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Re: devel/join/nm-step4.wml



久保田です。

作業、おつかれさまです。

From: Hidetaka Iwai <tyuyu@xxxxxxxx>
Subject: devel/join/nm-step4.wml
Date: Mon, 13 Jan 2003 23:03:58 +0900

> <A HREF="./newmaint#DebianProject">Debian プロジェクト</A>
> の現在のメンバーのほとんどが、ディストリビューションの 1 つ以上のパッ
> ケージを維持しています。

Debian では、パッケージは「メンテナンス」するものです。これは
なかば慣用句みたいなもので、日本語も「メンテナンス」で統一したほうが
いいと思います。


この次の文が抜けています。
However there are many other jobs that need to be done 
that do not involve package management. 
です。「しかし、パッケージを取り扱う以外にも、必要な仕事が
たくさんあります」といった感じでしょうか。

> <A HREF="./newmaint#AppMan">応募管理者</A>は
> <A HREF="./newmaint#Applicant">応募者</A>について、ただ応募者がどの仕事を進んで
> したいと思っているかを解決するでしょう。

この文は (原文が) 難解ですね。応募者が「自分はいったい何をしたいのだろう」
と思っているのを、応募管理者は「あなたはこれをしたいんじゃないのですか?」
と教えてあげる、というイメージだと応募者が幼稚に過ぎますし。たぶん、
応募者は自分がしたいことは当然分かっているけど、それが Debian の組織と
しての仕事の枠組みのなかでどういう位置づけになるのかは十分理解している
とは言えなくて、その部分について応募管理者が助言を行い、実際にやるべき
仕事の内容を決めていく、というふうなイメージなんじゃないかと思います
(超訳ですが)。でも、原文の「just」がどういう意味なのか、分からないです。



> 次の仕事は、応募者に有用な様々
> な仕事の明らかな例ですが、必ずしも応募者が面白いと思い、集団にと
> って生産的だと考えるようなものを全て含んでいるわけではありません。

「次の仕事は」→「以下に示す仕事は」「以下に示すのは」
(「次の仕事」だと、順序的に次に行う仕事、という意味になりかねません。
ここでは、この段落の次に示している箇条書きのことを指しています)。

task と job って、どう違うのでしょうか? もし違いがあったとして、
いまの文脈で、その違いは重要な意味を持ってくるでしょうか?

「応募者に有用な様々な仕事」→「応募者ができる様々な仕事」
(ここで、仕事は、応募者が「この仕事がしたい」と考える対象となる仕事です)。


「応募者が面白いと思い」→「応募者が興味を持ち」
これは好みの問題ですのでどっちでもいいと思います。

「集団」
原文が「group」となっていますが、なぜここで「group」と言うのか、
ぼくには理解しかねます。たぶん Debian Project のことを指しているのと
思うのですが、なぜ Debian Project あるいは project と書かずに group
と書くのでしょう。なにか意味があるのでしょうか...

「必ずしも」
これを受けるのは「含んでいるわけではありません」で、少々遠いので、
「〜考えるようなものを、必ずしも全て含んでいるわけではありません」
と、語順を変えるといいと思います。

> 追加の仕
> 事が応募管理者と応募者で決められるかもしれませんが、
> <A HREF="./newmaint#Committee">NM 委員会に</A>認可を求めて提出されなけれ
> ばなりません。

task という言葉は、仕事一般ではなく、以下の箇条書きで示す仕事のことを、
この文章では意味しているように思います。つまり、以下の箇条書きで示す
以外のことをやりたいときは、認可が必要だ、という意味だと思います。
たんに「追加の仕事」だと、応募者が最初「これをしたい」と言って応募して
きたのに対しての追加、という意味になってしまいますが、そうではないと
思います。(英文としてはそういう意味でも通りますが、そんなことでいちいち
認可が必要だとは思えません)。

> 仕事の例は</P>
> <UL>
>     <LI>パッケージ管理</LI>
>     <LI>ドキュメンテーション</LI>
>     <LI>デバッキングと検査</LI>
>     <LI>インフラストラクチャ</LI>
> </UL>
> <P>です。</P>

「デバッギング」ですが(キに濁点)、英語だと名詞にするために ing が
つきますが、日本語だとそういう都合は無関係ですので、ふつうに
「デバッグ」でいいと思います。


> <H3>B. 技能</H3>
> <P>
> 応募者に何が求められるかは、どの仕事がなされるかに依存するでしょう。

「依存するでしょう」→「依存します」でいいと思います。


> <A HREF="./newmaint#Applicant">応募者</A>は彼等が進んでしたいと
> 思う仕事を、彼等が実際にできるということを保証しなければなりません。

volunteer の日本語訳は、誰もが悩むところだと思います。
ここは、「進んでしたいと思う」→「したいと思う」とさらっと流しても
かまわないのではないでしょうか。

2回目の「彼等が」は削除でいいと思います。

「provide assurrance」は「保証を提供する」ですが、「示す」「証明する」
というふうなことを言いたいのだと思います。


>      <DT>A. パッケージ管理:</DT>
>      <DD><P>
>      もし応募者が Debian のパッケージを管理するつもりであるなら、
>      それらの技能をいくらか示すことが必要とされます。第一選択は応募者
>      に`みなしご'化されたパッケージを引き取ってもらうことですが、他の
>      便利なパッケージも適任です。</P></DD>

これは好みによると思いますが、英語の「some」は省略でもいいと思います。

「第一選択」でも意味は分かりますが、ここでは「技能」を「示す」ための
具体的な方法の the first choice ですので、「最も良い方法」などにするのが
いいと思います。

「適任」ですが、日本語だと擬人法で「適任」という言葉を使うのには
ちょっと抵抗があります。「他の便利なパッケージでもかまいません」
とかでいいのではないでしょうか。


>      <DT>B. ドキュメンテーション:</DT>
>      <DD><P>
>      応募者はこの分野では man ページを持っていないパッケージのために
>      man ページを作ることによって、時代遅れの文章を編集して最新にする
>      ことによって、または必要とされているけれどディストリビューション
>      に欠けている文章を作ることによって技能を示すでしょう。</P></DD>

原文の文章全体の組み立てが一風変わっているので、うまく訳す必要が
あります。

「応募者はこの分野では、man ページを持っていないパッケージのために
man ページを書いたり、古くなった文書に手を加えて最新の内容にしたり、
ディストリビューションに必要とされているけど欠けている文書を作ったり
することによって、技能を示すことができます。」

あるいは、文を分けてしまっても構いません。

「応募者はこの分野では、以下の方法で技能を示すことができます。
man ページを持っていないパッケージのために man ページを書くこと。
または、古くなった文書に手を加えて最新のないようにすること。
または、ディストリビューションに必要とされているけど欠けている
文書を作ったりすること。」


ちなみに、「文章」じゃなくて「文書」だと思います。


>      <DT>C. デバッキングと検査</DT>
>      <DD><P>
>      応募者はこの分野では Debian 品質保証チームとバグを修正したり、また
>      はインストールの過程や個々のパッケージを検査チームと検査したりす
>      ることによって技能を示すでしょう。応募者は現存する Debian パッケ
>      ージのバグを直したり、Debian BTS に問題を記述したりパッチを添え
>      たりして、バグ報告を提出することができます。もしくは彼等は既に提出
>      されているバグを修正して、パッチを BTS に送ることができます。</P></DD>

ここは may じゃなくて will が使われていますが、やはり
「技能を示すでしょう」→「技能を示すことができます」でいいと思います。
(応募者が読むことを想定した文章なので、「応募者は〜するでしょう」は
変だと思います)。


>      <DT>インフラストラクチャ:</DT>
>      <DD><P>
>      これらの仕事は、応募者が手伝いたいと願う仕事をやっている現在のメンバからの
>      協力を必要とするために、これらの仕事を申請することは他のものを申請すること
>      に較べより複雑です。


これも一文が長いので、工夫しないと読みにくくなってしまいます。
文の構造をできるだけ簡潔にする方向で、修正を試みます。

「ために」は、理由を示す以外にも、目的を示すためにも使える多義的な
言葉なので、「ので」に置き換えます。「〜協力を必要とするので、」。

「これらの仕事を申請することは」→「この分野への申請は」

「他のものを申請することに較べ」→「他分野への申請に比べて」

「より複雑です」→「複雑です」(英語だと比較の時には必ず比較級の
形容詞を使わなければなりませんが、日本語だと「〜と比べて」とあれば
比較をしているのは明らかです)。

全体として、

「これらの仕事については、これらの仕事をやっている現在のメンバからの
協力を必要とするので、この分野への応募は他分野に比べて複雑です」

で、いかがでしょうか。

> 技能の検査のあるものは健在のチームと応募管理者、そして
>      応募者の間で解決されます。</P></DD>

ここでは、応募者が Debian メンバにふさわしい技能を持っているかどうかを
調べることが「検査」 (原文では skill testing) で、「解決」 (原文では
work out) はその検査を実施することを意味していると思います。

また、ここでは some は「何らかの」といった意味になると思います。

「現在のチーム」 (current team) は、応募者がやりたいと思っている仕事を
現在担当している人々のことだと思いますが、これを日本語訳にうまく
盛り込むのは難しいです。

「何らかの技能テストが、現在のチーム・応募管理者・応募者のあいだで
実施されます」で、いかがでしょうか。


> <P>
> 証明のための代わりの仕事は
> <A HREF="./newmaint#Applicant">応募者</A>と
> <A HREF="./newmaint#AppMan">応募管理者</A>の間で解決されます。
> そのような代わりの仕事は
> <A HREF="./newmaint#Committee">NM 委員会</A>.
> の他の人々の許可を必要とします。
> </P>

強い自信があるわけではないですが、いままで技能があることを証明する
方法を紹介してきたので、別の証明法でもいいよ、という話をしている
のだと思います。

もしかしたら、(job ではなく) task という語が使われているので、
上記の箇条書きの4分野以外の仕事をしたい場合の話かもしれません。

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久保田智広 Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.org>
http://www.debian.or.jp/~kubota/