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[debian-devel:02084] New Debian libc5 to libc6 Mini-HOWTO



八田です。
Debian libc5 to libc6 Mini-HOWTO の新版です。
ご参考にどうぞ。
原文は文中にある URL にあります。再配布の許可はとってます。
HTML 版も作ったんですが、ドキュメントのページに入れてもらえますか?
   > 鴨志田さん

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  Debian libc5 to libc6 Mini-HOWTO
  Scott K. Ellis, storm@xxxxxxxx 著
  Hatta Shuzo, hattas@xxxxxxxxxxxxxx 訳
  $Id: libc5-libc6-Mini-HOWTO.sgml,v 2.9 1997/10/14 02:46:50
  storm Exp $

  1.  はじめに

  Debian project では現在 Debian システムの次期リリースをまとめている最
  中です。このバージョンから libc6 を利用できるようになります。libc6 は
  以前の libc5 に代わるもので、沢山の点で機能強化され、Linux C ライブラ
  リを GNU プロジェクトのものと再び同期をとるようにしたものです。新旧両
  方のライブラリの動作環境、開発環境をそろえることで、古いソフトウェアも
  利用し続けられるように、リリースをまとめようとしています。ですが、新し
  いリリースのパッケージは全て新しい C ライブラリとリンクされるでしょ
  う。そのため、稼働中のシステムに開発ツリーの unstable ブランチからパッ
  ケージをインストールするのがすこしばかり難しくなっています。作業中にシ
  ステムが立ち上がらなくなってしまう可能性もわずかながらあります。このガ
  イドは、そのような問題につまずかないように手助けします。

  1.1.  新しい変更点

  o  /etc/nsswitch.conf の註を更新。

  o  glibc 2.0.5c の vthunk の変更に関する註を追加。

  o  必須アップグレードから bash のアップグレードを分離。

  o  dpkg-ftp を使ったアップグレードの方法についての註を追加。

  o  NIS と libgdbm (perl) 問題についての註を追加。

  o  libc6 ベースの e2fsck が大きなパーティションに悪さすることの註。

  1.2.  最新版の入手法

  この Mini-HOWTO の最新版は以下の場所から入手できます。

  o  <http://www.gate.net/~storm/FAQ/libc5-libc6-Mini-HOWTO.html>

  o  <http://www.gate.net/~storm/FAQ/libc5-libc6-Mini-HOWTO.txt>

  o  <http://www.gate.net/~storm/FAQ/libc5-libc6-Mini-HOWTO.sgml>

  o  <ftp://ftp.debian.org/pub/debian/doc/libc5-libc6-Mini-HOWTO.txt>

  o  <ftp://ftp.debian.org/pub/debian/doc/libc5-libc6-Mini-
     HOWTO.html.tar.gz>

  1.3.  著作権と免責事項

  この Mini-HOWTO は LDP の他の HOWTO 文書と同様の条件で著作権で保護され
  ており、また同様の条件で配布しても構いません。

  いつものように、この文書は無保証です。書かれていることは、筆者の個人的
  な実体験に基づくものです。新規にインストールした 1.3.1 バージョンのシ
  ステムでは動いていますが、お使いの使用環境はさまざまでしょう。意見や訂
  正は storm@xxxxxxxx までお願いします。

  (訳注 この節にかぎり原文も引用します)

  This Mini-HOWTO is covered by the copyright of and may be further
  redistibuted under the same terms as other HOWTOs from the LDP.

  As always, this document comes with NO WARRANTY.  These comments are
  based on my personal experience and experimentation.  While this
  worked for me off a freshly installed v1.3.1 system, you mileage may
  vary.  Please send any comments or corrections to storm@xxxxxxxxx

  2.  Requirements

  2.1.  Minimum Requirements

  unstable ブランチのパッケージを実行できるようにするために最低限インス
  トールしなければならないパッケージのリストは以下のものです。これらの
  パッケージは一度に一パッケージづつ、リストに書かれているそのままの順番
  でインストールしてください。書かれているバージョンは、勧められる最小の
  バージョンです。より新しいバージョンでも動作するでしょう。

  o  ldso_1.9.5-1

  o  libc6_2.0.4-1

  2.2.  bash のアップグレード

  ldso と libc6 さえあればインストールできる libc6 パッケージが多いので
  すが、おそらく他のパッケージもいくつかアップグレードしたくなると思いま
  す。 bash-2.01 が Netscape やヘルパアプリケーションと起す問題が解消さ
  れたので、bash はアップデートが必要となりやすいパッケージの一つです。
  ですが、bash は、アップグレードに失敗したときにシステムが使えなくなっ
  てしまう数少ないパッケージの一つでもあります。下記のパッケージを一度に
  一パッケージづつ、リストに書かれているそのままの順番でインストールして
  ください。

  重要: これらのパッケージを dselect でインストールしようとしたら、 bash
  が利用できなくなり、したがってシステムが使えなくなる可能性が極めて高い
  です。

  o  ncurses3.0_1.9.9e-2

  o  ncurses3.4_1.9.9g-3

  o  libreadline2_2.1-4

  o  libreadlineg2_2.1-4

  o  bash_2.01-2

  2.3.  その他の推奨パッケージ

  ここに挙げたパッケージは、unstable のパッケージが機能するために絶対に
  欠かせないというものではありませんが、それでも非常に有用なものです。新
  しい dpkg-dev は unstable のソースアーカイブを展開するのに必要ですし、
  新しい dpkg-ftp はシステムを unstable ディストリビューションへアップグ
  レードする際に、dselect の ftp メソッドを利用したい場合に必要になりま
  す。

  o  libg++272_2.7.2.5-2

  o  dpkg_1.4.0.19

  o  dpkg-dev_1.4.0.19

  o  dpkg-ftp_1.4.9

  2.4.  その他の衝突の可能性

  perl はたくさんのパッケージのインストールスクリプトで使われているの
  で、ライブラリのアップグレードに問題があると perl が一時的に使用不能に
  なり、他のパッケージのインストールにも失敗するようになります。安全のた
  めに、perl をアップグレードする前に新しい libgdbm1 と libgdbmg1 パッケ
  ージをインストールしてください。

  3.  開発

  libc6 で開発したいのでしたら、まずシステムの'-dev'パッケージを全て削
  除(purge)しましょう。新しい開発システムでは'-dev'で終わるパッケージは
  libc6 での開発用で、'-altdev'で終わるパッケージは libc5 での開発用にな
  ります。最新の libc5 パッケージをインストールできますし、同様に libc5
  での開発を続けたいなら altgcc パッケージをインストールすればできます。
  新しい libc6 向けにまだリコンパイルできていないライブラリも、いくつか
  あります。アップグレードする前に、開発に重要なライブラリが利用できるか
  確認してください。libc5 ベースのライブラリを libc6 ベースのプログラム
  とリンクすると結果は予測できません。

  4.  関連事項

  4.1.  libc6_2.0.5c-0.1 へアップグレードする

  libc6 と libg++ で vthunk の扱いが変更されたので、libc6 をアップグレー
  ドする際には少くとも libg++272_2.7.2.8-0.1 へアップグレードする必要が
  あります。

  4.2.  bash をアップグレードする

  bash_2.01-1 パッケージは libreadlineg2_2.1-3 (以降) をインストールして
  おく必要があります。新しい libreadlineg2 パッケージをインストールする
  前に新しい bash パッケージをインストールしたら、システムが破壊されま
  す。bash_2.01-2 には適切な predepends が設定されていますが、もしかした
  らミラーサイトに行き渡っていないかもしれません。

  4.3.  /sbin/e2fsck

  e2fsprogs_1.10-4 に入っている e2fsck プログラムにはバグがあります。
  2GB を越えるパーティションのデータを破壊してしまうというものです。
  e2fsprogs_1.10-5 に含まれているバージョンではこのバグは修正されていま
  す。重要:古い libc6 ベースの e2fsck を 2GB 以上のパーティションに対し
  実行したら、データが消えてしまいます。

  4.4.  /usr/bin/gencat

  現在、man-db と libc6-dev パッケージはどちらも /usr/bin/gencat を含ん
  でいることに注意してください。libc6-dev に含まれる gencat は man-db と
  一緒に使うとセグメンテーションファールトを引き起こす、と報告されていま
  す。このような現象に出会ったら、man-db を libc6-dev の後に再インストー
  ルすることもできます。

  4.5.  /etc/nsswitch.conf (NIS/YP)

  NIS/YP の扱いが libc6 を使う場合に少し変更されました。NIS を使っている
  なら、おそらく /etc/nsswitch.conf を変更する必要があります。 compat オ
  プションを使うと libc5 の動作と同じようになります。 networks の行を
  files dns から files へ変更すべきです。これによりネットワーク設定プロ
  グラムがホスト名を解決しようとするのを抑制できます。

  4.6.  FTP を使って unstable にアップグレードする

  ftp サイトのディレクトリ構造は、いくぶん修整されました。contrib と
  non-free セクションが main セクションの横に置かれています。contrib と
  non-free がアーカイブの以前の部分(libc45対応部分)と同期がとれなくなる
  のを避けるためです。ftp 経由でシステムを更新しているなら、dpkg-ftp に
  与える正しい情報は以下のようになります。

  o  debian ディレクトリには /debian と入力してください。

  o  取ってくるディストリビューションには dists/unstable/main
     dists/unstable/non-free dists/unstable/contrib と空白で区切って並べ
     て入力してください。

  4.7.  libc5_5.4.33-6

  Debian 1.3.1r4 には libc6 と衝突する libc5 へのアップデートが含まれて
  います。この衝突は、ロカールの扱いと、utmp/wtmp ファイルのフォーマット
  の問題に対処するために追加されました。衝突が定義されていない libc5 の
  古いバージョンは、開発用のライブラリと一緒に
  <ftp://ftp.gate.net/pub/users/storm/>に置いてあります。

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// 日本インターシステムズ(株) 共通システム部 八田修三
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