[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
Re: dpkg man page (1) 査読依頼
かねこです。
(11/09/11 1:15), TAKAHASHI Motonobu -san wrote:
> 翻訳を進めるうちになんとなく理解してきましたが、修正内容から判断して、
>
> - control.tar.gz そのもの → 制御情報ファイル
> - control.tar.gz 中に含まれるファイル全般 → コントロールファイル
> - 上記アーカイブに含まれる control という名前のファイル
> → control ファイル
>
> という使い分けでよいでしょうか。
正確にはそうではないです。debian-policy 3.9.2.0 から該当箇所を抜いておきます。
<quote>
制御情報ファイル群と、Debian コントロールファイルフォーマット間に
残念ながら用語の衝突があります。この文書では、<em>コントロールファ
イル (control file)</em> は Debian コントロールファイルフォーマッ
トにそったファイルを指します。
それらファイルについては <ref id="controlfields"> で文書化されてい
ます。
<em>制御情報ファイル</em> として参照されるファイルとは、バイナリパ
ッケージで利用される <file>.deb</file> ファイルフォーマットの制御
情報ファイルのメンバとして含まれているもののみです。
殆どの制御情報ファイルは、Debian コントロールファイルフォーマット
ではありません。
</quote>
> ○衝突と競合
>
> 元の訳が「衝突」となっていたので、それを尊重しましたが、個人的にも競合の方
> がよいと思いますので直しました。
そういう話ではなくて、Debian 文書中で conflicts はいちおう「競合」にしている
ためです。
> ○「この」の訳出
>
> this package を毎回「このパッケージ」と訳した方がよいでしょうか。個人的には
> 若干くどいかなとも感じています。
あいまいなところだけ。
> 英文の構造が、 tar archive, either not compressed, or compressed with
> ... . という形態なので、わたしの訳文
>
> 非圧縮もしくは A、B ... により圧縮されている。
>
> の方が適切ではないかと思います。いただいた訳文だと
>
> 非圧縮、A、B ... により圧縮されているかの何れかの形式を持つ。
>
> ですが、これだと「... により」の助詞「に」が受けている範囲が文法的にはよく
> 分からなくなります。
個人的な意見ですけど、A or (B or C or ... ) より A or B or C or ... のほうが
見やすいという判断でした。ただいずれにせよわかりにくい。
> @@ -337,7 +337,7 @@
> "The value of this field determines the package name, and is used to generate "
> "file names by most installation tools."
> msgstr ""
> -"このフィールドの値によってパッケージ名が決まる。またインストーラの大半がファ"
> +"このフィールドの値によってパッケージ名が決まる。またインストールを行うツールの大半が、このフィールドの値をファ"
> "イル名を生成するために使う。"
>
> installation tools は「インストーラ」ではなく、「インストールを行うツール」
> とした方がよいでしょうか。よければ他の箇所も含めて直しておきます。
これもそうではなく、インストーラは大体複数の手順を含むので、「インストーラの
動作中のほとんどの場面で」、と誤読できそうな文章だったためです。
> #. type: TP
> @@ -355,7 +355,7 @@
> "in B<deb-version>(5)."
> msgstr ""
> "通常、これはプログラムの作者が指定した形式のパッケージ本来のバージョン番号"
> -"であるが、(Debian 独自のパッケージでない場合は) Debian リビジョン番号が付加"
> +"がもちいられたり、(Debian 由来のパッケージでない場合は) Debian リビジョン番号が付加"
> "されることもある。フォーマットとソートアルゴリズムの詳細は、B<deb-version>(5)"
> "に記載されている。"
>
> すみませんが、コメントの趣旨がよく分かりません。英文は
>
> Typically, this is the ... number. It may also include a ... number.
>
> ですので、意味的には Typically ... 側の文が主で、It ... 側は従のように思います。
> 「〜したり、〜したり」のように並列に並べるのはちょっと違うように感じます。
元の文がまずいんだと思いますけど、どっちをよく見るか、という感触で言うと
Typically は両方にかかって並置だと思ったため。考えすぎのような気もするの
で取り下げます。
> @@ -373,7 +373,7 @@
> "the software that was packaged."
> msgstr ""
> "`Joe Bloggs E<lt>jbloggs@xxxxxxxx<gt>' 形式で記載すること。パッケージ化されたソフト"
> -"ウェアの開発者ではなく、パッケージ作成者の情報を記載する。"
> +"ウェアの開発者ではなく、*この* パッケージの作成者の情報を記載する。"
>
> *この* といれるのは好みの範疇かと思いますが、いれるのであれば、ソフト
> ウェアそのものではなくパッケージの作者という趣旨で *このパッケージ*
> としたいですが、どうでしょうか。
了解です。
> #. type: TP
> #: deb-control.5:42
> @@ -419,7 +419,7 @@
> "software that it installs. Some common sections are `utils', `net', `mail', "
> "`text', `x11' etc."
> msgstr ""
> -"パッケージによりインストールされるソフトウェアがどのカテゴリーに属するかを示"
> +"パッケージによりインストールされるソフトウェアがどのセクションの分類に属するかを示"
> "すフィールドである。一般的なセクションは `utils' や `net'、`mail'、`text'、"
> "`x11' などがある。"
>
> 元訳をそのまま使った箇所でしたが、
これはそういう話ではなくて、debian-policy 3.9.2.0 からこの分類がセクショ
ンという用語に変更されたので、その反映です。従って元訳がまずいという話で
はありません。
> @@ -692,9 +692,9 @@
> "pipes binding more tightly. Each package name is optionally followed by a "
> "version number specification in parentheses."
> msgstr ""
> -"B<Depends>, B<Pre-Depends>, B<Recommends>, B<Suggests> フィールドは、互換パッケージグルー"
> -"プのリストを指定する。各互換パッケージグループは、互換性のあるパッケージを"
> -"縦棒(`パイプ')で区切ったリストで表現する。互換パッケージグループ間はコンマ"
> +"B<Depends>, B<Pre-Depends>, B<Recommends>, B<Suggests> フィールドは、代替パッケージグルー"
> +"プのリストを指定する。各代替パッケージグループは、互換性のあるパッケージを"
> +"縦棒(`パイプ')で区切ったリストで表現する。代替パッケージグループ間はコンマ"
> "で区切る。コンマは `AND'、パイプは `OR' でパイプの優先度が高いという解釈も"
> "できる。各パッケージ名の後に、括弧でくくった上でバージョン番号の指定を行う"
> "こともできる。"
>
> 英文的には「互換パッケージグループ」ではなく、「代替パッケージグループ」の
> 方が適切なのは分かりますが、意味としては「互換パッケージグループ」とした方
> が理解できるように感じたので、意図的に直してみました。
>
> 用語として定義済などの理由があれば戻します。
こっちのほうです。
これは 'alternative' 指定のついたパッケージ群、ということで alternative に
対して Debian 文書で「代替」を使うことがほとんどのため、入れ替えています。
> #. type: TP
> #: deb-src-control.5:44
> @@ -1015,8 +1015,8 @@
> "the Debian Policy Manual and referenced texts from the B<debian-policy> "
> "package) this package complies to."
> msgstr ""
> -"パッケージが準拠する標準 (B<debian-policy> パッケージに含まれる Debian Policy"
> -"Manual と関連ドキュメントから構成される) の最新バージョンを示す。"
> +"このパッケージが準拠する標準 (B<debian-policy> パッケージに含まれる Debian Policy"
> +"Manual と関連ドキュメントから構成される) の最も新しいバージョンを示す。"
>
> 「この」は反映しましたが、最新 → 最も新しい は行が増えることもあるので、反
> 映していません。
「このパッケージングを行った時点での最新」という意味なので、単に「最新」と
いうと誤解を招くと思います。最も新しい、もまずいような気はする。
--
Seiji Kaneko