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dpkg(8)



えっと、たしか4度目です。dpkg_1.4.0.23.2のdpkg(8)です。
今回は、“--selected-only”のよくわからないところを切ってみました。
-- 
喜瀬“冬猫”浩@南国沖縄

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名前
       dpkg - Debian GNU/Linux 低レベルパッケージマネージャ


書式
       dpkg [オプション] アクション


警告 警告 警告
       このマニュアルは記述されたときから正確ではなく、今では内容
       も古くなっている。

       このマニュアルはあまり正確ではないため、パッケージ管 理 者
       は、 dpkg がどのようにパッケージをインストールするのかを理
       解するという目的では、このマニュアルを読まないほうがよい。

       このマニュアルは、 dpkg のコマンドラインオプションやパッケ
       ージ状態について、 dpkg --help では得られない、より詳細 な
       情報を知りたい場合のためのものである。

       パッケージをインストールするときや削除するときの dpkg の動
       作に関する記述は、特に不十分である。よりくわしい情報につい
       て は、  Gnu  Info  システムの ガイドライン集にある Debian
       Packaging Guidelines を参照すること (訳注: Gnu Info 形式の
       パッケージに関するガイドラインはない。 /usr/doc ディレクト
       リに置かれている)。


説明
       dpkg は、Debian GNU/Linux のパッケージの、インストール、構
       築、 削 除、管理をするためのツールである。 dselect(8) は、
       dpkg の代表的なフロントエンドで、よりユーザフレンドリな ツ
       ールである。 dpkg とコマンドラインパラメータで、パッケージ
       管理に関するすべてを制御する。コマンドラインパラメータは、
       複 数のオプションと、1つのアクションで構成される。アクショ
       ン・パラメータは、dpkg に何をさせるのかを指定し、オプ ショ
       ンはそのアクションのふるまいを制御する。

       また、 dpkg は dpkg-deb のフロントエンドとしても使うことが
       できる。 -b , --build , -c , --contents , -I , --info , -f
       ,  --field , -e , --control , -x , --extract , -X , --vex-
       tract そして --fsys-tarfile といったアクションは  dpkg-deb
       の ア クションであり、 dpkg にこれらのアクションを指示する
       と、単に同じパラメータを与えた dpkg-deb を起動する。これら
       の ア ク ションについては、 dpkg-deb(8) にくわしい情報があ
       る。


   アクション
       dpkg -i | --install <パッケージファイル名> ...
              指定したパッケージをインストールする。もし --recur-
              sive または -R オプションを指定する場合、 <パッケー
              ジファイル名> の代わりに、参照するディレクトリを 指
              定しなければならない。

              インストールは、以下の手順で構成されている。
              1.   インストールするパッケージの制御ファイルを取り
              出す。
              2.  もし同じパッケージの別のバージョンがすでにイ ン
              ス トール済みの場合、インストール済みのパッケージの
              prerm スクリプトを実行する。
              3.  もしパッケージが preinst スクリプトを提供してい
              る場合、それを実行する。
              4.   ファイルを展開する。同時に、失敗して元に戻すと
              きのために、古いファイルを保存する。
              5.  もし同じパッケージの別のバージョンがすでにイ ン
              ス トール済みの場合、先にインストールされていたパッ
              ケージの postrm を実行する。このスクリプトが、新 し
              いパッケージの preinst の後に実行される、つまり新し
              いファイルが書き込まれて古いファイルが削除された 状
              態で実行されることに注意すること。
              6.   パッケージの設定をする。これがどのように実行さ
              れるか、 --configure の項にくわしい情報がある。

       dpkg --unpack <パッケージファイル名> ...
              パッケージを展開する、しかし設定は し な い。 も し
              --recursive  ま た は -R オプションを指定する場合、
              <パッケージファイル名> の代わりに、参照するディレク
              トリを指定しなければならない。

       dpkg --configure <パッケージ名> ... | -a|--pending
              展 開済みのパッケージを再設定する。もし、 -a または
              --pending を指定した場合、まだ設定されていない展 開
              済みのすべてのパッケージを設定する。

              設定は、以下の手順で構成されている。
              1.   設定ファイルを展開する。同時に、何か失敗して元
              に戻すときのために、古い設定ファイルを保存する。
              2.  もしパッケージが postinst スクリプトを提供し て
              いる場合、それを実行する。

       dpkg -r|--remove | --purge <パッケージ名> ... | -a|--pend-
              ing
              インストール済みのパッケージを削除 す る。  --purge
              は、 設 定ファイルを含むすべてを削除する。 --remove
              は、設定ファイルを除いたすべてを削除する(設定ファイ
              ル の 一 覧 は、 conffiles コントロールファイルにあ
              る)。もし、 -a または --pending が指定されている 場
              合、 インストールされていて、remove または purge の
              印のあるパッケージすべてを remove または  purge  す
              る(印は /var/lib/dpkg/status に記録されている)。

              パッケージの削除は以下の手順で構成されている。
              1.  prerm スクリプトを実行する。
              2.  インストールしたファイルを削除する。
              3.  postrm スクリプトを実行する。

       dpkg -A | --avail <パッケージファイル名> ...
              dpkg  や dselect が管理する、どのようなパッケージが
              提供されているかとか、そのパッケージに関す る 情 報
              を、 パッケージ <パッケージファイル名> によって更新
              する。もし、 --recursive または -R オプションを指定
              す る場合、 <パッケージファイル名> の代わりに参照す
              るディレクトリを指定しなければならない。

       dpkg --update-avail | --merge-avail <パッケージ一覧ファイ
              ル>
              dpkg  や dselect が管理する、どのようなパッケージが
              提供されているかいう情報を <パッケージ一覧ファイル>
              によって更新する。 --merge-avail アクションは、古い
              情報に <パッケージ一覧ファイル> の情報を組み合わ せ
              る。  --update-avail アクションは、古い情報を <パッ
              ケージ一覧ファイル> の情報で置き換える。 <パッケ ー
              ジ 一覧ファイル> は Debian GNU/Linux と一緒に配布さ
              れている。名前は単純に Packages である。

       dpkg --yet-to-unpack
              インストールするために選択されたが、何らかの理由 で
              まだインストールされていないパッケージを探す。

       dpkg -l|--list [<パッケージ名のパターン> ...]
              与 えられたパターンにマッチする名前のパッケージを表
              示する。もし <パッケージ名のパターン> が与えられ な
              い 場合は、 /var/lib/dpkg/status にあるインストール
              済みのすべてのパッケージを表示する。 <パッケージ 名
              の パターン> には、標準的なシェルのワイルド文字を使
              用することができる。

       dpkg -L|--listfiles <パッケージ名> ...
              <パッケージ名> パッケージからインストールしたファイ
              ル を表示する。ただし、パッケージ付属のインストール
              スクリプトによって作成されたファイルは表示されな い
              ことに注意すること。

       dpkg -C|--audit
              インストールが完了していないパッケージを探す。 dpkg
              はインストールを完了させるためにどうすればよいか を
              提案する。

       dpkg -S|--search <ファイル名検索パターン> ...
              指 定したファイルがどのパッケージからインストールさ
              れたかを探す。パターンには、標準的なシェルのすべ て
              のワイルド文字を使用することができる。

       dpkg -s|--status <パッケージ名> ...
              指 定したパッケージの状況を報告する。これは、単にイ
              ンストール済みパッケージ状況データベースからの内 容
              を表示している。

       dpkg --help
              簡単なオプション一覧を表示する。

       dpkg --licence
              dpkg のライセンスを表示する。

       dpkg --version
              バージョン情報を表示する。

       dpkg-deb-actions
              このアクションのくわしい情報は dpkg-deb(8) を参照す
              ること。

              dpkg -b|--build <ディレクトリ> [<ファ イ ル 名>]  -
              Debian GNU/Linux パッケージを構築する。
              dpkg  -c|--contents <ファイル名> - Debian GNU/Linux
              パッケージに含まれるファイル一覧を表示する。
              dpkg -e|--control <ファイル名> [<ディレクト リ>]  -
              パッケージから制御情報を取り出す。
              dpkg  -x|--extract  <ファ イ ル名> <ディレクトリ> -
              パッケージに含まれるファイルをすべて取り出す。
              dpkg -f|--field <ファイル名> [<制御フィール ド>...]
              - パッケージの制御フィールドを表示する。
              dpkg  --fsys-tarfile <ファイル名> - Debian パッケー
              ジに含まれる tar ファイルを表示する。
              dpkg -I|--info <ファイル名> [<制御ファイル>] - パッ
              ケージに関する情報を表示する。
              dpkg  -X|--vextract  <ファ イル名> <ディレクトリ> -
              パッケージに含まれるファイルを展開し、ファイル名 を
              表示する。


   オプション
       -B | --auto-deconfigure
              パッ ケージを削除するとき、削除するパッケージに依存
              した別のパッケージがインストールされて場合があ る。
              こ のオプションを指定すると、削除するパッケージに依
              存しているパッケージの設定を取り消す。

       -Dh | --debug=help
              デバッグオプションの一覧を表示する。

       -D<8進数> | --debug=<8進数>
              デバッグモードにする。 <8進数> は、ビットごとに意味
              を持つ8進数で、以下の一覧から望む値を組み合わせたも
              のである (これらの値は、将来のリリースでは変更さ れ
              る可能性があるので注意すること)。

               数値   説明
                  1   一般的に役に立つ進行状況
                  2   管理スクリプトの実行状況と状態
                 10   各ファイル処理の情報
                100   各ファイル処理の大量の情報
                 20   各設定ファイルの情報
                200   各設定ファイルの大量の情報
                 40   依存関係、競合関係
                400   依存関係、競合関係の大量の情報
               1000    dpkg/info ディレクトリなどに関する大量の情
              報
               2000   正気でないほどの大量の情報

       --force-<行為> | --no-force-<行為> | --refuse-<行為>
              何かの行為を強制実行する(force)、 ま た は 拒 否 す
              る(refuse)(no-force  と refuse は同じ意味)。 <行為>
              の部分には、以下の項目をコンマで区切って並べたも の
              がくる。

              downgrade(*):  インストールするパッケージよりも新し
              いバージョンのパッケージがすでにインストールされ て
              いても、インストールをする。

              configure-any: 指定したパッケージに依存していて、す
              でに展開されているが、まだ設定されていないパッケ ー
              ジも一緒に設定をする。

              remove-reinstreq:  壊れていて、再インストールが必要
              だと印をされていたとしても、パッケージを削除す る。
              こ れにより、例えば、 dpkg に管理されないパッケージ
              の一部が残るなどの問題がおこるかもしれない。

              hold: そのパッケージが hold (変更禁止)されていよ う
              がいまいが、それを無視する。

              remove-essential:  essential  と されるパッケージで
              あっても削除する。essential パッケージには、たい て
              い 基 本 的な UNIX コマンドなどが含まれる。これらの
              パッケージを削除すると、システム全体が動作しなく な
              ることもあるので、注意して削除すること。

              conflicts: 他のパッケージと競合してもインストールす
              る。たいていはいくつかファイルを上書きすることに な
              るため、危険である。

              depends: 他のパッケージが依存しても削除する。たいて
              いは依存しているパッケージが動作しなくなる。

              depends-version: 依存関係の確認をするとき、バージョ
              ン を無視する。たいていは依存しているパッケージが動
              作しなくなる。

              (*)の印のついた行為は、デフォルトで強制実行される。
              警 告: これらのオプションは、おもに熟練したユーザが
              使うことを意図したものである。影響を完全に理解し な
              い ままにこれらを使うと、システム全体を壊してしまう
              かもしれない。


       --ignore-depends=<パッケージ>,...
              指定したパッケージに関する依存関係の確認を 無 視 す
              る(実際は、依存関係を確認し、競合に対して警告メッセ
              ージを出して、アクションを実行する)。

       --largemem | --smallmem
              dpkg に対して、メモリを必要なだけ使用するか節約して
              使用するか指定する。

       --new | --old
              パッ ケ ー ジのフォーマットが新しいか古いかを指定す
              る。これは dpkg-deb(8) のオプションである。

       --nocheck
              パッケージを構築するときに、制御ファイルの内容を 読
              むことも確認もしない。これは dpkg-deb(8) のオプショ
              ンである。

       --no-act
              期待される動作をすべて実行するが、どのような変更 も
              書 き込まない。これは、実際にはシステムに何の変更も
              加えずに、指定したアクションで何がおこるのかを確 認
              するためのものである。

              ア クションパラメータの前に --no-act を置くように確
              認せよ。さもなくば、予期しない結果に終わる。 (例 え
              ば、 dpkg --purge foo --no-act は、実際にはシステム
              に何も変更を加えることはないと思うかもしれない。 し
              か し、 こ れ は最初にパッケージ foo を本当に purge
              し、次にパッケージ --no-act を purge しようとする)


       -R | --recursive
              指定したディレクトリを再帰的に検索 し、 み つ け た
              *.deb  というパターンにマッチするファイルをすべて扱
              う。これは、 -i , -A , --install , --unpack そし て
              --avail アクションとともに使うことができる。

       -G     イ ンストール済みのパッケージのほうがバージョンが新
              しければ、インストールしない。これは --refuse-down-
              grade の別名である。

       -R|--root=<ディ レ ク ト リ>  |  --admindir=<ディ レ ク ト
              リ>  | --instdir=<ディレクトリ>
              デ フォルトのディレクトリを変更する。 admindir はイ
              ンストール済みやインストールされていないパッケー ジ
              の 状態に関する情報などを提供する、多数のファイルが
              格納されているディレ ク ト リ で、 デ フォ ル ト は
              /var/lib/dpkg である。 instdir はパッケージがインス
              トールするときに参照されるディレクトリで、デフォ ル
              ト は / である。また、 instdir は、パッケージのイン
              ストールスクリプトが実行される前に chroot(2)  す る
              ディ レ ク ト リ のパスである。つまり、スクリプトは
              instdir をルートディレクトリとみなす。 root を変 更
              すると、 instdir を <ディレクトリ> に、 admindir を
              <ディレクトリ>/var/lib/dpkg に変更する。

       -O | --selected-only
              インストール(またはアップグレード)の指定をされて い
              る パッケージだけを処理する。インストールの指定は、
              dselect や dpkg で行なう。

       -E | --skip-same-version
              すでに同じバージョンのパッケージがインストールさ れ
              ていたら、インストールしない。


パッケージに関する情報
       dpkg  は、いくつかの利用可能なパッケージに関する有用な情報
       を管理している。情報は、 状態、 選択状態、 フラグの3つに分
       類できる。これらの値は主に dselect によって変更される。

   パッケージ状態
       installed
              パッケージの展開と設定が完了している。

       half-installed
              パッ ケージのインストールは開始しているが、何らかの
              理由で完了していない。

       not-installed
              パッケージはシステムにインストールされていない。

       unpacked
              パッケージは展開されたが、設定はされていない。

       half-configured
              パッケージは展開され、設定も開始しているが何らか の
              理由によって完了していない。

       config-files
              パッケージの設定ファイルだけが存在している。

   パッケージ選択状態
       install
              パッケージはインストールするように選択されている。

       deinstall
              パッケージは deinstallation (設定ファイルを除くすべ
              てのファイルを削除) するように選択されている。

       purge  パッケージは purge (設定ファイルも含めてす べ て の
              ファイルを削除) するように選択されている。

   パッケージフラグ
       hold   パッ ケ ー ジ は  hold (変更禁止)されている。これは
              --force-hold で強制しない限り dpkg で扱わないという
              ことである。

       reinst-required
              パッケージは reinst-required されている。これは、壊
              れている状態でインストールされていて、再インスト ー
              ル が要求されているということである。このパッケージ
              は --force-reinstreq で強制しない限り、削除すること
              ができない。


ファイル
       ここに示すファイル一覧はデフォルトの位置である。どのように
       してファイルの位置を変更するかについては、 --admindir オプ
       ションの項を参照すること。

       /var/lib/dpkg/available
              使用できるパッケージの一覧。

       /var/lib/dpkg/status
              使 用できるパッケージの状態。このファイルは、パッケ
              ージに削除の印があるかどうか、インストール済みか ど
              うか、などの情報が含まれている。くわしくは、 パッケ
              ージに関する情報の項を参照すること。

       control
              このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
              すること。

       conffiles
              こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
              すること。

       preinst
              このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
              すること。

       postinst
              こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
              すること。

       prerm  このファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参 照
              すること。

       postrm こ のファイルに関するくわしい情報は、 deb(5) を参照
              すること。


環境変数
       DPKG_NO_TSTP
              任意の値で定義すると、シェルエスケープをしたとき に
              dpkg  を一時停止(suspend)するのではなく、新しいシェ
              ルを起動する。

       SHELL  dpkg が新しいシェルを起動するときに、実際に起動する
              プログラム。


関連項目
       deb(5) , dpkg-deb(8) , dselect(8) , deb-control(5)

バグ
       --no-act の提供する情報はたいていの場合、不充分である。

著者
       Ian  Jackson (ian@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx) は、 dpkg を作成し
       た。 Juho Vuori (javuori@xxxxxxxxxxxxxx) は、マニュアル ペ
       ージを追加した。