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[debian-users:08814] Pacakge's "copyright" (Re: Re: package documents & source package )



佐野@浜松です。ありがとうございます。

とりあえず、 "copyright" に関する話題 (あえて、「問題」とは
呼びません) と「ソースパッケージ」に関する話題を分離するために
 Subject を変更します。

こちらの Subject では "copyright" の書式について
御意見をお聞きしたいと思います。

香田さん:

> Debian としてどうかは何とも言えませんが順序なんか本質的
> とは思いません。削除したっていいと思いますが,

ありがとうございます。
すくなくとも香田さんは「順序」にこだわるつもりは
無いということですね。

> あくまで /usr/doc/package にある copyright は Debian の
> パッケージ化に際して作られる複製物ですから,その複製に
> かかわったのが誰か明記すべきでは???
> 
> copyright に何か問題を見つけた場合などにあちこちのファイルを
> 探さなくてもメンテナーがわかりますし。

たしかに、ささやまさんも書いて下さったように、 Debian ポリシー
マニュアルにも (必要な場合には) 「どこから入手したのか」
「どの部分を変更したのか」という情報を、上流開発者とメンテナーの
名前と一緒に copyright ファイルに含めること、となっているようです
から、すくなくともこれらの情報を無くしてしまうというのは問題外の
ようですね。

> > > 後でささやまさんが書かれているよう,全てに共通して含まれる
> > > のはオリジナルの Copyright ですよね。
> > 
> > ということは、これが copyright ファイルの中で最も重要な情報で
> > あると考えて良いのですね。
> 
> はい,もちろんそうだと思いますし,それは今の書式でも
> 十分わかると思うのですが。

「十分わかる」人だけを相手にするのであれば、こんなこと
気にするまでも無いのですが、私としては「わかってもらえない」人にも、
なるべく「わかってもらえる」ようにしていくほうが Debian の目的に
とってはプラスになるんじゃないかな、と思っているのです。

 "Ken Nakagaki" さん:

> Debianのように、複数の、それぞれ権利者がことなるSoftwareからなる
> Softwareにとって重要なのは、構成物の明確な識別と権利範囲の明示で
> すが、copyrightファイルはこの要件を十分満たしていると思います。

なるほど。記載されている内容には、それぞれ理由があるということ
ですね。

> 佐野さんが引用された部分からは、個人の価値観に基づく主観以上の
> ものを読みとることはできませんでしたが、「感覚的でない部分」が
> あれば、示して下さい。

 ^^;; 正直言って、私には「順番にこだわる」のは「単なる主観」の
ように思えます。

> 「誤解」か「偏見」かで対応は異なると思いますが。
> 
> 誤った前提知識から誤った結論を導いてしまったというだけの話なら、
> 正しい知識を示してあげるだけで正しい結論にたどりつくことができる
> かもしれませんが、「偏見」というのはその当人にとっては「自明なる
> 真実」なので、他人にはどうしようもないです。

うーむ。すると「主観の相違」であれば (ちょっと言葉の調子が強いので
躊躇してしまいますが) それは「偏見」に分類されるものだから、
どうしようもない、と ?

> 佐野さんは「誤解」である、という判断をなさっているわけですね?
> 「誤解」であるのならば、確かに解いておいたほうが望ましいと思います。
> 
> しかし、引用なさった部分からでは、これを誤解とする根拠がみえませんが、
> 御社内での議論ではもっと別のやりとりがあったのでしょうか。

実は、最初はもっと強い調子の批判を受けていたのですが、それらの批判の
うちいくつかの点は「誤解」であることを認識してもらえたと思っています。

# 例えば「 Debian は GPL しか認めていない」という主張とか。
# これについては DFSG で GPL, BSD, X11, Artistic などを
# 平等に認めていることを認識してもらえたと思っています。

> 私はリリパティアンではないので、ゆでたまごをどっちの端からたべる
> か、などということを、「ゆでたまごの食べかたの本質的問題」とは思
> いません。ということは、リリパットの住人たちの「無用な反感」を買
> わないために、ゆでたまごを食べるときにはいつでも、リリパットでの
> しきたりにしたがわない食べかたは、私のゆでたまごのたべかたからは
> 排除したほうが良いということになってしまいますね。

 ^^) 面白い例えですね。では、私がこの話題をこの ML に出した意図を
上の例えを借りて説明させて頂きます。 _O_

私も「どっちの端から食べるか」ということが、「本質的問題」だとは
あまり思っていません。ただ、私が食べようとしているたまごはとっても
良いものだと思っているし、できればなるべく多くの人にも宣伝して、
みんなに食べてもらいたいと思っているのです。

ここで、このたまごを宣伝するために「たまご料理をおいしそうに
食べる」 CM が流れているのを見ました。この CM は巨人国にも
小人国にも、また馬の国にもラピュタにも流されています。

ところが、「リリパットの住人たち」は、その CM を見て、「たまごの味」
よりも「たまごの食べ方」に気を取られてしまいます。彼らは、
「こんな食べ方をしている連中の宣伝するたまごなんか食べられない!」
というのです。

私が思うに、この CM は「たまごの良さ」をみんなに知ってもらうために
作られたと思うのですが、特定の国でのこととは言え、逆効果になって
しまっているのは「たまご」にとっても嬉しくは無いのでは、と思うのです。

> うーん、これは困った ;-)

もちろん、私も個人的にたまごを食べる分には、気分次第でどっちの端
からでも食べたいと思いますよ。ただ、特定の相手に向けたものではなく
全世界に向けて流されている CM については、なるべく無用な摩擦は
避ける作り方のほうが良いだろうと思っています。

> #後半部分についてはまた別の機会に。

是非よろしくお願いします。 _O_ 
あっちの話には "Source Package" というタイトルを付けるつもりです。

> #うなぎぱいと、きしめんぱいとでは、うなぎぱいをさきにたべます、たぶん。

# 通ですね。 ^^) では「すっぽんサブレ」は最後にしますか ?

堀越さん:

> # 「御本人」との直接のやりとりではないため,靴の底から足の裏を
> # 掻いているようなじれったい感じがします.:-)

この件について、「本人」との議論もまだ継続中なんですが、
けっこう乗っているようです。もうすこし押せば、直接本人が
この ML に登場してくれるかもしれません。

# 後でたきつけてみるつもりです。 ^^)

> 「順序」を問題にするのは,上流開発者やパッケージメンテナの方々の
> 貢献度に違いがあるという前提に立っていると考えます.俳優が映画や
> ドラマのクレジットの名前の順番を気にするのと同じように感じるのは
> 私だけでしょうか.
> 
> 開発に携わった方々それぞれの投入された労力や時間はもちろん違う
> でしょうが,私はあえて貢献度は等価だと考えます.もちろん上流開発者
> からの直接の要望があればそれを尊重すべきだと思いますが,一般化する
> にはあまりにも主観が入りすぎる問題だと思います.
> 
> 個人的な考えとしては,ユーザーサイドに立てば「まずパッケージありき」
> ですから,これに関する情報が先頭に来るのは自然だと思います.
> また別の見方をすれば,大物は最後に登場する事になってますから,
> 尊重するなら最後にする,というのもありだと思います.

私の言葉で彼の主張をまとめると、 "copyright" は
著作権情報を記載するファイル ( Ken さんの言葉を借りると
「構成物の明確な識別と権利範囲の明示」のためのファイル) なので、
「上流開発者の意向によって上流コードのライセンスが決まり、
それによって Debian パッケージとして配布できるかどうかも
左右される」といった場合には、ベースとなる上流コードの
ライセンスが一番最初にくるべきだ、ということだそうです。

その根拠として

> 普通ドキュメントは先頭から読むと思いますし、先頭に書いて
> あることほど、重要度・緊急度が増すという認識でいますので、
...
> ドキュメントの最後にあることほど重要度が増すという
> 考え方は一般的ではないように思いますが、いかがでしょうか。

という「主観」があるようです。

彼は、この (私から見た) 「主観」は「偏見」ではないと信じて
いるようで、その点についても議論したがっているようなのですが、
「私」の立場としては、この「主観」が「偏見」であろうと無かろうと
それはどちらでも良いのです。

「私」が思うに、 Debian の、あるいは SPI の最終的な目標は
「オープンソース・ソフトウェアの普及と発展」にあると考えています。

それを実現するためには、「偏見」だろうと「特定の世界での常識」
であろうと、それが本質的な問題を含んでいない限り、あるいは
それと対立する「偏見」や「別の世界での常識」が存在しない限り、
譲歩して無用な摩擦を回避できるなら、譲ったほうが良いと思うのです。

ささやまさんに教えて頂いた、最新版の Debian ポリシーマニュアルの
 "copyright" ファイルに関する文章が、手元にある bo 版のそれと
微妙に変っているのは、既にそのことに気がついている徴候ではないか
と私としては思っているのです。

また、メンテナーの方々はせっかくみんなのために努力して下さって
いるのに、本質的で無い部分で妙な疑いをかけられる危険性があるなら、
そしてもしそのことを知らずにいるなら、早目に気づいていただいた
ほうがメンテナーの方々にとっても良いだろうと思うのです。

知っていてあえて実行する、というのであれば、それはそれで
メンテナーを引き受けておられる方の意思であるということで
私としてはそれを尊重しようと思いますが、もし知らずにいて
どこかで誤解を受けて非難されるようなことでもあれば、それ
はきっとメンテナーの方にとっても不本意なことだろうと思う
のです。

さらに、それで嫌になってメンテナーをやめてしまわれたりしたら、
利用者にとっても不利益になりますから、私としてはそれも非常に
心配なことだったりもします。

以上、まとめての返信で申し訳ありませんが、この話題を出した
意図の説明をさせて頂きました。 _O_

# さて、本人にも直接参加するように言ってみようかな。

-- 
 <sano@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)