以降のライセンスを別のものに変更で
きることになります。
なおライセンス条件を別のものに変更する場合には、対象となっているソフト
ウェアの著作権者全員が、ライセンスをその別のライセンスに変更することに同
意していることが必要です。そのため、リナックスカーネルのように、無数のプ
ログラマーがコミットしている場合には、全員の同意を取り付けるのは非常に難
しいですから、ライセンスの変更は事実上不可能でしょう。
MySQLは先日ライセンス体系を変更しましたが、あれはMySQLABがす
べてのコミッタとそのソースコードを押さえているから可能になのです。ちなみ
にこのようにコード全体の権利を押さえていると、以前のMySQLの様に、ク
ローズドライセンスとGPLの両方でリリースするということも可能です。
以上ご参考まで。
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弁護士 川内康雄
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ITと知的財産の法律情報
http://www.homu.net
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Kenshi Muto wrote:
> 武藤@Debianぷろじぇくとです。
>
> At Mon, 21 Feb 2005 01:34:40 +0900,
> m.n wrote:
>
>>PHPのメーリングリストを検索しても、この事に関して答えが見つからなかった
>>し、このメーリングリストを検索しても論議がなかったので投稿してみました。
>
>
> なぜPHP/LGPLライセンスの質問にDebian-Usersを選んだのかの理由も聞きたい
> ところですな :-)
>
>
>>GPLライセンスのソフトはずっとGPLの元にある(ゆるぎない)と思っていました
>>が、下記の文章を読んでビックリしました。
>>http://www.php.gr.jp/project/i18n/license-lgpl.html
>>
>>最初はGPLライセンスでも、後で著作者の意向で好きなようライセンスを変えら
>>れるんでしょうか。
>
>
> 著作権保有者はソフトウェアのライセンスをいつでもほかのものに変更できます。
>
> ただし、すでにGPLやLGPLの下にライセンスしたバージョンのソースコードや
> バイナリに遡及して新しいライセンスにせよ、ということはできません。
>
> 発表された新しいライセンスが不都合なために、過去のライセンスで配布され
> ていたバージョンから派生して新しいプロジェクトが立ち上がる、ということ
> はまま見られることですね。