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[debian-users:16977] Re: PRESS Release--Dice Linux 1.0



佐野@浜松です。反応が遅くなってすみません。

In article <199907232016.FAA02647@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
 "Ken N." <kenn@xxxxxxxxxxx> さん writes:

> o   一方ではDebianへの統合の活動を行ない、また一方ではDebianから
>     の選択抽出を行なうというのは自家憧着ではないのか。

これについては、

「(従来の JP Packages のような) Debian から独立したかたちでの .deb 
パッケージ (つまり Debian の BTS を使えない .deb パッケージ) のリリース」
と
「正規に登録された (Deblan の BTS を利用できる) .deb パッケージからの
選択抽出」
というのは、まったく別次元の問題であり、「自家撞着」あるいは「矛盾」では
ないと私は考えています。

Debian Project の devel ML でも、「選択抽出」されたインストーラの
作成、配布についての議論が行なわれているのを見たことがあります。
「そういうのがあってもいいよね」という意見も出ていたと思います。

# わりと最近だったと思うけれど、具体的にいつ、誰のだったかまでは
# 検索して調べないとわからない。

つまり「選択抽出」が Debian Project 自身の活動として実行される「可能性」は
あると私は思ってますし、そのための draft を提示するという目的で実績を作る
ということにはある程度の意味があるだろうとも思います。

# 私自身、例えば YASDI みたいな活動には興味があります。環境が整えば、
# Dice にも参加してみたいと思うかもしれません。すくなくとも、もっと
# 具体的な内容を知りたいとは思いますよ。一人の Debian user として。

> o   JPの活動との重複が大きいと考えられるが、非効率ではないのか。

これについては、(アナウンスが遅れていてすみません) Debian JP Project 自身が
 5 月の方針変更、6, 7 月の役員改選などを通じて、会則の改訂を含むプロジェクト
体制の再構築を必要としている、ということが明確になってきている、ということ
から、私個人の理解として、従来の「普及のために必要なことなら何でもやる」と
いう姿勢から、「"JP" project としてやるべきことに集中していく」というほうが
少ない資源を有効に活用できるのではないか、という気がしています。

ただし、この話は Dice の件とは独立した、JP Project 自身の問題なので、
 (現在の枠組としては) -private ML でもっと議論して詰めていくべきですね。

> o   コラボレーションコストの削減についてはむしろJPで討議すべきで
>     はないのか。小数精鋭部隊による試行を行なうより前に。

これについては、おっしゃるとおりですね。ただし、私としては、これが
 Dice を JP と別プロジェクトとして発足させた主要な理由だとは思ってない
のです。この「JP Project 内ではコラボレーションのコストが高い」ということは、
むつみさんからのメールに書かれていた内容だと思いますが、どちらかと言うと
以前からの不満が溜まっていて手がすべっただけだろうと (今のところ) 判断して
います。そして、これについては現在会則改訂などの「JP Project 再構築」の作業を
準備中であり、今後改善されるだろうと私は考えています。

私見ですが、 Dice を別プロジェクトとした主要な理由は、プレスリリースに
書かれていたプロジェクトの目的である

「 Debian GNU/Linux の配付/導入方法の新しい手法/アプローチの提案」

(「インストーラ作成のためのツール作り」?) という作業が "JP" 固有の
ものではなく、例えば KR や IT, FR などからもメンバーが参加しやすい
枠組のほうが望ましいから、と解釈しています。

その意味で "JP" project とは道が異なる、と言えるでしょう。
「重複する部分」については、むしろ Dice Project は積極的に JP の成果を
利用する方向に動くものと考えています。なにしろ、「JP project の成果」を
自分の手で生み出している人々にも Dice に参加しているメンバーがいるわけ
ですから。

# 「自分で苦労して作業した成果を自分の手で無駄にする」ということは
# 私はやりたくないですし、現在の Dice メンバーがそうするとも思えません。

> ということを川村さん(だけではないけど)はおっしゃっているのだと私
> は解釈しているのですが。

結局、むつみさんが「ごめんなさい」と書かれてはいましたが、発表のタイミング
としてイベントに合わせることを重視したせいなのか、JP Project 内でまったく
説明していなかったこと、そのために JP project 内に混乱をもたらしたこと、
の 2 点はすくなくとも (香田さんの書かれた意味で) 「Debian の普及」という
大目標 (JP project だけではなく、Debian project としての) にとってマイナス
ですね。芳尾さんではありませんが「24 時間闘える」人々が集まっているにしては
この ML に流された荒木さん、および数回反応されたむつみさん、以外の方から
当初ほとんど反応が無かった (しばらく経って北目さんからもメールが届きましたが)
ということと合わせて (常に連絡が取れるなら、もっと敏速に反応があっても
良かったのではないかな、という気が) 政治的な PR 戦略にちょっと問題があった、
あるいは発表の与える影響についての検討が不足していたのではないかという気はします。

いずれにしろ、これは Dice 自身の問題というよりは、その発表手順に関する問題ですね。

# おそらく、「イベントの発表に間に合わせたい」という一心だったのではないかと
# 推測しています。あるいは、香田さんが書かれていたように「ローカルな最大値」
# しか見えていなかった、ということもあるのかもしれませんが。

> +   Debianの現状(Debian, Debian JP各プロジェクトおよびDebian OS
>     そのもの)について、どのような問題点に焦点を当てようとしてい
>     るか。(Diceの動機づけ)
> +   短期的、長期的目的と手段、具体的な成果物として想定している
>     ものはなにか。(Diceの方向性)
> 
> が是非知りたいですね。場合によっては、「俺も混ぜて」どころか、
> applause.nu のネットワークリソースを供出することを検討してもい
> いです。

これらは、JP Project とは無関係に、一人の Debian User として
 "Dice" プロジェクトが期待できるものかどうかを知りたい、ということ
ですよね。私も、もっと詳しい内容が知りたいと思います。

 Debian の抱えている「問題点」はプレスリリースにもあったように
「dselect を利用したインストールが面倒」ということですね。
これはこの ML でも、あるいは他の場所でも、たびたびユーザーから
指摘されていることですし、今回の Dice の発表に対する反響でも
うかがえるところです。

 Dice が提案する「プロトタイプ」によって、Debian 自身の枠組として
「手軽にインストールできる仕組」ができあがるのなら、それは JP Project と
しても「Debian の普及」に有効な武器として歓迎できるものだと思います。

 Dice のメンバーの中に JP Project のメンバーが多数参加している、という点は
 JP の要望が Dice に伝わりやすい、ということでもありますから、
「きちんと国際化され、ローカライズのための仕組が最初から用意されている」
ようなプロトタイプが提案される可能性も非常に高いと言えるでしょう。

以上、現在の私の個人的な意見でした。なお、 2 日分くらいのメールをまだ
読んでいないので (このメールを送るために接続する時に取り込む予定) 
もし議論の行き違いなどあったらごめんなさい。今日からはまた職場復帰するので、
もっと反応できるようになるかと思います。

# でも、users はやっぱり一日一回しかアクセスできないので、反応は遅いかも。
#  -policy ML とか、この手の話題向けな users とは別な ML が欲しいなあ。

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     #わたしのおうちは浜松市、「夜のお菓子」で有名さ。
    <xlj06203@xxxxxxxxxxx> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)