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[debian-users:08898] Re: Pacakge's "copyright"
佐野@浜松です。
先程、荒船さんのメールへのリプライで触れましたが、現在
私が "copyright" ファイルについて感じている疑問、および
それに関連して私が思っている「いちゃもん」について書きます。
これに気づいたきっかけとして、今までに書いた「彼」との議論が
あるのですが、以下の主張は「彼」のものではありません。
あくまでも 1 Debian ユーザーとして「私」が感じたことです。
A)
/usr/doc/PACKAGENAME/copyright は、「 Debian パッケージ」
としての COPYRIGHT NOTICE であり、 "PACKAGENAME" を名称とする
ソフトウェア自体 (多くのパッケージでは、「上流コード」) の
COPYRIGHT NOTICE では無い。
B)
しかし、 debian-doc の FAQ では
5.2 Who wrote all that software?
* For each package the authors of this program are credited in the
file /usr/doc/PACKAGE/copyright, where PACKAGE is to be
substituted with the package's name. (Packages conforming to an
older Debian Packaging Standard have this in the file
/usr/doc/copyright/PACKAGE instead.)
* Maintainers who package this software for the Debian Linux system
are listed in the Debian control file that comes with each
package.
と記載されている。この記述では "the authors of this program are credited"
かつ "Maintainers ... are listed in the Debian control file" とあることから
"/usr/doc/PACKAGENAME/copyright" ファイルにあるのは、 "PACKAGENAME" を
名称とするソフトウェアそのものについての情報であるとの「誤解」を招き易い。
特に、この説明が ( Debian 自体に慣れていない人が参考にする機会の多いと
考えられる) "FAQ" に入っていることによって、「誤解」を招く可能性が高く
なっていると思う。 (蛇足ですが、ここには "credit" と書かれてますね)
C)
一方、 /usr/doc/PACKAGENAME 以下に置かれるファイルのうち、"changelog" に
ついては "debian-policy" マニュアルの 5.8 Changelog files に
If the package has only one changelog which is used both as the Debian
changelog and the upstream one because there is no separate upstream
maintainer then that changelog should usually be installed as
`/usr/doc/<package>/changelog.gz'; if there is a separate upstream
maintainer, but no upstream changelog, then the Debian changelog
should still be called `changelog.Debian.gz'.
と説明があるように、「上流コードの開発者と Debian パッケージのメンテナー
が同一でなければ」 "changelog.Debian" を使うことが推奨されている。
また、 README ファイルについても、そのパッケージが Debian 固有のもので
ない限り、 README.debian, README.Debian などとして、単なる "README" と
いう名称には「しない」例が多い。
現時点での疑問:
bo 版の debian-policy と現行の hamm/slink 版の debian-policy を比較すると
/usr/doc/PACKAGENAME/copyright ファイルの説明が変化しているように見えるが
この変化の背景にある考え方は何か ?
私の意見 (いちゃもん) :
上の A), B), C) を前提とすれば、 /usr/doc/PACKAGENAME/copyright ファイルは
「上流コード」についての情報と「誤解」されることを回避するために
"copyright.debian" または "copyright.Debian" に改称し、また debian-doc/FAQ
ファイルの説明は変更したほうが良いのではないだろうか。
ソースツリーの中で ./debian の下にあれば、 copyright にせよ changelog にせよ
それが Debian パッケージとしての情報であることに疑問の余地は無いと思うが
/usr/doc/PACKAGENAME の下で、 changelog や README は改名し、 copyright は
改名しない、ということによって、どういうメリットがあるのか、見えてこない。
デメリットとしては、 FAQ を読み、かつ changelog.Debian や README.Debian の
存在を前提とした場合に "copyright" が Debian パッケージの情報「ではない」と
誤解されること、およびその誤解に基づく「思い込み」から潜在的なユーザーを
離反させてしまうこと、などが挙げられる。
これらは、 Debian プロジェクトおよび SPI が目標とする
「オープンソースソフトウェアの普及と発展」にとって
良い結果につながるとは思えない。
追記:
以下に書くのは「現在私が Debian について感じている疑問点」
そのものではありません。 Ken Nakagaki さんのメールに関して
感じたことです。
Ken Nakagaki さん:
> 結論を先に書きます。
> 「Copyright noticeは Credit ではない。よって、順序(序列)に
> 関する考察は無用」
> です。
この場合の、 "Copyright notice" と "Credit" の、
それぞれの意味と違いを解説して頂けませんか ?
人によって辞書が異なると思うので。
> 「彼」は、「重要度」とか、「尊重の度合」とかいった指標で
> Copyright noticeに「ソート」を適用しようとしているわけですが、
> それがすでに間違いですね。Copyright noticeの個々の内容に「重要
> 度」という指標による優劣は存在しません。「全てが重要」なんです。
> 「全てを尊重」しなくてはいけないんです。
例えば、 (bo 版ですが) /usr/doc/libc5/copyright の中では
Most parts of the C library are distributed under the following license:
Copyright (c) Free Software Foundation, Inc.
...
Parts of the C library are distributed under the following license:
Copyright (c) The Regents of the University of California.
All rights reserved.
...
Some small parts of the C library are still distributed under the
following license:
Copyright (c) Free Software Foundation, Inc.
...
となっている部分があるのですが、これについても「全てが重要」かつ
「全てを尊重」しなければならないから、例えばここでの順番を逆転
させて、 "some small parts of ..." を最初にもってきても良いし、
"Parts of ..." が最初でも良い、要はここでの順番はまったく任意で
ある、ということでよろしいですか ?
> = ^^;; 正直言って、私には「順番にこだわる」のは「単なる主観」の
> = ように思えます。
>
> ならば、「彼」が行っているのは「彼自身の価値観の提示」であると
> みなします。
すみません。ここ、自分でも意味が取りにくかったと思います。
「『単なる主観』」のように思えます」というのは
「『単なる主観』であると判断しています」というのと、
自分にとっては意味の異なる文なのです。
「『単なる主観』のように思えますが、確実にそうであるとも
言い切れないので、この ML で質問しています」と書くべきでしたね。
> = もうすこし押せば、直接本人が
> = この ML に登場してくれるかもしれません。
...
> これまでの印象では、私は、「彼」をフェアな論者であるとは考えて
> いません。本人の発言をみてから最終的な判断をしますが、黙殺に
> よってのみ応ずることになるかもしれません。
実はちょろっと誘いをかけてみた後で、休みの間後悔していました。
「彼」を直接ここに呼んでみたところで、この ML の参加者にとって
どれだけの意味があるのか、むしろ無意味ではないか、と思うように
なってきたからです。この ML で flame war が展開されるような
ことになれば、それは多くの参加者にとって迷惑なことでしょう。
もしそうなれば、そのような事態を招いたことについて、私自身が
反省しなければならないと考えました。
が、私にとってさいわいなことに、「彼」は当面この ML に参加する
意思が無いことを伝えてくれました。どうも私の言葉で書くとうまく
意思が伝わらないようなので、「参加しない」理由についてはここに
書かないことにします。興味のある方は直接私にメールして下さい。
# たぶん、そんな奇特な方はいないでしょうけれど。
別サブジェクトのほうは、あとで別に書きます。
--
<sano@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)