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devel/debian-jr/index.wml



devel/debian-jr/index.wml です。

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内田憲宏 (UCHIDA Norihiro)
KY4N-UCD@xxxxxxxxxxxxxxx
#use wml::debian::template title="Debian Jr. プロジェクト"
#use wml::debian::recent_list
#use wml::debian::translation-check translation="1.23"

<H2>こどもための Debian について</H2>

これは、 Debian をすべての年代のこどもたちが使いたくなるような 
OS にするための内部プロジェクトです。
私たちの最初の目標は、8 歳までのこどもたちのためのものを
作りだすことです。それが達成できたら、次の目標は 7 歳から
12 歳までの年齢を対象にします。
こどもたちがティーンエイジャーになったら、特別な編集などしていない
Debian を使いこなせるようになるでしょう。

<H3>ニュース</H3>
<P><:= get_recent_list('News/$(CUR_YEAR)', '6',
'$(ENGLISHDIR)/devel/debian-jr', '', '\d+\w*' ) :>

<P>もっと古いニュースは、
<A href="$(HOME)/devel/debian-jr/News/">Debian Jr. ニュースページ</A>
を参照してください。

<H3>プレスリリース</H3>

<UL>
<li>Debian Jr. についての
<a href="compchannel_article">computerchannel.de の記事</a>
Debian Jr.
<li><a href="http://www.gnu.org/brave-gnu-world/issue-23.en.html";>Brave
GNU World writeup</a>
</UL>

<H3>メーリングリスト</H3>
Debain はこの作業グループのためにメーリングリストを開設しました。
<A href="$(HOME)/MailingLists/subscribe">
メーリングリスト購読ページ</A> 
から購読できますし、
<A href="http://lists.debian.org/debian-jr/";>
メーリングリストアーカイブ</A>
を読むことができます。

<H3>IRC チャネル</H3>
<a href="http://openprojects.nu/services/irc.html";>Open Projects
Net IRC</a> (irc.debian.org) にリアルタイムの議論用チャネル #debian-jr
があります。

<H3>パッケージ一覧</H3>

私たちは収録するパッケージの一覧をまとめ始めています。
<UL>
<LI><b><A HREF="packaged">作成済みの Debian Jr. 用パッケージ</A></b>
<LI><b>Debian Jr. 用にパッケージ化されるべきもの</b><br>
あなたが自分でパッケージにしようとしているものが、
Debian のバグデータベースにある <a href="http://bugs.debian.org/wnpp";>WNPP</a>
(Work-Needing and Prospective Packages: 作業が必要で候補となっているパッケージ)
リストの <a href="$(HOME)/devel/wnpp/">ITP</a> (intent to package) や
<a href="$(HOME)/devel/wnpp/">RFP</a> (request for package) を
チェックしてみてください。
<LI><b>すでに Debian にあって、こども向けに特別な作業を必要とするもの</b><br>
<a href="http://bugs.debian.org";>bugs.debian.org</a> で
パッケージに対するバグとして記録されています。
</UL>

<H3>リソース</H3>
以下はこのプロジェクトに関連する資料へのリンクです。
<UL>
<LI><A HREF="http://www.seul.org/edu/";>SEUL/edu</A>
<LI><A HREF="http://www.smluc.org/SIA/kidsgames/";>Kids Games</A>
<LI><A HREF="http://www.linuxforkids.com/";>LinuxForKids</A>
<LI><A HREF="http://www.gnu.org/education/";>GNU and Education</a>
<LI><A HREF="http://www.ofset.org/";>OFSET</a>
</UL>

<H3>他の言語のリソース</H3>
Debian Jr. サイトは、このページの最後に示してあるさまざまな
言語に翻訳されています。それ以外に、他の言語によるリソースが
あります。
<UL>
<LI><a href="http://www.debian4kids.fr.st/";>Linux Debian pour les
enfants</a> (フランス語)
</UL>

<H3>Debian Jr. の目標</H3>

<H4>こどもたちが望む Debian の作成</H4>

Debian Jr. プロジェクトの第一の目標は、
Debian をこどもたちが<i>使いたくなる</i>ような 
OS にすることです。
そのためには、こどもたちが本当に欲しがっているものに
敏感になる必要があります。
親として、開発者として、兄姉として、またシステム管理者として、
目を開き耳を傾けて、
こどもたちが望むコンピュータを作る術を見いださなければなりません。
この視点なくしては、「ユーザフレンドリであること」や、
「シンプルであること」、「保守の容易さ」、「頑強であること」
などといった抽象的な目標に惑わされてしまうでしょう。
確かにこれらは Debian 全体にとっては重要な目標なのですが、
こどもたちが望む特定のニーズにとっては曖昧すぎる目標なのです。

<H4>他のこども向けフリーソフトウェアプロジェクトとの協働</H4>

私たちのプロジェクトと重なる目標や、関連する目標を掲げる既存のプロジェクト
(例えば <a href="http://www.seul.org/edu/";>SEUL/edu</a> や、
<a href="http://www.smluc.org/SIA/kidsgames/";>Kids Games</a>、
<a href="http://www.linuxforkids.com/";>LinuxForKids</a> など)
も存在します。
これらのグループがすでに行なった作業を繰り返すのではなく、
彼らと協同することによって
Debian が彼らの成果をうまく取り入れることができるように、
さらに私たちの成果をお返しできるようにしなければなりません。
また Debian に固有な目標というものもあり、Debian Jr. は 
それにも焦点を当てなければなりません。
時間と興味があるならば、個々の Debian Jr. メンバーが
他のグループに参加することが推奨されています。

<H4>アプリケーション</H4>

普通は、こどもが使ってみたいと思うアプリケーションについてのニーズや要望は
大人とは異なっているものです。
こどもたちが使ってみたいアプリケーションは、ゲームだったり、
ワードプロセッサだったり、テキストエディタだったり、
「お絵書き」プログラムだったりとさまざまでしょう。
Debian にあるこどもに適したアプリケーションを探すことや、
こどもに適したアプリケーションでまだ Debain 
にパッケージがないものを追加することも目標です。
実現可能な実装目標の一つは、"task-" パッケージを提供して、
システム管理者が「こどもに優しい」アプリケーション群を
容易にインストールできるようにすることでしょう。
また、付加的な目標には、
若干の作業を行えばこどもに適したものとなりうる既存パッケージを取り上げ、
それらが「こどもに優しい」ものとなるよう「洗練」させることもあげられます。
その作業は、ドキュメントの穴を埋めたり、
簡単に利用できるようにメニューシステムにエントリを追加したりといった
簡単なものです。

<H4>こども対策とアカウント管理</H4>

ここで述べる考え方は必ずしも
強力なセキュリティ手段の実装を意味するものではありません。
それは私たちの作業範囲を越えたものだからです。
ここでの目標は、好奇心旺盛なこどもユーザが彼らのアカウントを「破壊」したり、
全システムリソースを食い潰したり、
システム管理者をいちいち煩わすようなことをしたりしないように、
システム管理者にシステムセットアップのためのドキュメントとツールを提供
することにあります。
こどものユーザは、システムを探検し、
そこで何が起きているかを見るためだけにシステムに無理強いをしたりするので、
このことはユーザが大人である場合よりもこどもである場合の方が問題となります。
その結果引き起こされる混乱は、
楽しいものであると同時にいらいらさせられるものでもあるしょう。
この目標は、こどもを対象としたシステム管理者が
心の平穏 (とユーモアを解する心) を保てるようにするためのものです。

<H4>コンピュータの利用に関する学習</H4>

「こども対策」という目標は、
こどもたちが彼らの問題を解決するために
何かを試してみたり (もちろん何かを壊したり)
その解決方法を探したりすることを<i>認めていく</i>
という目標とバランスがとれていなければなりません。
親にしてもこどもにしても、キーボードや、GUI、シェル、コンピュータ言語などの
利用を的確に学習するためにはちょっとした手助けが必要です。

<H4>ユーザインターフェイス</H4>

こどもに適しかつこどもに気に入られる 
GUI およびテキストベースのインターフェイスを探して、
それを実装する必要があります。
この考え方は、ユーザインターフェイスの再発明を意味するものではなく、
こどもに適した便利な設定をあらかじめ提供することによって、
ウィンドウマネージャやメニューシステムなどといった
既存のツールやパッケージの価値を高めることを意味するものです。

<H4>家族による手引き</H4>

こどもたち (や弟妹) のコンピュータ学習を手助けしたり、
そのアクセスを適切に制限したり、
コンピュータを一人で適切に利用できるように指導したりするための
ツールを両親 (場合によっては兄姉) に提供します。
たとえば、大人向けのコンテンツに関していえば、
多くの親はこどもたちがある程度の年齢に達するまで、
彼らを保護するためにインターネットの利用を適切に制限したいと考えるでしょう。
重要なことは、両親がこどもたちにとって適切なものというものを
自分たちの考えで判断していくということです。
Debian Jr. グループはこの判断は行いませんが、
両親がその判断を行う際に手助けとなる
ツールやドキュメントを提供します。
つまり、規制を設けるよりも「手引き」を設けることに
目標の重点をおくべきだと考えています。
なぜなら、「手引」は積極的な態度であるのに対して、「規制」は
消極的な態度であると言えるからです。

<H4>こどものシステム管理者</H4>

私たちの最初の目標は、こどもを対象としたシステム管理者が、
自らのシステム上にこどものアカウントを作成し、
こどもたちが喜ぶアプリケーションをシステムに
導入できるようにすることにありますが、将来的には
こどもが自分たちで自らのシステムを構築するようなときも来るでしょう。
この目標のうちもっとも野心的なものは、
すでに市場に出ている「おもちゃ」コンピュータと同等な
Debian ソフトウェアを実現することでしょう。
つまり、特定の年齢層にうけるソフトウェアがあらかじめロードされたり、
明るく色使いされ、図柄のついたようなシステムです。
しかし、そのシステムが Debian ディストリビューションから分岐することなく、
Debian システム内にとどまるものであることは重要です。
これは、例えば "task-" パッケージを利用するなどで
Debian パッケージ管理システムを通して完全に実現できる目標ですし、
特別な Debian「こども版」を作成するような開発の分岐は必要ないはずです。

<H4>移植</H4>

こどもに適するように作られたアプリケーションや、
こどものために作られたアプリケーションには、
Linux への移植が望まれるような素晴らしいものがたくさんあります。
私たちは、第一にこのプロジェクトの成果を通して Debian がこどもたちが使うに
値するプラットフォームであることを示し、第二に個人あるいは団体として
ソフトウェアベンダや作者に Linux 向けに製品の移植を行なってくれるよう
請願することによって、
それらアプリケーションの移植を進展させて行くことができるでしょう。
同時に、ソフトウェアベンダや作者に
彼らのソフトウェアをオープンソース化してもらうことができれば、
言うことはありません。

<H4>国際化</H4>

おそらく英語は「ユニバーサル」な言語でしょうが、
こどもがみな英語を母国語として話すわけではありません。
そして、国際化は Debian 自身の目標ではありますが、
言語に関する問題はこどもに関する場合特に問題となるものなのです。
自分の言語がサポートされていなければこどもたちは Debian を使いたがらず、
その代わりに自分の言語がよりよくサポートされた他の OS に魅力を感じるでしょう。
ですから、国際化の重要性は忘れてはいけません。

<H4>マーケティングと PR</H4>

一度このプロジェクトに関して何かアピールすれば、
プロジェクトが進展する間にも世界中から関心が寄せられるでしょう。
(すでにプレス関係者から私的な電子メールを受け取っています。)
私たちは press@debian.org と協力して、PR を行ない、
Debian とこのプロジェクトが私たちの望む形で
人々の目に触れられるようにしなければなりません。
私たち開発者の多くがその重要性を見落としがちで、
またそんなことに煩わされるのを嫌っていることは承知しています。
しかし、この目標を最初から心に留めておかなければ、
その役目をこのプロジェクトをよく理解せず、
説明もちゃんとできないような人に任せなければならなくなってしまいます。