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[debian-users:55424] Re: 質問: 「Debianフリーソフトウェアガイドライン」と「フリーソフトウェアの定義」
武藤@Debianぷろじぇくとです。
At Sat, 25 Jun 2011 07:48:35 +0900,
Hiroki Horiuchi wrote:
> 「Debianフリーソフトウェアガイドライン」は、なぜ必要だったのでしょうか。
> 「フリーソフトウェアの定義」だけだと、まずい点があったのでしょうか?
興味深い質問ですね。
堀内さんはすでにいろいろ調べられているようであまり新味がないかもしれ
ませんが、
信条があってコンポーネントを作った というGNU Project(フリーソフトウェアの定義)
OSがあって信条を後から付けた というDebian(フリーソフトウェアガイドライン)
の違いかと思います。
Ian MurdockがDebianを設立したときに「フリーソフトウェア」という言葉は
使いましたが、その時点ではまだ信条色はそれほど強くなく、Debian Manifesto
では「無料」と若干混ぜこぜになったような文言もありますね。
http://www.debian.org/doc/manuals/project-history/ap-manifesto.en.html#sA.1
で、DebianがOSとしてだんだんと大きくなるにつれて、GNU(というかRMS)とは
いろいろと思想を巡って見解の相違が出てきた上に、このパッケージは入れる?
入れない?という話が多くなり、そもそもフリーソフトウェアって何かという
原点に立ち返ってきました。GNUの解釈だとたとえばDebianの基盤になっている
Perlが入らない、とかいろいろOSディストリビュータにとっては都合も悪いですし。
DFSGについて公開された素案は、97年にBruce Perensが出したのが最初のはずです。
http://lists.debian.org/debian-devel/1997/04/msg00720.html
彼はこの手の文書化などに精力的な人でいろいろな文書を作っていますが、
このDFSGは開発者よりも、一般的なユーザやディストリビュータにとっての
フリーソフトウェアの特性を重視しているように思います(CD-ROM配布者のこと
についての言及が議論でもよく出てきています)。
ここからいろいろと議論してブラッシュアップした末に今のDFSGになっています。
まあBruceはまだ元気なはずだし、彼に聞くと小二時間くらいは背景について
熱く語ってくれそうではあります。
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武藤 健志@ kmuto @ kmuto.jp
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