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[debian-devel:13319] Re: xearth
くぼたです。
At Wed, 29 Nov 2000 13:37:30 +0900,
Nozomi Ytow <nozomi@xxxxxxxxxxxxxxxxxx> wrote:
> > > いやぁ、ネイティヴの理解だってアテにはならない。
> > という可能性でもって
> > > # いるのだから、勉強したことがないような言語のサポートに
> <snip>
> > > # われわれが逆に他の言語についてやってしまいかねないですから。
> > の主旨に反対ということですか?
>
> 主旨はわかるし、それ自体に反対ではないけれど、
> じゃあ自分の母国語については本当に理解しているんですか、
> といわれると疑問だ (それくらい奥の深い問題だ) ということ。
それはたしかにそうですね。
私が言いたかったことは、言語処理は、その言語を母語とする人が見て
「これはおかしいぞ」と感じるようなものであってはいけない、という
ことです。非 native speaker な人がいくら「これで正しいんだ」と
言ったところで、native speaker (「奥の深い」知識を持たない一般人
も含む、というか、普通はそういう人が大多数だから、ウェイトはむしろ
そっちにある) が「それはおかしい」と感じるなら、それは「おかしい」
とみなすべきです。
一般人に「これはおかしい」と思わせないための「奥の深い」技術、
というのは存在します。ある言語を母語とする ある人より、その
言語を母語としない別の人のほうが、その言語にかんするその技術に
ついて深く知っている、ということは、ありえることだと思います。
私が書いた最初の文は、たしかに、この可能性を否定してしまうもの
でしたね。
# 一般人の感覚はアヤフヤで信頼できないからだめだ、なんて言わない
# で下さい。そこ以外に言語のよりどころは存在しえないんですから。
# 言語に関する学問や規格でさえ、もとをたどればそこに行き着くはず。
> > > グリフと文字を混同してませんか?
> > こういう文脈で、これだけでは意図が読めない気がしますが。
> > (理解してもらう気がない?)
Ytow さんのおっしゃるとおりかもしれません。ただ、どこまでが「グリフ」の
差でどこまでが「文字」の差か、というのは人によって意見が分かれる
ところでしょう。私が言いたかったのは、A というインクのシミで書くべき
ところを A' というインクのシミで書くのは間違っている、と多くの人
(大多数が一般人) が感じるとき、A と A' を統合 (包摂) してしまうのは
不適切だ、ということです。
現に Unicode がそこまでの「統合」をしてしまったから、XFree86 としては
iso10646-1 フォントの日本語版、韓国語版などを作る必要が生じてしまった
わけです。もし、そこまでの「統合」をしていなかったといたら、つまり、
Unicode における漢字の統合が一般人が「おかしい」と思わない程度のものに
限定されていたとすれば (または、漢字統合が全く行われなかったとすれば)、
XFree86 は iso10646-1 フォントの日本語版、韓国語版を別個に用意する
必要がなかったはずです。
私の最初の文は、一般人が「おかしい」と思わない程度の「統合」も
ごっちゃにして、それが XFree86 が iso10646-1 フォントの日本語版と
韓国語版を別個に用意しなければならない原因になっている、と読める
ような書きかたをしてしまいました。
> コンパイルのしかた、とか、C のプログラムのよみかた、とか、
> そういったものと文字をめぐる問題というのをとりわけ区別する
> 必要性があるとも思えないので、まとまった話のなかで説明せよと
> 言われるとプログラミング解説書を書けと言われるのと同じに
> 聞こえますがそれでもヤレとおっしゃいますか。
必要な作業であることは確かです。
Ytow さんならできると思います。
やってくれたらうれしいな、とも思います。Ytow さんの考えに
最終的に同意するかどうかは分かりませんが、Ytow さんがどういう
ことを考えているのか、興味はあります。
Ytow さんとしても、書くべき動機は十分にあるような気がします。
自分の考えを広めることに熱心ですし、実際、あまり知られていない
考えですので、ほっといてもだれかがやってくれるということは
あまりなさそうだし、それに、私の受けた印象では、われわれが
(Ytow さんが考えるところの)「間違った」文字やグリフに対する
考え方に基いてソフトウェア開発を行うことを、Ytow さんは
好ましいこととは思っていらっしゃらないようです。かといって、
Ytow さんひとりで間違ったソフトウェアの改良作業をやるのは
どだい無理な話。とするなら、正しい考えを広めて、世界中の
ソフトウェア開発者が正しい方法で文字やグリフに関する
ソフトウェアを書くように仕向けるのが近道ではないでしょうか。
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久保田智広 Tomohiro KUBOTA <kubota@debian.org>
http://surfchem0.riken.go.jp/~kubota/
リニューアル中: "Introduction to I18N"
http://www.debian.org/doc/manuals/intro-i18n/