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Re: Subject of Debian JP Project



佐野@浜松です。

In <19990819065944K.shishamo@osk2.3web.ne.jp>,
 at Thu, 19 Aug 1999 06:59:44 +0900,
 on Re: subject of Debian JP Project,
  "Katsura S. Yoshio" <shishamo@osk2.3web.ne.jp> さん writes:

> From: Taketoshi Sano <xlj06203@nifty.ne.jp>
> Subject: Re: subject of Debian JP Project
> Date: 17 Aug 1999 23:14:34 +0900
> Message-ID: <y5a7lmua3zp.fsf@xlj06203.nifty.ne.jp>

> > とりあえず jp-policy ML のアナウンスを先に出したいと思います。
> > 
> > # 「JP メンバー以外」からの発言がどれくらい出てくるのか、
> > # そのへんも見ておきたいので。
> 
> ですね。

# 今のところ、「メンバー以外」からの発言は無いみたいですね。。。

以下、書きかけで放置してあったメールですが、このまま手元に置いてあっても
仕方無いので取りあえず今できる部分だけ編集して、投げてみることにします。

# "Release fast, Release often" だっけか。

 === === ===
なんとか ML のアナウンスも出せましたので、「JP Project の目的・理念」に
関する議論を進めたいと思います。

引用の順番が前後しますが

> > 私の考えでは、「背景」としてまず Debian Project の「Social Contract」と
> > その前提である「Debian 宣言」があり、そして現在の Debian Project の状況、
> > つまり最近の debian-devel@lists.debian.org での議論などを踏まえておく
> > べきであると思います。

これについて。まず "Debian JP Project" が "Debian" の普及のためのプロジェクト
であるということは共通認識として良いと思います。

そして、ここで言う "Debian" とは、「Debian Project が開発・配布する
Debian ディストリビューション」のことであって、「dpkg / deb パッケージ
管理システムを採用した "Debian 風" システム」のことではありません。

# http://www.debian.or.jp/DebianJP.html.{ja,en} 参照

これについて、何か異議のある方はいますか ?

<余談>

ある ML で

  | > > Debianの、「なんでもアリアリ」なパッケージ配布は、その肥大化から
  | > > 「わかりにくさ」を生み出し、そのアンチテーゼとして Diceやでびまる
  | > > が発表されたのではないでしょうか?Turbo Linuxも、Server版と分けたのは、
  | > > 全てを一本で賄うことの問題に気が付いたのだと思います。
  | > 
  | > Turbo Linux のほうは知りませんが、Dice や Debimaru が
  | > 「Debian の「なんでもアリアリ」に対するアンチテーゼ」という
  | > 見かたは誤解だと思います。
  | 
  | あ、両者の関係を考えると「アンチテーゼ」という言葉は不適切ですね。
  | 失礼。
  | 
  | > Dice も Debimaru も「インストールのし易さ」に重点を置いたアプローチであり、
  | > 「なんでもアリアリ」なパッケージ配布自体についてはむしろ積極的にそれを
  | > 利用しようという方向のはずです。
  | 
  | うーん、利用するのは、独立したディストリビューションたるDebianのパッケージ
  | の流用ですよね。すくなくとも、独立したディストリビューションたるでびまる
  | としては、http://llc.linet.gr.jp/~yochi/debimaru/concept.htmlの先頭に
  | 『膨大なパッケージ数はDebian GNU/Linuxの長所であり、短所でもあるので、
  | 「でびまる」では、必要最小限のパッケージを収録することにより、Debian 
  | GNU/Linuxの導入、運用を簡単にします。』
  | と明記しているので、「でびまるとして入れるパッケージは減らそう」と
  | していますね。
  | 
  | # ちなみに、上記引用のうちの、前の"Debian GNU/Linux"は、ディストリ
  | # ビューションを指し、後の"Debian GNU/Linux"は、システムもしくは文化
  | # をさしてますよね?

というメールを読みましたが、"Debian JP Project" が普及に努めている
"Debian" とは「システムもしくは文化」としての "Debian" (なんだそりゃ) 
ではなく、"Debian Project" が開発・配布する「ディストリビューション」
としての "Debian" なはずです。

</余談>

さて、Debian Project の「社会契約」は

   1. Debian Will Remain 100% Free Software
   2. We Will Give Back to the Free Software Community
   3. We Won't Hide Problems
   4. Our Priorities are Our Users and Free Software
   5. Programs That Don't Meet Our Free-Software Standards

ですが、これらは

   Debian, the producers of the Debian GNU/Linux system, 

にとって意味のあるものです。Debian JP Project は Debian システムの
普及を目的とした団体ですが、Debian システムの開発を行なっている団体
ではありませんから、上記の各項目がそのまますべて有効であるとは言えない
のではないか、と私は思います。

何が必要なのかと言えば、

   Message-Id: <19990827084740Y.kohda@pm.tokushima-u.ac.jp>

  | ここが JP は難しいんですよ。Debian は主体そのものですが 
  | JP は違います。(説明になってませんが判りますよね)

という部分を明確に説明するためのもの、つまり

  「Debian JP Project は Debian Project の supporters であり、
    replacement でも successor でもない。」

ということを外部に納得してもらえるようなもの、です。

# すくなくとも私はそう思ってます。

これは「当面の方針」とか「現時点での合意事項」とかではなく、
「理念」や「契約」の対象とするべき「基本となる約束」だと
思ってます。

で、これを基本に置いた上で、現在の devel@Org における JP Merge Operation に
関する論争などについて考えてみると、Debian Project に対する「姿勢」として
 "Official Debian XX Packages" をリリースするというのは、彼らの "fork" を
嫌がる心理を考慮すると、かなりな冒険だったな、という気がしてます。

もちろん日本国内での状況を考えれば、"Official JP" には「普及」という点で
それなりの効果があったということを私自身実感しているのですが、(そして
それは機会があれば、ちゃんと Org のメンバーにも説明したほうがいいんじゃ
ないかと思ってるんですが) 「対 Debian」の関係を考慮すると、やっぱり今後は
"JP Project" として "Official Debian JP" という名前でリリースするのは、
ちょっと自粛したほうがいいんじゃないかな、というふうに考えてます。

もし不幸にして、どうしても potato に対していくつかの JP Packages を追加する
必要が生じてしまった場合でも "Temporal Solution" とか "interim release" とか
いう名前で出して、「次のリリースでは Official Debian に採用されるんだ」という
ことをアピールするほうがいいだろうな、という気がします。

# ところで、Dice の成果というのは potato の boot floppies に間に合うんでしょうか ?
# もし間に合いそうに無いのなら、とりあえず potato 用の boot floppies 作成作業に
# 協力してあげるということはできませんか ? 何だか Debian でイロイロ議論している
# 様子だし。最近参加したメンバーでも役に立つんだぞ、というところを見せたいという
# 気持はあるんですが (debian-boot ML も読んではいますが) 何がどうなってんだか
# 今ひとつ伝わってこない、、、

で、そういうこと (対 Debian の関係) を考えると、Dice やでびまるのような
「Debian ベースの派生ディストリビューション作成」という作業を JP Project の
内部で進めることには、私は賛成できません。

Project Dice の主張する「Debian のインストール手順改善」という点に絞れば、
JP Project として関与していってもいいとは思うのですが、それは JP Project の
内部で進めるべきではなく、debian-boot に出かけていって向こうを舞台に (いわば
出稼ぎ的に) 進めるべきだろうと思ってます。

そういう意味で、JP Project として (派生ディストリビューション作成
プロジェクトとしての)「Project Dice」や「でびまる製作委員会」に対して
出すコメントは、Debian が Storm や Corel に対して出すのと同じような
トーンにしたほうがいいのかな、という気もしてますね。

# Corel, KDE との「戦略的提携」の際に Debian announce ML に流れた
#  Wichert のコメントは
#  
#  "I am very happy to see Corel taking this step into the Open Source world 
#  and cooperating with non-commercial organizations such as Debian and KDE," 
#  said Wichert Akkerman, Debian's project leader. "By combining Debian's 
#  strengths, which include having a large number of developers, a very open 
#  development model and a public bug tracking system, with the experience 
#  Corel has with making office and desktop products, I think we will be able 
#  to produce an outstanding system with the best of both worlds."
#  
#  でした。

まだ「どういうアナウンスを出すべきか」というところは詰めてないのですが、
とりあえず「Debian の派生ディストリビューション」を作成する作業を
 Debian JP Project の中で行なうべきでは無いのではないか、と考えている
ことだけは書いておきます。

以上。

-- 
     #わたしのおうちは浜松市、「夜のお菓子」で有名さ。
    <xlj06203@nifty.ne.jp> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)