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Re: Po4a ドキュメントの訳



小林です。

From: Kobayashi Noritada
Subject: Re: Po4a ドキュメントの訳
Date: Tue, 18 Mar 2008 16:12:01 +0900

> まだきちんと眺めていないのですが、手元の Po4a リポジトリで manpage を
> ビルドしてみました (これから査読しようと思っています)。man を比較した
> ほうが査読しやすい、というかたがいるかもしれませんので、一応添付してみ
> ます。man -l <gzipped_manpage> で読めると思います。

量が多いので少しずつ見ています。

今日は msguntypot(1) と po4a-gettextize(1) を見ました。前者は原文との
対比を含めてかなり真面目に見ましたが、後者は横着して主に日本語をチェッ
クしながら、気になったところだけ対比しています。


msguntypot(1)
=============

manpage のほうの記述をもとにコメントします。

まず、manpage のセクション名ですが、JM の一般的な日本語 manpage と若干
異なるようです。あくまで単なる提案ですが、代表的なセクション名について
は JM に一覧があるので、調整を検討いただけたらと思います。

http://www.linux.or.jp/JM/guidance/translation_note.html

* 「NAME」を「名称」→「名前」
* 「SEE ALSO」を「参照」→「関連項目」

などなど。

>        When you fix a trivial error which surely doesn’t affect translations
>        (e.g.  a typo) in a .pot file, you should unfuzzy the corresponding
>        msgstr in the translated .po files to avoid so extra work to the trans‐
>        lators.

>        .pot ファイルの翻訳に影響を与えない些細なエラー (例: タイプミス) を修正
>        した際、翻訳者に余計な作業をさせないように、翻訳した .po ファイルの対応
>        する msgstr の fuzzy を外すべきです。

* 文脈からすると、in a .pot file は translations ではなく fix にかかっ
  ている気がします。なので、「.pot ファイルの」より「.pot ファイルにお
  いて」のほうがいい気がします。

* typo については、ここだけ「タイプミス」となっており、他の部分では
  typo となっているようです。どちらでもかまわないのですが、統一がとれる
  とよいと思います。

* あまり大したことではありませんが、surely の訳語が落ちているようです。

>        At this point, the typo fix fuzzied all the translations, and this
>        unfortunate change is the only one between the po files of your main
>        directory and the one from the fridge. Here is how to solve this.

>        この時点で、タイプミスを修正することですべての翻訳が fuzzy となりまずが
>        、メインディレクトリの po ファイルと、fridge に置いた po ファイルとの不
>        幸な変更は、一つだけのはずです。これを以下の手順で解決します。

* typo: 「まずが」→「ますが」



po4a-gettextize(1)
==================

>        The po4a (po for anything) project goal is to ease translations (and
>        more interestingly, the maintenance of translations) using gettext
>        tools on areas where they were not expected like documentation.

>        po4a (po for anything) プロジェクトは、ドキュメントのような想定していな
>        い領域で gettext ツールを利用して、簡単に翻訳を行うこと (またより興味深
>        いのは、翻訳の保守を行うこと) を目標にしています。

* ease は「簡単に〜すること」というより「簡単に〜できるようにすること」、
  あるいは「〜しやすくすること」でしょうか (そんなに大きな違いではない
  かもしれませんが)。ついでに、丸括弧の中にも ease の訳語を入れて、「翻
  訳を行いやすくすること (そしてさらに興味深いのは、翻訳の保守を行いや
  すくすること)」とするのは如何でしょうか?

>        The "po4a-gettextize" script is in charge of converting documentation
>        files to po files.  If you start a new translation, "po4a-gettextize"
>        will extract the translatable strings from the documentation file and
>        write a pot file from it.

>        "po4a-gettextize" スクリプトはドキュメントファイルを po ファイルに変換
>        する事を担当します。翻訳を新しく始める際には、"po4a-gettextize" 翻訳可
>        能な文字列をドキュメントファイルから抽出し、pot ファイルを書き出します
>

* typo fix: 「"po4a-gettextize" *は* 翻訳可能な文字列を」

>        If you already have a translated file, "po4a-gettextize" will try to
>        extract the translations it contains and put them in place in the writ‐
>        ten po file. Be warned that very few intelligence is used in this pro‐
>        cess: the Nth string of the translated file is supposed to be the
>        translation of the Nth string in the original. If it’s not the case,
>        you’re dead. That’s why it is very important that both files share
>        exactly the same structure.

>        既に翻訳したファイルがある場合、"po4a-gettextize" はそこに含まれている
>        翻訳の抽出し、po ファイルの書き出しを試みます。この処理をなにも考えずに
>        行ってはいけません。翻訳済ファイルの N 番目の文字列はオリジナルの N 番
>        目の文字列と対応することを想定しています。そうでなければご愁傷様。この
>        ため、両方のファイルが同じ構造を共有することが非常に重要なのです。

* 1 文目の「翻訳の抽出し」が変ですね。「翻訳を抽出し」かと思いましたが、
  それだと「po ファイルの書き出しを試みます」に続かない気がします。「翻
  訳を抽出し、po ファイルに書き出すことを試みます」か、あるいは「翻訳の
  抽出と po ファイルへの書き出しを試みます」のどちらかでしょうか。

>        However, "po4a-gettextize" will diagnose your death by detecting any
>        desynchronisation between files, and reporting where they occur. In
>        that case, you should edit manually the files to solve the reported
>        disparity. Even if no error were reported, you should check carefully
>        that the generated po file is correct (ie, that each msgstr is the
>        translation of the associated msgid, and not the one before or after).

>        しかし、"po4a-gettextize" は、ファイル間の不整合を検出し、何が起きたの
>        か報告することで、あなたの死を診断します。この場合、報告された不一致を
>        解決するため、ファイルを手で編集することになります。エラーを報告しなく
>        ても、生成した po ファイルが正しいかどうか (言い換えると、各 msgstr は
>        msgid に関連しており、前後にずれていないか)、注意深くチェックするべきで
>        す。

* 色々と訳しにくい表現が多いようですね。「あなたの死を診断します」はさ
  すがにそのまま訳すとアレなので、「翻訳の抽出時に起きた問題を診断しま
  す」くらいですかねぇ……。

* 「各 msgstr が msgid に対応しており」とするほうがよい気がします。

>        Even if the script manages to do its job without any apparent problem,
>        it still marks all extracted translations as fuzzy, to make sure that
>        the translator will have a look at them, and detect any remaining prob‐
>        lem.

>        スクリプトが問題なく完了しても、抽出したすべての訳文に fuzzy マークをつ
>        け、翻訳者が眼で確認し、残った問題を確実に検出できるようにします。

* スクリプトが完了する、というのが何となく違和感があるのですが、「スク
  リプトは、問題なく抽出できた場合でも〜」あるいは「スクリプトは、抽出
  に成功した場合でも〜」とするのは如何でしょう?

>        If the master document has non-ascii characters, the new generated po
>        file will be in utf-8, in order to allow non-standard characters in a
>        culture independent way. Else (if the master document is completely in
>        ascii), the generated po will use the encoding of the translated input
>        document.

>        マスタードキュメントが、非 ascii 文字の場合、文化に依存せず非標準文字を
>        許容できるように、生成した po ファイルは utf-8 となります。そうでない場
>        合 (マスタードキュメントが完全に ascii の場合)、生成した po ファイルは
>        、翻訳してある入力ドキュメントのエンコーディングを使用します。

* 通じる気はしますが、一応厳密な表現だと「マスタードキュメントに非
  ascii 文字が含まれている場合」でしょうか?

* 「翻訳してある入力ドキュメント」は「入力された翻訳ドキュメント」のほ
  うがよいかしら。

>        -m, --master
>            File containing the master document to translate. You can use this
>            option multiple times if you want to gettextize multiple documents.

>        -m, --master
>            翻訳するマスタドキュメントのファイルです。複数のドキュメントを get‐
>            text 化する場合は、このオプションを複数回使用してください。

* 上では「マスター」となっていました。全体を見渡せていないのでどちらを
  メインに使っているか分かりませんが、「マスタ」と「マスター」の統一が
  とれるとよいと思います。

>        -p, --po
>            File where the message catalog should be written. If not given, the
>            message catalog will be written to the standard output.

>        -p, --po
>            メッセージカタログが書かれているはずのファイルです。与えられない場
>            合、メッセージカタログを標準出力に書き出します。

* po は出力ですので、「書かれているはずの」は「書き出される」ですね。

>        --help-format
>            List the documentation format understood by po4a.

>        --help-format
>            po4a が理解できるドキュメントフォーマットの一覧です。

* オプションなので、「〜の一覧を表示します」のほうがいいですかね。

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|:  Noritada KOBAYASHI
|:  Dept. of General Systems Studies,
|:  Graduate School of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo
|:  E-mail: nori1@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx (preferable)
|:          nori@xxxxxxxxxxxxxxxxxxx
|:  Key fingerprint = AB26 9533 81DA 997B 3C06  4380 19BB ADA0 695C 9F53