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[debian-users:28781] Re: gv , gs の font (min) の Error :自己レス



佐野@浜松です。

反応が遅くてすみません。

 (ちょっと手元の環境を移行するためにだいぶてこずっているので
  しばらく ML 等への反応が極端に遅くなります _o_)

In <000701c0f3e4$96764400$a164a8c0@xxxxxxxxxxxxxxxxx>,
  on "Wed, 13 Jun 2001 17:35:34 +0900',
   with "Re: gv , gs  の  font (min)   の Error",
 "Masamichi Ishihara" <m_isihar@xxxxxxxxxxxxxxxxxx> さん wrote:

> ところが開こうとしたファイルは英文のもので大体にしてminなど使っている
> はずもないのです。なぜこのような動作をするのでしょう?

これは potato の gs 5.10 に入れてもらった VFlib パッチの仕様、
というか副作用です。

私もきちんと把握しているわけではありませんが、今まで調べた範囲で
推測すると、通常 gs がフォントをロードするのは必要が生じた時、
つまり PS ファイルを読んで「このフォントが必要だ」と判明した時
ですが、VFlib パッチは gs 用としては本来存在していないフォントを
 TrueType や zeit などの別の形式のフォントから生成してあたかも
存在するかのように見せかけるものなので、起動直後、最初の初期化の
段階で漢字用の辞書を内部で生成してしまうという動作になっている
ようですね。

 gs_init.ps から呼ばれている kanji/kinit.ps がそれを行なっている
コードだと思います。このために、VFlib パッチを有効にすると gs を
動かすだけで日本語フォントが必要になってしまうわけです。

最初に Debian の gs に VFlib パッチを統合してもらった時は、
このへんまで考えていなかったので、日本語を必要としない利用者から
いくつか gs パッケージに Bug report が届きました。(が、そのほとんどが
日本語サポートの追加自身には好意的であり、「そんなもの外してしまえ」
という意見が皆無だったのは内心意外なくらいでした。Debian の国際化
志向が利用者も含めて「本物」であると感じたことを覚えています。)

gs パッケージは Postscript Interpreter として文字を使わない用途にも
利用されるから基本的なフォントを提供する gsfonts でさえ depends では
なく Recommends になっている、日本語サポートのために 5MB の日本語
フォントファイルが必須になってしまうのは非常に困る、と、当時の
 gs/gs-aladdin パッケージのメンテナ (Marco Pistore) からメールで
連絡されたことがあります。

現在のリリース版である potato の gs 5.10 で LANG=ja または -D KANJI 
オプションが指定された場合「のみ」日本語サポート (= VFlib パッチ) が
有効になるという仕様は、そのへんの対策として考え出されたものです。

現在の開発版 sid / unstable でテストされている gs-cjk 版の gs-aladdin は
 VFlib 版の gs とは異なり、必要な時のみフォントをロードする仕様になって
いるはずで、こちらでは LANG や -DKANJI オプションによる動作の区別は必要
無くなるはずです。

現在の sid にある gs は 5.50 で、gs-cjk パッチによる日本語対応は
どうも難しい、あるいは動作が不充分ではないかという話もあったのですが
最近 (6/5 ?) GPL な gs 6.51 がリリースされたので、これをベースに
 gs パッケージを更新できれば main な gs でも gs-cjk による日本語
対応 (だけでなく cjkv な各国語対応) が可能になるはずです。

 defoma 対応とかいろいろ変更点があるので、従来の /etc/gs.Fontmap が
使われなくなって、手でいろいろいじる場合は defoma の自動生成する
 /var/lib/defoma/<package>.d/dirs 以下を変更 (?) すると、とりあえず
反映されるけどパッケージを remove するとその変更が消えてしまうとか
まだわかってないところがありますが、とりあえず方向としては woody の
リリースまでには gs 6.51 + defoma + gs-cjk で日本語対応な gs を実現
するという考えでいます。

 (TODO として PS only な pure free 環境のために gsfonts-wadalab-* を
  作って upload する、ということと、adobe-cmap-* のライセンスについて
  upstream に確認し、debian-legal に相談して main に移動できるものか
  どうか検討する、ということの 2 つがあります。後者のほうがもし実現
  できれば前者は不要かも。)

> とすると gs は日本語環境であることから min にしようとしていると
> いうことですが、ktest は成功しております。
> いったいどのような動作をしていると考えられるのでしょうか?

In <000701c0f46a$b24438a0$a164a8c0@xxxxxxxxxxxxxxxxx>,
  on "Thu, 14 Jun 2001 09:35:32 +0900',
   with "Re: gv , gs  の  font (min)   の Error :自己レス",
 "Masamichi Ishihara" <m_isihar@xxxxxxxxxxxxxxxxxx> さん wrote:

> 原因は全く分からないのですが、英語の文章なのに「minがないよ」といわれて
> 動作しないという事態がなぜか以下の手順で解決しました。
> 
> 1)動作チェックのため、LANG=ja_JP.ujisが設定されていない、rootで実行すると
>  きちんと表示できた。
> 2)自分のIDでLANGを設定しないと表示できた。
> 3)その後、LANGを設定しても表示できるようになった。
> 
> 全く不可解ですが、今のところ動作はしています。

 ktest は成功している → VFlib 自体の設定は OK 

ということらしいので、gs 関連のディレクトリなどのパーミッションとか
関係するのかな ? などと想像したのですが、上記を見るとそうでも無いの
でしょうか。

ちょっと上記の手順で解決した理由はわかりません。

もともとのエラーメッセージは

> vlib: Cannot open the font 'min'.
> Unrecoverable error: unknownerror in kfVFlib

ということだったので、これだけを見ると VFlib の設定に問題が
あるようにも考えられますが、そういうわけでもないということ
ですし。

あとは、/usr/lib/ghostscript/5.10/kanji/kconfig.ps が
標準の状態から変更されてしまっているとか。でも
 VFlib で min と goth が使えるようになっていればいいはず
だと思うのですが。

なお kconfig.ps の設定については

 /usr/share/doc/gs/READMEs-kanji/README.jpdf021.euc.gz
 /usr/share/doc/gs/READMEs-kanji/gs261j.euc.gz
 /usr/share/doc/gs/READMEs-kanji/gs510vflib16.euc.gz
 /usr/share/doc/gs/READMEs-kanji/kfvflib.euc.gz

あたりにちょっと説明があります。

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     # (わたしのおうちは浜松市、「夜のお菓子」で有名さ。)
    <kgh12351@xxxxxxxxxxx> : Taketoshi Sano (佐野 武俊)